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Transcription
- 主人公:
- 戦闘指揮が終わって周りを見渡すと、ちょうどアルマンが艦橋に入ってきた。
アルマンは俺と目が合うとペコリとお辞儀をする。 - アルマン枢機卿:
お疲れ様です、陛下。
- 良かった。聞きたいことがあるんだけど……
- アルマン枢機卿:
それは……サレナさんのことですね?
- 主人公:
- アルマンはこうなる事が分っていたように驚くわけでもなく、
口を真一文字にして俺を見つめていた。 - アルマン枢機卿:
何故あの時……モモに殺される演技に関しての命令を提案しなかったのか……
そうですよね? - うん。やっぱり不都合が多いと思って…
- アルマン枢機卿:
陛下のおっしゃる通り、不都合がないようにするならばあの時、
「サレナさんが受けていた命令を取り消す」と言った方が良かったと思います。 ですが、私はスタジオを守ることだけを取り消しました…… - 主人公:
- アルマンは言うと、俺の目をじっと見つめた。
- アルマン枢機卿:
時間が欲しかったのです。
- 時間?
- アルマン枢機卿:
はい、最善の方法はないかと……それを見つける時間が……
- 主人公:
- アルマンならそんなことすぐに―
- アルマン枢機卿:
陛下、今私ならすぐに最善の方法を見つけられるのでは?
と思いましたね? - うん。まぁ……
- 主人公:
- アルマンは手に入れたデータや状況などを基にして演算を行い、
未来予知に近い予測を出すことができる。 - 主人公:
- それは今まで何度も助けてもらった俺がよく知っている。
だから彼女の助言は頼りにしているし、重視している。 それなのに時間が欲しいと言ったのは本当に意外だった。 - アルマン枢機卿:
いつも言っているではないですか……
情報が足りない時は完璧な予測などできないと…… - つまり……まだわかってないことがある……?
- アルマン枢機卿:
わからない……そうですね。彼女の性格を完全に把握しきれていない
というのもあります。 - アルマン枢機卿:
何せ、ワンシーンのみの為に作られた存在ですから……データがありません。
ですが、それ以上に…… - 主人公:
- アルマンは少し黙り、手に持っていた本をきゅっと抱いて
意を決したように口を開いた。 - アルマン枢機卿:
彼女は演じるために生まれてきました。そのシーンを撮る為だけに……
- アルマン枢機卿:
彼女にとってそれは生まれた目的であり、最大目標であり、
死ぬための道しるべなのです…… - アルマン枢機卿:
私も伝説社のバイオロイドです。演じるということの楽しみ、
喜びは知っているつもりです。 - アルマン枢機卿:
だから……命令で取り除いてしまうことに躊躇してしまいました……
その道しるべを一気に失くしてしまったサレナさんがどうなってしまうのか…… それが未知数で……同情して…… - アルマン枢機卿:
怖くて……
- ……
- 主人公:
- アルマンはいつの間にか下を向いていた。
今彼女がどんな表情で話しているのか窺い知ることはできない。 - 主人公:
- ただ、声は震えていた。
- アルマン枢機卿:
……私の勝手なエゴなのです……陛下、申し訳ありません。
- 主人公:
- そう言ってアルマンは目に涙を浮かべて俺を見た。
- いや……そんなことはないよ。
- 主人公:
- これは、アルマンが一人のバイオロイドのことを考えたうえで出た行動。
いつも俺が大事にしている事と何も変わらない。 - 主人公:
- 個人のやりたいことを出来る限り叶えてあげる。
- 主人公:
- うん、いつものことだ。
- アルマン枢機卿:
サレナさんにとっての最善策が見つからなかった場合は、
やはりモモについての命令も取り消してあげるべきだと思います。 - うん、そうだな。でも、とにかくまずは面談だな。
- アルマン枢機卿:
はい、陛下。
- 主人公:
- 艦長室のドアがノックされる。面談に同席するのはアルマン、ポックル、
そしてフレースヴェルグだ。 - アルマン枢機卿:
どうぞ、お入りください。
- 主人公:
- すると、装備を外した軽装のサレナが恐る恐る入室してきた。
- サレナ:
あっ、えっと……直接だとはじめてですよね……
はじめまして…… - はじめまして。さぁ、座って。
- ポックル大魔王:
はじめまして~
- サレナ:
え……!?ぽ……ポックル!?
- 主人公:
- サレナはポックルを見ると予想以上に驚いた。
- ポックル大魔王:
はい。ポックルです。
- サレナ:
……
- ポックル大魔王:
ど、どうかされましたか……?
- サレナ:
いえ……ごめんなさい。別のポックルさんを知っていたものでしたから……
ちょっと驚いてしまいました。 - ポックル大魔王:
あ……なるほど、それは驚きますよね。
- サレナ:
ご、ごめんなさい……ポックルさん……
- ………
- ポックル大魔王:
あはは、謝らないでください。それに今はオルカのいち隊員なので
緊張しないでください。ポックルでいいですよ。 - サレナ:
そう……ですよね……ははは……
- 主人公:
- サレナは自分に言い聞かせるようにそう言って呼吸を整える。
- アルマン枢機卿:
……
- 主人公:
- アルマンの方を見ると、辛そうな顔をしていた。
- 主人公:
- そして、少し待ってあげるとサレナは落ち着きを取り戻し、口を開いた。
- サレナ:
……私はこれからどうなるんでしょうか……?
