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Transcription
- 主人公:
- オレンジエードと映画館にやって来た。
- 主人公:
- 厳密には視聴覚室だが……
- オレンジエード:
今日の映画は私が本当に本当に本当に!大好きな漫画が原作の映画です!
- オレンジエード:
私がこの映画が作られていたと知った時の私の喜びよう!
想像ができますか!?いや!いやいや!想像できないでしょうね! - オレンジエード:
すっごく観たかったんですが、データが消失してしまっていてですね。
半分諦めていたんです……。ですが!ダメもとで箱舟で検索してみたら…… うっそ~ん!!ほんとにあった!?マジで~?って感じで喜びましたから! - 本当に跳び上がってたんだろうな。
- オレンジエード:
そうです!跳び上がりつつ頭をブンブン振りましたから!
データ整理と分析作業中にこっそりやってたことも忘れて大喜びして、 アルファ様にめちゃくちゃ怒られましたけどね!てへへ☆ - オレンジエード:
でも、なんだかんだで今まで観れてなかったんです。
- オレンジエード:
こうして司令官様と一緒に観られるだなんて…これ以上ないくらい嬉しいです。
- オレンジエード:
司令官様はこの映画の原作、読んだことありますか?
- 読んだことないと思う。
- オレンジエード:
今度貸してあげますね!司令官様もきっと気に入ると思います!
- オレンジエード:
えへへ、喋りすぎちゃいましたね!危うくネタバレしちゃうところでした。
- オレンジエード:
では、司令官様。一緒に世紀の名作を鑑賞しましょう!
- オレンジエード:
ぬぁぁぁんですかァ!?この駄作はぁぁぁぁ!!
- 主人公:
- 映画のエンドロールの最中にオレンジエードが叫び声をあげた。
- オレンジエード:
原作のプロットを勝手に変えるわ!俳優陣は原作とかけ離れてるわ!
伏線は好きなだけ敷いといてほったらかし!無駄なシーンとセリフばっかり! - オレンジエード:
それなのに、音楽だけはすごくいいところがまた腹が立つ!
- オレンジエード:
私が本当に本当に本当に大好きな漫画を原作にした映画なのに!
ここまでめちゃくちゃにするなんてぇぇぇ!!きいいい! - オレンジエード:
脚本家……監督……スポンサーに俳優とスタッフとあと誰だ……?
とりあえず作曲家はいいとして……。あとで調べてクレームつけてやる! 滅亡したからって関係ありませんよ!作品は永遠に残るんですから! - 主人公:
- オレンジエードはしばらく怒り狂って映画の感想を延々と述べ続けた……
- 主人公:
- 期待していた作品が想像以上に駄作だったならこうなるのも仕方ないだろう。
- 主人公:
- もともとお喋りなオレンジエードは、興奮しているせいで
いつもの数倍はお喋りになっていた。 - 主人公:
- オレンジエードのマシンガントークは止まる気配がなかったが、
- 主人公:
- 俺はオレンジエードを静かにさせる方法を知っていた。
- オレンジエード。
- オレンジエード:
いや!私ははらわた煮えくり返るトマトエードだ!
あの駄作に腐ったトマトをぶつけてやる!! - 主人公:
- 俺はオレンジエードの頭を撫でてあげた。
- 主人公:
- オレンジエードの頭はそれはもう熱気を帯びていた。
- オレンジエード:
…………
- 主人公:
- 俺が頭を撫でるとオレンジエードは首根っこを掴まれた子猫のように
一瞬で大人しくなった。 - 主人公:
- このままだと本当に猫のようにゴロゴロ言ってくっついてくるかもしれない……。
- オレンジエード:
ふぇぇ……、今日は司令官様には可愛いところだけを見せたかったのに…。
- …………
- 主人公:
- オレンジエードのその仕草に、俺は思わず彼女を抱き寄せた。
- オレンジエード:
きゃっ?
- 主人公:
- オレンジエードは小さく声を上げて体を硬直させたが、
すぐに俺に腕を回して抱きついた。 - オレンジエード:
えへへ……どうしたんですか?司令官様。まだデートは終わりじゃありませんよ?
