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慈悲深きリアン
(…う~ん……さっきから引っかかる……)

Transcription

  1. 慈悲深きリアン:

    (…う~ん……さっきから引っかかる……)

  2. 慈悲深きリアン:

    (マーリンの行動は効率が悪い。レーザー砲だってそう…もしあれが侵入者を排除するためのものなら、遠慮なく私達に当てればよかったのに威嚇で終わった。)

  3. 慈悲深きリアン:

    (こんな無駄な事ばっかりしてたら、キャメロットはとっくの昔になくなってるよ…)

  4. 慈悲深きリアン:

    (つまり、マーリンは私達を殺す気はないってことになるけど……どうして?)

  5. 慈悲深きリアン:

    (ブラインドプリンセスとマーリンがいくら親友だったとしても、私達は初対面の部外者に過ぎないのに……)

  6. 慈悲深きリアン:

    (これはやっぱり……確認してみるしかないね。)

  7. 慈悲深きリアン:

    みんな、いい?今から作戦を説明するね。よく聞いて。

  8. 慈悲深きリアン:

    あのレーザー砲の攻略法だけど……

  9. 慈悲深きリアン:

    まずはこの戦術マップを見て。

  10. 慈悲深きリアン:

    現在、私たちは第二バリケードを突破して、列車を盾にしつつ戦ってる状況だね。

  11. 慈悲深きリアン:

    これからレーザー砲の射程に入らないようにしながら、できるだけ奥まで進もう。

  12. サイクロプスプリンセス:

    む?どうして奥まで進む?攻撃を受ける可能性があるのではないのか?

  13. 慈悲深きリアン:

    その通り。攻撃される危険性があるのは確かだね。でも……

  14. 慈悲深きリアン:

    確認しなきゃいけないことがあるんだよね。

  15. サイクロプスプリンセス:

    確認すること?

  16. 慈悲深きリアン:

    そう。この戦いって何か変だと思わない?マーリンが本気で私たちを追い返す気なら、さっきのレーザー砲で私たちを吹き飛ばしてたはずだよ。

  17. サイクロプスプリンセス:

    言われてみればそうだな。わざわざレーザー砲の存在を明かしてまで威嚇射撃をする必要はなかったはずだ。

  18. サイクロプスプリンセス:

    しかし、実際は……

  19. サイクロプスプリンセス:

    ふむ……何のために?戦術的にまったく賢明な判断だとは言えないな。

  20. 慈悲深きリアン:

    でしょ?だからマーリンの真意を確認するためにも賭けに出ようと思う。

  21. サイクロプスプリンセス:

    奥に進むのはそのためか。

  22. 慈悲深きリアン:

    うん。奥の方まで進んでマーリンがどう動くか見た後……

  23. 慈悲深きリアン:

    原子力発電所に移動して発電所を無力化、すぐにキャメロットに向かうよ。

  24. ALファントム:

    一ついいか…

  25. ALファントム:

    マーリンがレーザー砲を私達に撃ってこないのなら……そのままキャメロット内部まで突入すればいいのでは?

  26. 慈悲深きリアン:

    それが一番手っ取り早いけど……それは危険すぎるよ。

  27. 慈悲深きリアン:

    もしマーリンが「どんな手段を使ってでもキャメロットを侵入者から守れ」って命令を受けていたら?

  28. ALファントム:

    なるほど……その場合、撃ってこないからと近寄った瞬間蒸発するな。

  29. 慈悲深きリアン:

    そういうこと。だから保険をかけておくためにも発電所は攻撃するの。

  30. 慈悲深きリアン:

    正直厳しい戦いになると思う。とんでもない数のAGSが邪魔してくるだろうね。マーリンがレーザー砲を私達に撃たなくても、建物を破壊して進路を塞ぐかもしれない。

  31. 慈悲深きリアン:

    でも、私たちなら何とかなるって信じてる。

  32. サイクロプスプリンセス:

    もちろんだ!AGSや建物の残骸程度で真祖と聖女、二人の姫の行く手を阻むことなどできぬ!

  33. ブラインドプリンセス:

    あっ、ですが建物の残骸はちょっと怖いですね。足が引っかかって転んじゃうかもしれません……

  34. サイクロプスプリンセス:

    ……スー……真祖の姫の行く手を阻むことなどできぬ!

  35. ブラインドプリンセス:

    訂正感謝します。

  36. サイクロプスプリンセス:

    おい、よくよく考えてみたら…お前は転んだくらいで怪我するタマではなかろう?

  37. ブラインドプリンセス:

    怪我はしなくても恥ずかしいじゃないですか。

  38. ブラインドプリンセス:

    たしかに体は頑丈ですが、心は傷ついちゃいます。

  39. サイクロプスプリンセス:

    ……

  40. サイクロプスプリンセス:

    心の傷……?それを言ったら余の心はもうとっくにズタズタにされている!

  41. ブラインドプリンセス:

    まぁ、誰がそんなことを……

  42. サイクロプスプリンセス:

    貴様だ貴様!!今余の目の前にいる貴様が余の心をかき乱しているのだ!!

  43. ブラインドプリンセス:

    え?私がですか?そうだとは露知らず、失礼いたしました……

  44. ブラインドプリンセス:

    私のせいで心が乱されるだなんて……とうとう私に魅了されてしまったのですね……私って罪な聖女ですね。

  45. サイクロプスプリンセス:

    あぁ…竜殺者…もう余はダメかもしれん……

  46. サイクロプスプリンセス:

    …こいつのせいで精神がやられる前にさっさと行くぞ。先鋒は余に任せろ……