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Transcription
- 主人公:
- それからの時間は、さっきまでとは比べ物にならないほど楽しかった。
- 主人公:
- 落ち込んでいた分を取り戻すように、スパトイアはゲームセンターで
全力で遊んだ。 - スパトイア:
隊長!右から突撃するよ!
- そんな大声で言ったら俺にバレるだろ!?
- スパトイア:
はははっ!!バレたら全部ぶっ倒せばいいんだよ!
- スパトイア:
よしゃー!勝った~!
- 主人公:
- 勝てば全力で喜んで……
- スパトイア:
あぁ!……ちくしょ~!もう少しで勝てたのに!
- スパトイア:
よし!もう1回しよ!
- 主人公:
- 負ければ全力で悔しがって再戦する。
- 主人公:
- しかし、どっちにしろ……
- 楽しいな。
- スパトイア:
え?
- スパトイアといると楽しい!
- スパトイア:
うん。俺も隊長と一緒だから楽しいよ!
- スパトイア:
でも、それとこれとは別……さぁ、次は手加減しないよ!
- 主人公:
- もう一度、脱出ゲームにやってきた。
- 本当に一番難しいレベルに挑戦するのか?
- スパトイア:
名誉挽回しなきゃ!
- スパトイア:
負けたまんまってのが許せないからね!
- 天空のエラ:
でも、錠を壊すのはやめてくださいね。
- スパトイア:
……ごめんなさい。
- 主人公:
- ちゃんと謝罪をして説明を聞いた後、俺たちは部屋に入った。
- スパトイア:
よ~し!じゃあ手がかりを探そう、隊長!
- 主人公:
- スパトイアと力を合わせて部屋を脱出する手がかりを探した。
- スパトイア:
隊長、ここに光を当てると金庫が開くみたい。隊長!ライトを探して。
- OK!
- 主人公:
- しばらく部屋の中を探す……
- 見つけた。
- 主人公:
- 引き出しの鍵を開けると、中にライトが入っていた。
- スパト…
- 主人公:
- スパトイアの方を振り返ると……
- スパトイア:
この下が怪しいんだけどなぁ……う~ん……
- 主人公:
- スパトイアは膝をついてベッドの下に頭を突っ込んでいた。
- …………
- 主人公:
- いつもと違う服を着ているのを忘れているのか、
スパトイアはとんでもないことになっていた…… - 主人公:
- そんな短いスカートをはいてそんな体勢になったら……
- スパトイア:
あ……隊長。ライトあった―ひァんっ!?
- 主人公:
- 何故か、突然、妙な、気分になってしまい…スパトイアを撫でた。
- スパトイア:
た、隊長?
- 主人公:
- スパトイアは俺の手に最初は体をビクつかせたが、嫌がってはなかった。
- 主人公:
- 俺はスパトイアを抱きかかえてゆっくりとベッドに寝かせた。
- スパトイア:
た、隊長。
- …ん?
- スパトイア:
お、おれたち今、脱出ゲームやってんじゃなかったっけ…?
- だったな。
- スパトイア:
だ…脱出…しなくてもいいの?
- う~ん。今は他のことがしたくなった。
- スパトイア:
隊長、なんかいつもと雰囲気が違う?なんというか……余裕がないというか……
- 嫌か?
- スパトイア:
お、おれが……嫌がるわけ……ないじゃん。
- 主人公:
- スパトイアが目を閉じて、深呼吸をする。
- スパトイア:
えっと……おれ……可愛い?
- 可愛い。すごく。
- スパトイア:
えへへ。
- 主人公:
- スパトイアは可愛らしく笑うと俺の首に手を回した。
- 主人公:
- 俺はそのまま彼女の腕の力のままに顔を近づけた。
- スパトイア:
……はぁ……じゃあ……隊長……
- スパトイア:
おれのこと……可愛がって。
- 主人公:
- 俺たちはそのま―……
- 天空のエラ:
あ!あっ、あのぉ…。お楽しみな時間をお邪魔して大変申し訳ないのですが!!
- 天空のエラ:
て、店内での!み、みだらな行為は禁止ですぅ!!