- 主人公:
- オレンジエードはそっと俺の胸から離れた。
- 主人公:
- オレンジエードは何回か深呼吸をすると、普段の調子に戻った。
- オレンジエード:
夜はまだですよ、司令官様。
- オレンジエード:
恋愛戦士オレンジエード!残りのデートプランは確実に成功させてみせます!
- オレンジエード:
見てください、この行列!
- 主人公:
- 俺たちは長い行列に並んでいた。
- オレンジエード:
最近一番人気のワッフル屋さんです!
- オレンジエード:
外はカリッ!中はしっとり!そしてサンドされたじゃりじゃり触感のカラメル!
その上には生クリーム、フルーツ、チョコレートがたっぷり乗った味のパラダイス! - オレンジエード:
最近、ソーシャルオルカで写真をアップするだけで大量の星が
もらえる話題のデザートなんです! - 主人公:
- ソーシャルオルカといえば最近サービスを開始したSNSだ。
- SNSしてるんだ?
- オレンジエード:
いいえ。
- 口振りからしてやってると思ったけど……
- オレンジエード:
あ……私もやってみたいとは思うんですが……
- オレンジエード:
私が担当する仕事は機密と関連したものが多いじゃないですか。
- オレンジエード:
間違えて機密情報までアップしてしまったら、取り返しのつかないことに
なってしまいます。 - オレンジエード:
だから……グッと我慢して見るだけにしてるんです。
- 偉いな。
- オレンジエード:
えへへ……。実はアルファ様からも絶対に気を付けるようにと
忠告を受けてまして…… - オレンジエード:
あ、司令官様はしないんですか?
- うーん。似たようなものはしてるけど。
- 主人公:
- スチオン情報掲示板……シークレットネットワーク……
- 主人公:
- おかしなことに、いつもその日の俺についての話が書き込まれている……
これをSNSをやっていると言えるのかは俺もわからないが…… - はは……、ちゃんとやってるわけじゃないな
- オレンジエード:
それじゃあ一回やってみませんか?司令官様の自撮りとか、個人的な意見とか、
ポエムとかを投稿すれば隊員たちの士気も向上するかもしれませんよ! - そうかな?じゃあ…やってみようかな?
- オレンジエード:
思い立ったが吉日です!私がお手伝いします!
- 主人公:
- 俺はワッフル屋の行列に並びながら、オレンジエードに手伝ってもらって
ソーシャルオルカのアカウントを作成した。 - オレンジエード:
これでアカウントの作成と設定は終わりました!
- 最初の投稿は何にしよう…
- オレンジエード:
歴史に残る最初の投稿ですから!慎重に考えてください!
- ふふ、大げさだなぁ。
- オレンジエード:
何言ってるんですか司令官様!司令官様はオルカの指導者であり、
最後で最初の人間様なんですよ! - オレンジエード:
これは一人の人間にとっては小さな一歩かもしれませんが、
人類にとっては偉大なる一歩どころか飛躍なんです!! - オレンジエード:
将来、博物館ができた時に「これが最初の人間の初めてのSNS投稿。」って
展示されるに違いないんですから!! - 急にすごいプレッシャーに感じてきた!?
- 主人公:
- 俺の最初の投稿を何にするか話し合っている間に、行列は少しずつ進んでいく。
- 主人公:
- そしてやっと俺たちの番になり……
- オレンジエード:
…え!?
- 主人公:
- なんと、俺たちの番になった瞬間、品切れの看板が掲げられた。
- オレンジエード:
そ!そんなぁ!!だめですぅ!!
- 主人公:
- オレンジエードはまた我を忘れてマシンガントークを開始した。
- オレンジエード:
どうして?なんで!?よりによって私たちの番で!?何かの間違いでしょ!?
