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Transcription
- EB-48Gフレースヴェルグ:
こちらフレースヴェルグ。司令官様、テンランスタジオB館周辺の確保、
完了いたしました。 - 主人公:
- 無事鉄虫たちを倒し、テンランスタジオB館の少し手前に
輸送機の着陸ポイントを確保した。そして、いよいよ三人が建物に近づく。 - EB-48Gフレースヴェルグ:
司令官様、スタジオの搬入口がありますが、やはりここから何者かが
出入りしていると思われます。 - 主人公:
- ドローンから送られてくる映像を見ると、大きなスタジオの搬入口の周りには
鉄虫の残骸がなく、コンクリートには何かが引きずられて出入りしている痕が いくつもあった。 - P/A-8ブラックハウンド:
大きさ的にバイオロイドというより、AGSかしら?
- P-22ハルピュイア:
重さ的にもそんな感じがするわね。コンクリートにこんな痕をつけられるのは……
- 主人公:
- そう言ってハルピュイアは何かに傷つけられて出来た溝のような線を
指でなぞった。 - 主人公:
- 鉄虫も地面に似たような痕を残すことがあるが、その場合はもっと乱雑な線が
いくつも出来るはずだ。この痕には規則性がある。 - 主人公:
- 例えばAGSが重い武器を持って外に出たりだとか……そういう感じだ。
- EB-48Gフレースヴェルグ:
ゴルタリオンXIII世の可能性も出てきましたね……
もしくはそれを改造した新キャラだとか…… - EB-48Gフレースヴェルグ:
もしそうだったなら、界隈に衝撃が走りますよ……ぜひとも新キャラご本人から
お話を聞かせていただくか、台本を見せてもらいたいですね! - EB-48Gフレースヴェルグ:
ワクワクしてきた~~~!!
- 主人公:
- フレースヴェルグがまた鼻息を荒くし始める。
彼女にとって目の前の古びた搬入口はさぞ光り輝いて見えているのだろう…… - 主人公:
- すると、急に機械の稼働音が聞こえはじめた。
- P-22ハルピュイア:
シャッターが開くわ!
- みんな警戒してくれ。万が一ってこともある!
- P-22ハルピュイア:
ラジャー!
- P/A-8ブラックハウンド:
はい、司令官。
- 主人公:
- ハルピュイアたちは一歩下がり、武器を構える。
- EB-48Gフレースヴェルグ:
ほほ……ほわあ……
- 主人公:
- フレースヴェルグは武器を構えつつ変な声を出している……
- EB-48Gフレースヴェルグ:
ししし、司令官様!脚が!脚が見えました!
- こっちでも見えてる……
- EB-48Gフレースヴェルグ:
太い!太いです!これは……ほわぁぁぁ!ゴル……ゴルゴル……
- 主人公:
- 搬入口のシャッターがゆっくりと上がっていき、開いた部分からは
脚部らしきものが映っていた。 - 主人公:
- なぜ脚部と表現したかと言うと、見るからにAGSのものだったからだ。
だが、そのまま上がっていくと機械的な脚部から急に生物的な太ももが現れた。 - ???:
あ、あのう……どちら様ですか?
- 主人公:
- その脚部の持ち主の喋り方を聞く限り、いきなり襲いかかってきたりは
しなさそうだ。 - 主人公:
- ブラックハウンドは一歩前に出る。
- P/A-8ブラックハウンド:
私たちは人間様が率いるオルカ抵抗軍所属のバイオロイドです。
この地域で孤立していらっしゃる方を救助しに来ました。 - ???:
救助……?
- P/A-8ブラックハウンド:
そうです。大変だったでしょ?これでもう安心ですよ!オルカ号には……
- 主人公:
- ブラックハウンドが喋っている間もシャッターは上がり、半分開いたところで
そこに立っている存在の全貌が明らかとなった。 - ???:
そういうのは……大丈夫です……
- 主人公:
- 彼女のその姿は、スパトイアやアーマードメイデンの隊員たちに
少し似ていたが、重火器のようなものは装備していなかった。 - 主人公:
- そして、その後ろに見えるスタジオの内部には大剣や槍のようなものが
いくつか並んでいて、それを使って戦っていることが推測できた。 - 主人公:
- すると、しばらく黙り込んでいたフレースヴェルグはやっと口を開く。
- EB-48Gフレースヴェルグ:
あ、あのぉ……
- EB-48Gフレースヴェルグ:
あなたはバイオロイドでよろしいんですよね……?
