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Transcription
- 戦闘が終わって…
- 俺はLRLとアルヴィスを呼び出した。
- ぽかんとした表情で俺を見つめるアルヴィスとLRL。
- だから危険な場所には近づくな!
- T-13アルヴィス:
ひひひ~!アルヴィス伯爵様は司令官様を許してあげる!ごめんなさいは?
- お前が謝るんだよ。アルヴィス!
- T-13アルヴィス:
ひっ……ご、ごめんなさい、司令官様。これからは気をつけるね…。
- LRL:
ふっふっふっ…。眷属たる人間ともあろうものが、
恐れ多くもこの真祖を前にして過ちを正そうとするつもりなのかぁ? - 本気で怒られたいのか?
- LRL:
ふぇっ…司令官きら~い!!
- 主人公:
- 楽しい雰囲気に浮かれてはしゃぎたい気分は理解できる。
しかし、チビッ子たちが危険に晒される事態は避けたい。 - T-13アルヴィス:
あ、そうだ!司令官様?新しい友達を連れてきたの。一緒に見る?
見たいでしょー? - 主人公:
- 明るく笑いながらガラリと話題を変えるアルヴィス伯爵様…
この図々しさといい、格好といい… いつの間にLRLに影響されたんだろうか…? - 主人公:
- …目を輝かすアルヴィス…と泣きっ面のLRL…
…ちゃんと叱るのは後にしておくか? - はぁ…そうか…。で?友達って?
- T-13アルヴィス:
あのね~その友達はチョコは嫌いでね?お肉が大好きなの!
すぐここに連れて来… - -:
バン!!!
- フェンリル:
……
- フェンリル:
ここ、すごく広い場所だね?静かだし、いい匂いもする!
- お前…誰だ?
- 主人公:
- 視線を釘付けにする赤い髪。拘束衣、そして…印象的な牙…
目の前にいる少女はまるで野獣のような雰囲気を漂わせていた。 - 主人公:
- それはそうと…この少女は分厚いドアをぶち破って入ってきたぞ…?
- 主人公:
- ドアに開いた穴からブラウニーがチラチラとこちらを見ながら通り過ぎるのが見えた。
俺と目が合うや、ぎこちなく敬礼して再び歩き出すブラウニー… - 主人公:
- しっかし…フォーチュンに修理を頼まないとな…申し訳ないことになった…。
- T-13アルヴィス:
狼さん?チョコバー食べる?
- フェンリル:
いらない。言ったでしょ?チョコは嫌いなの。
- 主人公:
- アルヴィスの好意を即座に拒絶する少女。かなりさっぱりとした性格のように見える。
- フェンリル:
えっと…人間様がここのアルファだよね?
- アルファ…?
- フェンリル:
人間様。すぐに終わるからジッとしててね。くすぐったかったら言ってね。
- 主人公:
- 赤髪の少女は俺に近づくと、クンクン匂いを嗅ぎ始めた。
- ……
- 主人公:
- 少女の突然の行動に少し驚いたが…
アルヴィスとLRLが連れてきたみたいだし心配はないだろう。 - 主人公:
- 俺もたくさんのバイオロイドたちと出会ってきたが…
こんな風に体中をクンクン嗅がれるなんて体験は初めてだ。 新鮮だ…。 - いつ頃終わりそうだ?
- フェンリル:
やっぱり!合ってる。人間様だ!人間様で間違いないね!
- うん…ありがとう。
- フェンリル:
自己紹介するね。私の名前はフェンリル。コンパニオンのフェンリルだよ!
- T-13アルヴィス:
狼さん!
一人しかいない司令官様なんだから、絶対に噛んだりしちゃだめだよ?わかった? - フェンリル:
そのくらいはわかってるよ。バカじゃないんだし。
- まぁとにかく歓迎する。
- 主人公:
- 俺は何気なく手を伸ばし、フェンリルと握手をしようとしたが、
フェンリルは俺のこの行動が気に入らなかったようだ。 - フェンリル:
ガルルルル…どういうつもり?
- LRL:
ふっふっふっ…まさに野獣っ!…飼い慣らされていないただの獣…
そのように考えていては痛い目に遭うだろう…。 - 主人公:
- LRLが得意そうに口出ししてきた。
それはそうと…コンパニオンの一員ということは、メイドなのか…? - フェンリル:
…この子、さっきからごちゃごちゃうるさいんだけど…。イライラするわ。
- あれ?仲が良いんじゃなかったのか?
- フェンリル:
名前も覚えてないし…。
ちっちゃくて白くて、とにかくうるさい。 もう一人はすぐチョコ食べさせようとしてくるし…。 - LRL:
ひぃっ…!?
- 主人公:
- フェンリルがチラッと目配せしただけなのだが、LRLはぶるぶると震え出した。
- フェンリル:
あれ?びっくりした?ごめんね。小さくて白い子。
- 主人公:
- LRLが怖がっていることに気づいたフェンリルは表情を緩ませて言う。
やっとLRLは落ち着いて深呼吸した。 - フェンリル:
あのね。
私はちょっとお使いで来ただけだから。これを渡しに来ただけ。すぐに帰るわ。 - お使い?
