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バニラA1
奴が逃げます!!

Transcription

  1. バニラA1:

    奴が逃げます!!

  2. バニラA1:

    致命傷を与えたはずなのに、なんてスピード……!

  3. ブラインドプリンセス:

    …逃がさないッ!!!

  4. Miss Safety:

    進み過ぎては危険です!そっちは敵陣のド真ん中です!!

  5. Miss Safety:

    ブラインドプリンセスさん!戻ってください!

  6. Miss Safety:

    くっ……!鉄虫が包囲網を形成し始めた…

  7. Miss Safety:

    これは私たちを誘引している……!

  8. ブラインドプリンセス:

    大丈夫です!なぜならば…!

  9. サイクロプスプリンセス:

    余が共にいるからなっ!!

  10. サイクロプスプリンセス:

    待たせたな!真祖の聖女よ!完全復活した余が戻ってきたっ!!

  11. サイクロプスプリンセス:

    余が道を開く!進め!!彼奴にトドメを刺せ!!

  12. サイクロプスプリンセス:

    炸裂せよ、邪眼よ!サイクロプスエターナルビームッ!!!

  13. ブラインドプリンセス:

    ありがとうございます!

  14. 懲罰のサディアス:

    …とりあえず包囲は突破できたようだが、まだ鉄虫の数が多いぞ!私たちが到着するまで無理はするな!!

  15. 懲罰のサディアス:

    くそっ、鉄虫がいつの間にこんな……

  16. 懲罰のサディアス:

    このままではこっちもあっちも押し潰されるぞ……!

  17. ブリュンヒルド:

    …そうはさせないわ。あのお姫様とはお茶する約束があるのよ。

  18. ブリュンヒルド:

    ガルム!蹴散らしなさい!

  19. アイアス:

    ブラインドプリンセスさん!ここです!

  20. アイアス:

    ブリュンヒルドさんが鉄虫をかなり減らしてくれていますが、まだまだ多いですね…

  21. アイアス:

    この前のように盾で飛ばします!!そのまま鉄虫を飛び越えてモリアーティにトドメを!!

  22. ブラインドプリンセス:

    …ふふっ。小さな私にまた叱られちゃいますね。

  23. アイアス:

    では、今回は剣でトドメを刺しましょう!

  24. アイアス:

    高めに飛ばします!!さぁ!私を踏み台に!!

  25. ブラインドプリンセス:

    はい!いきますっ…!!!

  26. アイアス:

    今度は……転びません!

  27. アイアス:

    どうぞっ!!

  28. ブラインドプリンセス:

    皆さんに作ってくれたこのチャンス……

  29. ブラインドプリンセス:

    絶対に無駄にはしませんっ!ハアアァァァぁぁッ!!

  30. 懲罰のサディアス:

    よし!!ド真ん中に突き刺さった!!

  31. 蹂躙のソニア:

    いや…まだだ。まだヤツは動いてる!

  32. 蹂躙のソニア:

    なんでだ……!

  33. 懲罰のサディアス:

    あれは……

  34. 懲罰のサディアス:

    雑魚の鉄虫が連結体を庇って致命傷を免れたか……!

  35. 懲罰のサディアス:

    動きが鈍くなってはいるが……まだ逃げるか!くそっ、このままだと逃げられてしまう……

  36. 慈悲深きリアン:

    …大丈夫だよ。あれだけダメージを負ってるなら。

  37. 懲罰のサディアス:

    どういうことだ?

  38. 慈悲深きリアン:

    あんな傷を負ってたら、周囲を気にする余裕はないと思う。

  39. 慈悲深きリアン:

    条件が整った!

  40. ALファントム:

    ……ターゲット確認。

  41. - :

    - 光学迷彩を解除したファントムは地面を蹴って跳躍。モリアーティの首をナイフで切りつけた。

  42. - :

    - モリアーティが慌てて腕を振り回す。それを後方に飛んで回避したファントムは、冷静に手に持っていたリモコンのボタンを押した。

  43. - :

    - すると混沌と化した戦場に電子音が鳴り響く。モリアーティの体に取り付けられた粘着爆弾の爆破スイッチがONになった音だ。

  44. - :

    - 爆発と同時にモリアーティの頭部が宙を舞った。

  45. ALファントム:

    …連結体モリアーティの活動停止を確認。

  46. ALファントム:

    任務…完了。

  47. 主人公:

    - 連結体が死ぬと、指揮官を失った鉄虫は混乱に陥り、瞬く間に勢いがなくなった。

  48. 主人公:

    - 俺たちはその隙を突いて猛攻を仕掛け、キャメロットにいた鉄虫を全て追い出した。

  49. 主人公:

    - もちろん、これで鉄虫に完全勝利したわけではない。連結体を倒したとしてもイギリスにはまだまだ大量の鉄虫が蔓延っている。

  50. ブラインドプリンセス:

    今は祝いましょう。勝利できたのですから……

  51. マーリン:

    そうそう!ラスカルもぶっ殺したし、ブラインドプリンセスも助けたし、誰も死ななかったし、おまけに可愛いマーリンちゃんまで無事だったんだから!祝ってもバチは当たらないと思うよ!アーサー?

    1. …アーサー?
  52. マーリン:

    マーリンがお仕えする方なんだからアーサーでいいじゃん?嫌ならご主人様って呼ぼうか?

  53. マーリン:

    ついでに語尾にハートマークも2個くらいつけちゃう?