- 主人公:
- フレースヴェルグは当たり前のようなことを確認しているが、
初めて会う伝説製バイオロイドに対してはこれが最も的確な質問だ。 - 主人公:
- 自身をバイオロイドと認識していない場合、物語の設定の中に
生きている可能性が高い。その場合は対応の仕方も変わってくる…… - ???:
はい。ここで撮影されてた魔法少女マジカルモモの映画……
- ???:
『ゴルタリオンⅧ世の逆襲』のラストシーンを撮るために作られた
バイオロイドです。 - ゴルタリオン……
- EB-48Gフレースヴェルグ:
は……はっせい!?!?!?!?
- 主人公:
- フレースヴェルグは叫び声のような鳴き声のような声をあげた。
- EB-48Gフレースヴェルグ:
ふぅ……
- ん?
- P-22ハルピュイア:
え!?
- 主人公:
- フレースヴェルグはカメラドローンにグッと親指を立てて、静かに気絶した。
- 主人公:
- フレースヴェルグが気絶してしまったせいでアルマンとハルピュイア、
ブラックハウンドたちが代わりに彼女の話を聞いて報告してくれた。 - 主人公:
- 今は気が付いたフレースヴェルグが取材……いや、改めて話を聞いている。
- アルマン枢機卿:
彼女の名前はサレナ……『劇場版魔法少女マジカルモモ』のラストシーンを
撮る為だけに作られたそうです。 - ……そのラストシーンを“撮る為だけ”って言い方が気になるんだけど?
- 主人公:
- 俺が言うと、アルマンの表情は少し暗くなった。
- アルマン枢機卿:
はい。彼女はゴルタリオンⅧ世の役で……本来は特別に製造したゴルタリオンⅧ世が
存在したのですが、その機体は非常に高価だったそうです。 - ……
- 主人公:
- ……それを聞いただけで大体の察しがついてしまった。
- アルマン枢機卿:
作品のラスト……ゴルタリオンⅧ世がモモにトドメを刺され爆発する
らしいのですが…… - アルマン枢機卿:
そのシーンを撮り終え、ゴルタリオンⅧ世は爆発し 完全に破壊されました。
- ん?撮り終えたの?
- 主人公:
- 想像と違うか?と思ったが、アルマンは暗い表情のまま続けた。
- アルマン枢機卿:
はい。しかし、その映画の監督がそのシーンに納得できなかったようで、
撮り直そうとしたそうです。 - アルマン枢機卿:
ですが、先程も申し上げた通りⅧ世は非常に高価な特注機体だったので……
もう一度作るのは予算的にも納期的にも厳しかったようです。 - 主人公:
- やはり嫌な想像は当たっていた……
- アルマン枢機卿:
そこで、サレナさんにゴルタリオンⅧ世の予備パーツを装着させて、
ラストシーンだけを撮影するという手段をとったそうです…… - はぁ……
- 主人公:
- 思わずため息が出てしまった。
- アルマン枢機卿:
背後から刀で貫かれたシーンを撮る予定だったので、
胴体前部分は生身なんだそうです…… - アルマン枢機卿:
そして、胸にある大きな傷はモモが突き刺す場所……
つまりマーカー……だそうです。 - 本当にどこまで……人類っていうのは……
- 主人公:
- 自然と拳に力が入っていた……。人類の所業はこれまでもたくさん見てきた。
彼女もたくさんあったケースの一つでしかない。 - 主人公:
- だからといって、よくあることだと簡単に済ませていい事柄じゃないはずだ。
そういうことが本当に多すぎる。 - 主人公:
- でも今は……
- ……はぁ……それで、救助を渋ってるって?