- フェンリル:
そう、お使い。これを渡してほしいってさ。
「お祭りの招待状」とか言ってたような… 興味ないから内容は知らないわ。 - ハロウィンの招待状ってことか?
- 主人公:
- フェンリルは俺にカボチャのマークが印象的な黒い封筒を差し出した。
これはもうハロウィンの招待状だろう… - 主人公:
- 俺はこれをどう受け止めるべきなのだろうか?
- 主人公:
- まさか…人類が滅亡した世界で招待状を受け取ることになるとは…
- 差出人は誰なんだ?
- フェンリル:
えっと…とある遊園地に魔女が住んでるの。
で、その魔女からの招待状。 - 魔女…?
- LRL:
ふむふむ…いまだに魔女が生き残っていたなんて…!つまり数世紀もの間…
- 今俺が話している。LRL。
- LRL:
ふぇ…!やっぱ司令官きらーい!
- すまない…説明を続けてくれ、フェンリル。
- 主人公:
- アルヴィスをもみもみと撫でていたフェンリルは話を続けた。
- フェンリル:
うん。私はもともとこの近くにある遊園地で狩りをしてたんだけどさ、
- フェンリル:
突然ほうきに乗った魔女が現れたんだ。
- フェンリル:
その魔女はお使いしてくれたら、
私に美味しいものをたくさん食べさせてくれるって約束してくれた。 - 主人公:
- …いずれにせよ、この招待状の主はオルカの位置を知っているということか…。
- 主人公:
- 万が一の事態に備えて調査人員を選任しておいた方がいいのだろうか?
それとも… - フェンリル:
ふぁぁ~。とにかくこれで私の仕事は終わったわ。もう帰っていい?
- 帰るのか?
- フェンリル:
そう!お使いが終わったから魔女の所に戻って食べ物をもらわないと!
- フェンリル:
ぐぅ~
- 主人公:
- やるべきことを終え、
さっさと帰ろうとしていた赤髪の狼っ子がピタリと立ち止まる。 - フェンリル:
あ…あの…人間様?私…ううん…帰ったら…でも…今…
- 主人公:
- フェンリルは何か迷っているようで、
一人で何かをごにょごにょ言っては首を振り、またごにょごにょと言っている。 - 主人公:
- 首をブンブン振る姿を見ていたら…急に何となく意地悪をしたくなった。
ハロウィンだし!仕方ないね! - …ここには食べ物がたくさんあるぞ(小声)
- フェンリル:
食べ…もの?も、もしかしてお肉も…ある?
- フェンリル:
あ、何でもない!狼は施しなんか受けない!帰ったらお使いの報酬として…
- 主人公:
- 俺の様子をうかがい、葛藤するフェンリル。
そろそろ…意地悪するのはやめにしよう… - LRL、アルヴィス?フェンリルを頼んだぞ。
- 主人公:
- オルカのチビッ子たちにお説教するのは後にして、
まずはこの真面目な狼っ子のお腹を満たしてあげよう。 - LRL:
くっくっくっ…お前に真の富とは何かを見せてやろう!
食糧品倉庫に山積みのツナ缶を見て腰を抜かすでないぞ、 田舎の魔狼めっ! - T-13アルヴィス:
狼さんと一緒に?いいよ!
- T-13アルヴィス:
アルヴィス伯爵様について来なさい?私がオルカを案内してあげる!
えっとね、シャワー室はあっち… - フェンリル:
本当に?いいの?私みたいなさすらい狼でも?
- 気にしないぞ
- フェンリル:
人間様は本当に良い奴だね!?何でそんなに優しいの?
- 何でだろうな?早くアルヴィスについて行きな。
- フェンリル:
ありがとう!人間様!
- フェンリル:
じゃあ私今からちょっとだけここ見物してくるね?
いや、しばらく見物してってもいい? - そうしたらいい。でも物を壊したりはしないようにな。
- 主人公:
- 食事を勧めただけなんだが、
フェンリルは俺の周りをぐるぐる回って離れる気配がなかった。 もう!早く来て~!
- フェンリル:
行ってくるね、人間様!あ、そうじゃなくて…
- フェンリル:
ご主人様!!
- おい。今何て?
- フェンリル:
人間様はこれからは私のご主人様だよ!私が今そう決めたの!
- フェンリル:
私にお肉をくれる人間様は私のご主人様に違いないから!
- …そ、そうか…
- フェンリル:
私すぐに戻ってくるから、どこにも行かないで待っててね。ご主人様!
- フェンリルは姿勢を低くすると壊したドアの穴からするりと外に出て行った。
- フェンリルとチビッ子たちがいなくなると、騒々しかった雰囲気が落ち着いた。
- あの「狂ったハロウィン」と何か関係があるかもしれないな…この招待状。
- さて、俺はどうするかな…?