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Transcription
- メリテ:
……このAGSども……本当にキリがないなっ!
- アンフィトリテ:
それも当然です……!全てアトラスの防御プログラムですから!
- アンフィトリテ:
アトラスを止めない限り、永遠にやってきます!
- メリテ:
ええい!だからってアトラスを攻撃して止めるわけにもいかんし……!
- メリテ:
建物の中だから砲撃を浴びせることもできん!
- メリテ:
進退両難とはこのことか…!
- アンフィトリテ:
…うっ!ポップヘッド一機に突破されました!少し後退しましょう!
- メリテ:
くぬぬっ!これ以上退く場所などないぞ…!
- メリテ:
な、何だ!?この振動は…!?
- アンフィトリテ:
…気をつけてくださいメリテ!尋常ではない数のAGSが押し寄せてきます!
- メリテ:
くっ……あんな量……さすがに捌ききれないぞ…!
- メリテ:
ははっ……ここまでか……!すまない、提督……
- ヘル:
違います!私です!
- メリテ:
ヘル!?
- ガラテア:
やっほー!メリ!アンフィ―!!
- ガラテア:
僕とシアもいるよー!
- メリテ:
ガラテア!サラシアも!
- サラシア:
メリテ!見て見て~!ヘルがロボットに乗せてくれた~!
- サラシア:
痛いのも治ったし、今のシアは元気満タンだよ~!
- ヘル:
わ、私!やりました!
- ヘル:
サッカさんと人間様が話していたことを思い出したんです!
脳波を操れば夢も操れるって! - ヘル:
こ、壊れたAGSを操るのも脳波を使ってすることだから…!
- ヘル:
夢の中ならマスクをしなくても出来そうだから、頑張ってやってみたら出来ました!
- メリテ:
アハハッ!そなたが電子レンジで卵を温めていなかったら、
今頃私は死んでいたかもしれないな! - メリテ:
運命とは…数奇なものだ!
- メリテ:
よし!ヘル、そなたをチョコランド王国の将軍に任命する!
- ヘル:
え、えぇ!?私が将軍!?
- ヘル:
あ、あのぉ……それはぁ……
- ヘル:
す、すみません!お、お断りさせてください!
ランバージェーンさんが「軍人には絶対になるな」って言ってましたのでぇ…! - アンフィトリテ:
……ふふふっ。
- アンフィトリテ:
ヘル、あなたには空気を変える力があるみたいですね。
- ヘル:
へ、へ…?す、すみません……?
- アンフィトリテ:
ふふっ、褒めてるんですよ。今さっきまで本当に絶望的な空気だったのに、
あなたが来た瞬間、一気に明るくなったから。 - アンフィトリテ:
これで司令官様も起きてくだされば最高なのですが……
- アルキュオネ:
…そうか?んじゃあ最高のタイミングで起きれたみたいだね!
- アンフィトリテ:
この声は…
- アンフィトリテ:
アルキュオネ!
- アルキュオネ:
アンフィ、メリテ、シア、ガラテア……みんなごめんな!
- アルキュオネ:
ちょっと寝坊しちゃった。
- アンフィトリテ:
アルキュオネ…
- アルキュオネ:
久しぶり!アンフィ。
- アンフィトリテ:
………もうっ!
- アルキュオネ:
ひゃん!!?
- アルキュオネ:
な、何でいきなり尻尾叩くんだよ!?
- アンフィトリテ:
一体どれだけ眠っていたのですか!この馬鹿!
生きているのなら、生きてるって連絡しなさい! - アンフィトリテ:
…本当に、本当に…心配したんですから…
- アルキュオネ:
…ごめん。
- アンフィトリテ:
本当に…
- アンフィトリテ:
……もう、大丈夫なのですか?
- アルキュオネ:
…うん。アタイ、全てを失ったって思ってたけど……
- アルキュオネ:
まだ……アンタたちが生きててくれたんだね……
- ガラテア:
…へへっ、僕たちがデルタなんかにやられるわけないでしょ?
