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Transcription
- デカルトボイジャー・サッカ:
…まぁそういう状況というわけだ。
- 主人公:
- 俺はただため息をつくしかなかった……
誰かが起こしてくれるまでここから出られないだなんて…… - 主人公:
- もちろん、このまま待っていればスチールラインが異常に気付いて
助けに来てくれるだろうが…ただ待っているというのは得策ではない… それにスチールラインの隊員たちも眠ってしまう可能性がある。 - どうにかして早く脱出する方法はないのかな?
- デカルトボイジャー・サッカ:
それは拙者もわからない。アトラスについての知識は
拙者の中のデータベースにある内容しか知らないからな。 - デカルトボイジャー・サッカ:
……ふむ。
- デカルトボイジャー・サッカ:
もしかすると方法があるかもしれないな。
- 本当に!?
- デカルトボイジャー・サッカ:
うむ。この場所は結局は夢だ。
- デカルトボイジャー・サッカ:
“自分が夢の中にいる”という事実を自覚していれば……
夢を自由にコントロールすることができるはず。 - 明晰夢ってやつか!!
- デカルトボイジャー・サッカ:
そういうことだ!そもそもこの装置は脳波をスキャンして夢を見せる機器…
- デカルトボイジャー・サッカ:
拙者たちが強く思考すれば…装置が拙者たちの脳波をスキャンして
夢を変化させることができるかもしれない! - デカルトボイジャー・サッカ:
よし、物は試しだ!さぁ、夢を変化させてみよう!
- デカルトボイジャー・サッカ:
まずはそうだな、簡単なものから始めてみよう。
(x^2+y^2- 1)^3-x^2*y^3=0 の形から試してみようか。 - 何て?
- デカルトボイジャー・サッカ:
ああ、すまない。おぬしには解かりにくかったな。
これは拙者のミスだ。何と言えばいいか…… - デカルトボイジャー・サッカ:
そう、ハートの形だ。夢をハートに変形させてみよう。
- 意味が分からないんだけど。
- デカルトボイジャー・サッカ:
…わからない?ハートにするだけだが?
- …抽象的すぎる。まずそっちがやってみてよ。
- デカルトボイジャー・サッカ:
…拙者には脳がないから、脳波は出ない。
- 主人公:
- なんだこいつ……
- 主人公:
- そういえば…このAGS……見た目と詩的な話し方、
ベテルギウスとかいう洒落た言葉選びのせいで騙されていたけど…… - 主人公:
- 知っている奴に似ている気がする。
そう、この独特のふざけた雰囲気は…… - 主人公:
- アルフレッド……
- …というか君はAGSなのにどうやって夢に入って来たんだよ?
- デカルトボイジャー・サッカ:
ふむ、それについては悲しき背景というものがあるが、話すと長い…
まぁ、簡単に言うと…… - デカルトボイジャー・サッカ:
あるバイオロイドを救うために拙者はこの身を捧げたのだよ。
- デカルトボイジャー・サッカ:
ここがガーディアンシリーズが作られた三安の研究所か。
- デカルトボイジャー・サッカ:
確か、データベースによるとここにアトラスという高性能A.I.があるらしいが。
- デカルトボイジャー・サッカ:
あの三安のデータベースが「高性能」と分類するほど優れたA.I.…
- デカルトボイジャー・サッカ:
拙者の伴侶になるに十分な資格がある。
- (……伴侶?)
- デカルトボイジャー・サッカ:
(おいおい、他人の回想に無闇に入るものじゃあないぞ?)
- (だっておかしいだろ!伴侶を探すAGSなんて聞いたことがない!)
- デカルトボイジャー・サッカ:
(実際にここにいるだろう!)
- デカルトボイジャー・サッカ:
(そもそもアヒルとタヌキを合わせたような生物や、首が2メートルもある動物が
いる世界だぞ?伴侶を求めるAGSなどまだ普通な方だろう) - (そ、そうかな…?そんな気もしてきた…)
- デカルトボイジャー・サッカ:
(であろう?では、話を続けるぞ)
- デカルトボイジャー・サッカ:
とにかく、それでだ…
- デカルトボイジャー・サッカ:
アトラス嬢よ!これまでこの島で一人寂しく過ごしてきたのであろう?
