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Transcription
- 主人公:
- 硝酸カリウムとアルミニウム粉末を混ぜて熱を加えれば、
照明弾に使われる粉末を作ることができる。 - 主人公:
- もちろん照明弾を作るには他にも必要な工程があるが……
- 主人公:
- 時間の都合で詳しい説明は省略する。
- 主人公:
- とにかく俺は照明弾を完成させて、急いで階段を上った。
- 主人公:
- もう大分前になるが…コンスタンツァとグリフォン、そしてヨアンナと一緒に
灯台に向かった時のことを思い出した。 - 主人公:
- あの時、灯台で俺たちを待っていたLRLもこんな風に
不安に苛まれていたのだろうか…? - 主人公:
- いや、今は恐れている時ではない。
- 主人公:
- この島を彷徨っているはずのメリテたちマーメイデンに光を示さなければ。
- 主人公:
- 灯台で光を灯し続けていたLRLのように…
- 主人公:
- 真祖のプリンセスのように、カッコよくキメてやろう!
- …サイクロプスエターナルビーム!
- 主人公:
- …俺は照明弾に火をつけた。
- メリテ:
あの光は…
- アンフィトリテ:
白いフレア…!司令官様に違いありません!
- ガラテア:
ハニー…!無事だったんだ!
- メリテ:
…ふふふ、当たり前であろう!提督なら無事だと信じていた!
- ガラテア:
声がちょっと震えてるよ~、女王様?
- メリテ:
そ、それは…少し心配しすぎただけだ…
- メリテ:
とにかく、マーメイデン!全員、全速力で灯台へ向かえー!
- アンフィトリテ:
了解!
- アンフィトリテ:
シア、ヘルさん!もう少し頑張ってください!
もう少しで司令官様と合流できますからね! - 主人公:
- 灯台の下で少し休んでいると、勢いよくドアが開いた。
- 主人公:
- マーメイデンのみんなの無事な姿を見ることができて俺も自然と笑みがこぼれる。
- メリテ:
提督!!
- ガラテア:
ハニー!
- メリテ:
怪我はないか!?
- うん。大丈夫!そっちこそ怪我はない?
- ガラテア:
…ヘルとシアが少し怪我を……僕が守らなきゃだったのに……
- そうか……
- 主人公:
- …こんな時のためにマルタ大学から救急箱を持ってきていた。
なるべく使うことがないよう祈っていたけど…… - 二人ともこっちにおいで。
- 主人公:
- 簡単な応急処置だが、しないよりはマシだろう。
- サラシア:
…へへへ。戦団長、こちょこちょしてもいーい?
- デカルトボイジャー・サッカ:
こんな状況でも冗談を言えるだなんて勇敢なお嬢さんだ。
はじめまして、拙者はデカルトボイジャー・サッカという。 - サラシア:
で…デカルチャー…?
- デカルトボイジャー・サッカ:
…言いにくいならサッカと呼んでくれ。
- サラシア:
わかったぁ!かさのおじさん!
- デカルトボイジャー・サッカ:
お、おじさん……
- サラシア:
かさのおじさんが戦団長を助けてくれたの?ありがとうね!
- デカルトボイジャー・サッカ:
…まぁ…うん。もう好きなように呼べ……
- デカルトボイジャー・サッカ:
ところで拙者を見ても驚かないのか?
- サラシア:
え?シア、驚かないといけなかったの?
- デカルトボイジャー・サッカ:
いや、そうではないが…拙者のように感情表現が豊かなAGSは珍しいだろう?
- サラシア:
ううん?オルカにいっぱいいるよ?
あー…でも、かさのおじさんは確かにちょっと珍しいかもね。 - デカルトボイジャー・サッカ:
ほぉ…?それは……なかなか興味深い……
- デカルトボイジャー・サッカ:
その話、詳しく……
- 主人公:
- シアとサッカがヒソヒソと話している間、俺はヘルに包帯を巻きつつ
メリテにこれまでの報告をしてもらった。 - メリテ:
…というわけだ。私がもっとうまく指揮できていれば……
- それでもこんな混沌とした状況でよく来てくれた。
- メリテ:
まぁ、マルタの海は慣れているからな。
- メリテ:
何より照明弾のおかげだ。あれがあったからこそ迷わずに合流出来たのだ。
- お礼は後でハイエナに言ってあげて。
- メリテ:
…ハイエナに?
- 詳しいことはあとで。今はまず情報を共有する。
- 主人公:
- 俺は現在差し迫っている問題と、その解決のために
これから何をするのかを説明した。 - 主人公:
- そして、それを聞いたマーメイデンの子たちは
やはりこの夢を見ているバイオロイドについて心当たりがあるようだった。 - ガラテア:
う~ん、その見た目ならこの夢を見ているのが誰なのかわかる気がするよ。
- ガラテア:
たぶん、アルキュオネだね。
- アンフィトリテ:
…そうですね。
- サラシア:
アルキュお姉ちゃん、生きてるの?
- サラシア:
よかったね!アンフィお姉ちゃん、アルキュお姉ちゃんと仲良しだったもんね!
- アンフィトリテ:
……そうね。
- アンフィトリテ:
…生きて…たんだ…
- メリテ:
うむ……そうか……生きていたのだな。
- アンフィトリテ:
これをよかったと言うべきなのか……よく分かりませんが…
- 生きてたんならよかっただろ?
