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Transcription
- …生きていたい…
- 俺はまだ生きていたい…この状況で俺はあとどれだけ持ち堪えられるだろう?
- 俺の前には腹を空かせた狼たちが
目をギラギラさせて俺が疲れ果て諦めるのを今か今かと待っている。 隙を見せれば…飛びかかってくるだろう。 - …果たして俺はまともに天寿を全うできるのだろうか…?
そんなことを考えていると、自然とため息が出た… - シャーロット:
陛下~?ここを見てください…
- シャーロット!?
- シャーロット:
陛下のことを考えていたら…私のここが、こ~んなことになってしまいました…
私…どうしたらいいんでしょう?陛下? - 正直に言ってこの状況が嫌なわけではない。だが…
- これは違う…
- セラピアス・アリス:
あぁ、ご主人様…愛らしいご主人様…
- アリス!?
- セラピアス・アリス:
こんなに弱ったご主人様を見ていると…
- 主人公:
- アリスは顔を赤らめて近づいて来る。
- セラピアス・アリス:
ふふ…今日が特別な日だということはご主人様もよくおわかりですよね?
- セラピアス・アリス:
特別な日なので…
ご主人様にも特別な機会を差し上げます… - セラピアス・アリス:
ご主人様がお望みなら…
今日だけは私を好きにしていただいて構いません…。 - 主人公:
- アリスの色っぽい声が俺の理性を少しずつ崩壊させていく。
もう俺は… - 主人公:
- 俺の視界はこの巨大な胸部で暗く遮られる…
そして、俺を覆い被さるように押し寄せてくる… お、溺れる…。 - セラピアス・アリス:
あぁん…!はい…!はい…!ご主人様ぁ!
このままずっと、ずっと続けてください… - 主人公:
- 精神的なショックにより多少の歪曲が入ったこの記憶の始まりは
数時間前に遡る。 - 俺はうーんと伸びをする。
- 普段とは違う浮ついた雰囲気。
少し離れた場所で時折、少女たちの笑い声が聞こえたりしている。 - ついこの前までハロウィンになど特に興味もなかったのだが、
オルカの隊員たちが思い思いに仮装をして楽しんでいる姿を見ていると こちらまで楽しくなってくるものだ。 - 俺は椅子に座わり、足を少しぶらぶらさせながら
横に静かに立っているバニラを呼んだ。 - バニラ?
- バニラA1:
はい、ご主人様。どういたしましたか?
- バニラは微笑みながら言う。ハロウィンの楽しい雰囲気のおかげか、
バニラの態度がいつもよりもずっと穏やかな感じがする…。 バニラの微笑みで気分がよくなった俺はそのまま話を続けた。 - バニラ?キャンディは十分にあるな?
- バニラA1:
- 俺の質問に対し、バニラは持っていた箱の中を確認すると、
俺に向かってまた微笑んだ。 …バ、バニラ…ハロウィン効果ってすごいな! - バニラA1:
問題ありません。
ご主人様の言う通り、キャンディとお菓子は「必要以上」に準備しておきましたので ご主人様が「無駄な心配」をする必要はございません。 - そうか。無駄に心配してすまんな!
- バニラA1:
いえ……ふふ。
- イベントを迎えるため、俺たちはキャンディとクッキーを大量に準備した。
オルカのチビッ子たちがグズらないようにするため、準備は万端。 油断は禁物だ! - バニラA1:
ご気分がよろしいようですね。ご主人様は。
- 準備大変だっただろう?ありがとう、バニラ。
- バニラA1:
ふふふ~。
- バニラが笑ってみせる。
バニラもハロウィンを楽しんでいるのだろうか?それとも… タタタッ!!!
- バニラとの会話はここまでだ…
遠くから誰かが走ってくる音が…。この短い歩幅からして… - LRL:
くっくっくっ…!血の力に覚醒した真祖たるヴァンパイアが舞い戻ってきた!
- よく来たな~!LRL!
