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Transcription
- アイアス:
今のが最後だったみたいです。
- サイクロプスプリンセス:
ふん!どいつもこいつも雑魚であったな!!
- サイクロプスプリンセス:
それで?今度は何をすればいい?
- アイアス:
ポーツマス行きの列車を……あ、あそこにありますね。
- アイアス:
あれを修理して補強しましょう。
- ブラインドプリンセス:
はい、レジスタンスのメンバーにこういう作業が得意な者がいるので……
- ブラインドプリンセス:
手伝ってもらいましょう。
- サイクロプスプリンセス:
おお、いいぞ!ワクワクしてきた!
- サイクロプスプリンセス:
人手は少しでも多い方がいいに決まっている。余も手伝おう!
- 慈悲深きリアン:
大体の作業は終わったかな?明日の朝仕上げ作業をすれば完成しそう。
- ブラインドプリンセス:
先に戻って休んでください。私はもう少しだけこの部分を点検してから帰ります。
- 慈悲深きリアン:
もう暗いからよく見えないでしょ?終わりにしといたら?
- ブラインドプリンセス:
大丈夫です。私、目が見えませんので。
- 慈悲深きリアン:
…あ…あう……それってイギリス式の冗談だよね?
- ブラインドプリンセス:
ふふっ。早く慣れましょうよ?
- 慈悲深きリアン:
あはは~……それがなかなかね……
- 慈悲深きリアン:
……わかった。あんまり無理しないようにね。どうせまた明日作業するんだし。
- ブラインドプリンセス:
はい。気を付けます。お疲れ様でした。
- ブラインドプリンセス:
ほら、やっぱり……。さっき鉄板を叩いた時に音が違って聞こえたんですよね♪
こっちのネジがちゃんと締まってないようですね。 - ブラインドプリンセス:
しっかり締めませんと。
- ブリュンヒルド:
それくらいでいいんじゃない?ネジ穴が潰れてるわよ。
- ブラインドプリンセス:
あらら、ありがとうございます。目が見えないので助かります。
- ブラインドプリンセス:
その声は…ブリュンヒルドさんですね?
バタバタしてましたから、まともにお話しできてませんでしたね? - ブリュンヒルド:
そうだったわね。
- ブラインドプリンセス:
どうかされましたか?
- ブラインドプリンセス:
何やら私に会いに来られたようですけど?
- ブリュンヒルド:
いくつか聞きたいことがあってね。
- ブリュンヒルド:
レジスタンスを作った理由とか、リーダーになった理由とか……
- ブラインドプリンセス:
なるほど、それが気になって私のところにいらしたんですね?
そこまで大した理由ではありませんよ。 - ブラインドプリンセス:
私が臆病者だからです。
- ブリュンヒルド:
…それが理由なの?
- ブラインドプリンセス:
はい。私は……目が見えないせいで他の感覚が非常に敏感です。
- ブラインドプリンセス:
そのため、鉄虫との戦いの中で……常にバイオロイド達の悲鳴を耳にしていました。
- ブラインドプリンセス:
…それは残酷そのものでした。世界には悲鳴と呻き声しかありませんでした。
腕や足が飛んだ者達の苦痛に満ちた悲鳴…肺に銃弾が貫通し、空気が漏れる音…… - ブラインドプリンセス:
聞きたくない音ばかりでした。
- ブリュンヒルド:
…それは……そうね。
- ブラインドプリンセス:
その音、声が怖くて二度と聞きたくなくて……彼女達を守りました。
簡単なことではありませんでしたが、必死に守ってきました。 - ブラインドプリンセス:
皆さんを守ろうと夢中で戦っているうちに
いつの間にか私のもとに人々が集まりだし…… - ブラインドプリンセス:
最終的にレジスタンスが出来上がりました。
- ブリュンヒルド:
…それだけ?
- ブラインドプリンセス:
はい。それだけです。
- ブリュンヒルド:
気が抜ける答えね。
- ブラインドプリンセス:
ふふっ、特別な理由がないというコトも、たまにはあるものですよ。
- ブラインドプリンセス:
ブリュンヒルドさんを作った研究所の所長さんも
そうおっしゃっていませんでしたか? - ブリュンヒルド:
…私のこと、知ってたの?
- ブラインドプリンセス:
はい。もちろん。
- ブリュンヒルド:
あなた、思った以上に意地悪なのね。今まで知らないフリしてたってこと?
- ブラインドプリンセス:
ふふ。私の方から話しかけるのもおかしいと思いません?
