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Transcription
- マーリン:
だから私ちゃんはポップヘッドにこう言ったのよ。
「ここでリアンが行きそうな場所なんか知れてる。 発電所に決まってるわ。そこにAGSを潜伏させて!」ってね! - マーリン:
そしたらポップヘッドが感動しながら
「さすがマーリン!天才だよ!その美貌と同じレベルで頭が良いんだね! 敵わないなぁ!一生ついていくよ!」って言ってさぁ! - マーリン:
それで…
- 慈悲深きリアン:
あはは、マーリンはお酒に弱いね~。
- マーリン:
ええ?何言ってるの?そんなことないから!ぜんっぜん平気だよ!
- マーリン:
ね!私ちゃん酔ってないよね~?ブリスぅ~?
- サイクロプスプリンセス:
う~ん。余と聖女の余を見間違えるとは……
- サイクロプスプリンセス:
相当に酔っているな。
- 慈悲深きリアン:
無理もないよ。お酒を飲むの初めてだろうからね。
- 慈悲深きリアン:
あ…ちょっとごめん!マーリンが飲み過ぎないようにしっかり見ててあげてね!
あっちも見てあげなきゃ! - 慈悲深きリアン:
ブリュンヒルド!待って、待って!それ食べちゃダメだから!
それ、超激辛ソースだから! - サイクロプスプリンセス:
はぁ……
- ブラインドプリンセス:
隣に座ってもいいですか、小さな私?
- サイクロプスプリンセス:
もちろんだ。さぁ座れ。
- サイクロプスプリンセス:
ちょうどお湯が沸いた。余が特別に紅茶とケーキを用意したのだ。
- ブラインドプリンセス:
わぁ、ありがとうございます。紅茶ですか。
- サイクロプスプリンセス:
そうだ。先日、プレゼントでもらってな。
- サイクロプスプリンセス:
このケーキはアウローラが丹精込めて作ってくれたものだ。
その味といったらもう…… - サイクロプスプリンセス:
…おい、なぜ紅茶をジョッキに入れた?
- ブラインドプリンセス:
知りませんか?紅茶にブランデーを入れて飲むと美味しいんですよ?
- サイクロプスプリンセス:
それは知っているが……今お前はブランデーが入ったジョッキに
紅茶を入れただろう。 - ブラインドプリンセス:
あらあら……もう酔っぱらったんですか?小さな私。
- ブラインドプリンセス:
私とあなたの仲ですので……私のとっておきのレシピを教えてあげましょう。
- ブラインドプリンセス:
紅茶1杯につき、ブランデー20オンスがオススメです!
- サイクロプスプリンセス:
オンス……?リットルに換算すると……
- サイクロプスプリンセス:
…約0.5リットル……?
- ブラインドプリンセス:
600ミリリットルくらいですから、そう言えますね。
- サイクロプスプリンセス:
それはもう紅茶ではない!紅茶の風味がするブランデーだ!貴様!紅茶に謝れ!
- ブラインドプリンセス:
そんなにカッカしないでください、小さな私。
レシピ本にもブランデーと紅茶は3:1の割合で 混ぜて飲むと美味しいって書かれてましたよ? - サイクロプスプリンセス:
絶対逆だろう!その本は一体誰に見せてもらったのだ!!
- キルケー:
もう~お礼ならいりましぇんよ~お気遣いなくぅ~
- キルケー:
プハ~ッ!!いい事をした後のお酒は最高れすねぇぇ~!!
- サイクロプスプリンセス:
……
- ブラインドプリンセス:
まぁまぁ……細かいことは気にしないでください。
私も小さな私のためにお菓子を作ってみたんです。さぁ、どうぞ。 - サイクロプスプリンセス:
…なんだ急に……毒など盛っておらんだろうな?(もぐもぐ…)
- ブラインドプリンセス:
まさか。私も大好きなお菓子でして……
- ブラインドプリンセス:
マーマイトとウナギのポテトチップスです。
- サイクロプスプリンセス:
……
- サイクロプスプリンセス:
マーマイトと…ウナギだと?