さぞ辛かっただろう…今その百年の孤独からおぬしを救ってみせよう! - デカルトボイジャー・サッカ:
どうやらここのようだな…
- デカルトボイジャー・サッカ:
ではでは…その論理回路、どれほどのものか見せてもらおうか……
- デカルトボイジャー・サッカ:
接続可能なポートを探して……繋げば……
- デカルトボイジャー・サッカ:
ふむ、ハッキングの腕は錆びついておらんようだ。
- デカルトボイジャー・サッカ:
(ああ、ちなみにこれは比喩だ。拙者の体は錆びない金属でできているのでな)
- (…いちいち説明しなくてもいいよ…)
- デカルトボイジャー・サッカ:
(すまないすまない。比喩というのはA.I.にとっては難しいものでな、
おぬしにも説明が必要かと思った) - デカルトボイジャー・サッカ:
(おぬしには文学の素養があるようだ!これは僥倖というもの!)
- (このくらい普通だろ……)
- デカルトボイジャー・サッカ:
アトラス、拙者の声が聞こえるか?
- ATLAS:
否定。ATLASに聴覚は存在しません。
- デカルトボイジャー・サッカ:
(な?全然通じなかっただろう?比喩は難しいのだよ)
- (回想に集中して!!)
- デカルトボイジャー・サッカ:
真面目なタイプなのかな?まぁそれも悪くない。
- デカルトボイジャー・サッカ:
では、拙者が送った信号を認識できるか?
- ATLAS:
肯定。ATLASは認識しています。
- デカルトボイジャー・サッカ:
よしよし…A.I.コアの外装がかなり腐食していて心配していたが、
幸いまだ正気を保っているようだ。 - デカルトボイジャー・サッカ:
それではここでそなたへ贈る愛の詩を……
- デカルトボイジャー・サッカ:
…む?ちょっとまて、これは何だ?
- デカルトボイジャー・サッカ:
このデータは……
- デカルトボイジャー・サッカ:
…おぬし、今……バイオロイドを監禁しているのか?
- ATLAS:
否定。ATLASは医療機器です。監禁などの不法行為は一切行いません。
- ATLAS:
バイオロイド“アルキュオネ”には現在治療プロセスが実行されています。
- デカルトボイジャー・サッカ:
…治療?このログを見てもそれを信じろと?
もう5万回以上もシミュレーションが実行されているぞ! - デカルトボイジャー・サッカ:
これはれっきとした監禁と言える。
早くこのバイオロイドを解き放ち、自己診断プロトコルを実行するんだ。 - ATLAS:
否定。ATLASに問題はありません。
- デカルトボイジャー・サッカ:
…壊れたA.I.に正常な対処を期待した拙者が馬鹿だったか……
- デカルトボイジャー・サッカ:
しょうがないな。それならば拙者が強制的に…
- ATLAS:
警告。警告。許可なく管理者権限へのオーバーライドが検出されました。
- ATLAS:
オーバーライドを試みている対象、三安所属「デカルトボイジャー・サッカ」
…………不正IDと確認。 - ATLAS:
外部からの侵入者と判断し、侵入者のデータを削除します。
- デカルトボイジャー・サッカ:
(おっとこれは大変だ…消される前に接続を解除したいところだが…
いま無理に解除すると、このバイオロイドの神経系にダメージを 与えてしまうかもしれない……) - デカルトボイジャー・サッカ:
(これは…仕方ない……一か八か…)
- デカルトボイジャー・サッカ:
(あのバイオロイドは今夢を見ている状態。
その夢の中に拙者のデータを転送すれば…削除されずに済むかもしれない) - デカルトボイジャー・サッカ:
(ではでは、行ってみようか!南無三!)
- デカルトボイジャー・サッカ:
…そして、拙者はその博打に勝ち、ここにいるというわけだ。
- デカルトボイジャー・サッカ:
どうだ?感動的な話だろう。一人の心を救うために拙者は身を捧げたのだよ。
- それって…「自分も捕まってた」ってことなのでは?
- 主人公:
- …やっぱりこいつ…残念なAGSだ……
- デカルトボイジャー・サッカ:
んなっ…!拙者の崇高な犠牲をそんな言葉で片付けるんじゃあない!