- ブラインドプリンセス:
実はブリュンヒルドさんが先に話しかけてくれるのをずっと待っていました。
- ブラインドプリンセス:
納得いきました?
- ブリュンヒルド:
まぁね。
- ブラインドプリンセス:
ですが、あなたが本当に聞きたい話は別にあるのではないですか?
- ブリュンヒルド:
……どうして分かったの?
- ブラインドプリンセス:
ふふ…こう見えても女優……演技の経験は長いですから。
- ブラインドプリンセス:
大抵の演技ならお見通しです。
- ブラインドプリンセス:
まぁ、目は見えないんですけどね。ふふふ…
- ブリュンヒルド:
…全然笑えないんだけど。
- ブラインドプリンセス:
鉄板ネタなので慣れてもらわないと困ります。
- ブリュンヒルド:
はぁ……
- ブリュンヒルド:
そうよ。本当に聞きたいことは別にあるわ。
- ブリュンヒルド:
どうして私との撮影を拒否したの?
- ブラインドプリンセス:
それも簡単な理由です。
- ブラインドプリンセス:
私は、例え撮影だとしても誰かに死んでほしくありません。
- ブラインドプリンセス:
それに、所長さんにブリュンヒルドさんが生きられるように協力してほしいと
頼まれましたから。 - ブリュンヒルド:
…あの子が?
- ブラインドプリンセス:
はい。脚本ではブリュンヒルドさんはとても残酷な死に方をする予定でした。
しかも、仲間に裏切られて死ぬという惨めなものでもありました…… - ブラインドプリンセス:
所長さんはそれが気に入らなかったようです。
- ブラインドプリンセス:
こう言っていました。
「私の作品は最高よ。だからそれに見合った扱いっていうものがあるわ。 たとえ死ぬとしてもこんな風に殺されるのは嫌」と。 - ブリュンヒルド:
…あの子らしいわ。
- ブリュンヒルド:
そんな理由だったら、あの子大変だったんじゃないの?
- ブラインドプリンセス:
そうですね。本来ならば所長さんは巨額の違約金を払うことになり、
あなたの所有権もビスマルクに渡るはずだったのですが…… - ブラインドプリンセス:
伝説のヨシミツ会長が、隕石と火山噴火のシーンにCGを使うことを知って
大激怒したそうで、伝説とビスマルクのコラボは中断…… - ブラインドプリンセス:
そのまま収拾がつけられずにお蔵入りとなったんです。
- ブリュンヒルド:
…それですんなり私は研究所に戻って来れたのね。
- ブリュンヒルド:
はぁ、今までなんで私を生かしてくれたのか疑問だったけど……
- ブリュンヒルド:
ぜんぜん大したことなかったわね……
- ブラインドプリンセス:
あら?落ち込んでしまいましたか!?
- ブラインドプリンセス:
ほ、ほら!これも全て所長さんが……ちょっとわかりにくいですが、
あなたを大切に思っていたという証拠じゃないですか! - ブラインドプリンセス:
悪く考えないでください!ポジティブにいきましょう!ね!
- ブリュンヒルド:
はっ。何言ってるの…?
- ブリュンヒルド:
ただ、昔のことを思い出してただけよ。
- ブリュンヒルド:
……
- 所長:
うっ……、さすがは三安の特殊部隊ね。警備用AGSも太刀打ちできない……
- 所長:
バイオロイド部隊も変わらないか……
- 所長:
仕方ない。ブリュンヒルド、あなただけでも逃げて。
- ブリュンヒルド:
何を言ってるの?私はあなたのモノでしょ?あなたを守るのが義務なんじゃないの?
- 所長:
はぁ……本当にもう…聞き分けが悪いのは一体誰に似たのかしら……
- 所長:
まだ結婚もしてないのに思春期の子を持った母親の気分だわ。
- 所長:
逃げてって言ってるでしょ!あなたは……
- 所長:
あなたはね!私が作った作品なの。
こんなとこで無意味に死ぬような存在じゃないのよ。 - ブリュンヒルド:
そんなこと言われたら ますます逃げたくないわね。
逃げて知らない土地で野垂れ死ぬより、私を作った人間を守ろうとして 死んだ方がまだ意味があると思うけど? - 所長:
くぅ…ああ言えばこう言う……。はぁ、いいわ。あなたがそう言うんなら……
- 所長:
これ、持っていって。メインコンピューターからダウンロードしたデータよ。
- 所長:
バミューダチーム所属のバイオロイドなら、所長の私よりも守るべきモノが
あるでしょ? - ブリュンヒルド:
……
- ブリュンヒルド:
本気なの?
