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Transcription
- 主人公:
- デルタとの戦いの最中にオルカに合流したヘル。
- 主人公:
- 自尊心が非常に低く、何かあるとすぐネガティブになってしまうが…
根は優しい少女だ。 - 主人公:
- しかし、ヘルには重大な問題があった……それは……
- 主人公:
- 常識を知らないということ。
- 主人公:
- そのせいでヘルはオルカ各所で事件を起こしていた。
- 主人公:
- オルカを騒然とさせたある事件…いわゆる“ドクタースキャンダル”も
その一つだ…… - 主人公:
- その事件はスプリガンと一緒に朝食をとっていた時の
些細な出来事がキッカケだった。 - A-14Bスプリガン:
ねぇ、司令官……私の質問に真剣に答えてほしいの……
- …何?
- A-14Bスプリガン:
…何か特ダネ持ってない?
- …あっても言わないよ。
- A-14Bスプリガン:
えぇ…そんなこと言わないでよぉ…。
この前まで協力的だったのに、急にどうしたのよ? - A-14Bスプリガン:
あ~!もしかして、この前トモに格ゲーで12連敗して2階級降格したのが
ニュースになっちゃったから? - しー!しー!!!
- A-14Bスプリガン:
あはは!トモはゲームが得意だから仕方ないわよ。
まぁでも、流石に気にもしちゃうか…… - A-14Bスプリガン:
…シルバーランクになっちゃったらねぇ……ははは!
- ううう…!
- 主人公:
- 悔しい…、本当に悔しい……!
- 主人公:
- スプリガンは現在ゴールドランク。
オルカ格ゲー界ではランクの低い者に発言権はないとされている。 つまり…今の俺はスプリガンに逆らうことが出来ない…!! - …覚えてろよ…!
- A-14Bスプリガン:
ふふふ!とりあえずシルバーの沼から抜け出してから言ってくださ~い。
- 主人公:
- そんなこんなでスプリガンと言い合いをしながら食事していたところに…
- 主人公:
- ヘルが幸せそうな顔で走って来た。
- ヘル:
…人間様!見つけました!私、見つけました!!
- A-14Bスプリガン:
おはよう、ヘル。
見つけたって何を? - ヘル:
あ、おはようございます……あ、え、えっと……あのですね。
- ヘル:
お、お母さんを見つけました!
- 主人公:
- また増えたのか…!?
- A-14Bスプリガン:
…これは特ダネのニオイがするわね…
- A-14Bスプリガン:
こほん。では改めてお聞きします。お母さんとはどなたなのでしょう?
- ヘル:
は、はい!それは……
- ヘル:
ドクターさんです!
- …はい?
- A-14Bスプリガン:
…え?それは……え?
- A-14Bスプリガン:
どういうことか説明してくれる?
- ヘル:
は、はい!説明します。
私は博士と呼ばれる方に作られました。 - ヘル:
そして、ブリュンヒルドお姉さまは自分を作った方を
母親だって言っていました。 - ヘル:
だから私を作った博士は私のお母さんだということになります。
- A-14Bスプリガン:
……少し違う気もするけど、まぁそう言えなくもないのかな?
- ヘル:
ですよね!
そして、昨日アレクサンドラ先生に教わったのですが、 “ドクター”という言葉は“博士”という意味なんだそうです! - ヘル:
つまり、ドクターさんは私のお母さんだったということです!
- ……
- A-14Bスプリガン:
………ほう。
- ………………そ、そっかぁ。
- 主人公:
- これはどこから説明すればいいのか……
- 主人公:
- 俺が頭を抱えていると、ふと隣の席が急に静かになったことに
気が付いた。 - 主人公:
- スプリガンがいない!
- …いくら特ダネがないからって…
- 主人公:
- 案の定、その日のマイオルカTVでは「ドクター、ヘルの母親説」
が放送され…… - 主人公:
- それを見たドクターはスプリガンとヘルに「博士課程を履修させる」と
追いかけ回した…… - 主人公:
- …あの時はドクターをなだめようとして俺まで大変な目に遭った……
- 主人公:
- 他にも…
- フォーチュン:
じゃあ、今からあなたの能力をテストさせてちょうだいね!
- ヘル:
は、はい!頑張ります……!
- フォーチュン:
ふふっ、気合入ってるわね!お姉さん、そういう子大好きよ!
- フォーチュン:
じゃあ、あそこに飛行機があるわよね?あれを片付けてもらえるかしら?
- ヘル:
はい、上手くできないかもしれませんが…頑張ってみます!