- 主人公:
- LRLはハロウィンの日のためにと大事にしてきたドレスを着ていた。
- 主人公:
- 明らかに我を忘れて興奮している真祖LRL。
さっさとお菓子をあげた方が良さそうな気がする。 - LRL:
ふっふっふっ…
さてはこの古代真祖のヴァンパイアドレスに魅了されてしまったな!? - うん。よく似合ってるぞ。LRL。
- LRL:
さすがは眷属たる人間…。
だが…余はそんな薄っぺらい称賛を聞くためにここまでやって来たのではない! - LRL:
受けるがいい!ビームオアトリートォ!!!
- …え?う~ん。
- 主人公:
- LRLのビームを正面から受けて手術台行きになる気はない。
- はい、これ。ほんと危ないから早く眼帯から手を放しなさい。
- LRL:
いひひっ!!初めて見るキャンディだ!
愚かなる人間にしては努力したものだ。今日のところは見逃してやろうではないか! くっくっくっ… - ハッピーハロウィン!LRL。
- LRL:
覚えておくのだ、人間よ!余は待つことなどしない。ただ奪うのみ!
ひひひっ~!それはそうとありがとう、司令…い、いや!人間よ! - LRLはドレスのポケットに無造作にキャンディを押し込むと
黒くて小さな蝶のようにドレスを揺らしながら去っていった。 - それにしても…キャンディだけであんなに喜ぶなんて…。
ハロウィンというのは俺の立場からして実に効率のいいイベントなのでは? - さて!えっと…今オルカにいる他のチビッ子たちは…
- 考え事をしていると、首筋にチクりとした感覚が走った。
- ……
- T-13アルヴィス:
ひひひっ~!遥か遠くの古城からアルヴィス伯爵様が直々に来てやったぞ~!
- おまえなぁ…
- 主人公:
- 俺の首筋に噛み付いたのは可愛らしいドレスを着たアルヴィスだった。
アルヴィスは小さな指をわしわしと動かしながら俺を威嚇している。 - アルヴィス?どうしたのかな?
- T-13アルヴィス:
ブブーッ、残念だな~!司令官様…
今の私は!偉大なるアルヴィス伯爵様だよ! - …アルヴィス伯爵様。何のご用でしょう!?
- T-13アルヴィス:
ひっひっひっ~!アルヴィス伯爵様はね…
- T-13アルヴィス:
この部屋がいっぱいになるくらいのトマトジュースが飲みたいの!
- …ジュースだと!?
- T-13アルヴィス:
…ジュース…ないの?
- ちょっと待て!
- 主人公:
- 俺はバニラを見た。
オルカの超有能メイドのバニラなら… きっとトマトジュースも準備… - バニラA1:
いいえ。そんなものあるわけありません。
ご主人様?そんな目でご覧になられても無駄です。 - 主人公:
- 情けないと言った感じで首を振るバニラ。
そして、目の前には今にも首に飛びついてきそうなアルヴィス。 - アルヴィス伯爵様?
- T-13アルヴィス:
うん?なになに~?
- トマトジュースはない。
- 主人公:
- 話し終わる前に口を大きく開け猛烈な勢いで迫り来るアルヴィス。
だがそう簡単にやられるわけにはいかない。 - だがチョコバーならどうかな!?
- T-13アルヴィス:
あ…!?チョ、チョコバー!?
- 主人公:
…それなら…い、いいよ!このキラーラビットに詰め込んで!司令官様!
これにはチョコバーがたくさん入るの。もっとくれてもいいんだよ! - 一度に全部食べないようにな。
- T-13アルヴィス:
うん!ありがとう、司令官様!
- アルヴィスとの会話の途中、背後から微かにパイの匂いがした。
このおなじみの匂いは恐らく… - 城壁のハチコ:
へぇ…アルヴィスもチョコバーをもらったんですね?
- うん?ハチコ?
- 主人公:
- いつもならすぐに近寄ってきてべったりくっつくはずなのに…
どうしたんだろう? - 城壁のハチコ:
あの…ご主人様?ハチコもキャンディをもらえるんでしょうか?
- 主人公:
- なるほど、そういうことか…
- 主人公:
- チビッ子と言うには少し際どい感じがするが…。
お祭りは楽しんだ者勝ちだからな! - ハッピーハロウィンだ、ハチコ!