    1. …う~ん…アーサーの方がいいかな?
  54. マーリン:

    じゃあアーサーに決まり!洒落てるし、私ちゃんだってすぐに分かるでしょ?ふふふ…

  55. ブラインドプリンセス:

    マーリン、失礼ですよ!司令官様は私たちを救ってくださったお方なのですよ。

  56. ブラインドプリンセス:

    最高敬語を使っても感謝の気持ちを表せないというのに、変な理由で勝手にニックネームまで!

  57. マーリン:

    …いやいや、アーサーがそう呼んでもいいって言ってるじゃん!!

  58. マーリン:

    どうせ羨ましいんでしょ?あなたもおチビちゃんみたいに竜殺者って呼べば?

  59. ブラインドプリンセス:

    う~ん……竜殺者ですか……

    1. 俺はそれでも大丈夫だよ?
  60. ブラインドプリンセス:

    …竜殺者と呼ぶのは、何だか演技っぽくて嫌です。

  61. ブラインドプリンセス:

    司令官様には常に正直な心で接したいです。

  62. マーリン:

    うげぇ……猫かぶっちゃってるよ……。ねぇ、本当に正直になりたいんだったら、そのドレス脱いでいつものヨレヨレTシャツに着替えたら?

  63. ブラインドプリンセス:

    ふふっ……ちょっと失礼します、司令官様。

  64. マーリン:

    え?ア!?何?ちょっと!!スピーカーに何する気?あっ!ダメ!壊れちゃう!!

  65. ブラインドプリンセス:

    ふんっ!

  66. ブラインドプリンセス:

    ……ふふふ、これでしばらく静かになります。

  67. ブラインドプリンセス:

    それで……司令官様は竜殺者という呼び方がいいですか?

    1. いや、君が好きな呼び方でいいよ。
  68. ブラインドプリンセス:

    そうですか、では……

  69. ブラインドプリンセス:

    …司令官さんと呼ばせていただきます。様を付けるのは少しよそよそしい感じがするので……

  70. ブラインドプリンセス:

    ふふ、いいですか?司令官さん。

    1. うん。親しくなった感じがしていいと思う。
  71. ブラインドプリンセス:

    ところで司令官さん。ここにはどうしていらっしゃったのですか?戦場にもう鉄虫はいませんが、こんな前線にまでいらっしゃるのは危険です。

    1. 確認したいことがあってね。
  72. ブラインドプリンセス:

    確認ですか…?

  73. 主人公:

    - 俺はモリアーティと名付けられた連結体の死体に近づいた。

  74. 主人公:

    - モリアーティの死体はよく見覚えのある姿をしていた。

  75. 主人公:

    - 体の至る所から鉱物が生えたりして奇怪に変形していたが、この姿は過去に俺が戦った連結体、トリックスターと似ていた。

  76. 主人公:

    - しかし……トリックスターと対峙した時と違うことがあった。こいつを見ても、頭の中に情報が全く浮かばなかったのだ。

  77. 主人公:

    - 俺の頭の中には、まるで誰かが植えつけたかのように鉄虫とその倒し方に関する情報がある。

  78. 主人公:

    - しかし……こいつに関する情報はまったくない。以前戦ったコロッサスプロトタイプを見た時も同じだった。

  79. ドクター:

    お兄ちゃん、来たよ。

  80. ドクター:

    これがお兄ちゃんが言ってた例の…変なトリックスター?

    1. ああ。詳しく分析する必要があると思う。
  81. ドクター:

    ふむふむ……詳しいことは実験室に持っていって分析してみなくちゃね……でも体に生えてる鉱物の正体ならすぐに分かるかも。

  82. ドクター:

    光沢と質感からして、多分アレなんだよねぇ……でも念のため成分分析してみるか。

  83. ドクター:

    サンプルをちょちょっと採取して、検査機に入れて……っと。

  84. ドクター:

    やっぱりね……アルタリウムだ。

    1. アルタリウム…
  85. ドクター:

    鉄虫達がアルタリウムで何をしてるのか気になってたんだけど……これは大変なことになってるかもね……

  86. ドクター:

    鉄虫はもう大量にアルタリウムを集めてるはずでしょ?これからはこんな奴がバンバン現れるかもしれないよ。

    1. だな…。油断できないな。
  87. ブラインドプリンセス:

    …確かにこのような連結体が増えていけば……これからの戦いはますます厳しくなっていきますね。

  88. ブラインドプリンセス:

    ですが…心配しないでください、司令官さん。勝利の女神はきっと私たちに微笑んでくれます。

    1. そうだったらいいな。
  89. ブラインドプリンセス:

    いいえ、きっとそうに決まっています。今回だって圧倒的劣勢だったのに勝利することができました……

  90. ブラインドプリンセス:

    司令官さんがいれば、例えどんなことがあっても乗り越えることができますよ。

  91. ブラインドプリンセス:

    それに、私も…勝利の為に全てを捧げる覚悟であなたをお助けいたします。

  92. 主人公:

    - 俺はブラインドプリンセスが差し出した手を握った。

  93. 主人公:

    - そうだ。俺達ならきっとどんな困難も乗り越えられるはず。

  94. 主人公:

    - これから強大になっていく鉄虫に対抗するために、いや、勝利するために…オルカをもっと強くしていかなければ……

  95. 主人公:

    - そのためにもまずはPECSを倒し、その勢力を吸収する。……となれば最初に狙う目標は……

  96. 主人公:

    - レモネードデルタ。

  97. 主人公:

    - ヨーロッパにオルカの旗を掲げる時だ。

  98. - :

    < 目隠し姫と霧の国 >第3部に続く。