- ブラインドプリンセス:
はい、マーマイトとウナギです。あっマヨネーズもありますよ。
たっぷりつけて食べれば…… - ブラインドプリンセス:
小さな私?どこに行かれました?
- 今慌てた様子で走っていったぞ?
- ブラインドプリンセス:
どうしたんでしょうか……?飲み過ぎて気持ち悪くなったのでしょうか?
- どうだろ…何かに戦慄したような表情だったけど…
- 主人公:
- まぁ何かの見間違いだろ…サイクロプスプリンセスが怖がってるところなんて
見たことないし。 - ブラインドプリンセス:
あら、心配ですね。
- ブラインドプリンセス:
あとで二日酔いに効く物でも持ってお見舞いに行きますかね。
- そうだね。
- ブラインドプリンセス:
それはそうと……お酒を飲んだせいかちょっと暑いですね。
- ブラインドプリンセス:
少し歩きませんか、司令官さん?
- ブラインドプリンセス:
ふふ……外に出たおかげか、やっと熱が引きました。
- ブラインドプリンセス:
エスコートありがとうございます、司令官さん。
- どういたしまして。
- 主人公:
- 俺はベンチに座るブラインドプリンセスの隣に腰掛け、
あることを思い出し、彼女に聞いてみた。 - そういえば、最近元気がなかったのは何だったの?
- ブラインドプリンセス:
あ…
- ブラインドプリンセス:
昔、レプリコンに言われたことを考えていたんです。
- ブラインドプリンセス:
私は、その言葉に対する答えをまだ見つけられていない……
- よかったら、どんな言葉だったのか教えてくれるかな?
- ブラインドプリンセス:
はい、もちろんです。
- ブラインドプリンセス:
「どうして私たちバイオロイドに感情があるのか」……と言われたのです。
- ブラインドプリンセス:
夢で……いつも彼女が私に聞いてくるのです。
- レジスタンスの
ケルベロス:
…さっきのあれが最後の鉄虫でした!
- レジスタンスの
Miss Safety:
幸い、非戦闘員がいる方には向かっていないようですね。
- ブラインドプリンセス:
ハッ!待ってください!この音は……
- ブラインドプリンセス:
砲撃です!全員、私の後ろに!
- ブラインドプリンセス:
(私が衝撃を防ぎきらなければ…!)
- ブラインドプリンセス:
くっ……ううっ!!!
- レジスタンスのレプリコン:
ゆ、床が……!
- レジスタンスのレプリコン:
床が崩れます!皆さん、気をつけてください!
- ブラインドプリンセス:
…皆さん大丈夫ですか?
- ブラインドプリンセス:
皆さん……?皆さん?
- レジスタンスのレプリコン:
うぅ…
- レジスタンスのレプリコン:
わ、私は大丈夫です。他の皆さんは……
- レジスタンスのレプリコン:
…大丈……
- レジスタンスのレプリコン:
…あ、あぁ……あぁ……
- ブラインドプリンセス:
何が…一体どうしたのですか、レプリコン?
- ブラインドプリンセス:
血の臭いが……
- レジスタンスのレプリコン:
…ケルベロスとセーフティーさんが…
- ブラインドプリンセス:
……
- ブラインドプリンセス:
レプリコン……
- レジスタンスのレプリコン:
…うう……うううあああぁぁ……どうして……どうして…!
- レジスタンスのレプリコン:
どうしてこんな風に悲しまなければならないんですか!?
- レジスタンスのレプリコン:
私は…ただの兵器です!ただ敵を殺し、味方が死んでも何も感じては
いけないはずです……! - レジスタンスのレプリコン:
それなのに、どうして……私には感情があるんですか!?