- 所長:
本気も本気、超本気よ。
- 所長:
だからこれを持って早く逃げて。三安にここのデータを渡すわけには
いかないでしょ? - ブリュンヒルド:
でも……
- 所長:
あーもう!これは命令よ!
- 所長:
データを持って逃げること!!
- ブリュンヒルド:
……本当に、あなたを置いて行けっていうの?
- 所長:
そうよ。どうせこの出血量じゃ助かる見込みはないし。
- 所長:
…はぁ~あ……最悪。もうすぐ結婚式だったんだけどなぁ……
- 所長:
あなたにも私のウェディングドレス姿…見せたかった。
- ブリュンヒルド:
見なくても分かるわ。絶対似合ってないと思う。
- 所長:
確かに……そうかもしれないわね。白って何か似合わないから。
- 所長:
ねえ、ブリュンヒルド。
- ブリュンヒルド:
…何?最後に言いたいこと?
- 所長:
データ、絶対守ってね。
- 所長:
それから…
- 所長:
…ううん、何でもない。
- 所長:
ほら、早く逃げて。
- ブリュンヒルド:
……
- ブリュンヒルド:
ほんと口下手って言うか、素直じゃないっていうか……
- ブリュンヒルド:
ちゃんと言えばいいのに……。あれは結婚してもすぐに別れたわね。
- ブラインドプリンセス:
……大丈夫ですか?
- ブリュンヒルド:
大丈夫よ。言ったでしょ?昔のことを思い出しただけだから。
- ブラインドプリンセス:
何か飲み物でも飲みましょうか。こういう時は温かいものを飲むのが―
- ブリュンヒルド:
要らないわ。……ちょっと外の空気でも吸ってくる。
- ブラインドプリンセス:
…一緒に行きましょうか?
- ブリュンヒルド:
…ううん、大丈夫…。もう十分慰められてるから。
- ブリュンヒルド:
今日は一人で思い出に浸ってみるのも 悪くなさそうだしね……
- アイアス:
列車の点検は全て終わりました。
- 慈悲深きリアン:
ロンドン近郊の鉄虫も全部倒したし……
- 慈悲深きリアン:
もう一つ追加で保険も用意した!
- サイクロプスプリンセス:
ほう、保険?
- 慈悲深きリアン:
そう。ここから普通の信号は送ることができないでしょ?
でも妨害できない信号っていうのがあるんだよね~。 - サイクロプスプリンセス:
妨害できない信号?そんなものがあったのか!
- ブリュンヒルド:
近くのビルの屋上に狼煙台を設置したわ。
遠くからもよく見えるようにデカいヤツをね。 - ブリュンヒルド:
でも本当にこんなので大丈夫なの?原始的じゃない?
- 慈悲深きリアン:
うん、もちろん大丈夫。煙に色がつく物質も混ぜておいたから。
- 慈悲深きリアン:
ワトソンならきっと気付いてくれるはず。
- 慈悲深きリアン:
本来の計画なら私たちってもうオルカに帰還しているはずなんだよね。
- 慈悲深きリアン:
だからきっと私達が帰ってこないって心配してるに違いないわ。
ワトソンはイギリスの方に偵察を出すと思う。 - 慈悲深きリアン:
その時に狼煙を見れば、私たちがロンドンにいたってことが分かるでしょ?
- ブラインドプリンセス:
狼煙がそれまでずっと燃えていられるでしょうか?
- ブラインドプリンセス:
それに鉄虫がその狼煙を見て向かってくる可能性も……
- ブリュンヒルド:
それなら心配いらないわ。
- ブリュンヒルド:
鉄虫も倒せて、火を起こせる便利なのがいるでしょ?
- ブラインドプリンセス:
……
- ブラインドプリンセス:
ここに残るつもりですか?
- ブリュンヒルド:
そのつもり。
- ブリュンヒルド:
あなた達がポーツマスでひーひー言ってる間……
- ブリュンヒルド:
私はのんびりとここで鉄虫でも燃やして遊んでおくわ。
- ブラインドプリンセス:
でも……危険です。
- ブリュンヒルド:
危険なのはお互い様でしょ?むしろこっちの方が安全かもしれないわ。
- ブリュンヒルド:
私の心配とか要らないから、あなた達はやるべきことをやって。
- ブラインドプリンセス:
…はい。わかりました。
- ブラインドプリンセス:
……怪我だけはしないでくださいね。
- 慈悲深きリアン:
…さ~て、出発前の挨拶はもういいかな?こっちの準備は終わったよ!