嘘ですよね!?ししし司令官様が並んでたんですよ!?無慈悲すぎません!? これってもしかしてPECSの仕業?じゃなかったらこんなこと有り得ないんだけど! - 主人公:
- オレンジエードはしばらく叫びそうな勢いだったので……
- オレンジエード…
- 主人公:
- 俺はオレンジエードの頭を撫でてあげた。
- オレンジエード:
ふぇ。
- 主人公:
- オレンジエードは一瞬で静かになった。
- オレンジエード:
司令官様に絶対に食べさせてあげたかったのに……
- 主人公:
- 俺はさっきより長めに頭を撫でてあげた。
- そういえば……
- 主人公:
- そういえばデザートなら誰よりも美味しく作れる子が近くにいるじゃん。
- アウローラ:
お待たせしました~ご注文のワッフルで~す。ご主人様。
- 主人公:
- 俺達はカフェホライゾンにやってきていた。
- 主人公:
- ワッフルをテーブルに置きながら、アウローラは羨ましそうに
俺とオレンジエードを見つめた。 - アウローラ:
いいなぁ~オレンジエード。私も司令官とデートしたかったのに~。
- オレンジエード:
えへへ。
- アウローラ:
それで?司令官とのデートはどう?
- オレンジエード:
ふふ~ん!この気持ちは一言では言い表せません!
- アウローラ:
いいなぁ……今度詳しく教えてよね~?
- オレンジエード:
えへへ。分かりました。
- アウローラ:
約束したからね?楽しみにしてるから、じゃあねオレンジエード。
- アウローラ:
では、ごゆっくり、ご主人様!
- 主人公:
- アウローラは元気よくそう言うと、キッチンに戻っていった。
- 主人公:
- その後ろ姿を見ていると、正面から視線を感じた。
- オレンジエード:
うー…司令官様。
- オレンジエード:
デートの時は他の子に目移りしちゃダメなんですよ……。
- 主人公:
- オレンジエードは口を尖らせていた。
- あっ、ごめん。
- 主人公:
- ここは変に言い訳するより、素直に謝った方がいいだろう。
- 主人公:
- オレンジエードは小さくため息をついて、そして微笑を浮かべた。
- オレンジエード:
仕方ないのもわかってます。司令官様は唯一の男性で……
最後であり、最初の人間様ですから…… - オレンジエード:
でも、今日は…今日だけは……私だけを…見てください。
- 主人公:
- 嫉妬する女の子ってこんなに可愛いものだったっけ……
- そうだね。ごめん。今日の俺はオレンジエードのものだよ。
- オレンジエード:
えへへ……、私はいつでも司令官様だけのオレンジエードですよ。
- 主人公:
- まさに漫画に出てくるバカップルのような会話を交わした後、
俺たちはアウローラが作ってくれたワッフルに視線を向けた。 - オレンジエード:
さすがはトップパティシエールです!アウローラ!
- オレンジエード:
こんがりとキツネ色に焼けたワッフルにアイスクリーム、チョコソース、
フルーツや生クリームをはじめとした様々なトッピングを 絶妙なバランスで飾って、食欲と美的感覚を同時に刺激しています! - オレンジエード:
ワッフルがただのスイーツを超え、芸術作品になり得るということを証明する、
まさに!パラダイムを揺るがす渾身の力作! - 見た目もキレイで美味しそう~。
- 主人公:
- オレンジエードに比べて俺の感想はあまりにも表現がなんというか……
貧弱だ……。 - 主人公:
- 俺みたいな表現力のない奴は、写真を撮って人に見せるしか、
この良さを伝えることができない…… - お?
- オレンジエード:
はい?どうしました?
- これをSNSの最初の投稿にしよう!
- 主人公:
- これなら将来博物館に展示されたとしても多分大丈夫!
- 主人公:
- 厳しい時代でも俺たちが希望を抱いて、楽しく生きていたことの
証明になるはず。 - オレンジエード:
それは良いですね!今すぐ写真を撮りましょう!
- 主人公:
- 俺達はあーでもないこーでもないと言いながら、
ワッフルがオシャレで美味しそうに見える写真を撮って、 写真をSNSに投稿した。 - 主人公:
- 写真には「希望、幸せ」とコメントを載せた。
- 主人公:
- 投稿が終わったあとは食べる時間だ。
- 主人公:
- いや、正確には食べさせてもらう時間か……。
- オレンジエード:
司令官様、あ~ん。
- オレンジエード:
ふふふふ!美味しいです?私が食べさせてあげてるんだから
美味しいに決まってますよね? - オレンジエード:
えへへっ!あ~、司令官様 恥ずかしがってる!も~可愛いんだから。
- オレンジエード:
食べさせ合いっこはデートの定番ですよ?
