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Transcription
- B-11ナイトエンジェル:
さて、少尉、確認させてもらいますが。あなたは多忙極まるメイ隊長を捕まえて、
いつもあんな女子校じみた無駄話を? - P-18シルフィード:
は、その……お言葉ですが、隊長の訓戒は非常に有意義でありまして。
隊長ご自身も部下の啓蒙は重要な職務であると仰せでしたが。 - B-11ナイトエンジェル:
は~~~ぁ……
- B-11ナイトエンジェル:
有意義な助言が欲しいなら相手を選べと言っているのです。
よりにもよって恋愛相談を、メイ隊長に? - B-11ナイトエンジェル:
男女と言うからにはつまり、司令官についての話題でしょうが。
うちの隊長よりもっと司令官と距離の近いバイオロイドは、 他にいくらでもいるでしょう? - P-18シルフィード:
いえ、近ければ良いという話ではなく、距離の取り方が問題なのです。
メイ隊長が司令官との間に築いた絶妙な関係性を、 ぜひ私も見習いたいと思っております。 - B-11ナイトエンジェル:
つまりあなたは、司令官に嘲笑や罵詈雑言を浴びせ、無理難題を吹っかけて
困惑させたいと?司令官に何か恨みでも? - P-18シルフィード:
いえ、断じてそのような。しかし司令官の好意を損なうことなく、
ああいった厳しい態度で一線を引く社交術は、 目下のところオルカ艦内でメイ隊長のみが実践しておられます。 - B-11ナイトエンジェル:
驚きました。まさか司令官と距離を置きたがるバイオロイドがいたとは。
念のため訊いておきますが、何か厭なことでもあったのですか? - P-18シルフィード:
いえ。司令官は常に温厚で、バイオロイドに過ぎない私にも
理解と温情を示してくださいます。 - P-18シルフィード:
しかしそれに甘え続けたのでは、どんなに今が幸福だったとしても
いずれ私はダメになってしまいそうで…… - P-18シルフィード:
このまま爛れた関係を続けてしまうのは、良くないと思うのです。
- B-11ナイトエンジェル:
……
- B-11ナイトエンジェル:
爛れた関係、というのは?もっと端的に表現しなさい。
あなたは司令官と肉体関係にあると? - P-18シルフィード:
え?あの、それはオルカ内では至って普通のことでは?
- B-11ナイトエンジェル:
……それはつまり、現在進行形ですか?いっときの気の迷いとかではなく、
日常的、恒常的に?ズッコンバッコンのギシアンと? - P-18シルフィード:
はい。日常的であり恒常的であり、擬音についてはもう少し情緒的というか、
情熱はあれど奥ゆかしいと訂正させていだだきます。 - B-11ナイトエンジェル:
……その事実をメイ隊長もご存じですか?
- P-18シルフィード:
ま、まさか!恥ずかしくてとても言えません…
- B-11ナイトエンジェル:
良かった。とても良かった。重大な危機的状況が回避できました。
- B-11ナイトエンジェル:
まあ風紀については、ええ、もはやこの艦内においては何をか言わんやという
有様ではありますが。 - B-11ナイトエンジェル:
それで不満を懐くというのが解せません。
あなたは他の大方のバイオロイドたちが羨むような成果を達成しているのでは? - P-18シルフィード:
そう……かもしれません。でも!今の私ってただ単に都合のいい女ってだけで!
その、烏滸がましいのは百も承知なのですが…… 私は司令官に、男女として対等の関係になりたいと…… - B-11ナイトエンジェル:
司令官と夜を共にする上で、虐げられるような扱いを受けているのですか?
