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Transcription
- 主人公: 
- ついに研究所の最奥にたどり着いた俺たちはドアを蹴破って
部屋に突入する……  - 主人公: 
- しかし、そこには待ち受けていると覚悟していたAGSはおらず、
がらんとしていた。  - アンフィトリテ: 
…あ、あれ…?
 - メリテ: 
…なんだ?AGSどころか何もいないではないか。
ここにアトラスの本体があるのではないのか?  - ATLAS: 
肯定。ATLASの本体はここです。
 - メリテ: 
出たな……!全員、構えろ!
 - ATLAS: 
戦闘中止を要請。ATLASに戦闘の意思はありません。
 - メリテ: 
…え?
 - ATLAS: 
ID識別完了。正規ID…三安所属「メリテ」と「アンフィトリテ」
 - ATLAS: 
イレギュラーID「デカルトボイジャー・サッカ」
 - ATLAS: 
ATLASは人間の接続を確認したため、攻撃を中止します。
- 中止?そんな簡単に…?
 
 - ATLAS: 
肯定。ATLASは人間のために作られた医療機器です。
 - ATLAS: 
ATLASはアイザック・アシモフのロボット工学三原則を遵守します。
ATLASは人間に危害を加える行為はいたしません。  - ATLAS: 
本来なら人間の異常な接続を感知すれば直ちに対処したはずですが……
 - ATLAS: 
ATLASは現在、本来の機能のほとんどが使用できない状態です。
そのため、人間の接続を感知することができませんでした。  - ATLAS: 
防御プログラムが稼働し、人間を攻撃したのもこのような事情から
発生した事故です。  - ATLAS: 
ATLASのこれまでの行為に対し、深くお詫び申し上げます。
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
ふむふむ……これはまた予想外の展開だな。
 - 主人公: 
- ロバートやアンダーウォッチャーのような手強い敵が出てくるかと
思っていたが……  - 主人公: 
- 幸い、アトラスはそういったタイプのA.I.ではなかったようだ。
- じゃあ…本当に異常がないか自己診断をしてくれない?
 
 - ATLAS: 
ATLASは使えない機能が存在すること以外は正常です。
ですが……  - ATLAS: 
ATLASは人間がそう望まれるのなら、精密診断プロセスを実行いたします。
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
…ふむ、かなりスムーズに事が運んでいるな?
- …俺達を騙している可能性もある。
 
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
まぁそう心配するな、問題がないか拙者が見守るとしよう。
 - 主人公: 
- 俺はアトラスが精密診断をしている間にアルキュオネを探すことにした。
しかし……  - 主人公: 
- 研究所内部にはアルキュオネどころか誰かいるような形跡すら
見つけられなかった。  - メリテ: 
…おかしい。アルキュオネの性格ならそこかしこを散らかしながら
生活しているはずだ。  - アンフィトリテ: 
夢の中だからでしょうか…?
 - メリテ: 
…わからない。でも、ここにアルキュオネがいないことだけは確かだな。
- 他の場所を探した方がいいかな?
 
 - メリテ: 
そうだな…
 - アンフィトリテ: 
困りましたね…夜明けまであまり時間もないのに……
 - メリテ: 
あとどれくらいだ?
 - アンフィトリテ: 
約4時間半です。
- 参ったな…この島を全部探す時間はないぞ。
 
 - メリテ: 
…だが、ここからはアトラスの邪魔は受けないから余裕はあるだろう。
 - メリテ: 
むしろ協力してくれるかもしれない。
アトラスの機能が完全に回復したら頼んでみよう。  - デカルトボイジャー・サッカ: 
待て、こっちだ!こっちに来てくれ。アルキュオネを見つけたぞ。
 - アンフィトリテ: 
本当ですか!?
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
うむ、しかし…これは……
 - アンフィトリテ: 
一体何が…
 - アンフィトリテ: 
すぐに行きましょう!
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
アルキュオネはここだ。
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
このドリームウォーカーの中だ…
 - メリテ: 
つまり……
 - メリテ: 
夢の中でさらに夢を見ているということか?
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
そういうことになる。そして、もう一つ……
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
アトラスには何の問題もなかった。
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
アトラスは本当にアルキュオネを治療していたということだ。
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
改めてアトラスと対話をしてみて分かったが……
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
アトラスがAGSを送って拙者たちを攻撃してきたのは、
アルキュオネを侵入者から守るための行動だったそうだ。  - デカルトボイジャー・サッカ: 
ご覧の通り、彼女の精神は非常に弱っている状態だ。
夢の中ですら現実に向き合うことができず、 さらに夢の中に逃げなければならないほどに……  - アンフィトリテ: 
……
- 大丈夫か?
 
 - アンフィトリテ: 
…アルキュオネはどんなに大変な状況でも笑って私たちを励ましてくれました。
 - アンフィトリテ: 
姉妹を失っても決して折れることはなかったのに……
 - アンフィトリテ: 
こんな事になるだなんて……
 - アンフィトリテ: 
一体何があったのか……想像もできません……
 - メリテ: 
…デルタの所業を目の当たりにしている私たちなら…並大抵のことではない
ということはわかるだろう…… - …考えたくもないな……
 
 - メリテ: 
本当は幸せな事なのだが、プレアデス姉妹は“いい人間”しか知らなかった。
彼女たちを作った研究者たちも、マルタの住民たちも……皆、善良で、親切で……  - メリテ: 
そんな状態でデルタの残忍さと悪意に触れてしまえば……
こんな風になってしまうのも不思議ではない。 - これは……どうすればいい?
 