- ヘル:
すー……
- ヘル:
…飛行機を片付けろ?そんな簡単なことでワタシの力を計ろうというのか?
- フォーチュン:
うん。今回は単純な能力のテストだけじゃなくって、
能力を使った時の体への負担の有無も一緒に調べたいの、 だから、あまり無理をする必要はないわ。 - ヘル:
わかった。それならばワタシの力…刮目せよ!
- 主人公:
- そう言ってヘルが杖を振ると、鉄虫の残骸が集まって巨人を形作り…
- 主人公:
- フォーチュンが指示した飛行機を派手に殴り飛ばした。
- フォーチュン:
……
- ヘル:
どうだ?ワタシの力は。
あんな飛行機を片付けるなど造作もない。 - ヘル:
ふんっ…昨日覚えたフレーズをさっそく使ってしまった……
ワタシの応用力が恐ろしい…… - フォーチュン:
…そ、そうね……お姉さんも凄いと思うわ…
- ヘル:
呆然とするのも仕方のない事だ。
ワタシの力を目の当たりにして驚かぬ者などいないからな。 - ヘル:
では…ワタシの出番は終わった。
これでさらばだ…フォーチュン。 - ヘル:
……ふぅ。あ、どうですか?フォーチュンさん?
- フォーチュン:
あー…うん。えっとね?本当はあの飛行機を能力で操って
別の場所に動かしてほしかったんだけど… - フォーチュン:
お姉さんの言い方が悪かったわ。ごめんね?
- ヘル:
…と、ということはもしかして、またやらかしてしまったんでしょうか?
- フォーチュン:
ううん。お姉さんのミスよ。
- フォーチュン:
次からはもっとわかりやすくお願いするから…
- 主人公:
- こんな感じで…
- 主人公:
- ヘルに悪意はないのだが、こういった事件をよく起こしていた。
- 主人公:
- 今度は一体何をやらかしたんだ……?
- 主人公:
- 俺は色んな可能性に頭を抱えながらシティーガード本部に向かった。
- フロストサーペント:
ああ!いらっしゃい、司令官。
- ヘル:
ぁうう…に、人間様…すみません…すみません……
- ウチの子が何をやらかしたのか分かりませんが、この度は…
- フロストサーペント:
あはは!大丈夫だって、大した事故じゃないからさ。
- …そ、そう…?
- フロストサーペント:
ただ…しばらくキッチンが使えなくなったくらいかな…?
- …何をしたの…?
- ヘル:
…ポルティーヤさんが卵料理をするというので…お手伝いをしたんです。
- ヘル:
この前、電子レンジを使えば3分でカレーができるということを知ったので…
- ヘル:
卵を電子レンジに入れたら……
- ヘル:
大爆発して……
- 主人公:
- Oh…
- いや待て、そんなことでキッチンがダメになるか?
- フロストサーペント:
卵が一つだけだったらそんな事にはならないね。
- フロストサーペント:
でも、ヘルみたいに卵を大量に入れたらあっという間に地獄が完成~♪
- …誰も怪我はしなかった?
- ヘル:
はい…でも、キッチンが使えなくなってしまいました……
- いや、怪我人がいないなら大丈夫だよ。
- フロストサーペント:
そうそう、怪我人がいないのが一番だよ。
卵でも万が一ってことがあるからね。 - フロストサーペント:
とにかく…もう同じことはしないだろうし、消防安全講習も受けてもらったから…
もう行っていいよ。 - ヘル:
い、いいんですか…?本当にもう行ってもいいんでしょうか?
- フロストサーペント:
うん。一応怪我がないか調べて、安全講習をするために連れてきただけだから。
- フロストサーペント:
これからは電子レンジに危険なものは入れない。オーケー?
- ヘル:
うう…はい…気を付けます。
- ヘル:
人間様も忙しいのに…私のせいで……本当にすみません!すみません…!
- いやいや、大丈夫だから…
- 主人公:
- 俺はその後ヘルを慰めたが…
- 主人公:
- ヘルの落ち込んだ顔はしばらく消えそうにはなかった。
- ヘル:
うぅ……
- メリテ:
あまり気にするでない。そなたは人助けをしようとして失敗しただけであろう?
- メリテ:
怪我人もいなかったし、キッチンを片付ければいいだけなのだから、
そんなに落ち込むことはない。 - ヘル:
ですが…私、オルカに来てからご迷惑ばかりおかけして…
何一つまともに出来たことがありません…… - ヘル:
このままだとバミューダチームのお姉さま達にも嫌われてしまいます……
そうなったらもう…居場所がありません…… - メリテ:
そんなはずがあるわけなかろう!
