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Transcription
- ついに入ることとなった規制エリアの中の様子は想像とは少し違った。
- そこは少し狭く歳月を感じさせるが、
テーマパークのどのエリアよりも華やかで高級感が漂っていた。 しかし - 吐き気がする。
- ただ一目見ただけで
滅亡前の人類がバイオロイドたちをどのように考えていたのかがよく…わかった。 - フェンリル:
ご主人様…大丈夫?
- …大丈夫だ。
- 主人公:
- 廃墟と化して数十年が優に経過したにもかかわらず、
エリアのあちこちから悪臭がする気がした。 - アザゼル:
アルマン枢機卿からお聞きになった通りです。
- アザゼル:
テーマパークに送られたバイオロイドたちの一部はこの場所で…
- 主人公:
- アザゼルは言葉を濁したが、あとに続く内容はわかりきっていた。
- わかった…これ以上見ることはないだろう。
- 主人公:
- 吐き気をなんとか抑え、来た道を振り返ると予想外の人物と目が合った。
- ダッチガール:
はぁ、はぁ…
- ダッチガール…?
- 主人公:
- 息を荒げ建物を見回すダッチガール。
その後ろからシャーロットが慌てて駆け寄ってきた。 - シャーロット:
ダッチガールちゃん、そんな風に一人で行ったらいけません!
道に迷ったらどうするんです! - シャーロット:
まぁ~!陛下もここにいらしてたんですね!探していましたぁ!
- セラピアス・アリス:
思った通りです。出会った瞬間も我慢できずに陛下を誘惑するつもりですか?
- セラピアス・アリス:
口実を作るためにおチビさんまで利用するなんて…本当に悪質極まりないですね。
- シャーロット:
はい?悪質ですって?
- シャーロット:
私はですね…まず陛下に…
- 主人公:
- また口論を始めようとしたシャーロットは
ここの雰囲気が尋常でないことに気づき口を閉じた。 - 主人公:
- アリスも目を細めて周辺の建物を伺い始めた。
- セラピアス・アリス:
とても…華やかですね。でも何だか…
- セラピアス・アリス:
…不快な気分になります…。
- 主人公:
- 俺にも他の誰にも一切目もくれず
依然として建物を見て苦しそうに息をしているダッチガールが気にかかる。 - 主人公:
- 見た目は特に変わった点などないが、
こんな場所にずっといるのは精神衛生上よくないだろう。 - ダッチガール、一緒に行こう。
- ダッチガール:
……
- ダッチガール?
- ダッチガール:
…あ、うん。司令官…その…
- 主人公:
- やっとのことで顔を上げ、
俺を見上げるダッチガールの小さな体がぶるぶると震えている。 - ダッチガール!?大丈夫か?
- ダッチガール:
う、うん…大丈夫。ただ、昔…
- アルマン枢機卿:
陛下、このエリアの奥の方で鉄虫の反応が確認できます。
- アルマン枢機卿:
その一部が私たちを発見したようです。こちらに接近中です。
- …分かった…分かったから。
- ダッチガール:
…司令官…私も行くよ…
- シャーロットとアリスが行く。ここにいろ。
- 主人公:
- ダッチガールはゆっくりと首を横に振った。
- ダッチガール:
大丈夫、問題ないよ…仲間たちと…
- …フェンリル?
- フェンリル:
うん、ご主人様。
- ダッチガールを頼む。傍にいてやってくれ。
- フェンリル:
ご主人様には天使が傍にいるから…大丈夫だよね…
- フェンリル:
わかった、行こう。意外と頑丈な子!
- ダッチガール:
…ありがとう、司令官…
- 主人公:
- 待ってくれていたシャーロットがダッチガールの手を握りエリアの奥へと向かった。