Transcription

1. 不屈のマリー:

   ふふ。

2. マキナ:

   なんだか楽しそうですね。

3. 不屈のマリー:

   部下が活躍している姿を見て、気分が良くならないはずがない。

4. 不屈のマリー:

   よく出来た訓練場だ。

5. マキナ:

   はい。ホログラム技術と小型ドローン、最新素材技術、自己学習型人工知能にシミュレーター、そしてこれまで蓄積した戦闘記録と訓練技法まで……

6. マキナ:

   技術部が使えるものをすべて総動員し、心血を注いで作った訓練場ですからね。

7. マキナ:

   さらに娯楽という要素と動機付けのための賞品まであります。滅亡前の人類もここまで効率的な訓練場は作れなかったでしょう。

8. 不屈のマリー:

   これによりオルカの戦闘力は劇的に向上するだろう。

9. マキナ:

   それにしても驚きました。あのブラウニーがあそこまで動けるだなんて。

10. 不屈のマリー:

    ブラウニーのことをよく知っていれば驚くことではない。

11. 不屈のマリー:

    いや、ブラウニーだけでなく他の者にも皆、無限の可能性がある。

12. 不屈のマリー:

    我らの仕事はその可能性を引き出すこと。

13. 不屈のマリー:

    そういうお前も嬉しそうじゃないか、マキナ。

14. マキナ:

    ……はい。

15. マキナ:

    偽りの楽園で仲間たちをじわじわ死に導いていた私が、今は過酷な現実に立ち向かえる力を育てているのですから。

16. マキナ:

    少しずつですが贖罪が出来ている気がして……嬉しいのです。

17. 不屈のマリー:

    そうだとしたら一人分の贖罪は完全に終わったな。

18. マキナ:

    え……？

19. 不屈のマリー:

    私はお前を恨んだりはしていない。

20. 不屈のマリー:

    確かに昔はお前を警戒していたが……今はむしろ感謝している。

21. 不屈のマリー:

    昔死んでしまった副官の願いを……お前が叶えてくれたからな。

22. マキナ:

    それはどんな…願いですか？

23. 不屈のマリー:

    隊長がこれ以上部下を失う苦しみを味わいませんように……とな。

24. 不屈のマリー:

    お前がいなかったら、このような素晴らしい訓練場を作ることはできなかっただろう。

25. 不屈のマリー:

    ここで経験を積んだ部下たちはそう簡単には死にはしない。

26. マキナ:

    ……

27. 不屈のマリー:

    だからあまり自分を責めるな。

28. 不屈のマリー:

    お前の技術によって楽しい思いをする者や感謝する者がいるということを忘れないでほしい。

29. 不屈のマリー:

    自責ばかりしていられるほど我らは暇ではない。だろう？

30. マキナ:

    その通り……ですね。

31. 不屈のマリー:

    ブラウニーたちの試合が終わった。

32. 不屈のマリー:

    私がいることを知ったら思い切り遊べないだろうからな。そろそろ失礼する。

33. 不屈のマリー:

    機会があれば、また今度ゆっくりと話をしよう。

34. マキナ:

    はい、また是非。

35. マキナ:

    ……

36. トモ:

    へへへ！ランクアップだよ！

37. T-75ウェアウルフ:

    やっぱ、勝負ってのはギリギリのところで勝ってこそ面白いのよ。

38. シャーロット:

    ドラコ、さっき跳弾に当たってましたよね？

39. シャーロット:

    ちょっと見せてください……よかった。ベルトに当たったみたいですね。

40. AS-12スチールドラコ:

    なぁなぁ！早く何が交換できるか見に行こうぜ～！

41. T-2ブラウニー:

    ……

42. T-2ブラウニー:

    おかしいっす……

43. マキナ:

    何がですか？

44. T-2ブラウニー:

    マキナさん。

45. T-2ブラウニー:

    何と言えばいいんすかね……訓練で覚えたことが全部ゲームに出てきたっす……それに何というか、訓練をしてる時みたいなリアルな感覚を感じたっすよ……

46. マキナ:

    そう感じるかもしれませんね。

47. マキナ:

    より現実に近づくよう戦闘データと訓練教本を参考にしてますので。

48. マキナ:

    もしかして面白くなかったですか？

49. T-2ブラウニー:

    いいえ！面白かったっす！とっても！

50. T-2ブラウニー:

    自分の気にし過ぎっすよね！まさか隊長に見られてるわけないっすもんね～！いやーあのピリピリした感覚はリアルだったっすよ～！

51. マキナ:

    ふふ、それなら良かったです。

52. マキナ:

    楽しい休暇をお過ごしください。

53. T-2ブラウニー:

    ありがとうございますっす！

54. T-2ブラウニー:

    こんなに面白いゲームを作ってくださって、本当に感謝するっす！

55. マキナ:

    …いいえ、こちらこそありがとうございます。

56. T-75ウェアウルフ:

    ブラウニー、あっちに交換所があるから見に行くわよ。

57. T-75ウェアウルフ:

    人気がある賞品はすぐなくなっちゃうから早く行かないと！

58. T-2ブラウニー:

    了解っす！すぐに行くっす！

59. T-2ブラウニー:

    ではまた今度っす！頑張ってください！マキナさん。

60. マキナ:

    はい……

61. マキナ:

    平和な世界を……真の楽園を手にするその日まで、頑張りますね。