- アイアス:
では、出発します。
- サイクロプスプリンセス:
よし。いざ!ポーツマスへ!!
- サイクロプスプリンセス:
キャメロットをマーリンとやらから奪い取って見せよう!!
真祖の姫の名にかけてな!! - サイクロプスプリンセス:
それはそうと、列車の運転もできるのだな!
- サイクロプスプリンセス:
ギリシャ神話の英雄の名に恥じんな!
- サイクロプスプリンセス:
ギリシャの英雄達が戦車に乗って戦場に向かったように……
- サイクロプスプリンセス:
この列車で勝利と栄光、そしてポーツマスに向かって進撃するのだぁ!!
- アイアス:
いえ?私は運転できません。
- サイクロプスプリンセス:
え?
- ALファントム:
…え?
- アイアス:
ご心配なく。出発の1時間前にマニュアルを熟読しておきました。
- アイアス:
列車のことは完全に把握しています。
- ALファントム:
…1時間で?
- サイクロプスプリンセス:
…そこまで言うのならテストだ。このボタンは何のボタンだ?
- アイアス:
……
- ALファントム:
……
- サイクロプスプリンセス:
……
- アイアス:
ご安心ください。走行に必要な理論“は”完璧に熟知しております。
- サイクロプスプリンセス:
……これは…………どういう意味だ……?
- サイクロプスプリンセス:
……おい、真祖の聖女よ、光の力で余達を守ることは出来るか?
- ブラインドプリンセス:
ふふ、心配しないでください。小さな私。
- ブラインドプリンセス:
私は頑丈にできてますから、列車がひっくり返るくらいの衝撃にも耐えられます。
- サイクロプスプリンセス:
おい、質問に答えていないぞ?
- ブラインドプリンセス:
……
- ブラインドプリンセス:
私は頑丈に出来ています。
- サイクロプスプリンセス:
じゃなくて!私たちを守れるかって聞いてるの!
- ブラインドプリンセス:
う~ん…
- ブラインドプリンセス:
私、歌を作ってみたんです。聞いてみます?曲名は…英雄達に捧げるレクイエム…
- サイクロプスプリンセス:
貴様!それでも聖女か!!
- サイクロプスプリンセス:
貴様は聖女失格だぁ!!!
- 慈悲深きリアン:
ちょっとちょっと!そんなこと言ってる場合じゃないよ!
- 慈悲深きリアン:
もうすぐバリケードだよ!
- アイアス:
皆さん、シートベルトは締めましたね?
- アイアス:
このまま突破します!
- ALファントム:
賛成するんじゃなかった!!!
- ALファントム:
わああああああああ!!!!!
- サイクロプスプリンセス:
……
- サイクロプスプリンセス:
き、気を失っていたか……
- サイクロプスプリンセス:
みんな、無事か!?
- ALファントム:
うぅ……
- ALファントム:
なんとか……
- ALファントム:
シートベルトで圧迫されて死ぬかと思ったが……
- 慈悲深きリアン:
うぅ……あたま痛ぁ……
- 慈悲深きリアン:
で、でもよかったよ……
- 慈悲深きリアン:
鉄虫がバリケードを攻撃してたからか強度が落ちてたみたい……
思ったより衝撃がなかったね…… - ALファントム:
…じゃあ……本当はもっと衝撃が大きかったということか!?
- ALファントム:
今のでも十分死ぬかと思ったぞ!?
- アイアス:
死にはしません。ご心配なく。
- アイアス:
これも全て徹底的に計算された結果…計算通りです。
- 慈悲深きリアン:
そういうことそういうこと。
- 慈悲深きリアン:
……うーん、さっきから変な音が聞こえる……
- ブラインドプリンセス:
本当ですね。これは…金属の摩擦音ですね……
- ブラインドプリンセス:
何の音でしょうか……
- サイクロプスプリンセス:
…金属の摩擦音!?
- サイクロプスプリンセス:
これは……!大変だ!さっきの衝撃で脱線しているぞ!!
- サイクロプスプリンセス:
このままだと列車がひっくり返る!!
- ALファントム:
ブレーキ!ブレーキ!!
- アイアス:
う~ん…
- アイアス:
そんなものはありません。
- ALファントム:
へ…?
