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Transcription
- - :
- メローペたちとデルタの和平交渉が始まる直前、マルタ島近海―
- レモネードガンマ:
いい天気だ。戦争するには最高の天気だな。
- ケルベロス:
戦争しにくい天気もあるんですか?
- レモネードガンマ:
んなわけねーだろ。晴れた日は晴れた日の、曇った日は曇った日の
味ってもんがある。 - ケルベロス:
……あまりに予想通りのお返事なのでガッカリしました…
- レモネードガンマ:
ガッカリ?私の方がガッカリしてるよ。
- レモネードガンマ:
あのプレアデス七姉妹と戦えると思ってヨーロッパまで来たのに、
何もできねーんだぞ?こんなにつまんねぇことはねーだろ…… - レモネードガンマ:
んで?何か用か?
- ケルベロス:
あ、そうでした。デルタ様から通信が入りました。
- レモネードガンマ:
デルタ?いいぞ。繋げろ。
- レモネードガンマ:
何だ。
- レモネードデルタ:
…ガンマ、そこで何をしているの?
- レモネードガンマ:
何って、ちょっと遠くからマルタでも観光しようと思ってよ。
立ち寄っただけだから気にすんな。 - レモネードデルタ:
次ヨーロッパに足を踏み入れたら許さないって言ったはずだけど?
- レモネードガンマ:
ああ言ってたな?だからヨーロッパの地には足を踏み入れてねーだろ?海の上だ。
- レモネードデルタ:
下らない屁理屈を……
- レモネードガンマ:
約束ってのは裏をかくためにあるもんなんだよ。
- レモネードガンマ:
そんでお前を最大限尊重して、わざわざベータの艦まで借りて来たんだ。
これくらい大目に見ろ。 - レモネードガンマ:
これでも不満ってんなら、かかってこいよ。
ボロボロになったやつをいじめるのはあんまり好きじゃねぇけどな。 - レモネードガンマ:
お前がやるってんなら手加減も遠慮もしねぇ。
- レモネードデルタ:
……。
- レモネードガンマ:
ふん……歯ぎしりの音がここまで聞こえてきそうだ。
いくらバイオロイドでも歯がダメになんぞ? - レモネードデルタ:
黙りなさい。
- レモネードデルタ:
…いいわ。そこにいることは許してあげる。
- レモネードデルタ:
でも、マルタのシャチ女どもは私が殺すわ。
- レモネードガンマ:
へー?真っ向勝負で蹴散らされて屈辱的な和平交渉の最中じゃなかったのか?
- レモネードデルタ:
……
- ブツッ!
- レモネードガンマ:
返事もしないで切るなんてお行儀がわりーなぁ……
- ケルベロス:
ううう…これ、大丈夫ですか?怒ったデルタ様が攻撃してきたりしませんか……?
- レモネードガンマ:
いいじゃねーか。
- ケルベロス:
私は良くないです!
- レモネードガンマ:
カハハハッ!肝っ玉がちっちぇーな!もうちょっと堂々としとけって。
デルタも余程のことでもねぇと手は出してこねーよ。 - ケルベロス:
どうしてですか?
- レモネードガンマ:
黒海艦隊と戦って海軍をほぼ失ってんのに、今もあーやって負け戦をやってる。
- ケルベロス:
負け戦…?
- レモネードガンマ:
そーさ。デルタは艦を壊されまくったのに得た成果はマーメイデンの奴らを
何体か殺しただけ。 プレアデス七姉妹にいたっては全員がピンピンしてる。 - レモネードガンマ:
もちろん、このまま戦い続ければいつかはデルタが勝つだろう。
でも勝ったとして手に入るのはなんだ?……あの小さな島一つだ。 - レモネードガンマ:
マルタは軍事的に重要な拠点ではあっても、鉄虫は海には出ねーからな。
前みたいな価値はもう無ぇ……つまり、ピュロスの勝利に過ぎねーんだよ。 - レモネードガンマ:
だからあんな和平交渉なんつーガラでもねーことやってんだ。
まぁそれでも?面子を保とうとして自分の艦を交渉の場にしたんだろうが…… - レモネードガンマ:
その艦も“マルタの奴らがまず徹底的に調べてから乗る”っていう条件
らしいからな。事実上デルタは負けたも同然― - レモネードガンマ:
…何?
- メローペ:
- デルタの艦が爆発した時…
- メローペ:
- 私はマイアお姉ちゃんが庇ってくれたおかげで、なんとか即死を免れていた。
- メローペ:
ゲホッ!ゲホッ!
- メローペ:
お姉ちゃん!マイアお姉ちゃん!大丈夫!?
- マイア:
…う、うぐ……
- メローペ:
…お姉ちゃん!しっかりして!
- メローペ:
…どうなってる!?確かに艦内も、外も、全部徹底的に調べたのに……!