- それは自由に決められるよ。
- 主人公:
- 俺が安全なインフラに行く選択もあるという話をすると、
サレナは一瞬嬉しそうな顔をし、すぐに暗い表情になった。 - サレナ:
あの……ポックル……ポックルさんがおられるのでお聞きしたいんですが、
ここにはモモ…さんはおられるのでしょうか? - 主人公:
- アルマンはその質問を聞くと、少し苦しそうに息を吐いた。
ポックルもフレースヴェルグも同じように苦しそうだ。 - 主人公:
- 俺はあえて何も分からないフリをして聞いた。
- どうしてかな?
- サレナ:
最初にお話ししたと思いますが、私は……モモに殺されるシーンを演じたいんです。
そのシーンが……演じられれば……それでいいんです。 - 主人公:
- サレナはそう言って、膝の上に置いていた手をきゅっと握った。
- サレナ:
すでに私が死ぬシーン以外は撮影が終了しているので……それを編集して、
作品を完成させてください…… - 主人公:
- その言葉を聞いてフレースヴェルグは興奮気味にサレナに近づいた。
- EB-48Gフレースヴェルグ:
ちょ……!ちょっと待ってください!すでに撮影が終了していて、
しかも、そのデータがあるんですか!? - サレナ:
は、はい……もう私が死ぬシーンを撮ればクランクアップするはずでしたので……
スタジオの中にそのデータもあるはずです。 - EB-48Gフレースヴェルグ:
え!?え!?え!?あわわわわ……えらいこっちゃぁ……
- サレナ:
だ、大丈夫ですか?
- 主人公:
- フレースヴェルグのいつもの発作を見てサレナが不安げに言う。
- 気にしないでくれ、伝説作品が好きなんだよ。
- サレナ:
そ、そうなんですね……
- ポックル大魔王:
でも、もう無理して演じる必要はないんじゃないですか?
- ポックル大魔王:
撮影するってことは死んでしまうわけですし……。観てくれる人も……
あっいえ!社長やフレースヴェルグさん、他にも魔法少女マジカルモモが 好きな方はいますけど…… - ポックル大魔王:
あっ!そうです!そのシーン以外が撮れてるってことは、
もうほぼほぼ完成してるじゃないですか?それを上手く編集して…… - 主人公:
- ポックルは手を胸の前で組んで一生懸命頭を悩ませる。
- うん、やりようは色々ある。完成させたいだけならわざわざ……
- サレナ:
私は……演じたいんです。そのシーンを演じたい…その為に生まれました……
- アルマン枢機卿:
……
- ポックル大魔王:
……
- EB-48Gフレースヴェルグ:
……
- 主人公:
- サレナの目はその言葉の意味とは裏腹に輝いていて、
まっすぐに俺を見つめていた。 - 主人公:
- 滅亡前の伝説のバイオロイドはみんな、こんな目をしていたのだろうか…?
演じるイコール死ぬという結末を知っていてもなお、こんな目を…… - 主人公:
- もちろん、登場人物本人として生きているバイオロイドは違うかもしれないが、
ポックルやこのサレナのような役者としての意識があるバイオロイドたちは…… - 主人公:
- 俺はポックルの方を見ることができなかった……
- 主人公:
- どうしたらいいものか……
- 主人公:
- もし、方法が何も見つからないのなら、俺の命令で最後に受けた命令を
取り消すしかない。 - 主人公:
- だけど、アルマンはサレナにとって演じることは生きる最大目標だと言っていた。
- 主人公:
- それを人間が彼女に植え付け、人間の俺がたった一つの言葉で消滅させるのは
勝手で残酷なことだと思う。 - 主人公:
- 一番直球な解決方法はそのシーンを演じさせるということ……
だが、それは彼女の死を意味する……。そんなことはさせられない。 - う~ん……
- 主人公:
- 死なせずに願いを叶える方法は……
- 主人公:
- いや……待て待て……?
- サレナ、君はそのシーンを演じたいんだね?
- サレナ:
……?はい。
- 主人公:
- サレナは少し不思議そうな顔で返事をする。
- 君は殺されるシーンを演じろって言われたんだよね?
- サレナ:
はい……
- 主人公:
- すると、アルマンは俺の質問の意図がわかったのか、顔色が一気に明るくなった。
- アルマン枢機卿:
……!そうです!サレナさんは
「モモのマジカル真シャイニング突きを受けて殺されるシーンを演じろ」と 命じられています。 - EB-48Gフレースヴェルグ:
はっ!
- ポックル大魔王:
あっ……!社長!
- 主人公:
- フレースヴェルグもポックルも気が付いたようだ。
- アルマン枢機卿:
つまり……演じればいい!
- サレナ:
……?はい……