- すみません…
- スパトイア:
すみません…
- 主人公:
- 怒られた。
- 主人公:
- 色々なことがあったが……
- 主人公:
- 楽しい時間はあっという間に過ぎ、いつの間にか夕飯の時間になった。
- スパトイア:
あ~楽しかった。
- お腹すいてない?
- スパトイア:
お腹すいた!もう死にそう!
- 何が食べたい?
- スパトイア:
そうだな……
- スパトイア:
今日は隊長がずっと俺をエスコートしてくれてたよね?
- スパトイア:
だから、最後は俺が隊長にお返しをするよ!
- え、なんだろ?
- スパトイア:
へへっ!秘密!
- スパトイア:
教えちゃったら面白くないじゃん?
- 主人公:
- 弁当とレジャーシートを持って箱舟の外にやってきた。
- 主人公:
だが、目的地に到着するころには日が暮れていた。
- どうしよう。遅くなっちゃったな。
- スパトイア:
そんなことないよ!むしろ早く来すぎちゃったかも。
- え?
- スパトイア:
空見て、隊長。
- 主人公:
- スパトイアに言われるがまま見上げると、目の前には満天の星空が広がった。
- やっぱホログラムで見た星とは全然違うな。
- スパトイア:
当たり前でしょ。この迫力はホログラムじゃ表現できないよ。
- 主人公:
- スパトイアは空を見上げながら宇宙の話をし始めた。
- スパトイア:
流星雨ってのは厳密には流星が地球に降ってくるんじゃなくて、
地球が公転をしながら彗星の破片がある軌道を通過するときに発生するんだ。 - 主人公:
- 流星の話とか。
- スパトイア:
この詩ではさ、天文学者を自分とは違って感性的じゃない人間だって
表現してるんだけど……。 - スパトイア:
天文学者よりも星について真剣で、感性的に語れる人間がいるわけないじゃんって
俺は思うんだよね。 - 主人公:
- 星をテーマにした詩の話もしてくれた。
- スパトイア:
隊長、俺が指さす星を繋げてみて?あれとあれ。それとあれ。
- スパトイア:
ねぇ、何に見える?へへ、俺は隊長に見える。
- スパトイア:
宇宙にたった一つしかない、俺が作った星座だよ!隊長にプレゼントするね!
- 主人公:
- 星座の話も……
- 主人公:
- スパトイアの話は面白かったし、楽しそうに話す彼女の姿と声は
俺の心臓をいつも以上に高鳴らせた。 - 主人公:
- スパトイアの宇宙の話を聞いているうちに、俺もだんだんスパトイアと
同じように目を輝かせて夜空を見ていることに気が付いた。 - 主人公:
- すっかり夜も更け、スパトイアがぽしょりと言った。
- スパトイア:
俺、宇宙が好きなんだ。
- スパトイア:
人の認知を超えた圧倒的な存在感と神秘性がいい。
- スパトイア:
物理学と航空宇宙学が生み出す精密で複雑な数式も好きだし、
- スパトイア:
ただ見ているだけでも綺麗だし、人がその想像力で生み出した物語も好きなんだ。
- スパトイア:
まだすべてが明らかにされていないってとこが俺の探求心と冒険心を
刺激してくれるのもいい。 - スパトイア:
宇宙を愛してると言っても過言ではないかも。
- スパトイア:
でもね……
- 主人公:
- スパトイアは立ち上がった。
- スパトイア:
宇宙は無限だってよく表現するじゃん?
- スパトイア:
でも実際はとんでもなく大きくて、光速以上の速さで膨張しているだけ……
一応無限じゃない。 - スパトイア:
でも、世界には本当に無限なものがある。何だか分かる?
- 主人公:
- 俺が答える前にスパトイアはぴょん、ぴょんと軽くジャンプして
俺から離れた。 - 主人公:
- そして数メートル離れると、スパトイアは振り返った。
- スパトイア:
俺の隊長への気持ち!
- 主人公:
- スパトイアは無限に広がる夜空を背に、叫んだ。
- スパトイア:
スパトイアは!隊長を!宇宙より愛してるよ!
- 主人公:
- その力強い言葉は俺の心の中の宇宙を一気に埋め尽くしたのだった。