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Transcription
- 主人公:
- オレンジエードとデートの日。
- 遅すぎる……
- 主人公:
- 20分早く約束の場所に到着したのだが、オレンジエードは
約束の時間になっても姿を現さなかった。 - 主人公:
- そして、それから30分が過ぎても……
- 主人公:
- オレンジエードはお喋りだが、有能で誠実な子だ。
- 何かあったんじゃ？
- 主人公:
- オレンジエードの部屋に行ってみようと思ったその時。
- オレンジエード:
し！司令官様ぁ！
- 主人公:
- オレンジエードが息を切らしながら駆け寄って来た。
- 主人公:
- オレンジエードは普段のスーツスタイルではなく、
頭のてっぺんからつま先まですっかりめかしこんでいた。 - 主人公:
- その姿をよく見る暇もなく、俺の前まで全速力でやって来たオレンジエードは
前屈みになって、呼吸を整えていた。 - オレンジエード:
はぁ！はぁぁ！お、お待たせ、ぜぇ！はぁ！しちゃい、ました。
司令、官、はぁ！様…… - いや、俺も遅れて今来たから。ほら、ちゃんと呼吸して。
- 主人公:
- オレンジエードは無言で頷くと、しばらく呼吸を整える。
- オレンジエード:
司令官様も今来たんですか？ふぅ……よかった。あれこれ準備していたら
いつの間にかこんな時間になってしまって…。すみません。 - みたいだな。いつも可愛いけど今日は特に可愛い。
- オレンジエード:
ぁ…あはははは！はは～！今日はあついですね～！
- 主人公:
- オレンジエードの顔はいつまで経っても赤いままだった。
- オレンジエード:
司令官様ったらも～。プレイボーイなんですからぁ……
一体これから何人の女の子を泣かせるんだか…… - あんまり冗談に聞こえないからやめてくれる！？
- 主人公:
- どうしようもないことだけど、必要なことだから、
俺もそれなりに気を遣ってるんだぞ！ - オレンジエード:
えへへ、冗談ですよ。
- オレンジエード:
司令官様は普段から私たちのために色々と考えてくださっているし、
苦労もされていますよね？ - オレンジエード:
だから、今日は司令官様はリラックスして楽しんでください！
- 主人公:
- オレンジエードは自信たっぷりに自分の胸を叩いた。
- オレンジエード:
今日のデートはこのオレンジエードに任せてください。
- オレンジエード:
このオレンジエードはなんと！1万冊のラブコメ漫画を読破した
恋愛のエリートにして超の付く専門家なんですよ！ - オレンジエード:
ビューティフルでラブリーでパーフェクトに！今日のデートを
最高のデートにしてみせましょう！ - おお～。理論は完璧そうだけど実践の方はどうかな？
- オレンジエード:
え？実践ですか？
- オレンジエード:
きょ…今日が初めてですけど？
- オレンジエード:
あ、いえ……
- 主人公:
- オレンジエードは俺にピースサインを向けた。
- オレンジエード:
この前のおうちデートを合わせれば、今回で2回目です！
- 主人公:
- おそらくこの前俺の部屋で一緒に漫画を読んだことを言っているのだろう。
おうちデート！そういうのもあるのか。 - オレンジエード:
理論、実践……その二つを兼ね揃えた私はもはや無敵です！
- 主人公:
- そう言ってオレンジエードはそっと俺の手を握った。
- オレンジエード:
えへへ！ホントは今日仕事だったのに、こうやって一緒に居られて嬉しいです。
今日のデートは公休扱いですよね？ - オレンジエード:
公休ではなくて業務の一環と言ってもよさそうですけど……。
これも外回りと言えば外回りですしね？えへへ！ - オレンジエード:
あ～あ！外回りがいつも司令官様とのデートだったらいいのに。
そしたら、もっともっと仕事に身が入るんだけどなぁ～！ あっ、いつも気を抜いてるって意味じゃありませんよ！？ - 主人公:
- 喜ばせようとしているのか、いつも以上に俺を持ち上げようとする
オレンジエード。とても分かりやすいが、嫌な気分にはならなかった。 - 主人公:
- 彼女が誠実で、能力があるということは俺もよく分かっているから……。
喜ばせようとしているのも、持ち上げているのも全て本心なのだろう。 - 主人公:
- そして、彼女のその純粋な性格が誰かを惹き付ける魅力となって、
自身の仕事に役立っているのだ。 - 主人公:
- オレンジエードは純粋な笑みで俺の手を引っ張った。
- オレンジエード:
私が準備したデートコース、楽しみじゃないですか？楽しみなはずです！
今日は司令官様史上とびっきり最高の日になるはずです！