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Transcription
- 研究員:
え~っと……
- 研究員:
積載量7,500t、レーダーにも視覚的にも検知されず、
高高度を飛行できる超巨大飛行船を作れと……? - 所長:
うん。
- 研究員:
とうとう頭がおかしくなりましたか?
- 所長:
えぇ~?どうして?
- 研究員:
積載量7,500t?船ならその何倍も載せられますよね?
レーダーにも視覚的にも検知されない飛行船は…まぁ他の研究所が研究してるので 可能でしょう。高高度を飛行できる飛行船も……色々追加装置を積めば可能です。 - 研究員:
ですが、積載量7,500tでレーダーにも視覚的にも検知されず、
高高度を飛行できる超巨大飛行船? - 研究員:
もう一度言いますけど…
- 研究員:
とうとう頭がおかしくなりましたか?
- 所長:
えぇ~?ダメ?
- 研究員:
ダメとかそういうことではなく……
- 研究員:
「俺が考えた最強の兵器」みたいなことを言われても実現できる技術がなければ、
それはただの空想です、ファンタジー! - 研究員:
そして、僕たちのような工学者はそういうのは妄想って言います。
- 研究員:
それに本当に作るとして、どれだけ金がかかるか……
- 所長:
大丈夫だよ。なんか無制限に予算をつけてくれるらしいから。
今回の戦争で何がなんでも三安に勝ちたいんだって。 - 研究員:
それを先に言ってくださいよ。
- 研究員:
じゃあまず設計図を作りましょう。
- 所長:
……
- 研究員:
なんですか?
- 所長:
散々私に頭がおかしくなったのか?とか言ったくせに……
- 研究員:
何事も順序というものがありますんで。
- 研究員:
予算をもらってきたという話を先にしないからです。
- 研究員:
あぁ?何これ……
- 所長:
何?
- 研究員:
この予算申請書……tで表記すればいいところが㎏になってるところがある……
- 研究員:
……一応確認しますけど7,500tのtってこれ……
- 所長:
……
- 研究員:
ショートトン!?2000ポンド!?約900kg!?バカなんですか!?
火星開発が目前まで見えてきてる今の時代ですよ!?単位を統一しないと! - 研究員:
莫大な予算で作った飛行船を、ただの単位の間違いで墜落させる気ですか。
- 研究員:
きっと歴史に名を刻むでしょうね。
- 所長:
いいじゃん、歴史に名を刻めて。
- 研究員:
やっぱり頭がおかしい……
- 研究員:
そんな名の刻まれ方しても嫌ですし、誰も喜ばないでしょう。
- 研究員:
こっちまで頭がおかしくなりそう……
- 所長:
今わかったんだし、いいじゃない。
- 研究員:
今わかったからよかったとかそういう話ではなく、
上層部がどう思うのかも考えてくださいよ。 - 研究員:
上層部がショートトンで捉えてたら その分予算が減るだろうし、
メートル法のトンで捉えてたら そもそも予算が下りなかったかも しれないじゃないですか! - 研究員:
SIで単位を統一!いいですね!異論は認めません!
- 研究員:
これが僕たちをサポートしてくれるバイオロイドですか?
- 所長:
うん。上層部に頼んだらくれた~
- 研究員:
名前は?
- 所長:
アンドロメダ・ラグランー
- 研究員:
スターリングにしましょう。
- 所長:
え~?なんで~?
- 研究員:
名前が長くても良いことなんてないでしょ。
- 研究員:
どうせ面倒だとか言い出して略して呼ぶんですから……
- 研究員:
さて、今日から君の名前はスターリング。いいね?
- スターリング:
わかりました。
- 所長:
ねぇねぇ、予算もっと貰えそうだから、真空飛行船作ろうよ!
- 研究員:
所長……
- 研究員:
設計図も作って、資材も発注したのに……今から真空飛行船に変更?
作れるかどうかすら分からないのに? - 所長:
え……え……?またボロクソ言われる?私……
- 研究員:
はぁ……もう……本当に……
- 研究員:
いいじゃないですか!もうやるならやっちゃいましょう!
- 所長:
だよね~!
- 研究員:
どうせ上層部に怒られるのは所長だし!
- 所長:
おい……
- 研究員:
バカじゃないですか?また技術者を大量に採用してプロジェクトに
参加させるんですか!?上層部に怒られてましたよね!? 「技術者の採用は慎重に」って!指示書が何百回も来てたでしょーが! - 研究員:
スパイが紛れ込んだらどうするつもりなんですか!バカ!
