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主人公
- 重い足をなんとか前に蹴り出す…。

Transcription

  1. 主人公:

    - 重い足をなんとか前に蹴り出す…。

  2. 主人公:

    - 寒い日だが、既に全身は汗だらけになっていた。

    1. はぁ…
  3. 主人公:

    - 少し立ち止まって、うーんと腰を伸ばしてから再び歩き出す…。

  4. 主人公:

    - これで必要な物資はほとんど集めたから、帰ったら溜まってる仕事を…

    1. うわっとっ!?
  5. E-16タロンフェザー:

    司令官様!大丈夫ですか?

  6. 主人公:

    - バックパックの限界を超えて積んだ荷物のせいでバランスを失いかけたが、隣を歩いていたフェザーが支えてくれた。

    1. うん、ありがとう。危ないところだった…
  7. 主人公:

    - バックパックには割れ物もたくさん入っている。

  8. 主人公:

    - それをバラ撒いてしまったら、また街まで戻らないといけなくなるし、帰ってからやる予定だった仕事が徹夜コースになるところだった。

  9. 主人公:

    - 心配そうな顔で俺を見つめるフェザーに笑ってみせる。

    1. 行こうか?
  10. E-16タロンフェザー:

    はい…

  11. 主人公:

    - もう何個目かも分からないバックパックを降ろして艦長室に帰ってきた。

  12. 主人公:

    - すぐ艦橋へ向かおうとしたが、部屋の隅にあるソファーが俺を誘っている…。

    1. ……
  13. 主人公:

    - 少しだけ休もう…

  14. 主人公:

    - ふわふわのソファーに身を委ねると思わずあくびをしてしまう。

    1. ふあぁぁ…
  15. 主人公:

    - そのまま寝落ちしないように気をつけて休んでいたら、艦長室のドアをノックする音が聞こえた。

    1. 入って……
  16. アルマン枢機卿:

    ごきげんよう、陛…

  17. アルマン枢機卿:

    …ごきげんよく……はなさそうですね…。

    1. 大したことじゃないよ。少し疲れただけだ。
  18. アルマン枢機卿:

    「少し」ですか?

  19. 主人公:

    - あくびを噛み殺しながらアルマンから渡されたパネルを確認する。

  20. アルマン枢機卿:

    サプライズパーティーも結構ですが、陛下の健康が一番ですよ…。

  21. アルマン枢機卿:

    陛下がサプライズパーティーを準備しているせいで健康を損ねてしまったら、隊員たちも素直に喜べなくなりますよ。

    1. …アルマンも知ってるのか?
  22. 主人公:

    - もちろんオルカの隊員全体からすれば計画を知っている割合は少ないだろうが、心配になってくる。

  23. 主人公:

    - サプライズパーティーじゃなくなってしまう…

  24. アルマン枢機卿:

    ドクターも参謀である私にまで計画を隠し通すのは無理だと判断したのでしょう。

  25. アルマン枢機卿:

    陛下は私を騙し続ける自信がございますか?

    1. うーん…ないな。
  26. アルマン枢機卿:

    そうでしょう。以前も申し上げましたが、もう陛下の予測を外すことはありませんから。

    1. 絶対に?
  27. アルマン枢機卿:

    はい、絶対にです。

  28. 主人公:

    - アルマンの断言している顔があまりにも自信満々だったので少し意地悪したくなった。

    1. じゃあ今、俺が何を考えているのか当ててみてよ?
  29. アルマン枢機卿:

    あの…陛下?私はデータに基づいて予測しているのであって読心術が使えるわけではないのですが…

  30. アルマン枢機卿:

    ですが…今の陛下ならさすがに分かります。

    1. そうか?じゃあ今俺は何を考えているでしょう?
  31. アルマン枢機卿:

    陛下は私たちのことを考えてくださっています…。

    1. ……
  32. 主人公:

    - 予想外の答えに俺は言葉を失った。そのままアルマンは続ける。

  33. アルマン枢機卿:

    私と初めてお会いしたあの時も……テーマパークの時も…

  34. アルマン枢機卿:

    そして、今も私たちのことを考えてくださっています。違いますか?

  35. 主人公:

    - 俺が答えに窮しているとアルマンはゆっくりと近づいてきた。

  36. 主人公:

    - そして、隣に座ったアルマンはそっと俺の肩に頭を寄せる。

  37. アルマン枢機卿:

    ふふっ、陛下ほど分かりやすい御方もなかなかいませんよ。

    1. そ、そう?
  38. アルマン枢機卿:

    はい、陛下はこれと決めたら一心不乱に進まれる御方ですから。

  39. 主人公:

    - アルマンは目を閉じて俺に身を預けていたが、しばらくすると何か決めた様な顔をして立ち上がった。

  40. アルマン枢機卿:

    ですので…陛下。無理を承知の上で、謹んで申し上げます。

  41. アルマン枢機卿:

    あまりご無理をなさらなぬようお願いいたします…。

    1. 善処するよ…。
  42. 主人公:

    - 苦笑いする俺に優しく微笑んだアルマンはペコリとお辞儀をすると艦長室を後にした。

  43. しばらくして、艦橋

  44. アルマン枢機卿:

    ダフネさん?準備してほしいものがあります。

  45. アルマン枢機卿:

    はい。お察しの通りです。

  46. アルマン枢機卿:

    では、よろしくお願いいたします。

  47. アルマン枢機卿:

    ………

  48. アルマン枢機卿:

    今回の予測は外れて欲しいものですね…