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Transcription
- 主人公:
- 約束よりも早い時間。
- 主人公:
- わざと早く来てみたはずなのに、ハベトロットは先に到着して俺を待っていた。
- 主人公:
- いつもと同じ軍服姿だが、どことなく感じが違う。新しいのを下ろしたのか?
- 主人公:
- ハベトロットは噴水の水面に反射する自分を見て、
髪型と服装をチェックしていた。 - お待たせ。
- C-79Gハベトロット:
きゃっ!?司令官閣下!
- 主人公:
- 驚いてバランスを崩したハベトロットを支えた。
- おっと危ない。
- C-79Gハベトロット:
あ、ありがとうございます。あっ!いえ、勝―
- 今日は敬礼は禁止。
- C-79Gハベトロット:
え!?
- デート中に敬礼はおかしいだろ。
- C-79Gハベトロット:
デ、デート……!?少尉の私がかかか、神のような存在である
司令官閣下とデート……!? - デートじゃないのか……?
- 主人公:
- 俺が残念な表情を浮かべると、ハベトロットがきゅっと目をつぶった。
- C-79Gハベトロット:
ふぁっ…!な!何でもありません!しょ……><
- C-79Gハベトロット:
け、敬礼はしません!あの…その……司令官閣下……
- 主人公:
- どうしたらいいのか分からずあたふたするハベトロットの手を握ると、
震えているのが伝わってきた。かなり緊張しているようだ。 - デートだよな?
- C-79Gハベトロット:
えっと……
- C-79Gハベトロット:
はい……そうです……デートです。
- 行きたい所とか食べたいものある?
- C-79Gハベトロット:
わ、私はそもそも軍人として設計されているので……
こういう時はどうすればいいのか…… - じゃあ俺の行きたい場所に行ってもいい?
- C-79Gハベトロット:
閣下が行きたい所ですか……?
- きっと気に入ると思う。行こう。
- 主人公:
- それからハベトロットと一緒に箱舟のあちこちを歩いて回った。
- 主人公:
- ハベトロットは最初緊張でガチガチだったが……
- 主人公:
- アトラクションやスイーツ、色々なものを見て回っている間に
緊張もほぐれたようで、デートを楽しんでいた。 - 主人公:
- そして……飲食店や出店も営業を終え、生態保存区域の広場の灯りが
街灯だけとなる静かな時間が訪れた。 - 主人公:
- まだデート中の俺たちは最後に庭園を散歩していた。
- C-79Gハベトロット:
本当に凄かったですね!閣下!チャクラムからあんな大きな虎が
飛び出してくるなんて!ビックリしました! - C-79Gハベトロット:
それにパフェも本当に美味しかったです!ノーム兵長は料理もお上手なんですね。
- 今日は楽しかったか?
- C-79Gハベトロット:
はい、本当に楽し―
- 主人公:
- 言いかけて、ハベトロットの表情は強張った。
- どうした?
- C-79Gハベトロット:
……私のためにデートしてくれたのですね。
- C-79Gハベトロット:
私が喜ばせないといけないのに、司令官閣下が私を……
- そんなことない。
- C-79Gハベトロット:
え?
- 俺も今日一日本当に楽しかったから。
- 主人公:
- 今日のデートでハベトロットは色んな顔を見せてくれた。
- 主人公:
- 楽しくて笑ったり、驚いて顔が真っ青になったり。
- 主人公:
- 心からデートを楽しんでくれて、一緒にいる俺まで楽しくなった。
- オルカの生活はどう?
- C-79Gハベトロット:
まだ私が未熟者で、お役に立てるまでには……
- 表面的なことじゃなくて。
- C-79Gハベトロット:
……
- 気持ちの方を教えてほしい。
- C-79Gハベトロット:
そうですよね。司令官閣下に隠し事はいけませんよね。
- C-79Gハベトロット:
正直にありのままに言わせてもらいます。
- C-79Gハベトロット:
私の専門は行政業務と情報通信です。戦闘とは関係のない兵科です。
- C-79Gハベトロット:
なのにオルカ号では私の能力は中途半端なレベルで……そして戦闘は苦手で……
気持ちが焦ってました。 - C-79Gハベトロット:
早く一人前に仕事ができるようにならなければと。
誰かに迷惑をかけないようにしなきゃと。 - C-79Gハベトロット:
どうして私はこれっぽっちのことしか出来ないんだろうって……
自信がなくなっていたんです。 - ハベトロットは早く適応できてる方だよ。
- C-79Gハベトロット:
え?本当ですか?