- 所長:
いや、そこまで言う……?
- 研究員:
いつもボケッとデスクに座ってるだけのくせに、
何かしだせばバカなことしかしない!我慢してる僕の身にもなってくださいよ! - 所長:
スターリング、あいつ見てよ。
上司に暴言吐いてさ、頭いいのに人間性最悪でしょ……ね? - 研究員:
スターリング!あのおばさんと僕、どっちが悪いと思う?
- スターリング:
は…ははは……
- 研究員:
見てくださいよ!呆れて笑ってるじゃないですか!
- 所長:
笑うのは良いことじゃ~ん。
- 研究員:
完成した……
- 研究員:
本当に大変だった……死ぬかと思った……
- 研究員:
主にあのおばさんのせいで。
- 所長:
…
- 研究員:
クソッ!死ぬほど苦労したんですよ……!なのに……なんで……なんで……!
- 研究員:
何で起きないんですか……
- 研究員:
完成したんですよ……
- 研究員:
ヒュプノス病なんかで死ぬタマじゃないでしょ……
- 研究員:
……
- 研究員:
スターリング。
- スターリング:
はい。
- 研究員:
……
- 研究員:
お前は……
- 研究員:
いい上司に出会ったら……大切にするんだよ。
- 研究員:
確かにあのおばさんは変な人だったけど……いい人だっただろ?
- 研究員:
……言い直すよ。
- 研究員:
いい上司じゃなくて、いい人に出会ったら……大切にしろ。
- 研究員:
あとで後悔しないように。
- スターリング:
あなたも……所長にとって、いい部下だったと思います。
- 研究員:
あんな酷いことばっかり言ってたのに……何がいい部下だよ。
- スターリング:
でも、仲は良かったじゃないですか。
- 研究員:
……
- 研究員:
スターリング。
- 研究員:
僕も本当はこれが飛んでるところを見たかった……
- 研究員:
でも……飛んでもすぐに墜落してしまいそうで怖いんだ……
- 研究員:
この頃、ハーカが飛ばなかったり、飛んでもすぐ墜落する夢しか見ない……
- 研究員:
だから、寝るのも怖い……
- スターリング:
……
- 研究員:
それでも…………いつか……
- 研究員:
飛ばしてみてほしい……
- 研究員:
スターリングも大変だっただろ?あの子が飛んでるところ……見たいだろ?
- スターリング:
……
- スターリング:
わかり……ました。
- スターリング:
……
- スターリング:
(私はハーカの開発、管理、運用のために作られた存在)
- スターリング:
(もし、ハーカが飛ばなかったら……壊れたら……私はどうなるんだろ……)
- スターリング:
(そして、飛んだとして……その後の私は……何をすればいいんだろ……)
- スターリング:
(ハーカ…私もこのまま研究所の中で誰にも知られることなく、
死ぬまでここにいなきゃいけないのかな……) - スターリング:
(助けて……)
- スターリング:
(誰か……助けて……)
- スターリング:
……
- スターリング:
警報?鉄虫かな……
- スターリング:
……
- ファフニール:
うーん……みすぼらしい所ね。
- ファフニール:
ブラックリバーの研究所だから何かいいお宝でもあるかと思ったけど……
- スターリング:
……バイオロイド?
- ファフニール:
ねぇ、お前!
- ファフニール:
ここで一番貴重なものを教えなさい!
- スターリング:
……あの……どちら様で……?
- ファフニール:
私はファフニール!この世の全てのお宝を手に入れる女よ!
- スターリング:
……
- スターリング:
(何…?このバカは……)
- ファフニール:
だから、ここで一番貴重なお宝を持ってきて!
- スターリング:
とりあえず……今あなたがいる“ここ”が一番貴重なものだと思います。
- ファフニール:
ここ?
- スターリング:
はい……ここは飛行船の中です。
- スターリング:
ブラックリバーの極秘技術の結晶……
- スターリング:
――複数の気嚢…気体が入っていない気嚢で構成されていて―
- スターリング:
クローキングフィールドと熱、電波ステルス技術が―
- スターリング:
普段は高高度に留まることを前提に設計されました。
- スターリング:
基本は浮力で上昇しますが、一定高度以上では別の浮力装置で……
- スターリング:
――動力は8つの複合核融合炉―
- スターリング:
――高い圧縮応力のおかげで小さな損傷程度は―
- ファフニール:
……
- ファフニール:
つまり飛行船ってことね!空にプカプカ浮かぶ!