- レジスタンスのレプリコン:
感情モジュールなんて…戦闘の邪魔になるだけの欠陥です!それなのに…
- レジスタンスのレプリコン:
どうして…人間は私たちに感情モジュールを埋め込んだんですか……
- レジスタンスのレプリコン:
どうして……人間は私たちを苦しめるんですか……
- ブラインドプリンセス:
レプリコン…
- レジスタンスのレプリコン:
…すみません。…泣いてる場合じゃないのに……
- レジスタンスのレプリコン:
…バニラさんの応援に行ってきます。
- ブラインドプリンセス:
…私が…私が行ってきます。あなたは怪我の手当てを……
- レジスタンスのレプリコン:
…すみません。
- ブラインドプリンセス:
それ以来、レプリコンはあまり笑わなくなりました。
- ブラインドプリンセス:
マーリンも私も…バニラも…仲間を失うたびにだんだんと疲弊していき、
- ブラインドプリンセス:
私もそのたびにレプリコンの言葉を思い出しました。
- ブラインドプリンセス:
そして、レプリコンまで鉄虫に殺されて……
- ブラインドプリンセス:
その時に私は、死ぬまでにあの言葉の答えを必ず見つけて、
レプリコンに教えてあげようと心に決めたんです。 - ブラインドプリンセス:
だから、ここでなら見つかるかと思って……色んな人に聞いて回っていたら……
いつの間にかちょっと暗くなっちゃってました。すみません。 - …それで、答えは見つかった?
- ブラインドプリンセス:
いいえ、まだです。ですが…いつかきっと…見つかると思います。
- うん。そうだね。見つかると思う。
- 主人公:
- そうだ……
- 主人公:
- ブラインドプリンセスに見せてあげないといけないものがある。
- …もうちょっと歩かない?
- ブラインドプリンセス:
はい?
- 見てほしいものがあってね。
- ブラインドプリンセス:
うーん……でも私は目が見えませんよ?
- 主人公:
- それを言われたら何も言えない……
- ブラインドプリンセス:
ふふ、冗談です。では……エスコートをお願いしてもよろしいでしょうか?
- 主人公:
- 俺はブラインドプリンセスと一緒にフェアリー達が管理する庭園に向かった。
- 主人公:
- 庭園の片隅には、マーリンが「絶対にオルカに移してほしい」と
懇願されたアレがあった。 - 主人公:
- イギリスのレジスタンスが作った畑だった。
- ブラインドプリンセス:
…あら、うふふ、こちらに移してくれたのですか?
司令官さんは本当にお優しいのですね。 - ブラインドプリンセス:
ですが…私たちがいなかった間、誰も管理できなかったでしょうから……
お花は全部枯れてしまったでしょうね。 - アクア:
え?枯れてないよ、お姉さん。この畑、ちゃんと管理されてたよ?
- アクア:
こういう薔薇って本当に育てるのが難しいんだよね!
アブラムシはよくつくし、色んな病気にもなりやすいし。 - アクア:
でも見て。この薔薇にはアブラムシもいないし、すごく健康に咲いてる!
私たちはこれを植え替えて、お水をあげただけだよ! - アクア:
いい肥料とか農薬だけじゃ こんな風にはならないよ!
お姉さんのお友達がお世話してたんでしょ? - アクア:
お姉さんのお友達はきっと、すっごく愛情を持ってお世話してたんだね!
- ブラインドプリンセス:
…あ。
- ブラインドプリンセス:
…マーリンがこれを管理してくれてたんですね。
- ブラインドプリンセス:
…私…バカみたいですね。
- ブラインドプリンセス:
ふふ、連れて来てくださってありがとうございます、司令官さん。
答えが見つかった気がします。 - よかったら…聞かせてもらってもいいかな?