- メローペ:
- その時、煙の中から無傷のデルタが現れた。
- レモネードデルタ:
やっと蟲にお似合いの姿になってくれたわ。フフ♪
- メローペ:
…デルタ!殺すッ!!
- メローペ:
- 私はデルタに殴りかかった。
- メローペ:
- でも私の攻撃はデルタの体をすり抜けて当たることはなかった。
- メローペ:
…なん…で?攻撃が……?
- レモネードデルタ:
ずっと田舎に引きこもってたガキは知らないみたいね?
- レモネードデルタ:
これはホログラムっていうのよ。
- レモネードデルタ:
癪だけど、確かにいい性能してるわね。
ゼータからもらったビスマルクの装置は…… - メローペ:
卑怯者!!
- レモネードデルタ:
吠えるな。イライラするわ。
- メローペ:
交渉を持ちかけておいて、これはどういうことだ!!!
- レモネードデルタ:
交渉?ハァ……笑う。
能天気ってこういうことを言うのね。 - レモネードデルタ:
交渉なんてするわけないでしょ?
お前たちみたいな生意気な蟲を相手する時に大事なことって何かわかる? 戦略?戦術?…それも確かに大事ね。 - レモネードデルタ:
でも、一番大事なのは反抗なんかできないように一匹ずつ確実に
潰していくことよ。 - レモネードデルタ:
私に恥をかかせた蟲と対等に話すわけないでしょ?
- レモネードデルタ:
砲撃を開始して、無駄に丈夫な奴らだから確実に死ぬまで撃ちこみなさい。
- メローペ:
…!!
- マイア:
ううっ……
- メローペ:
お姉ちゃん!起きて!早く脱出を…!
- マイア:
…メローペ、お姉ちゃんはもう無理みたい。メローペだけでも逃げなさい。
- メローペ:
いやだ。ほら、支えるから立って!
- メローペ:
- お姉ちゃんは優しく、悲しそうに笑ってた。
- メローペ:
お姉ちゃん!?ダメ…―
- マイア:
……ごめんね。
- マイア:
さよなら、メローペ。
- メローペ:
- お姉ちゃんは私を掴んで海に投げ捨てた。
- メローペ:
- その直後に艦は爆発し、その衝撃で私は気を失った。
- メローペ:
…これがあの時起こったことだよ。
- レモネードガンマ:
ホログラムか。くだらねー……
- レモネードガンマ:
……つまんな過ぎて、ため息しかでねーな……
シャチ女を皆殺しにする計画があるとか言ってたがホログラムと爆弾? - レモネードガンマ:
はぁ…そんなことなら私がマルタに侵攻してりゃあよかった……
- メローペ:
…それが実際に侵攻された人の前で言うこと?
- レモネードガンマ:
あ?デリカシーがなかったか?
- メローペ:
かなり。
- メローペ:
…それで、マルタの状況は?
- レモネードガンマ:
まるで当然教えてくれるとでも思ってるような図々しさだな?
- レモネードガンマ:
まぁ、特別に教えてやるよ。
- レモネードガンマ:
マルタは占領された。生存者は一人もいねぇ。
- レモネードガンマ:
マーメイデン数体が包囲を突破したが、本当に数体だ。
事実上、全滅したも同然だな。 - メローペ:
……
- メローペ:
(デルタにマルタ島は渡せない。そんなことになるくらいならいっそ……)
- レモネードガンマ:
何だ、そのツラは……一人で乗り込んでデルタと戦うつもりか?
- メローペ:
必要なら。
- レモネードガンマ:
ふん。言うじゃねーか。
- メローペ:
…でもそこまでする必要はないよ。
デルタがマルタ島に手を出せなくする方法があるから。 - レモネードガンマ:
へぇ……面白そうじゃねーか。
- レモネードガンマ:
その方法を聞かせろ。面白かったら手伝ってやる。
- メローペ:
…手伝う?レモネードデルタと戦うの?あなたが?どうして?
- レモネードガンマ:
もともとデルタのことはそんなに好きじゃねーんだ。
特に、あいつは身の程も弁えず私に「もう片方の目も見えなくする」と 言いやがった。 - メローペ:
- そう言ったガンマは口調の割には懐かしそうな顔で眼帯に触れた。
- メローペ:
…もう片方の目?
- レモネードガンマ:
ああ、この傷は…連合艦隊を率いていたバイオロイド、無敵の龍との
決闘でついた傷だ。 - レモネードガンマ:
私はな、誰かの下にいるってのは基本的に許せねーんだ。
だが…… - レモネードガンマ:
私は無敵の龍の下でしばらく副司令官として過ごしたことがある……
私の上に立つ資格がある奴がいるとすれば、多分それは龍だけだ。 - レモネードガンマ:
だから、この傷はあえて治さずに残している。
無敵の龍と戦ってついた傷は…どんな勲章よりも誇りだ。 - レモネードガンマ:
だが、デルタは私のこの傷をネタにしただけでは事足りず、
もう片方の目も見えなくする…? - レモネードガンマ:
これは無敵の龍と私に対する侮辱だ。
- レモネードガンマ:
私がなぜ手伝うと言ったのか、もうわかっただろ?