- 城壁のハチコ:
わーい!本当にもらえるんですかー!?やっぱりご主人様が一番好きですー!
- 城壁のハチコ:
ご主人様からのプレゼント、ペロと分けて食べますね!
- ハチコでも微妙なラインだったのに、
ペロにまで渡ってしまうと少し違った話になってくる…。 俺は横にいるバニラが気に掛かって、見てみる。 - バニラA1:
おやつを与えるのはご主人様のご判断にお任せします。
まさか…ご主人様はこんなことにまで 私にいちいち干渉されたいとお望みなんでしょうか? -少しわざとらしく肩をすくめて言うバニラ。
メイドらしからぬジェスチャーに少し距離が縮んだような感じがした。 - もうほとんど終わったかな。
- そろそろ業務に取り掛かるために椅子から立ち上がろうとしたその時…
- ダッチガール:
…あの…
- ダッチガール?
- 主人公:
- ドレスを着たダッチガールが現れた。これは予想外だ…
- バニラ?まだ残ってるか?
- 主人公:
- バニラは軽く笑って、俺にお菓子が入った箱を振って見せた。
まだ中にお菓子が入っている音がする。 残っていてよかった… - ダッチガール:
あぁ…違うの、司令官。そういうことじゃなくて
…キャンディは要らないよ… - うん?要らないのか?
- 主人公:
- ダッチガールは恥ずかしそうに話を続けた。
- ダッチガール:
私は…あの…その…
- ダッチガール:
司令官にお礼を言いたかったの…。司令官は…私を救ってくれた。
炭鉱にいた時…私は… - ふむ…
- ダッチガール:
ううん。ごめんなさい…!こんな話をするつもりじゃなかったんだ…
- ダッチガール:
私はただ…純粋にありがとうって言いたかったの。
- ダッチガール:
司令官…これからも頑張ってね!ハッピーハロウィン。
- いつもありがとう。ダッチガール。
- バニラA1:
- 俺はダッチの頭を撫でて、
箱の中に残っていたお菓子を全部ダッチガールの手に握らせた。 - 一度に全部食べたら太るぞ。
- ダッチガール:
そ、そうだね…あの…これ…
- ダッチガール:
…ありがとう、司令官…
- ダッチガールは顔を赤らめてドレスの裾をひらひらさせながら去っていった。
- その姿を見ていたら何かがぐっと込み上げてきた。
- バニラA1:
ふふ…?ご主人様…
…今日はずっとご気分がよろしいようで…? - まぁ、そうだな、ハロウィンだしな?
- バニラと他愛のない言葉を交わしながら過ごすオルカの一日…
こうして皆がハロウィンを楽しんでいるその時。 - 思いもよらない人物が俺たちのもとに訪れた。
- シャーロット:
陛下?銃士隊長シャーロットが今ここにご挨拶申し上げます。
- シャーロット…数日間、オルカのチビッ子たちがハロウィンを楽しめるようにと
シャーロットを含め何人かのバイオロイドたちがその業務を代わっていてくれる。 - シャーロットと軽く挨拶を交わす。
ところがシャーロットからは何か妙な雰囲気が伝わってくる。 …ねっとりとした濃密な笑み…今日のシャーロットはどことなく…普段とは違う… - シャーロット:
…ふふ…
- …いや、勘違いだろう…いくらシャーロットでも、
こんな時に俺が想像している「あの状態」にはならないだろう…。 - …何か報告することでも?
- シャーロット:
うう~ん、陛下ぁ~…ハロウィンじゃないですかぁ?
私はただぁ…キャンディを貰いにきただけですよぉ? - キャン…ディ?
- 何かを感じ取ったバニラはシャーロットの前に即座に立ちはだかり、
空っぽになったお菓子の箱をひっくり返してみせた。 - バニラA1:
面白いですね、銃士隊長。
ですが…生憎ご主人様のお菓子はなくなってしまいました。 また今度来ていただけますか? - シャーロット:
甘いですね…私はそれを…待っていたのです…!