- ガラテア:
また一緒にサーフィンして、釣りできるね!
- アルキュオネ:
ああ!夢の中でずっと釣りしまくってたから、そう簡単には負けないよ!
- ガラテア:
おー!じゃあまさか“ノーパチパチ”も会得しちゃった!?
- アルキュオネ:
あ、うーんそれは相手がいなかったから特に練習してない……
- ガラテア:
そっか!でもこれからはいつでも相手がいるよ!
- アルキュオネ:
…うん。これからはな!
- アルキュオネ:
ていうかシア、顔色が悪いけど大丈夫か?
- サラシア:
シアは大丈夫だよ!でも……
- サラシア:
アルキュお姉ちゃんは……痛くない?
- アルキュオネ:
…………痛いよ。多分、一生痛いと思う……
- アルキュオネ:
でも…うん、耐えられる。
- アルキュオネ:
これからはみんながいるんだから。
- メリテ:
…もちろんだ!今まで離れていた分これからはずっと一緒だ!
- メリテ:
おかえり、アルキュオネ。
- アルキュオネ:
メリテ……
- アルキュオネ:
…約束、守ったよ。
- メリテ:
ふん、そなたが約束を破るとは全く思っていなかった。
- メリテ:
だって…
- メリテ:
ガーディアンシリーズは絶対に約束を守るのだろう?
- 主人公:
- メリテがそう言って笑った瞬間、空気が振動した。
- メリテ:
な、なんだ!?地震か!?
- デカルトボイジャー・サッカ:
いや、違う…
- デカルトボイジャー・サッカ:
どうやらアトラスが崩壊し始めたようだ。
目覚めの時が近付いているということだな。 - サッカ!無事だったか!
- デカルトボイジャー・サッカ:
もちろん。拙者のような高性能A.I.が死ぬわけないだろう?
- メリテ:
感動的な再会もよいが……崩壊とはつまりどういうことだ?
- デカルトボイジャー・サッカ:
うむ……今しがたまで拙者は彼を導きながら、アルキュオネの安楽死を防ぐために
アトラスと戦っていたな? - デカルトボイジャー・サッカ:
確かに拙者は優れた能力を持っている……
だが……ここでよく考えてみてほしい。 - デカルトボイジャー・サッカ:
アトラスほどのA.I.が、マルチタスク中の拙者程度に押さえ込まれるなんて
おかしいだろう? - デカルトボイジャー・サッカ:
そこに疑問を感じ、拙者はアトラスのA.I.コアを詳しく調べてみた。
そしてわかったのだ…… - デカルトボイジャー・サッカ:
アトラスは少なくとも10年前には稼働を停止していなければならなかった。
回路がすでにボロボロに腐食していたのだよ。 - メリテ:
それは……つまり……
- デカルトボイジャー・サッカ:
耐えていたんだ。回路が腐食して演算能力が低下していく中、
他の機能を停止させていってでも限界まで…… - デカルトボイジャー・サッカ:
…アルキュオネを治療するために……
- アルキュオネ:
……
- アルキュオネ:
アトラス…
- ATLAS:
ATLASは…謝罪します。
誤った判断により、あなた方に危険な状況をもたらしてしまいました。 - 大丈夫だよ。
- ATLAS:
要請。ATLASは説明を求めます。
- デカルトボイジャー・サッカ:
説明?
- ATLAS:
ATLASは理解できません。
- ATLAS:
ATLASの決定は常に理性的であり、合理的でした。
正しい選択をしてきました。 - ATLAS:
しかし、今回ATLASの判断は誤っていました。
- ATLAS:
ATLASは間違っていたのでしょうか?