バミューダチームの者たちはすでにそなたの家族ではないか! - メリテ:
家族とは互いを思いやり守り合うもの。
例え数年、いや数十年離れていたとしても、一刻も想う心を忘れないものだ。 - メリテ:
そんな家族が…何度か失敗したくらいでそなたを捨てると思うか?
- ヘル:
捨てる…?そんな可能性があるんですか?
- ヘル:
え…!えぇ!?捨てられるかもしれないんですか?私…
- メリテ:
いや、そんな受け取り方をされると困るんだが……
- ヘル:
ええ!?困らせてますか!?すみません!すみません!
困らせてしまうようなゴミですみません! - メリテ:
い、いや…そうではなくてだな……
- 主人公:
- どうやらメリテはヘルのようなタイプと話すのは初めてみたいだな…
- 主人公:
- ここはフォローが必要だと思い、俺は二人の会話に割り込むことにした。
- そういえばヘル、ちょっといいかな?
- メリテ:
(ありがとう、提督…)
- 今回マルタ島に行かなきゃいけなくなったんだけど…
- ヘル:
はい…
- ヘルも一緒に行かない?
- ヘル:
…い、いいんですか?
- 主人公:
- ヘルは思ったより好感触な反応を見せた。
俺はそれを見てすぐにメリテにアイコンタクトを送った。 - メリテ:
おお!それは良い提案だな!
- メリテ:
マルタは今、誰もいない無人島のはずだ。
デルタの勢力圏になっていたこともあって鉄虫もいないだろうし、危険もない。 そこで存分に疲れた心と体を癒すといい! - メリテ:
私たちと共にマルタの美しい海を楽しもうではないか!
- ヘル:
マルタ…海…人間様と…?
- ヘル:
い、行きたいです……
- 主人公:
- 俺とメリテはヘルに見えないように小さくハイタッチをした。
- じゃあ明日の早朝に出発するから準備しておいて!
- ヘル:
はい……!
- ヘル:
また明日……!
- メリテ:
ふぅ、見事に解決したな?提督。
- すべては女王様のご助力のおかげです。
- メリテ:
アハハッ!何を言っておる。助けてもらったのは私の方だ!
- メリテ:
…それにしても、聞いてはいたがあれほどとは……
もともと臆病な性格に製造されたようだが、 放浪している間にも色々なことがあったのだろうな…… - 多分ね。何があったのかは俺も知らないけど…
- 主人公:
- あまり酷い目に遭ってなければいいのだが…
- メリテ:
はぁ……マルタの海で少しでも癒されてほしいものだ。
- メリテ:
そろそろ私も準備をするとしよう。
- メリテ:
また明日だ。提督!
- 主人公:
- じゃあ俺も部屋に戻って荷物をまとめるとするかな?
- 主人公:
- おそらく俺が直接指揮しなければならないような大きな戦闘も
当分は起きないはずだし…… - 主人公:
- 夏の休暇をゆっくり楽しむとするか……
- 主人公:
- この時の俺はこんな風に気楽に考えていた……
- サラシア:
シアも行く!
- ガラテア:
シア…僕と一緒に残った方がいいんじゃないかなぁ?
- ガラテア:
僕が美味しいものをたくさん買ってあげるから!
- サラシア:
やだ!シアもマルタに行く!
- アンフィトリテ:
シ、シア…ダメなのよ…
- アンフィトリテ:
し、司令官様…!いらしたのですね…!少々お待ちください。
シアがマルタに行くと言い出してしまって…… - サラシア:
マルタにいるお姉ちゃんたちに会いに行くんでしょ?
- サラシア:
シアもお姉ちゃんたちに会いたい!
- 主人公:
- 雰囲気的にただシアがわがままを言っているという状況ではなさそうだ……
- 主人公:
- すると、メリテが重い表情で口を開いた。
- メリテ:
…もうよい。アンフィトリテ。
- アンフィトリテ:
……メ、メリテ…ですが……
- メリテ:
いつまでも隠し続けるわけにもいかないだろう。
- アンフィトリテ:
……
- メリテ:
サラシアももう真実を知るべき時なのだ……
- サラシア:
真実…?
- メリテ:
そうだ。胸が痛むかもしれないが、受け入れなければならない真実だ。
- メリテ:
サラシア。よく聞け…
- メリテ:
マルタにはもう誰もいない。