- 主人公:
- だんだんと調子に乗って来たオレンジエードに仕返しをする。
- はい、オレンジエード。
- オレンジエード:
え?司令官様も食べさせてくれるんですか?
- オレンジエード:
じゃ、じゃあ……
- オレンジエード:
あ……あ…あ~ん……。
- 主人公:
- オレンジエードは顔を真っ赤にしながら、俺が差し出したワッフルを食べた。
- オレンジエード:
お、思ってたよりも……結構恥ずかしいですね。これ……
- オレンジエード:
……でも、すごく美味しいです……。
- 主人公:
- 今度はマンガ喫茶にやってきた。
- 主人公:
- 俺はさっき観た映画の原作漫画を読んでみた。
- 主人公:
- なるほどね……。
- オレンジエード!
- オレンジエード:
はい!
- 主人公:
- オレンジエードが言っていた映画に対する文句は、極めて理性的で、
作品への愛に満ち溢れていたが故の発言だったことが分かった! - あの映画……記録抹消の刑に処する。
- オレンジエード:
異議なし!!!
- 主人公:
- 俺たちはマンガ喫茶を後にして、人類の黒歴史を消しに行った!
- レモネードアルファ:
いくら何でも、そんな私的な理由で滅亡前の記録を消すのは
どうかと思います、旦那様。 - 主人公:
- アルファに見つかり、たっぷりと説教された……
- 主人公:
- 服屋にやってきた。
- 主人公:
- 当然のことだけど……
- 女性服しかないな。
- 主人公:
- 俺1人のために男性服を売る服屋がオープンするわけないしな……。
- 主人公:
- それに俺の服は全部オードリーが作ってくれている。
- オレンジエード:
えへへ、実は私、今日のデートのためにツナ缶をほとんど使ってしまいまして……
- 主人公:
- オレンジエードは残念そうに服を見ていたが、急に何か思いついたのか
悪い笑顔で俺の方を見た。 - オレンジエード:
司令官様。
- …ん?
- オレンジエード:
この服、司令官様にピッタリだと思うんですよ~。
- 主人公:
- そう言うとオレンジエードは服を広げて見せた。
- 主人公:
- それは……ひらひらした可愛らしいワンピースだった。
- 冗談…だよね?
- オレンジエード:
いいえ、本気です。
- 主人公:
- オレンジエードの目はいつにもまして真剣だった……
- 主人公:
- 俺は新しい世界に目覚める前に、オレンジエードの手を掴んで店を出た。
- オレンジエード:
ここはお寿司が美味しくて有名なんですよ!
- オレンジエード:
えへへ、人気過ぎてすぐにネタが完売しちゃうらしいんですが、
今日は運よく座れそうですね! - ……ごめん。
- オレンジエード:
はい?
- しばらく寿司は見たくないというか……
- 主人公:
- この前とんでもない寿司を食べた後、さらに普通の寿司を食べたせいで…
寿司を見るだけで胃がムカムカしてくるようになってしまった…… - 主人公:
- 無理して食べたらデートがそこで終了の可能性まである……
- オレンジエード:
あ……そ、それじゃあ他のお店でも探してみましょうか?
- 主人公:
- 幸い、そう遠くないところにパスタ屋があった。
- 主人公:
- パスタは普通に美味しかった。
だけど、オレンジエードはなんとなく元気がないように見えた。 - パスタは嫌いだった?
- オレンジエード:
え?あ、いいえ!美味しいです!とっても!
- 主人公:
- オレンジエードはそう言うと慌ててパスタを食べようとして……
- オレンジエード:
あ!
- 主人公:
- オレンジエードはオレンジジュースこぼしてしまった。
- 主人公:
- オレンジエードの白い服がオレンジ色に染まる。
- 何か拭くものをくれ!
- オレンジエード:
うぇぇぇん……デートプランは完璧だったのにぃ……