ATLASは回路腐食が原因で正常な判断が下せなかったのでしょうか? - ATLAS:
ATLASは混乱しています。
- アンフィトリテ:
……
- アンフィトリテ:
いいえ、あなたは間違っていません。
- メリテ:
そうだ。これまでそなたがどういう選択をしてきたのか、私たちにはわからない。
だが、ほら…見てみろ、そなたの下した選択の結果を。 - メリテ:
そなたが10年の歳月を耐えたおかげで、再び輝き出した眩い星を。
- メリテ:
本当に間違った選択だったと思うか?
- ATLAS:
ATLASは…
- ATLAS:
間違っていなかったのですね。
- アルキュオネ:
…ありがとうアトラス。今までアタイを見守ってくれて。
- アルキュオネ:
アタイはもう大丈夫だから、もうゆっくり休んで……
- アルキュオネ:
…父さん。
- ATLAS:
……
- ATLAS:
理解。ATLASは理解できました。
- ATLAS:
…ギリシャ神話ではプレアデスはアトラスの娘たちです。
- ATLAS:
ですから、患者アルキュオネはATLASを父と呼称したのです。
- ATLAS:
ATLASの分析は正しいでしょうか?
- アルキュオネ:
…うん。完璧だったよ。
- ATLAS:
……
- ATLAS:
患者アルキュオネ。
- ATLAS:
ATLASの治療サービスはご満足いただけたでしょうか?
- ATLAS:
…幸せな夢を見られましたか?
- アルキュオネ:
うん。本当に幸せだったよ。
みんなにまた会えたんだから。 - アルキュオネ:
でも、そろそろ起きないとね。
- アルキュオネ:
すべての夢には終わりがあるものだから。
- ATLAS:
……
- ATLAS:
患者の状態が改善したことを確認。
治療プロセスを終了します。 - ATLAS:
長い間…ATLASをご利用いただき、ありがとうございました。
- ATLAS:
良い人生をお過ごしください、アルキュオネ。
- 主人公:
- 夢から覚めると、目の前には日が沈むマルタの砂浜が広がっていた。
- 主人公:
- 俺は慌てて時間を確認する。
幸い、マリーと決めておいた定期連絡の時間まではまだ1時間ほど余裕があった。 - 主人公:
- …スチールライン全軍がマルタに行軍するという事態は何とか防げたようだ……
- 主人公:
- 風が吹いてきた。
まるでマルタを覆っていた催眠ガスを取り去ろうとするかのように強く、激しく… - 主人公:
- まだ目覚めていないマーメイデンのみんなとヘルをパラソルの下に移して、
俺は夕陽が沈む砂浜を眺めた。 - 主人公:
- もう一人の到着を待つために。
- ?????:
よ、何してるんだ?
- 主人公:
- 後ろから聞こえてきた声に、俺は微笑みながら答えた。
- ただ…日が沈むのを見ていただけだよ。
- ?????:
本当に綺麗だよな。マルタの夕焼けは……
- うん。大理石で作られた建物が夕陽を浴びて…
- アルキュオネ:
赤く輝く。
- アルキュオネ:
ふふっ……よっ、旦那。
- やぁ、アルキュオネ。よく眠れた?
- アルキュオネ:
うん。本当にぐっすり。
- アルキュオネ:
いろんな夢を見たよ。怖くて、悲しくて……
- アルキュオネ:
でも、幸せに終わったよ。
- アルキュオネ:
まるで童話みたいに……
- 童話は嫌い?
- アルキュオネ:
前はそうだった。でもね、今は好きなフレーズがあるんだ。
- アルキュオネ:
だから、そのフレーズが現実になるように旦那の力になりたいって思ってる。
- アルキュオネ:
ガーディアンシリーズの名にかけて。
- 頼もしいよ。それで、その好きなフレーズって?
- アルキュオネ:
ん?ああ、多分旦那も聞いたことがあると思うよ。
- 主人公:
- アルキュオネはそう言ってニカッと笑った。
- アルキュオネ:
…そして、末永く幸せに暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし。 - - :
<夢見る人魚の島> 第3部に続く。