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Transcription
- キルケー:
あの仲の良い方々が心配しないようメモを残しておきましたので問題ありませんね?
- そのメモを見るまでは大丈夫だろうな…
- 主人公:
- 「あなたたちの主人は自分が預かった」という無駄に挑発的すぎるメモを
回収できないまま俺はキルケーのほうきに乗せられここまで飛んできた…。 - キルケー:
お客様。ここがあのBエリアです。
何をする場所かは…見ればおわかりですよね? - 主人公:
- キルケーの言う通り、ここはAエリアとは明らかに雰囲気が違う。
- 主人公:
- 目まぐるしい展開でしばらく忘れていたが、おかげで当初の目的を思い出した。
- 主人公:
- 建物の窓すべてに付けられたカーテンの隙間から見える大きなベッド…
そこから「滅亡前のハロウィン」の片鱗を感じる…。 - キルケー:
どうですか?お気に召しましたか?
- キルケー:
景気づけにこれを一杯お飲みになれば、も~っとお楽しみいただけると思います。
さぁ… - …俺は大丈夫だよ。
- キルケー:
ふふっ…、ではお客様の分まで私が…
- 主人公:
- 琥珀色の液体をすするキルケーの顔は次第に赤くなっていった。
やはり酒だったようだ。 - キルケー:
もっと隅々まで詳しくご覧になられますか?
- 主人公:
- 俺の手を握ったままのキルケーに連れられ、
比較的装飾がまともな建物の内部に入って行った。 - キルケー:
ここは受付です。あ、ちょっと待ってください。
このエリアでは私も接客をしたことがないので… - キルケー:
こっちが待合室で…あ、こっちがその…んふふ…!
- 主人公:
- 長く続く廊下の前で振り返ったキルケーが
妙な視線を俺に向けながらフラスコをゆらゆらと揺らした。 - いや、俺は遠慮する。それより…
- キルケー:
ではぁ…私が代わりに飲みますね~?
- 主人公:
- 酒を飲み口元を少し雑に拭うキルケーの目が少しぼんやりとしている…。
- キルケー。ここじゃなくて他のエリアはないのか?
- キルケー:
…なるほどぉ。
- キルケー:
うふふ、先に言ってくださいよ~
- キルケー:
どうしてそんなに恥ずかしがるのかと思ったらぁ、そういうことだったんですね~?
- キルケー:
確かにそのような趣向のお方もいらっしゃいましたぁ…
- キルケー:
わかりました。ご案内いたします~。
- 主人公:
- ようやく俺の目的に近づいているようだ…。
- 主人公:
- 小さくため息をついて振り返ると俺の首に何かが巻き付いた。
- 主人公:
- 甘い酒の匂いと少し熱いくらいの体温を感じた。
- キルケー:
お客様?たった今無料体験期間が終了いたしましたぁ。
- キルケー:
ここから追加の案内をお望みの場合、料金が発生しますがぁ?
- …一応聞いてみよう?
- 主人公:
- 耳元で小さく、くすくすと笑うキルケーの笑い声。
- キルケー:
大したことではありません。ただ…私をですね…?少しだけ…ほんの少し…だけ…
- キルケー?
- 主人公:
- 何度もその続きを言おうと息を吸っては吐いていたキルケーの腕が
するすると俺の首から離れていった。 - キルケー:
…いえ…久しぶりのお客様なのでぇ特別サービスぅ~
- キルケー:
無料でご案内いたします~では早速、参りましょうか?
- キルケー:
お酒を飲んだので歩いて行かないとですね~?ダメ、飲酒運転~
- 鼻歌交じりに手を後ろに組んで、さっさと建物の外に出て行くキルケー。
- その寂しげな後ろ姿を見ているとキルケーが招待状を送ってきた理由がわかる気がした。