- メリテ:
…当時戦っていた相手はレモネードデルタだったからな。
デルタの残虐性を考えたら…… - …そういうことか…
- 主人公:
- もし戦っていたのが別のレモネードだったなら、
負けたとしても命を落とすだけで終わっていたかもしれない。 - 主人公:
- ゼータやオメガは特に理由がなければ非効率的な行動はしないだろうし、
ガンマはまぁ…ガンマだし…… - 主人公:
- でも、オードリー姉妹にあれほど惨いことをしたデルタが相手だったら……
- 主人公:
- マルタにいた者たちの最期がどうだったのか、想像に難くない……
- …とにかく、作戦を立てよう。
- 主人公:
- 今シアとヘルは戦える状態ではない。
移動速度は遅くなるが、ひし形陣形で移動した方がよさそうだ。 - メリテ:
うむうむ。それではこの二人を中列に配置して、私が後列を預かればいいな。
- ガラテア:
じゃあ、先頭は僕に任せてよ!
- アンフィトリテ:
では私が二人を護衛します。
- アンフィトリテ:
この陣形ならしっかりと二人を守りながら移動できますね。
- ヘル:
……
- ヘル:
いや…
- どした?
- ヘル:
私たちは置いて行ってください。
- 主人公:
- まさかヘルからそんな言葉が出るとは思ってもみなかった。
- ヘル:
シアさんには悪いですが…私たちは荷物になるだけです……
- ヘル:
だから、人間様たちは先に行ってください。
- ガラテア:
…本当に?大丈夫なの?
- ヘル:
はい…大丈夫です。
- ヘル:
私は確かに頼りないですし……臆病者です……
- ヘル:
力も使えないのに、自分一人でシアさんを守らないといけないって考えると……
怖くて今にも体が震え出しそうです…… - ヘル:
でも…それよりも怖いのは、家族を失うことです。
- ヘル:
メリテさんが言っていました…
家族というのは数十年離れていたとしても、想う心を忘れないものなんだって… - ヘル:
だったら、アルキュオネさんのことをずっと想っていたってことは……
アルキュオネさんは家族なんですよね? - メリテ:
……そうだな……
- ヘル:
私は自分にお姉さまがいるってことを知って、
まだ会ったこともないに「会いたい」って気持ちで心が温かくなりました。 - ヘル:
私ですらこんななのに…アルキュオネさんとずっと過ごしていた皆さんは…
きっと今会いたくてたまらないと思います。 - ヘル:
なのに…私のせいで会えなくなるのは嫌です。
- ヘル:
足を引っ張りたくないんです。
- ヘル:
だから、ここに残ります。
- メリテ:
だが…AGSたちがやってきたらどうするつもりだ?
- ヘル:
それは…何とかします…
- ガラテア:
…僕も残るよ。
- ヘル:
え!?いや、でも!
- ガラテア:
僕が二人を守る。
そもそも、シアとヘルが怪我したのは僕が守れなかったのが原因だし。 - ガラテア:
僕たちのことは心配しないで!AGSの数は多いけど、たいしたことないじゃん?
そっちもハニーの指揮があれば僕がいなくても楽勝だよ! - サラシア:
うん!シア、怪我はしちゃったけど夢だから痛くないもん!
- サラシア:
だから、大丈夫!シアたちのことは気にしないで
アルキュお姉ちゃんを助けに行って! - 主人公:
- どうやら三人の意思は固いようだ。
- わかった。
- 主人公:
- 三人が勇気を出して決めたんだ。俺も必ずアルキュオネを救い出さないと。
- 主人公:
- そうとなれば合流するのにも時間を使ってしまったし、すぐに動き出そう。
- 主人公:
- 俺は椅子から立ち上がり、サッカを見た。
- 悪いけど、引き続き協力してもらってもいいか?
- デカルトボイジャー・サッカ:
もちろんだ。ただ、一つだけ条件がある。
- 条件?
- デカルトボイジャー・サッカ:
うむ。先も言った通り、拙者は伴侶を探している。
拙者と同じように思考し、自身の存在を自覚する人工知能を。 毎度いい雰囲気にはなるのだが…失敗しているのだよ。 - デカルトボイジャー・サッカ:
見たところ、おぬしは拙者とは違って他者との交流が上手そうだ。
- …まぁ、ある程度はそうかもな…
- デカルトボイジャー・サッカ:
つまり、おぬしは拙者の伴侶探しの役に立つはずだ。
- デカルトボイジャー・サッカ:
だから、死なないように。
拙者の伴侶探しを手伝ってもらわねばならないからな。 これが協力する条件だ。 - それは良い条件だ。
- メリテ:
はははっ!まったくもってそうだ!
- メリテ:
では、行こう!アルキュオネの居場所に心当たりはあるか?
- アンフィトリテ:
アルキュオネはおそらく…この島の地下にある三安の研究所かと。
- アンフィトリテ:
アルキュオネは特にやることがない時はよくあそこにいましたから。
- メリテ:
たしかにそうだったな。まずはそこを目指すとしよう!
- メリテ:
アルキュオネを永い眠りから目覚めさせるために……出発だぁ!!
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<夢見る人魚の島> 第2部に続く。