- アルマン枢機卿:
はい、陛下が命令すれば簡単なのですが……
- 主人公:
- ふむ。アルマンが言葉を濁している。同じ伝説関係のバイオロイドだ、
何か思う所があるのだろうか?とにかくここは俺が直接話をした方がいいだろう。 - 主人公:
- 俺はパネルにカメラドローンの様子を表示させた。
- フレースヴェルグ。
- EB-48Gフレースヴェルグ:
はい。司令官様、先ほどはお恥ずかしいところを……
- いや、気にしないで。サレナと話がしたい。どういう状況?
- EB-48Gフレースヴェルグ:
あ……はい……少し特殊でして……
- 主人公:
- 俺は黙って頷き、続きを促す。
- EB-48Gフレースヴェルグ:
すでにお聞きしていると思いますが、サレナさんはラストシーンを撮る為に
作られています。 - EB-48Gフレースヴェルグ:
ですので、人間の監督に「モモのマジカル真シャイニング突きを胸に受けて
殺されるシーンを演じろ」という命令を受けているそうです。 - …………
- EB-48Gフレースヴェルグ:
だから、そのせいで“モモ以外に殺される”ということに忌避感があるらしく……
そこにさらに鉄虫の襲撃時、「このスタジオを守れ」と命令されて…… - スタジオを離れたくない?
- EB-48Gフレースヴェルグ:
そういうことになります……
- アルマン枢機卿:
……
- 主人公:
- 流石のフレースヴェルグも暗い表情をしていた。
そして、隣にいるアルマンも辛そうに目を伏せていた。 - 主人公:
- 単純な命令というのはそれだけ強力だ。他に解釈の余地がない……
だからその地に縛りつけられるような事が簡単に起こってしまう…… - 主人公:
- キルケーも人間に言われた「ここを守れ」という一言で、
鉄虫が襲来してから俺が現れるまで、テーマパークから動くことが出来なくなった。 - 主人公:
- そういうことなら……これは俺の出番だ。
- アルマン、この場合どう命令すべきかな?
- 主人公:
- アルマンにはこの言葉だけで伝わったはずだ。
だが、彼女は少し難しそうな顔をして悩んでいるようだった。 - 主人公:
- 俺が返事を待っていると、アルマンは意を決したように口を開いた。
- アルマン枢機卿:
そうですね。でしたら……「もうスタジオを守らなくていい」でしょうか……
- 主人公:
- ……俺はわかったと返事をして、通信をサレナに替わってもらった。
- はじめまして、サレナ。
- 主人公:
- サレナの話を聞くと、否が応でも胸の×印に目が行ってしまう。
- サレナ:
はじめまして……まだ人間様がおられただなんて……感動しました。
- 突然だけども、話は聞かせてもらったよ。
- サレナ:
はぁ……
- 君はもうスタジオは守らなくていい。オルカにおいで。
- サレナ:
……へ……?
- 主人公:
- 俺がそう言うと、サレナはしばらくぼーっとしていた。
- サレナ:
…………
- 主人公:
- だが、じわじわと目が大きく開いていき、涙を浮かべた。
- サレナ:
もう……いいんですか?私はもう……スタジオを守らなくて……いいんですか?
- そうだよ。
- サレナ:
はぁぁぁぁ……よかった……。よかった……
- 主人公:
- 俺が少し笑いながら頷くと、サレナは静かに息を吐いた。
そして、長い間 溜まり続けていた空気が抜けるように床にへたり込んだ。 - サレナ:
うぅっ……うぅぅぅ!うぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!
- P/A-8ブラックハウンド:
よかったですね。オルカには温かいご飯もベッドもありますから、
そこで休みましょう。 - EB-48Gフレースヴェルグ:
よがっだでずねぇ…………!!
- 主人公:
- フレースヴェルグはモモのハンカチをグシャグシャにしながら
その様子を見つめていた。 - ハルピュイア、悪いけどサレナを護送してやってくれ。
- P-22ハルピュイア:
任せて、完璧にエスコートするわ!