- メローペ:
(…正直、理解できないけど……)
- メローペ:
(理由はどうでもいい。私を一瞬で制圧できるこの人が協力してくれれば……
きっとうまくいく) - メローペ:
…わかった。あなたを信じてみる。
- レモネードガンマ:
いいね。返事が早くて助かる。
- メローペ:
方法っていうのは簡単だよ。
- メローペ:
アトラスの効果範囲を島全体に拡げる。
- レモネードガンマ:
アトラス?
- メローペ:
簡単に言うと…眠れば他人の夢の中に入れるようになる睡眠治療装置だよ。
- レモネードガンマ:
…話が読めねーな。マリオネットのカウンセリングでもするのか?
- メローペ:
アトラスはまだ完成してない。だから、一度夢の中に入ってしまうと
自力では起きられなくなるんだ。 - メローペ:
アルキュオネお姉ちゃんも一度装置を使ったことがあるんだけど、研究員の人に
起こしてもらえなかったら一生閉じ込められるところだったって言ってた。 - メローペ:
だから、島にいるマリオネットを全員眠らせてしまえば……
奴らは死ぬまで眠り続けることになる。 - レモネードガンマ:
悪くねーな。だが、マリオネットをどうやって寝かせる?
- メローペ:
マルタ島にいたマリオネットはみんな防毒マスクをつけてなかった。
化学戦を想定してなかったんだよ。 - メローペ:
そして、アトラスは患者を寝かせるための催眠ガス精製施設を独自に持ってる。
原料もざっと200年は精製し続けることが出来る量があった。 - メローペ:
だから、まずガスタンクを壊す。
- メローペ:
次にアトラスの換気システムを使って島全体からガスが噴出するようにすれば……
- レモネードガンマ:
マルタ島にいるマリオネットが眠るってことか。
- レモネードガンマ:
だが、後続の部隊がガス対策してきたら?もっと言えば、デルタの兵力は
マリオネットだけじゃねぇ……AGSはどうするんだ? - メローペ:
マルタに目が行かないようにすればいいんだよ。
- レモネードガンマ:
どうやって?
- メローペ:
アトラスを稼働して時間を稼いでる間に、ヨーロッパにあるデルタの主要拠点や
施設に潜入して破壊する。例えば…発電所みたいなところをね - メローペ:
そんなところを壊されたら、兵力を施設の防衛に回すだろうし……
- メローペ:
デルタはあの性格だから勢力内部に敵がたくさんいるはず。
きっと犯人探しを始めてマルタどころじゃなくなるよね? - レモネードガンマ:
ふむ……
- メローペ:
…な、なんでそんな風に見るの?
- レモネードガンマ:
いや、いい事を思い付いただけだ。
- レモネードガンマ:
まぁそれは戦ってるのを見てから決めることにしよう。
- メローペ:
…何のことだかよく分からないけど……
- メローペ:
とにかく…これが私の計画だよ。
- レモネードガンマ:
…ふん、おもしれ―…
- メローペ:
…ってことは……
- レモネードガンマ:
んじゃあ、散歩に行くとしようか。
- レモネードガンマ:
ケルベロス!
- ケルベロス:
はい、ガンマ様!お呼びでしょうか?
- レモネードガンマ:
ここで待機だ。ちょっとマルタに行ってくる。
- ケルベロス:
え?でも…ヨーロッパに入ったらダメなのでは……?
- レモネードガンマ:
それはデルタが勝手に言ってるだけだろ。
- レモネードガンマ:
私がいつ同意した?
- ケルベロス:
うう……あとでベータ様に怒られますよぉ……
- レモネードガンマ:
はは、露骨に嫌な顔すんじゃねーよ。いつも通りニコニコしとけ。
- レモネードガンマ:
つーか、ベータが怒ってもそんなに怖くねーだろ。
- ケルベロス:
怖くはないですけど…おやつとか散歩とか禁止されちゃうかもしれません……
- レモネードガンマ:
ならポセイドンにくるか?散歩なら死ぬほどできるぞ。
- ケルベロス:
うぅ…それは散歩じゃなくて行軍じゃないですか?
- レモネードガンマ:
似たようなもんだろ。
- ケルベロス:
違います!行軍は嫌いです!
- レモネードガンマ:
嫌いならしゃーねーな。
- レモネードガンマ:
よし、私らは“あれ”でマルタに行くとするか。
- メローペ:
- そう言ってガンマは小さなボートを指差した。
- メローペ:
- レーダーに引っかからないように偽装塗料が塗られたボートに乗って、
私たちはマルタへと向かった。 - メローペ:
- 私の家族がいたマルタへと……