- シャーロットの意味深な笑い…。
シャーロットはバニラを押し退けて、俺の方に近づいて来た。 - シャーロット:
お菓子が底を突くとは…!あぁ!私は悲しいです…
- シャーロット:
だとすれば…私は陛下にいけない悪戯をするしかなさそうですね?
- いけない悪戯だと?
- 嫌な予感が的中した。今のシャーロットは非常に危険な状態だ。
ここでシャーロットの相手をするにはまだ時間も… - シャーロット:
陛下~?ここを見てください…
- シャーロット:
陛下のことを考えていたら…私のここがぁ、こ~んなことになってしまいました…
私…どうしたらいいんでしょう?陛下ぁ? - 落ち着け!シャーロット!
- 正直に言ってこの状況が嫌なわけではない。だが…
- これは違う…
- バニラA1:
銃士隊長!?元から低かった判断能力が疲労でさらに低下したのですか?
ここは艦橋ですよ!?ご主人様を侮辱するのなら出て行ってもらいます! - 暫しの静寂。しかし問題はさらに深刻化していった。
- セラピアス・アリス:
う~ん…バニラ?出て行くのはあなたじゃないかしら?
- 主人公:
- 今にも爆発しそうでどっしりとした爆装ボディ…。
彼女を一目見てメイドだと言い当てられる者がいるだろうか? - セラピアス・アリス:
私たちにもご主人様に要求する正当な権利があります…。
万が一にも出来ない場合は…他のモノを代わりに受け取らなくてはいけませんよね? - どういうことだ!?
- バニラA1:
アリス…お姉さま?
- セラピアス・アリス:
バニラ…?私の言うことはちゃあんと聞かないとねぇ?
- セラピアス・アリス:
今すぐここから出て行きなさい。
- バニラA1:
で…でも…お、お姉さま…か、艦橋でご主人様に仕えることは…
コンスタンツァお姉さまと…わ、私に任された… - セラピアス・アリス:
あぁ…ぶつぶつ…ぶつぶつとッ…!
- セラピアス・アリス:
あなたは私が毎日上下というものを教えても全く聞く耳を持たないのねぇ…?
- セラピアス・アリス:
長話をしている暇はないわ。あなたは出て行きなさい?
私たちはご主人様から大事なモノを頂かないといけないの… - シャーロット:
ふふふ~陛下…?
- セラピアス・アリス:
う~ん、何なら…そこに突っ立って、
私が今からどうするのか見学するくらいなら許してあげるわぁ? - 主人公:
- 一触即発の状況。彼女たちが言う悪戯と言うのは…間違いなく…アレだ…
ハロウィンは子供たちのイベントだろ!?一体何を考えているんだ!? - 主人公:
- 強制的にアリスとシャーロットを追い出すことは出来る…。
だが、そんな下らない理由でせっかくの楽しいハロウィンの雰囲気を 台無しにしたくない。 - 主人公:
- …とは言っても
艦橋で堂々アリスとあんなことやこんなことの記録を残すわけにもいかない… - 主人公:
- どうすればいいんだ?よく考えろ…!
- -:
警報音
- 主人公:
- 艦橋に響き渡る警報音を聞き、
ため息交じりに眉間にしわを寄せるアリスとシャーロット。 バニラはコンソールの方へと走って行った。 - バニラA1:
…ふぅ…幸いと言っていいのかわかりませんが、
オルカのお子供たちが勝手に交戦地域に進入しました。 - バニラA1:
敵を確認しました。指揮をお願いします。ご主人様。
- うーん…
- セラピアス・アリス:
残念です…、ご主人様…私はとても残念でなりません。
…私の体のこの熱が冷める前に戻ってきますね。 ご・しゅ・じん・さま。 - シャーロット:
私も銃士隊長の名誉にかけて、陛下を絶対にあきらめません!
- 主人公:
- 俺はひっきりなしに色目を使ってくるアリスとシャーロットを無理矢理に無視し、
バイザーを下げた。 - 主人公:
- 戦闘が終わり次第、ハロウィンに関する情報を調べなければ…。
シャーロットとアリスの雰囲気は明らかにおかしかった。 - 主人公:
- このオルカのハロウィンは何かが間違っている。
気がする…。