- 最初の頃の俺はもっと酷かった。
- C-79Gハベトロット:
…えぇ!?
- 主人公:
- 3年間の“成果”しか知らないハベトロットに俺の話を聞かせてやった。
- 主人公:
- いきなり指揮官たちを呼びつけた話に始まり、
- 主人公:
- クリスマスにサンタになろうとして倒れた話……
戦闘員の特性を考慮せずに作戦を指揮した話。 本当に色々…… - 主人公:
- 最初は信じようとしなかったハベトロットもいつの間にか聞き入って、
最後の方では半信半疑なくらいまでには信じるようになった。 - C-79Gハベトロット:
司令官閣下も……私のような時期があったんですか?
- 嘘吐いてると思う?
- C-79Gハベトロット:
いいえ!疑っているわけではありません!ただ想像できなくて……
- C-79Gハベトロット:
完璧だとばかり思っていた司令官閣下にもそんな時代があっただなんて……
- 誰でも最初は未熟な時があるんだよ。
- C-79Gハベトロット:
誰でもというと……
- マリーとレッドフードも同じだったよ。
- 主人公:
- スチールラインじゃなくても新しく合流した者はみんな、最初の数カ月間は
似たようなもんだった。 - 主人公:
- だって初めてのことなんだから当然だ。
- 主人公:
- そう、それが普通。でも時間が経てば解決する。
慣れるまで仲間が助けてくれるし、ハベトロットの隣には スチールラインの隊員たちがいる。 - だから大丈夫。
- C-79Gハベトロット:
閣下……
- C-79Gハベトロット:
閣下のご期待に応えられるよう、これからもさらに努力―
- これからは無理は禁止な。
- C-79Gハベトロット:
うっ!
- やる気なのはいいけど体は大事にしないと。
- C-79Gハベトロット:
あの、司令官閣下。では……
- え?
- C-79Gハベトロット:
0時まで追加勤務するのは大丈夫ですか?
- C-79Gハベトロット:
この前は仕方なく夜明けまでしちゃっただけですし、
いつもは0時くらいまでなら平気ですから…… - C-79Gハベトロット:
…だめ……ですか?
- ……
- 主人公:
- 俺の顔色を不安げに窺うハベトロットの頭をそっと撫でてあげた。
- 無理はしないと約束してくれるならいいよ。
- C-79Gハベトロット:
あ……
- C-79Gハベトロット:
はい!約束します。
- よし、約束したからな?
- C-79Gハベトロット:
それと…やっと分かったような気がします。
- C-79Gハベトロット:
どうして皆さんが司令官閣下の話をばかりしているのか……えへへ。
- C-79Gハベトロット:
それと閣下……?
- 主人公:
- 指をもじもじさせながら俺を見上げるハベトロットの顔が急に赤くなった。
- C-79Gハベトロット:
まだデートは終わっていません……ので……えっと、もしよければ……
私が司令官閣下に、その…えっと…… - どうした?
- C-79Gハベトロット:
あ…う…
- C-79Gハベトロット:
…やっぱり無理です!
- C-79Gハベトロット:
今日一日本当に楽しかったです!ありがとうございましたぁ!><
- 主人公:
- 破裂寸前かと思うほど顔を真っ赤にしたハベトロットは挨拶をすると、
逃げるように宿所の方へと走っていった。 - 主人公:
- 何か言おうとしてたけど……何だったんだろう……?
- でもまあ…
- 主人公:
- 少しでも楽になってくれたらいいな……
- 主人公:
- 次のデートの時はどんな話をしてあげようかと考えながら俺も部屋へと戻った。