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Transcription
- :
- 2056年、“ラビアタプロトタイプ”発表を祝うパーティ会場
- 会場の人々:
「「「三安の成功を願って!!」」」
- ジソク:
ははは…皆さん、ありがとうございます。
- ジソク:
皆さん、遠路はるばるお越しいただき、さらにこのような祝杯まで……
- ジソク:
三安の代表として改めて感謝申し上げます。
- 投資家A:
おめでとう。ジソク君、
- 投資家A:
いや、もうキム・ジソク会長と言わなければならないか。
- 会場の人々:
「「「はははははは!」」」
- 投資家B:
ほら、言っただろう?彼は成功するって。
- 投資家A:
ふふ……
- 投資家A:
人間を超えた完璧な“バイオロイド”か……
- 投資家A:
あとはもう成功者としてのレールを進んでいくのみだな!
- 投資家B:
そうさ。そして、その列車には俺たちも乗っている。
- 投資家B:
俺の見る目は正しかった!ありったけの資金をかき集めたんだ、
俺たちにいい思いをさせてくれよ? - ジソク:
ははは……本当にありがとうございます。
- 投資家A:
それで…
- 投資家A:
ラビアタを超えるバイオロイドも期待していいのかな?
- 投資家B:
ははは!大丈夫に決まってるだろ?
- 投資家B:
俺達のキム・ジソク会長だぞ?
- 投資家B:
あのインタビューを見て俺は確信したよ。この人は人類の未来を変えるって。
- 投資家B:
「人間が部品として組み込まれた世の中で、平等をいくら主張しても、
見えない階級と人種の壁を壊すことなど……」 - :
- 投資家の一人がインタビューの時のジソクを下手な演技で真似をする。
- 投資家A:
先日の半期報告で“プロジェクト・ケイン”の中止を聞いた時は…
- 投資家A:
終わったと思っていたよ。
- ジソク:
ははは……
- :
- 皮肉交じりの彼らの言葉に、ジソクは貼り付けたような笑顔を見せて
応えるだけだった。 - ジソク:
過ぎたことです。
- ジソク:
誰よりも早く三安の価値に気付いてくださった皆さんが、
あのような些細なことに気を揉んではいけません。 - ジソク:
三安はこれからさらに壮大な偉業を成し遂げようとしているのですから。
- ジソク:
それこそ人類の未来を変える……ね?
- 投資家B:
…は、ははは!そう!そうさ!人類の未来を変える!!
- 投資家B:
信じてるぞ!はははは!!!
- 投資家A:
ふむ……
- ジソク:
……?
- 投資家A:
では、“プロジェクト・ケイン”は完全に廃棄されたということでいいのかな?
- ジソク:
……
- 投資家A:
……
- 投資家B:
……
- :
- ジソクは答えることができずに沈黙していると、
パーティー会場も次第に静かになっていった。 - 投資家B:
おいおいおい!まったく!
- 投資家B:
どうしたんだよ~!
- 投資家B:
今日はめでたい日だぞ?
- ジソク:
ははは、そうです。
- ジソク:
今は小さなことは忘れて楽しんでください。
- :
- ジソクのその言葉で緊張していた会場の空気は弛緩した。
- ジソク:
それでは、私はこれで失礼いたします。
皆様はパーティーを存分にお楽しみください。 - 投資家B:
おい!今日の主役がもう帰るのか!?
- ジソク:
ご指摘のように、皆さんのご期待に応えるためにも……
- ジソク:
早急に次のプロジェクトに乗り出さなければなりませんので。
- :
- ジソクはそのあと何人かの大株主や得意先に挨拶をして、
会場を去っていった。 - 投資家B:
ふん…本当に読めない男だよな。
- 投資家A:
まったくだ……
- 投資家B:
それはそうと君、これ以上あのプロジェクトについて触れるな。
肝を冷やしたぞ。 - 投資家A:
納得できない部分ははっきりと言うべきだろう。こっちは金を出してるんだ!
- 投資家B:
だからって…今のキム・ジソクの機嫌を損ねても
いいことなんて一つもないだろう! - 投資家A:
……純粋に知りたかっただけだ!他意はない。
- 投資家A:
私はただ男性型バイオロイドも悪くないと思っていただけだ。
- 投資家B:
ふん、分かってないな……
- 投資家B:
金になるのは女だ。これは当然の摂理なんだ。
- 投資家B:
俺はもうオーダーメイドをする予定だ。
- 投資家B:
君も一体作ってみろ。俺が言っている意味が分かるはずさ。
- 投資家B:
製作には相当時間がかかるらしいから、あまり悩んでいると
今年中に納品されないぞ?