- アイアス:
列車を改造する時にブレーキは外しました。
- ALファントム:
ど、どうして…?
- アイアス:
列車の最高速度がバリケードを突破するのに十分でないと判断し…
ブレーキを取り外して、その空間にエンジンを追加しました。 - アイアス:
バリケードと衝突することで減速するはずでしたので、
ブレーキがなくてもこのあたりで自然に止まるという計算でした。 - ALファントム:
でも…止まらないが?
- アイアス:
…鉄虫の攻撃でバリケードが半壊していることは想定外でした。
- アイアス:
でも心配しないでください。速度を上げて、次のバリケードまで突破すれば
問題ありません! - ALファントム:
……
- ALファントム:
もう嫌だ……
- アイアス:
皆さんシートベルトを緩みのないように締め、しっかりと握ってください!
- アイアス:
行きます!
- ALファントム:
……
- ALファントム:
し、死んでない…?
- サイクロプスプリンセス:
…シートベルトのおかげだな……
- サイクロプスプリンセス:
列車にシートベルトを設置すると聞いた時点で気付くべきだった……
- ALファントム:
…列車……
- ALファントム:
列車怖い……
- 慈悲深きリアン:
あはは……でもみんな無事でよかった。
- 慈悲深きリアン:
……あと、朝ご飯食べなくてよかった……
- ブラインドプリンセス:
……お花畑が見えるところでした。
- ブラインドプリンセス:
私、目が見えませんけどね。
- アイアス:
とにかく到着できてよかったです。
- アイアス:
みなさん、キャメロットです。
- ブラインドプリンセス:
……ついに……着きましたか。
- ブラインドプリンセス:
キャメロット……
- ブラインドプリンセス:
…久しぶりです……
- ブラインドプリンセス:
行きましょう。ここからは私がご案内いたします。
盲目ですけど、ちゃんとガイドできますよ。ふふっ… - ブラインドプリンセス:
……ふぅ、今回の戦闘も大変でしたね。
- ブラインドプリンセス:
キャメロットに被害はありませんでしたか?
- マーリン:
おかげさまで……頑張って戦ってくれたからね。
- マーリン:
今回の鉄虫の攻撃、いつにも増して激しくなかった?
- ブラインドプリンセス:
そうですね。ロンドンにいた鉄虫がこちらに来てますので……
攻勢が激しいのは当然でしょう。 - ブラインドプリンセス:
…申し訳ありません。
- マーリン:
え?何が?
- ブラインドプリンセス:
私たちが鉄虫を連れてきたも同然じゃないですか……
- マーリン:
ええ!?何を言ってるの?どうせここも絶賛フルボッコ中だったんだよ?
- マーリン:
鉄虫が1万匹くらい増えても大して変わらないよ~!そんなこと気にしないで。
- マーリン:
敵が圧倒的に多いんだったら、強い傭兵が増えた方が良いから。でしょ?
- ブラインドプリンセス:
あら、私たちは傭兵でしたか。
- マーリン:
もちろんじゃんよ~。みんなは私ちゃんが雇用した傭兵よ!
お給料は払わないけどね。 - ブラインドプリンセス:
ふふ、酷い雇用主ですね。
- マーリン:
その代わり、ご飯はちゃんと食べさせてあげてるでしょ?
- ブラインドプリンセス:
そうですね。それすらなかったら反乱を起こしていました。
- マーリン:
うっひょ~、想像しただけでも怖いってばよ……
- マーリン:
私ちゃんも追い出されるのはゴメンだから、使いたい施設は全部使っちゃって!
シャワーもバンバン浴びてさ! - ブラインドプリンセス:
…そんなこと…迷惑ではありませんか?
- マーリン:
気にしない気にしない。友達なんだから遠慮しないで♪
- ブラインドプリンセス:
…友達、ですか?
- マーリン:
そうよ!一緒に戦ったんならみんな友達よ!
- マーリン:
会ったことはないけど、うちの隊長もきっとそう言うはず!
- マーリン:
「一緒に戦えばライバルじゃなくてみんな友達!細かいこと気にするな!」ってね!
- マーリン:
だから、ご飯食べて、お風呂入って、何でもしちゃってよ。
- マーリン:
だって、ここは…
- ブラインドプリンセス:
だって、ここは…
- ブラインドプリンセス:
…私の家だった場所ですから。
- -:
< 目隠し姫と霧の国 > 第2部に続く。