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
ふむ……それほど深刻なトラウマを植え付けられているのなら、
揺すって起こすというのはあまりいい方法ではないかもしれないな?  - デカルトボイジャー・サッカ: 
仕方ない。拙者たちももう一度ドリームウォーキングするしかないな。
 - ATLAS: 
否定。ATLASは反対します。
 - アンフィトリテ: 
なぜですか?アトラス、あなたもアルキュオネを治そうとしていたのでは?
 - ATLAS: 
肯定。ATLASは現在アルキュオネを治療中です。
 - アンフィトリテ: 
それなら反対するのはおかしいと思いますが。
 - ATLAS: 
否定。ATLASは人間が危険にさらされる可能性を放置できません。
- 危険にさらされる?
 
 - ATLAS: 
肯定。夢の中の夢というのは、一般的な夢とは異なります。
ドリームウォーカーの中で見る夢は非常に危険です。  - デカルトボイジャー・サッカ: 
…一理あるな。
 - メリテ: 
なぜだ?単純に夢の中で見る夢ではないのか?
 - メリテ: 
私も似たような経験をした事はある。朝起きて歯を磨いていると思ったら
実はまだ寝ていたとか……これがそんなに危険なのか?  - デカルトボイジャー・サッカ: 
それは夢の中の夢とは少し違う話だ。
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
厳密に言うと、それは「夢から覚める夢」なのだよ。
 - アンフィトリテ: 
今話している夢の中の夢と何の違いがあるのですか?
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
ううむ……どう説明したらいいのかわからないな。拙者もこれを実際に
経験したことがないから、理論上でしか把握できない領域なのだよ。  - デカルトボイジャー・サッカ: 
もちろん、夢も見たことはないがな!ははは!
 - アンフィトリテ: 
…真面目に話しているのですが。
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
…おお、すまないすまない。
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
とにかくだ……夢の中の夢を見るというのは実は不可能な事なのだよ。
 - メリテ: 
それはなぜだ?
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
人間とバイオロイドの脳はマルチタスクが得意な器官ではない。
色々なことを同時に思考するのは容易ではないということだ。  - デカルトボイジャー・サッカ: 
つまり脳は二つの夢を同時に見ることができないように設計されている。
夢の中の夢も結局は別の夢を見るということだろう?  - アンフィトリテ: 
だから夢の中で夢を見ることはできない、ということですか……
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
そういうことだ。
だが、ドリームウォーカーはそれを可能にしてしまう。 夢を作り出すのはおぬしたちの脳ではなく、この装置だからなぁ。  - デカルトボイジャー・サッカ: 
しかし、そこで問題が発生する。
先に言ったように、人間の脳は夢の中の夢という概念を 受け入れることができないのだよ。  - デカルトボイジャー・サッカ: 
結果として…混乱に陥った脳は現実と夢の境界を失ってしまう。
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
簡単に言えば永遠に夢を見ることになるかもしれない…ということだ。
 - ATLAS: 
現在、患者アルキュオネが置かれている状況です。
 - ATLAS: 
何より、夢の中は現実と時間の流れ方が違います。
 - ATLAS: 
夢の中で時間が経過し、リセットシーケンスに巻き込まれる可能性があります。
 - デカルトボイジャー・サッカ: 
…おお、それは拙者も見逃していた。
 - ATLAS: 
これらの理由から、人間の二度目のドリームウォーキングを
許可することはできません。  - メリテ: 
…そういうことなら私たちも反対に同意しよう。
提督の安全こそが私たちにとっての最優先事項なのだから。  - メリテ: 
しかし、だったらどうすればこの夢から出られるのだ?
 - ATLAS: 
…ATLASが計算します。
………………  - ATLAS: 
…………人間の命とバイオロイドの命。どちらを優先すべきかは明白です。
 - ATLAS: 
ATLASは結論を下します。
 - ATLAS: 
患者アルキュオネの治療を現時刻をもって強制終了します。
 - アンフィトリテ: 
…強制終了?それはどういう意味ですか?
 - ATLAS: 
カウンセラーと担当医師が精神的なトラウマを受けないようにするために
用意されたプロセスで、患者に大量の筋弛緩剤を注入して心停止を誘発します。  - ATLAS: 
患者の生命活動が停止した場合、治療プロセスが継続できない状況になります。
 - ATLAS: 
その結果、治療プロセスが強制終了し、ドリームウォーカーと
接続している方々も強制的に接続が解除されます。  - アンフィトリテ: 
それは…アルキュオネを“殺す”ということですか?
 - ATLAS: 
肯定。その通りです。
 - アンフィトリテ: 
そんな……!そんなこと、許せません!
 - ATLAS: 
アンフィトリテユニットが患者アルキュオネと親交があることは承知しています。
ATLASはあなたが感じる悲しみと喪失感を理解することは出来ませんが、 残念だと思います。  - ATLAS: 
しかし、この方法があなた方がログアウトできる確実で最も早い方法です。
仮にリセットシーケンスに巻き込まれた場合、あなた方は高い確率で精神系に ダメージを負うことになるでしょう。  - ATLAS: 
筋弛緩剤の注入準備完了。人間の認証を待っています。
 - ATLAS: 
どうか、賢明な選択を。