Transcription

1. 主人公:

   - オルカの居住区を歩いていると、ファフニールと出会った。

   1. こんばんは、ファフニール。
2. ファフニール:

   おおおおお前も私のお宝を狙ってるんでしょ！

   1. どういう意味？
3. ファフニール:

   ここにきてから私のお宝がどんどん減ってるのよ！

   1. 大丈夫？泥棒でもされてるの？
4. ファフニール:

   泥棒……？

5. ファフニール:

   ………

6. ファフニール:

   うぅ……泥棒じゃないわよ……！

7. ファフニール:

   ここにいると、私の部下たちがあれを作れ、これを買えっておねだりしてきて……

8. ファフニール:

   私の黄金で払わされてるのよ！

   1. まぁ…何事もタダで手に入るなんてないし…
9. ファフニール:

   それでも高すぎるでしょ……

   1. 今の時代、金の価値は下がりに下がってるしなぁ。
10. ファフニール:

    自分が最後の人間だからそんなこと言えるのよ！全部タダなんでしょ？腹立つわね！

    1. え？タダじゃないよ？自分の給料で払ってるよ。
11. ファフニール:

    お前、人間でしょ？

12. 主人公:

    - 言い方が変だったかな？

    1. うん、人間だよ。自分のものは自分のお金で支払うよ。
13. 主人公:

    - 売店…三安物資営業所とかカフェホライゾンで支払う時、ゲームの課金、こっそり布団の中で仕事するためのパネルを買う時も……ちなみにそのパネルはアルファとベッドに乗った時にバレた。怒られた。とても怒られた……

14. 主人公:

    - あと中古のパネルを闇取引する時とか、仕事してなかったってアリバイを作るために口止め料を払う時とか、ギャンブルをする時とか……

15. 主人公:

    - 隊員たちにプレゼントを買う時とか……

16. ファフニール:

    どうして？バイオロイドの中でお前の言うことを聞かない子なんてほとんどいないでしょ？

17. ファフニール:

    命令すればいいじゃない。

    1. 色んな理由があると思うけど。
18. 主人公:

    - 勤労意欲の低下、秩序の崩壊、経済的悪影響……まだまだ理由はあるけど……

    1. 誰も喜ばないだろ？だからやらない。
19. ファフニール:

    ……

    1. そして、誤解してる事が一つあるよ。
20. ファフニール:

    何？

    1. オルカは俺のものじゃない。俺がオルカのものなんだよ。
21. 主人公:

    - オルカのみんながいるからこそ俺は生きている……

22. 主人公:

    - だから、俺はみんなのものだと思ってる。

23. ファフニール:

    お前、変ね。

24. 主人公:

    - もう変って言われ過ぎて慣れた。

    1. それはファフニールもじゃない？
25. ファフニール:

    何が？

    1. 君も部下の子たちが欲しがるから買ってあげてるんでしょ？
26. ファフニール:

    だってあいつら、私が渋ったらすぐに「オルカに行く」とか言うから！

27. ファフニール:

    リーダーを脅迫するなんてあり得ない！

    1. ある女王様がこんなことを言っていた。
28. ファフニール:

    ……？

    1. 他人が地位を与えるのは責任を与えてる事と同じだって。
29. 主人公:

    - メリテが正確には何て言ってたかは自信がないけど、こういう意味の言葉を言っていた。

    1. 君が責任を負っているから部下も従うんだよ。
30. ファフニール:

    あんなのリーダーじゃないもん！口でコキ使うのがリーダーでしょ！

31. 主人公:

    - ファフニールが考えるリーダー像と龍の巣のリーダーの実情は大分違うようだ。

32. 主人公:

    - でも、俺は良いリーダーだと思う。

33. ファフニール:

    最後の人間を私のものにするために来たのに……黄金だけが減っていく……

34. ファフニール:

    もう！お前！私のものになりなさい！

    1. 俺はオルカのみんなのものだって…
35. ファフニール:

    どうしたら私のものになる？

    1. どのくらい出せる？
36. ファフニール:

    やだ～！そのセリフ聞きたくない～！

37. ファフニール:

    リストカットがそうやって私から黄金をもぎとってくんだから～

38. 主人公:

    - なるほど、どうりで最近リストカットの機嫌が良いのか。

    1. 君のお宝にはなれないけど、飲み物くらいは奢ってやるよ。
39. ファフニール:

    それで済まそうとか思ってるんじゃないわよね？

    1. 要らなかった？
40. ファフニール:

    安物は絶対に飲まないから！

41. ファフニール:

    一番高いものよ！

43. 主人公:

    - そういうわけで俺はファフニールを売店へ連れていった。

44. 主人公:

    - ファフニールは宣言通り、店で一番高い飲み物を注文し、

45. 主人公:

    - 俺はいつも飲んでいる物を選んだ。

46. 主人公:

    - そして、俺はあることに気が付いた。

    1. カード持ってきてなかった。
47. 主人公:

    - 俺はファティマにとびっきりの笑顔を見せた。

48. 主人公:

    - ファティマもにっこりと笑い返す。

49. ファティマ:

    三安物資営業所は外商などのサービスは行っておりません。

    1. ……ね？人間とか関係ないでしょ？
50. ファフニール:

    きつい……本当に冗談きついって……