- ブラインドプリンセス:
あの畑は……私たちにとってただの畑ではありません。
- ブラインドプリンセス:
戦死した仲間の遺体を回収できないことはよくありました……
そんな仲間達が植えた花があの畑にはあったんです。 花は、仲間達との思い出であり、仲間達そのものでもありました。 - ブラインドプリンセス:
もし私たちに感情が無かったのなら……私もマーリンも畑のことを
気にかけたりしなかったでしょう… - ブラインドプリンセス:
…例え管理してくれていたとしても、薔薇は枯れていたかもしれません。
- ブラインドプリンセス:
だから……今ならレプリコンに答えてあげられる気がします。
- ブラインドプリンセス:
感情は私たちを苦しめるために与えられたのではなく……
- ブラインドプリンセス:
大切な記憶を忘れず、最後まで誰かを想うことができるよう…
- ブラインドプリンセス:
私たちに与えられた贈り物なんだと。
- ブラインドプリンセス:
もしかしたら…私たちを初めて作った人は、私たちが思う以上に
優しい人だったのかもしれませんね。 - ブラインドプリンセス:
そんな話を…レプリコンに聞かせてあげたいです。
- ブラインドプリンセス:
いいえ…皆さんに聞かせてあげたい。
- ブラインドプリンセス:
レモネードに騙され、司令官さんが生きていることを知らぬまま……
辛い日々を送る全てのバイオロイドに。 - ブラインドプリンセス:
鉄虫によって孤立し、苦しむ全ての者たちに。
- ブラインドプリンセス:
そんな人々に…この話を聞いてほしい。
- 主人公:
- ブラインドプリンセスはそう言うと俺に手を差し出した。
- ブラインドプリンセス:
私と一緒に…歩んでいただけませんか?司令官さん。
- 言われなくても、もちろんだよ。
- 主人公:
- 俺はそう言って、ブラインドプリンセスの手を握った。
- 主人公:
- そして、ブラインドプリンセスは微笑み、俺に一歩近づく……
- マーリン:
はいはいはーい!最高のタイミングでムードをぶち壊すマーリンちゃん登場ォ!!
- ブラインドプリンセス:
ひっ。
- 主人公:
- …ブラインドプリンセスは一瞬で俺との距離を開けて、
赤くなった顔を必死に手で扇いだ。 - マーリン:
おいおいおい?二人とも何スかこれ?何いい雰囲気になっちゃってるんスか?
死ぬよ?私ちゃん嫉妬で死ぬよ? - マーリン:
まぁ、アーサーとブラインドプリンセスが仲良くなるのは嬉しいけど、
この可愛い可愛いマーリンちゃんを忘れちゃダメだよ~!! - それで、どうかした?マーリン。
- マーリン:
ほら、アーサーとコンスタンツァさんにまだちゃんとお礼できてなかったじゃん?
- マーリン:
だから、アウローラに頼んでポセイドン式ケーキを作ってもらいました~!
- ブラインドプリンセス:
ポセイドン式ケーキ?
- マーリン:
そう!艦もBig、大砲もBig、そしてケーキもBigに!!
- マーリン:
それがポセイドン式ケーキ!
- マーリン:
そーゆーわけで、アーサーにはこれから12段ケーキを食べてもらいます……
- マーリン:
アーサー、胃袋にケーキが入るスペース、あるかな~?あるともー!
- …12段ケーキ!?嘘だろ…
- マーリン:
はは!もう遅いよ!ケーキはすでに焼けているのだから!
- マーリン:
早く早くアーサー!もうみんな待ってるんだよ!
- 主人公:
- そう言って歩き出すマーリン。俺とブラインドプリンセスは小さく笑って
あとをついていくことにした。 - ブラインドプリンセス:
ちょっとムカついたので、わざとゆっくり行きませんか?
- 急がなくても大丈夫かな?
- ブラインドプリンセス:
ムードをぶち壊してくれた人の言うことを素直に聞く必要ってあります?
- ブラインドプリンセス:
少しくらい遅れても大丈夫ですよ。だから、ゆっくり行きましょう。
私たちの物語は始まったばかりなんですから。 - 物語か…どんな話になるんだろ?
- ブラインドプリンセス:
それは私にも分かりません。
- ブラインドプリンセス:
でも……どんなに険しく厳しい道のりだとしても、
- ブラインドプリンセス:
私とあなたなら、最後はきっとハッピーエンドです。
- - :
< 目隠し姫と霧の国 > END.