- P-18シルフィード:
いえ、そんなことは一度もありません。
むしろ稼働時間というか、人生経験の上では私の方がお姉さんなわけで、 初めのうちは私がリードしてた時期も。 - P-18シルフィード:
まあ最近は他の子たちとの経験もあってか、
どんどん逞しくなられて押されている感もありますが…… - B-11ナイトエンジェル:
聞けば聞くほど充実したパッションライフを送っているようで、
私としても上官として鼻が高いやらむかつくやら……だから、何が不満なのです? - P-18シルフィード:
司令官は、他のどの隊員についても等しく公平にお相手して下さってます。
でもそれって裏を返せば意中に決めた一人がいないってことですよね? - P-18シルフィード:
にも関わらず行為そのものは、
ええと、すごく激しく求められている感触があって…… - P-18シルフィード:
それで、はたと思い当たってしまったんです。
彼は心に秘めた誰かの面影を、他の女の子たちに重ねているんじゃないか、って。 - P-18シルフィード:
やはり男の子って、最初の一人が忘れられないんじゃないかって。
- B-11ナイトエンジェル:
ふむ、初めての女性、ですか。
- B-11ナイトエンジェル:
いったい誰なんでしょうね。
艦内でもそればかりは明確な情報共有が成されていませんし。 まあ軍務に関わりのないプライベートな事柄なのだから当然ですが。 - P-18シルフィード:
え?
- B-11ナイトエンジェル:
……え? って?
- P-18シルフィード:
メイ隊長ですよね。……ご存じなかったのですか?
- B-11ナイトエンジェル:
……
- B-11ナイトエンジェル:
それは?あのデュアル脂肪袋チビが自らそう主張しているのですか?
- P-18シルフィード:
まあ、初めは気まずそうに言葉を濁しておられましたが。
まだ右も左も分からない頃の司令官に、最初に女性の手ほどきをしたのは メイ隊長ご自身だと、はい。 - B-11ナイトエンジェル:
……
- P-18シルフィード:
でもメイ隊長はあのように、以後は毅然とした態度を貫き通しておられますし。
その、とはいえ年頃の男の子ともなれば一度覚えちゃうと抑えが効かなくなるのも 仕方ないですし……周りはそういう事情だって満更でもないっていう女性だらけだし…… - P-18シルフィード:
でも、それでも私は!メイ隊長じゃなくて私を見てほしいって思ってしまうんです。
それであの人には到底及ばないって捨てられるんなら構わない。 ただ可愛がられるだけの女で終わりたくないんです! - P-18シルフィード:
仕方ないとは思ってるんです。
でもそれを呑み込むぐらいなら、まず自分から変わっていくしかないって…… - P-18シルフィード:
だからメイ隊長には、その場の空気に流されない強い女になりたい、って
ご相談したんです。 そしたら、「簡単よ。私を手本にすればいい」と仰ってくださって。 - P-18シルフィード:
いくら真似しようと思っても、全然上手くいかないんですよね。
いざ司令官の前に立つと頭が真っ白になっちゃって。 用意してた言葉や気構えなんてぜんぶ吹っ飛んじゃうんです。 - P-18シルフィード:
……あ、あの~大佐?なぜおもむろにシャドーボクシングを?
- B-11ナイトエンジェル:
日課の胸筋鍛錬です。気にしないように。
- B-11ナイトエンジェル:
ともかく、これ以上は私も不適切な発言を垂れ流しにせずにはいられません。
少尉、今夜はここまで。下がって宜しい。 - P-18シルフィード:
は……では、失礼いたします。
- B-11ナイトエンジェル:
待ってください。最後にひとつだけ。
- B-11ナイトエンジェル:
司令官の感情について私が何を語れるものでもありませんが。
少なくとも少尉の推測については邪推だと断言します。 - B-11ナイトエンジェル:
あの方は、私たち一人一人の想いについて真摯に向き合って下さっているだけです。
- B-11ナイトエンジェル:
だから少尉、あなたはそもそもの最初から、一人の個人として彼の隣にいるのです。
断じて誰かの身代わりなどではない。それだけは肝に銘じておきなさい。 - P-18シルフィード:
そう……なのですか?
- B-11ナイトエンジェル:
ええ、よりにもよってあのチビ饅頭の代打とか、絶対に有り得ません。
- P-18シルフィード:
身に余るお言葉ですが……ありがとうございます。
メイ隊長が大佐を誰よりも信頼なさっている理由が、少し分かった気がします!