シーンビューアの使い方
- 背景画像・セリフ下のNEXT・選択肢をクリックでセリフ送り
- 過去のセリフの選択肢・BACKをクリックでログジャンプ
Transcription
- 主人公:
- もう見慣れてしまったショッピングモールがある例の街を歩く。
- 主人公:
- 今日の護衛担当であるウンディーネはいつもよりもテンション高めで
はしゃいでいる。 - P-3Mウンディーネ:
わぁ…本当に綺麗に残ってる…
- 気に入ったものがあったら持って帰っていいよ。
- P-3Mウンディーネ:
本当!?
- 主人公:
- 俺の言葉を聞いて走り出したウンディーネはショーウインドウに張り付く。
- P-3Mウンディーネ:
トレビアン!これって全部すっごい高級品なんじゃない!?
- P-3Mウンディーネ:
管理も行き届いていて傷も付いてないし…さっき戦ったAGSたちに
感謝しないといけないわ! - 主人公:
- 近くの店に入ったウンディーネはそれはそれは楽しそうに
あれやこれやと商品を漁り始めた。 - 主人公:
- その姿が微笑ましくもあるが、申し訳ないと感じずにはいられなかった…。
護衛担当になったせいで、サプライズパーティのことを知ってしまったんだから…。 今日は楽しんでもらわないとな…。 - 主人公:
- 後を追って店に入り、適当なところに座った。
- オルカでの生活はどうだ?
- P-3Mウンディーネ:
そりゃ全然良くないに決まってるでしょ!?
- P-3Mウンディーネ:
前は広い大空を思う存分飛び回ってたし、デッキに出ていつでも日光浴が
出来てたんだから! - P-3Mウンディーネ:
オルカ号がいくら大きくて、フォーチュンさんがいつも整備してくれてるって言っても、
バスは不便だし!湿気もすごいし… - うーん…やっぱそうか~…
- 主人公:
- ぽそりと呟く俺の声が聞こえたのか、
遠慮なく不満を言い続けていたウンディーネは我に返って俺を見る。 - P-3Mウンディーネ:
ちちちち!違うんだからね!そんなんじゃないんだから!!
そ、そりゃあ…少しは不便だけど…!少しよ!?少し! - P-3Mウンディーネ:
司令官が色々気を使ってくれてるから…大丈夫。
- P-3Mウンディーネ:
そ、それに…前より…
- P-3Mウンディーネ:
今は…司令官のために戦ってるから…、今の方が…
- P-3Mウンディーネ:
…す、好き…
- 主人公:
- ウンディーネはいつの間にか俺の前に立っていた。
- 主人公:
- 顔を真っ赤にして、声がふるふると震えている。
- 主人公:
- しばらくもじもじと悩んだように俺を見つめて、俯いたウンディーネ。
- この前チーズケーキを味見させてくれるって言ってただろ?
- P-3Mウンディーネ:
…?
- 帰ったらお願いしてもいいかな?お腹が空いた。
- 主人公:
- 俺の言葉を聞いて、しばらく意味を考えていたウンディーネは少しすると
目を大きくして輝かせた。 - P-3Mウンディーネ:
あ…
- P-3Mウンディーネ:
いいわよ!最高のチーズケーキを食べさせてあげる!期待してて!
- 楽しみにしとく。好きなもの選んだらそろそろ行こうか?
- P-3Mウンディーネ:
うん!…うん!へへっ…
- 主人公:
- そして、その笑顔を見て立ち上がった瞬間、視界がぐらりと歪んだ。
- …あれ…?
- P-3Mウンディーネ:
司令官?どうしたの?
- あぁ…大丈夫。なんでも…くっ…
- 主人公:
- 次の瞬間、一気に手足から力が抜けた。
- 主人公:
- 自分ではどうにも出来なくなった体が徐々に傾いていく…
そして… - 主人公:
- 冷たい床に顔を打ちつける。
派手にバラ撒かれた荷物の音とウンディーネの悲鳴に近い声がその場に響いた。 - P-3Mウンディーネ:
司令官…!?
- 主人公:
- 何とかして起き上がろうとしてみるが、手足にはもう力が入らなかった。
- P-3Mウンディーネ:
司令官…?司令官!
- あぁ…くっ…
- P-3Mウンディーネ:
だ、大丈夫!?司令官!!
- だ、大丈…
- 主人公:
- ウンディーネが慌てて俺を揺らす、それでなんとか意識を保てる…
必死に起き上がろうとしていると、他の誰かの足音が聞こえた。 - P-3Mウンディーネ:
アルマンさん!し、司令官が…!司令官がっ…!
- アルマン枢機卿:
はい、承知しております。
- P-3Mウンディーネ:
- 足音が近づいてくる。
- アルマン枢機卿:
失礼いたします、陛下。
- アル…マン…?
- 主人公:
- アルマンが俺の上着の袖を捲る。そして、腕にチクリと痛みが走った。
- アルマン枢機卿:
ダフネさんが用意してくれた点滴です。
- アルマン枢機卿:
一時しのぎにしかなりませんので、すぐオルカに帰って療養する必要があります。
- アルマン枢機卿:
ウンディーネさん、陛下を横にしたいので手伝っていただけますか?
- P-3Mウンディーネ:
は、はいっ…!
- 主人公:
- 何かを組み立てる音が聞こえてから体が浮かぶ感覚。
- 主人公:
- なるほど担架か…冷たい布に身を委ねる。
- アルマン枢機卿:
もう少しの辛抱です。すぐにオルカまでお送りいたしますので。
- …わかっ、た。
- 主人公:
- 点滴のおかげか、なんとか返事をするだけの意識は戻ってきた…。
- 主人公:
-どうしたらいいのかわからず、俺の体の上をあわあわと彷徨っていた手を
捕まえて繋いであげると、ウンディーネはぶるぶると体を震わせた。 あぁ…今日は本当に…申し訳ないな… - …俺は大丈夫だよ。
- P-3Mウンディーネ:
うん…。
- 主人公:
- ウンディーネの返事を聞くと…急に睡魔が襲ってきた…。
- アルマン枢機卿:
堪える必要はございません。安心してお休みください。
- ……
- アルマン枢機卿:
私たちがお傍におりますので。
- 主人公:
- アルマンの言葉に緊張の糸がぷつんと切れた。
- 主人公:
- 答える間もなく睡魔に負け、眠ってしまった。
- 主人公:
- 意識が途切れる寸前、たくさんのエンジン音と
無線越しの切羽詰まった声が聞こえた気がした…。