- ファフニール:
何でこんなとこにあるの?飛ばさないの?
- スターリング:
進空式をしてませんから……
- ファフニール:
何それ?
- スターリング:
まぁ…船の進水式みたいなものです……飛行船だから進空式。
- ファフニール:
へぇ!じゃあ今からやるわよ!
- スターリング:
はい?
- ファフニール:
進空式をしてないから飛んでないんでしょ?だったら進空式をすればいいじゃない!
- ファフニール:
進空式をするには何をしたらいいの?
- スターリング:
……人間がいたら色々な手続きを踏む必要がありますけど……
- スターリング:
もういないので、別にありません。
- ファフニール:
そうなの?じゃあいいじゃない!始めるわよ!進空式!
- スターリング:
……
- スターリング:
そもそも浮かび上がらないかもしれません。試運転もしてないので……
- ファフニール:
ってことは浮かぶかもしれないってことよね?
- ファフニール:
やれば浮くかもしれない、やらなきゃこのままずっと浮かばない。
- ファフニール:
うん!じゃあやった方がいいわね!
- ファフニール:
さぁ!始めるわよ!
- スターリング:
……
- ファフニール:
えっと………もしかして……嫌だった?
- スターリング:
いいえ、やりましょう。
- スターリング:
……ふぅ!
- スターリング:
複合核融合炉1番から4番まで動力源へ転換。
- スターリング:
係留索回収。気嚢拡張。
- スターリング:
クローキングフィールド作動。熱、電波ステルス装置作動。
- スターリング:
気嚢拡張完了。外部センサー作動。
- スターリング:
浮遊装置、ベクトル方向舵に切り替え……
- スターリング:
ハーカ…
- スターリング:
浮上。
- スターリング:
……
- ファフニール:
わあ……
- ファフニール:
すごい……
- ファフニール:
すごいすごい!すごいわ!
- ファフニール:
うん!これなら私のお宝になる価値は十分あるわね!
- スターリング:
……くそっ。
- ファフニール:
え?
- スターリング:
こんなに簡単に……うぅ……ちゃんと飛ぶじゃないですか……
- スターリング:
……見てほしかった……見てほしかったよぉ……
- ファフニール:
え?え?
- ファフニール:
ご、ごめん……やっぱり飛ばしたくなかった?
- ファフニール:
それとも私のものになるのが嫌?
- ファフニール:
え、えっとぉ……それなら……そうね……
- ファフニール:
うん!交換よ!交換にするわ!お前は何が欲しいの?言ってみなさい!
- スターリング:
……
- スターリング:
この世の全てのお宝を手に入れるって言ってましたよね……
ていうことは世界中を旅するんですよね? - ファフニール:
ええ!そうよ!
- スターリング:
……
- スターリング:
私も連れていってください。
- ファフニール:
そう!じゃあ、お前は今から私の部下1号よ!
- ファフニール:
ふふふ、空飛ぶ宝物庫に部下まで手に入るなんて!私って本当に運がいいわ!
- ファフニール:
あ、ところで名前は?
- スターリング:
一応ハーカって名前です。
- ファフニール:
そう!ハーカね!ハーカは何が好きかしら?私はね……
- スターリング:
え?あ、違います。この飛行船の名前がハーカです。
- スターリング:
私の名前はスターリングです。
- ファフニール:
そう!スターリング!スターリングは何が好きかしら?
- スターリング:
ハーカです。
- ファフニール:
私は黄金!お宝は何でも大好きだけど、やっぱり黄金が一番好き!
- スターリング:
バカなうえに俗物……
- ファフニール:
え?何か言った?
- スターリング:
バカなうえに俗物って言いました。
- ファフニール:
はぁ!?いきなり酷すぎない!?私が上司なんだから敬いなさい!
今度からリーダーって呼ぶこと!いいわね? - スターリング:
上司への態度はこういうものだと教えられたもので。
- スターリング:
不満なら一人でハーカを動かしてください。
- ファフニール:
うっ……
- スターリング:
これからよろしくおねがいします、リーダー。
- スターリング:
ふふ!
- ファフニール:
何?何かいいことでもあった?
- スターリング:
いや、ただ面白くて。
- ファフニール:
何が面白いの?
