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キルケー
お客様?もうすぐ到着します。

Transcription

  1. キルケー:

    お客様?もうすぐ到着します。

  2. 主人公:

    - 酒のせいでさっきの倍は愉快になってしまったキルケーがあちこちに俺を引っ張りまわしていた。

  3. キルケー:

    こっち、こっち~あらら…。

  4. キルケー:

    も~。ずっと続けるおつもりで~?

  5. キルケー:

    私は問題ありませんが~お客様が嫌なんじゃありませんかねぇ?

  6. 主人公:

    - 俺たちの行く手を塞ぐヴェロニカにつかつかと近づいたキルケーは琥珀色の液体が入ったフラスコを差し出した。

  7. キルケー:

    そんなにお堅くならないで~!ほら~修道女さんも一杯やりましょうよ~?

  8. ヴェロニカ:

    救援者様、こんな異端の魔女と一緒にいてはいけません。

  9. キルケー:

    あら~無視なんてひど~い。

  10. 主人公:

    - 酒をぐびぐびと飲むキルケーには目もくれずヴェロニカが話を続ける。

  11. ヴェロニカ:

    私たちは…

  12. キルケー:

    くぅ~!今日のお酒は一段と美味しいわ~!

  13. 主人公:

    - 持っていたフラスコを一瞬で空にしたキルケーはよろけながら新しいフラスコを取り出した。

  14. 主人公:

    - 話を遮られたヴェロニカがすさまじい形相でキルケーを睨み付けていた…

  15. キルケー:

    私はですれ…久しぶりにお客様がいらっしゃって気分がと~ってもいいんれす~

  16. キルケー:

    修道女さんは~ろうして邪魔ばかりしてくるんですか~?お酒も一緒に飲んでくれらいし…

  17. 主人公:

    - もうすでに顔が真っ赤になっているキルケーがしゃっくりをし始めた。

    1. キルケー、飲み過ぎだ。もうやめとけ。
  18. キルケー:

    なんれですか~?こ~んらに気分がいいのにぃ~ああっ、私のおしゃけ…

  19. 主人公:

    - 酒の瓶を奪われ、地面にべたりと座り込んだキルケーがアザゼルを見て目を輝かせた。

  20. キルケー:

    うわぁ~、天使様ぁ!?

  21. キルケー:

    天使様~!や~っと私を救いにきてくださったんですねぇ!?

  22. キルケー:

    私はですれ~。一生懸命ここを守ってきました~

  23. ヴェロニカ:

    …救援者様の前でこれ以上の醜態をお見せするわけにはいきません。

  24. ヴェロニカ:

    お立ちください、魔女。

  25. キルケー:

    あぅぅ…私は酔ってらいわぁ~

    1. ちょっと待ってくれるか、ヴェロニカ。
  26. 主人公:

    - キルケーを引きずり始めていたヴェロニカが動きを止めた。

    1. キルケー、ひとつだけ聞いてもいいか?
  27. キルケー:

    うふふ~いくらでもろうぞ~?可愛いお客様…

    1. 俺は確認したいことがあってここに来た。
  28. キルケー:

    はい…

    1. さっきから案内してくれようとしていたエリア…
  29. キルケー:

    ……

    1. そこで何が起こったのか知っているのか?
  30. キルケー:

    ……はい。

  31. 主人公:

    - 低い声で答えるキルケーを見てヴェロニカが眉間にしわを寄せた。

  32. ヴェロニカ:

    知っていながら救援者様をその場所へ連れて行くおつもりですか?

  33. キルケー:

    …それは、私の使命ですから…。

    1. 使命?
  34. キルケー:

    ここを守ることも…、お客様を案内することも…。全て…私の使命ですから。

  35. キルケー:

    です、から…

  36. 主人公:

    - キルケーがパタリと倒れた。

    1. …キルケー?
  37. ヴェロニカ:

    …寝てしまいましたね。

  38. アザゼル:

    運命のくびきに束縛された哀れなる者よ…

  39. アザゼル:

    ヴェロニカ、このお方を頼みます。

  40. ヴェロニカ:

    光の意志の通りに。

  41. アルマン枢機卿:

    案内人がいなくなってしまいましたね、陛下。どのようになさるつもりですか?

    1. 位置は大体わかった。
  42. 主人公:

    - 俺を探しているだろうシャーロットとアリスを呼び出そう。

  43. アルマン枢機卿:

    その必要はありません。

    1. 何故だ?
  44. アルマン枢機卿:

    私とアザゼルが陛下をご案内いたします。

  45. 主人公:

    - 何か心境の変化でもあったのだろうか?いや、それはないだろう…。

  46. 主人公:

    - 無言で俺を見つめるアルマンの瞳はまだ何も変わっていない。

    1. わかった。案内してくれ。
  47. アルマン枢機卿:

    はい、陛下。

  48. アルマン枢機卿:

    ただ、目的地付近で鉄虫の信号が探知されました。

  49. アルマン枢機卿:

    私たちが処理します。指示をお願いします。