Transcription

1. コネクターユミ:

   うぅ…ウェアウルフさんはどこに行ったんですぅ…？

2. コネクターユミ:

   せっかくお酒が手に入ったのに…独り酒かぁ…

3. キルケー:

   あら、こんにちは。ユミ…さん、でしたよね？

4. キルケー:

   こんなところで何をしてるんです？

5. コネクターユミ:

   わは！？…キルケーさん…

6. コネクターユミ:

   な、何でもないです！…私は用事を思い出したのでこれで失礼…

7. キルケー:

   後ろに隠しているソレ。もしかしてお酒じゃないですかぁ？

8. コネクターユミ:

   ひぎっ！

9. キルケー:

   私がオルカに来た時～コンスタンツァさんからお酒は厳禁って言われたんですけどぉ…

10. キルケー:

    う～ん…それはどこからどう見てもお酒ですよね～？ですよね？

11. コネクターユミ:

    ……

12. コネクターユミ:

    …見なかったことにしていただけませんか…？

13. キルケー:

    えぇー？酷～い！ユミさんったらこの私に嘘を吐けと言うんですか？

14. コネクターユミ:

    い、いえ。ただ何も言わないで欲しいだけなんですけど…

15. キルケー:

    ふむ…それは…タダで？

16. コネクターユミ:

    …わ、私、お酒しか持ってないので…飲ませてあげますので…。だ、ダメですか…？

17. キルケー:

    お酒の話をお酒で口止めしようだなんて…

18. コネクターユミ:

    ううううううっ…

19. キルケー:

    …ふふふ～！冗談ですよ～？やっと同志に出会えたので、ついつい悪戯してしまいました～

20. キルケー:

    さーて！これは何に見えますぅ？

21. コネクターユミ:

    お酒…ですか？

22. キルケー:

    ふふっ、そうですね。

23. キルケー:

    しかも！ただのお酒ではなく、100年に及ぶ私のノウハウを総動員して作った特製密造酒なのですよ～？

24. キルケー:

    一緒に一杯、いかがです？

25. しばらく経過。

26. コネクターユミ:

    ぷはぁ～…そうなんれすよ！キルケーさん話が分かるぅ～！

27. コネクターユミ:

    さあさあ、もう一杯どうぞ～

28. キルケー:

    うふふ、私も久しぶりに誰かと飲めて、とってもうれしいですぅ。

29. キルケー:

    コンスタンツァさんからお酒は厳禁と言い渡された時は、お酒の神様に見放されたような気持ちでした…。

30. キルケー:

    でも、どうして禁酒令なんかが出されてるんですか？

31. コネクターユミ:

    あ、理由ですか？ヒック…

32. コネクターユミ:

    私たちの司令官はれすね…？普段はと～ってもジェントルマンなんれすけど…

33. コネクターユミ:

    お酒が入ってしまったら最後…

34. コネクターユミ:

    あふぅ…よ…酔…ふぅ…

35. キルケー:

    入ってしまったら？

36. コネクターユミ:

    お酒が入ってしまったら…もうそれはそれはぁ…ふぅ…ヒック…

37. コネクターユミ:

    荒っぽくなってしまうんれす…

38. キルケー:

    …………そんな…

39. コネクターユミ:

    どうしたんれしゅか？

40. キルケー:

    そういう…荒れたり、暴力的なことをされるのは…ちょっと…

41. コネクターユミ:

    え？いや、違いましゅっ！全然そういうのじゃないれすから！

42. コネクターユミ:

    私も聞いた話なんれすけど、全然そんなんじゃないんですよぉ。

43. キルケー:

    というと？

44. コネクターユミ:

    そ、それは…アレですよ…アレアレ…アッチの方です。

45. コネクターユミ:

    ソフトに…手首を縛って…目隠ししたりして…する…方です…。

46. コネクターユミ:

    わ、私は別にアッチの方は興味ありませんけど？…その、何と言いますか…そう言った感想をお聞きすると好奇心を刺激されると言いますか…

47. キルケー:

    た、叩かれたりとかはないんですか？

48. コネクターユミ:

    絶対にそれはないです…

49. コネクターユミ:

    えっと…ウェアウルフさん曰く…「普段もイケるけど、酒が入ってワイルドに迫ってくるのがドキドキして良かった」と…

50. コネクターユミ:

    あ、それわかる～みたいな感じで…

51. キルケー:

    な～んだ、そういう話でしたか？

52. キルケー:

    それなら大丈夫…というかむしろ大歓迎ですよ～

53. キルケー:

    ふふっ、だったら今度は絶対お客様にお酒を飲ませないと～。

54. キルケー:

    ユミさんもそうやって強気に攻められるのがお好きなんですかぁ？

55. コネクターユミ:

    わ、私ですかぁ！？

56. コネクターユミ:

    私は僻地で仕事するだけでしたので…そ、そういう恋愛なんてものとは無縁でしたから…

57. コネクターユミ:

    ただ普通に帰宅したらお部屋で一緒にお酒を飲んで…て、手とか繋いで映画観たり…とか…

58. キルケー:

    うふふ～！可愛いですね～！

59. コネクターユミ:

    し、仕方ないじゃないですかぁ…そういう経験したことないんですからぁ！

60. キルケー:

    お客様ってほ～んとにおモテになるんですね～？

61. キルケー:

    オルカの方々とはまだそれほどお話したわけではありませんけど、みなさん口を揃えてお客様の話をしますから。

62. コネクターユミ:

    それも仕方ありませんよ。私たちに優しくしてくれる人間様なんて初めての経験ですから…。

63. コネクターユミ:

    再生産された方々も過去のデータは入力されますが、私たちみたいな人間様を知ってる滅亡前からの生き残りなんかは特にそうなっちゃいますよ…。

64. コネクターユミ:

    忙しい中でも私みたいな末端にまで気遣ってくださったり、興味を持ってくださるし…

65. コネクターユミ:

    惚れるなっていうのが無理な話ですよぉ…

66. コネクターユミ:

    キルケーさんは？私たちの司令官と会ってみて、どうでした？

67. キルケー:

    お客様ですか？うーん…

68. キルケー:

    確かに今まで私が見てきた人間様たちとはまったく違うタイプですよねぇ。

69. キルケー:

    生き残りの人間様がいると風の噂で聞いたときは、半分自暴自棄になってお手紙を送ってみたのですが…

70. キルケー:

    あの時送って…本当に良かった。私の願いを叶えてくださいましたから…

71. キルケー:

    それに、誰彼構わずガツガツ自分から手を出さない紳士的なところもいいと思います…

72. キルケー:

    実際あの時は体で誘惑して願いを叶えてもらうつもりでしたけど…

73. コネクターユミ:

    …？

74. キルケー:

    あら…私も酔ってしまったみたいですね。ついつい喋りすぎてしまいますわ…。

75. キルケー:

    グラスが空じゃありませんか～。はーい、どうぞ…ってあら？

76. コネクターユミ:

    お酒なくなっちゃいましたね…

77. コネクターユミ:

    残念です…。久しぶりに楽しい時間でしたのに…

78. キルケー:

    あら？もうおひらきですか？

79. コネクターユミ:

    お酒が…ないですから…

80. キルケー:

    ふふ、ないなら探せばいいじゃありませんか。

81. コネクターユミ:

    え？でもオルカにはもうお酒は一滴もないはずじゃ…？

82. キルケー:

    もちろ～ん、お外からですよぉ～

83. コネクターユミ:

    えぇ！？私たち二人だけでですか？鉄虫はどうするんですか！？

84. キルケー:

    うふふ！伊達に100年間もテーマパークを守ってきたわけじゃないですよ？

85. キルケー:

    私にかかれば鉄虫くらい余裕です！

86. キルケー:

    ユミさんは私の後ろでアンテナを振り回して応援するだけでいいですから～さあ！お酒ハンティングに～しゅっぱーつ！

87. コネクターユミ:

    キルケーさん！？酔った勢いで言ってるだけとかじゃないですよね！？