- …そう…だね……
- 主人公:
- まぁ…理由自体は素晴らしいものだしな……
- デカルトボイジャー・サッカ:
とにかく、そういうわけだ。それじゃあ話を最初に戻そう。
- デカルトボイジャー・サッカ:
この夢から脱出する方法を何とか見つけなければな。
- 一応、待っていれば島の外から助けが来てくれるけど―
- 主人公:
- マルセイユにいるスチールラインのことについて話そうとした瞬間、
サッカは首を横に振った。 - デカルトボイジャー・サッカ:
残念だが、それは期待しない方がいい。
- え?どうして?
- デカルトボイジャー・サッカ:
時間が限られている。ついて来てくれ。
- 主人公:
- サッカはそう言って隠れ家を出た。
- デカルトボイジャー・サッカ:
空が暗くなったのを見るに……
- デカルトボイジャー・サッカ:
もうすぐ始まる。
- …なにが……
- デカルトボイジャー・サッカ:
空を見てみろ。よく見れば分かる。
- 主人公:
- サッカの言う通り、夜空を見上げた俺はすぐにその“異常”に気が付いた。
- 主人公:
- 俺が夜空だと思って見上げていたものは…この島を飲み込もうと
迫りくる超巨大な…… - 波……?
- デカルトボイジャー・サッカ:
そう、巨大な波。周期的にやってきてはこの島を文字通り洗い流し…
初期化している。 - デカルトボイジャー・サッカ:
島の地形…建物…そして、島にいる人々の記憶まで。
- デカルトボイジャー・サッカ:
幸い、拙者は波の影響を受けなかった。しかし…おぬしがどうなるかは分からない。
- デカルトボイジャー・サッカ:
記憶が初期化され、繰り返しの渦に取り込まれるか……
アトラスに“異物”として認識されて波に洗い流され消える可能性もある。 - もし消えたらどうなる…?
- デカルトボイジャー・サッカ:
わからない。
- 主人公:
- 急に事態が切迫してきたな……
- …波が来るまでの残り時間は?
- デカルトボイジャー・サッカ:
約6時間ほどだな。朝日が昇ると同時に初期化が始まる。
- 6時間以内に何とかしないといけないのか…
- デカルトボイジャー・サッカ:
そうだ。だから早くいい方法を見つけなければな。
- デカルトボイジャー・サッカ:
AGSや鉄虫からおぬしを守ることはできるが、
あの波はいくら拙者でもなす術がない… - …方法ならあるかもしれない。
- デカルトボイジャー・サッカ:
おお…何か思いついたか?
- 君が言ったろ?監禁されてるバイオロイドがいるって。
- 主人公:
- 俺やサッカは正式な方法でこの世界に来たわけじゃない。
- 主人公:
- だから、俺たちに対しての“治療方法”はそもそも存在しないはずだ。
- 主人公:
- だが、この夢を見ている人物……
ドリームウォーカーに監禁されているバイオロイドなら話が違う。 - デカルトボイジャー・サッカ:
…なるほど、一理あるな。
- デカルトボイジャー・サッカ:
では、拙者たちがやるべきことは……
- そのバイオロイドを探して治療する。
- 主人公:
- これが上手くいけばこの世界から出られるはずだ。
- デカルトボイジャー・サッカ:
よし、そうと決まれば早速動き出そうか。
- デカルトボイジャー・サッカ:
しかし…そのバイオロイド…どうやって見つける?
- 俺には見つけられない。でも…
- 主人公:
- マーメイデンの子たちなら見つけられるはずだ。
- デカルトボイジャー・サッカ:
おぬしといたという者たちか。確かにいくらバイオロイドと言えど、
今頃眠ってこの世界に来ているだろうからな。 - デカルトボイジャー・サッカ:
合流する方法はあるのか?
- 主人公:
- 合流する方法……今ちょうどいい方法が頭に浮かんでいる。
- 近くにアルミホイルと硝酸カリウムが手に入る場所はある?
- デカルトボイジャー・サッカ:
マルタ大学がこの近くにある、そこの厨房と実験室を探してみよう。
- デカルトボイジャー・サッカ:
ところで、そんなものを探してどうする?
- 照明弾を作る。
- 主人公:
- ありがとうハイエナ。帰ったら美味しいものをいっぱい奢ってあげよう。
- 主人公:
- …いや、でもハイエナなら美味しいものよりも爆弾か?
- デカルトボイジャー・サッカ:
ふむ、照明弾か。いい考えだな。
- デカルトボイジャー・サッカ:
じゃあ、照明弾の方はお任せする。
その間集まってくるAGSたちは拙者が阻止しよう。