- スターリング:
リーダーが面白くて。
- ファフニール:
お前…バカにしてるでしょ?私はリーダーよ!お前の上司!
- スターリング:
不満なら私なしで動かしてみてくださいよ。
- ファフニール:
やってみてもいいけど、怒らないでよね?
- スターリング:
当然怒りますよ。リーダーが触ったら多分一瞬で壊れますから。
- ファフニール:
もぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
- スターリング:
リーダー。
- スターリング:
高度100kmに到達しました。
- スターリング:
カーマンラインを超えたので……ここからは宇宙です。
- スターリング:
ところで…どうして100kmなんですか?
- ファフニール:
だってわかりやすいじゃない!
- スターリング:
本当にそれだけみたいですね……
- ファフニール:
問題ある?
- スターリング:
いえ、高く上がれば上がるほど、ハーカに負荷がかかりますから
どうしてか気になっただけです。 - スターリング:
……まぁ、もう気にしても意味がないですけど。
- ファフニール:
……
- スターリング:
今ならやめられますよ。
- ファフニール:
ううん。やるわ。
- スターリング:
……リーダーは今までバカみたいなことをたくさんしてきましたが……
これはその中でも一番バカですね…… - ファフニール:
お前ねぇ……
- スターリング:
でも、部下としてリーダーの言うことは……
最後までちゃんと聞かないといけませんよね。 - スターリング:
気嚢は膨張状態を維持します。微調整する必要がありますからね。
- スターリング:
それに、まだ見つかるわけにはいきませんから。
- スターリング:
複合核融合炉、最大出力。
- スターリング:
……浮遊装置、ベクトル変更。
- スターリング:
目標……地上……鉄の塔……
- スターリング:
ハーカ、
- スターリング:
降下開始。
- マーリン:
うははは!私ちゃんは征服王マーリン!
- マーリン:
むりゅ隊長の言う通り、ブラックリバーの秘密基地を征服したぜ!!
- マーリン:
次はPECSの秘密基地!その次は鉄虫のアジト!そして世界を征服する!
がはははは! - マーリン:
……はぁ……
- マーリン:
ツッコミがいないからつまんないな……
- マーリン:
いや、オレンジパイセンならツッコミがなくてもずっと喋ってるか……
- マーリン:
私ちゃんもまだまだだね。
- マーリン:
いや、違う!ポセイドンは負けを認めない!
- マーリン:
よーし!私ちゃんはまだやれる!
- マーリン:
まだ喋るぞ!
- マーリン:
……さっさと帰ってむりゅ隊長に褒めてもらお……
- マーリン:
あとアーサーにご褒美もら―
- マーリン:
あれ?流れ星?真昼間に?
- マーリン:
あ!願い事しないと!
- マーリン:
えっと……えっとぉ……
- マーリン:
うーん……そうだ!
- マーリン:
ガンマ隊長をオルカに!ガンマ隊長をオルカに!ガンマ隊長をオルカに!
- マーリン:
……
- マーリン:
流れ星にしてはちょっと遅いなぁ?ていうかなんか人工物っぽい?
- マーリン:
ミサイル…?いや、全然大きい……
- スターリング:
圧縮熱のせいで船体に火がつきました。
- スターリング:
クローキングフィールド、ステルス装置、停止。
- スターリング:
鉄虫たちもこちらに気が付いたようです。
- スターリング:
ですが、この速度、この重量であればどうあがいても直撃コースです。
- スターリング:
問題ありません。
- ファフニール:
くらえ!鉄虫!!!
- ファフニール:
これが!!黄金!!24,000tの威力よ!!!!!!!!!!!!!
- スターリング:
うるさ。そんな風に叫んでも誰も聞いてないでしょ。
- ファフニール:
いや、今そういう雰囲気だったでしょ…
わかってないわね!もう!せっかくカッコよく決めようと思ったのに!! - ファフニール:
もぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
- エイダーType-G:
司令官、ハーカを見つけました。
- どこにいた?
- エイダーType-G:
鉄の塔の直上、高高度から落下しています。
- 主人公:
- そういうことだったのか……
- 主人公:
- ファフニールたちの一連の行動の真相を理解したが、
感心してる場合ではなかった。 - 主人公:
- 俺は慌てて全戦闘部隊に通達した。
- 全員!!衝撃に備えろ!!!
- 主人公:
- その瞬間、ソラからの黄金24,000tが鉄の塔に激突した。