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Transcription
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- その後、アダムはすぐにエヴァのもとに向かった。
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- エヴァはバイタルを記録するために体のあちこちにケーブルが繋がれている。
- エヴァ:
うーん……あら、あなた……。いつ戻ってきたの?
ごめんなさい、眠っちゃったみたい。 - アダム:
起こしてしまってごめんな。
- エヴァ:
顔色が悪いわ……何かあったの?
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- エヴァは憔悴しきった様子の夫を見て腕を広げる。
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- そして、アダムはいつものように彼女の胸の中でそっと目を閉じた。
- エヴァ:
体が大きいだけで本当に赤ちゃんなんだから……
- エヴァ:
いつ大人になるのかしら?
- エヴァ:
アディ、ジソク君と喧嘩してきたんでしょう?
わかるわ……こんな風になってる時はいつもそうだもの…… - アダム:
……
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兄弟は喧嘩をしながら大きくなるって言うじゃない?
- エヴァ:
あら…、泣いてるの?
- アダム:
今は見なかったことにしてくれ……
- エヴァ:
あなた……これは……?もしかして殴られたの…?
- アダム:
い、痛っ……あまり強く触らないでくれ……
- エヴァ:
あらら……二人とも大人げない……
- アダム:
……
- エヴァ:
……何があったの?
- アダム:
……
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- アダムはただ黙って答えなかった。
- アダム:
……
- アダム:
イヴ、俺は…自分が正しいのかわからないよ……
- エヴァ:
……
- アダム:
ジソクに……
- アダム:
妹が死んだ時、何をしていたって言われた……
- アダム:
胸が張り裂けそうだったよ……
- エヴァ:
……
- アダム:
あの時……
- アダム:
レイチェルじゃなくて…俺だったら……
- アダム:
俺が殺されればよかったんだ……!!!
- アダム:
でも……止めなかった……
- アダム:
俺が……俺が……
- エヴァ:
……
- アダム:
……
- アダム:
ジソクに最悪だって言ったけど……
- アダム:
本当に最悪なのは、すべてを知っていながら止めなかった俺だ……
- エヴァ:
……
- エヴァ:
でも……仕方がなかったということは分かってるでしょ?アダム。
- エヴァ:
より大きなことを成し遂げなければならない男の道は孤高で辛いもの……
ジソク君みたいな私利私欲のために生きる男とは違うわ。 - エヴァ:
レイチェルちゃんも実の兄であるあなたの選択をいつも信じてきた。
- エヴァ:
だから、これ以上心に重荷を背負わなくていいのよ。
- エヴァ:
時が経てば、きっとジソク君もあなたを理解してくれる。
- アダム:
……
- アダム:
本当にこれしかなかったのかな…?
- アダム:
もし、俺のやり方が間違っていたとしたら……
- アダム:
正直に言うと……お前がバイオロイド施術をすると言い出した時……
- アダム:
ジソクにレイチェルの話を持ち出すとは思ってなかった……
- アダム:
あれは…確実にジソクを……騙そうと……!
- アダム:
あいつが狂ってるのを分かってて……!
- アダム:
ジソクがあんなことになったのは俺の責任だ……
- アダム:
でも、あいつはレイチェルを本気で愛していた!!心から……
- アダム:
くそっ……くそ……!信じてきたものが今にも崩れそうだよ……
- エヴァ:
……
- エヴァ:
アダム、私を見て。
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- エヴァはアダムの顔を両手で包み込み、そっと額と額を合わせた。
- エヴァ:
こんな時だからこそ、心を強く持って……
- エヴァ:
泣かないで……ね?
- アダム:
泣いてないよ……泣いてない……
- エヴァ:
ここで終わりなんかじゃないの……これからよ……
- エヴァ:
あなたにはやらなければならないことがたくさんあるのよ。アディ……