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Transcription
- フェザーが発見し、ドクターが準備してくれた温泉はこれ以上ないほどに
素晴らしいものだった。 - 完全にリラックスして半分くらい眠った状態でお湯に浸かっていると、
何か冷たいものが顔に触れた。 - オードリー・ドリームウィーバー:
そのままだと今度はのぼせて倒れますわ?
- ありがとう。
- 顔に置かれた冷たいお絞りをどけて、オードリーを見上げた。
- オードリーがここの責任者になったのか?
- オードリー・ドリームウィーバー:
そうですわ。司令官がここにいるなら色々と必要な物もあるでしょうし、
後で隊員の方々が使うためにも用意しないといけないものが色々ありますので。 - そうなんだ…入る?
- 完全に気を抜いていたせいか、オードリーに思わず変なことを
言ってしまった…。 - オードリー・ドリームウィーバー:
あら…私はこのような開放的なスペースではあまり…
- オードリー・ドリームウィーバー:
あとで、二人きりで…ね?
- …お風呂のことだよ。
- 俺が言うとオードリーは笑顔で返した。
- オードリー・ドリームウィーバー:
それも後にしますわ。今はここのスーパーバイザーの仕事が忙しいですから。
- 洞窟の外から隊員たちの忙しそうな作業音が聞こえる。
- 進捗状況を聞こうとしたがアルマンが言っていたことを思い出して我慢した。
ソワンのお茶を飲まされてしまう…。 - オードリー・ドリームウィーバー:
うふふ、私たちがしっかりやっておきますので、
司令官は安心して休んでください。 - うん、ありがとう。
- 鉄血のレオナ:
司令官、休めているか?
- え…
- 主人公:
- ヴァルハラは街の方にいるって聞いてたけど…
- 街を担当していたんじゃなかったのか?
- 鉄血のレオナ:
じ、事情があって一時的にカーンにヴァルハラの指揮権を譲っている。
- 鉄血のレオナ:
その代わり私が温泉の警備と…
- 鉄血のレオナ:
ホードを指揮して……はぁ…雪原の偵察に当たっている。
- う~ん…わかった。
- 主人公:
- 指揮官が入れ替わるって、一般的なことではないと思うんだけど…
- 主人公:
- しばらくは隊員たちにすべて任せると決めたし、
カーンとレオナは二人とも信頼できる指揮官だから問題はないだろう。 - 主人公:
- ただ一つ気がかりがあるとすれば…
- ホードの指揮は生半可なことじゃないぞ…
- 鉄血のレオナ:
その話はしないでくれ。なるべく考えないようにしている。
- 主人公:
- 頭痛がすると言わんばかりにこめかみを押さえるレオナを見て思わず
笑ってしまった。 - 頑張って。
- 鉄血のレオナ:
そ、それでだ。こちらの人員が順番に交代して司令官の世話をする。
- 鉄血のレオナ:
拒否権などないから…大人しく世話になるように。
- はは…
- 主人公:
- 俺が困って苦笑いしているとオードリーが助け船を出してくれた。
- オードリー・ドリームウィーバー:
安静にしておくには何かと人手がいりますから…。
ふふ…っもう体のほうは大丈夫なんでしょう? - うん、問題ないよ。
- 鉄血のレオナ:
もう一度言うが、今回はくれぐれも大人しくしているんだぞ司令官。
- 鉄血のレオナ:
……では私は、行く。
- オードリー・ドリームウィーバー:
では、私も仕事に戻りますわ。ああ、その前に…
- オードリー・ドリームウィーバー:
ちなみに最後のターンは、私ですので。
- …楽しみにしてるよ。
- 望んでいた返事が聞けたのかオードリーは満足した顔でどこかへ消えた。
しばらくして、洞窟近くに設けられた臨時宿舎
- 温泉から出て、近くに設けられた宿舎に入った。
- 急いで準備してくれた隊員たちに感謝しながら奥の寝室へと足を運んだ。
- ドアを開けると、簡素だが綺麗な寝室が目に飛び込んでくる。
- そして…
- ……
- 簡素だからこそ明らかな異常はすぐにわかる…。
ベッドの掛け布団の真ん中がポッコリと膨らんでいる。 - 主人公:
- 驚かないように、心の準備をして、ゆっくりと掛け布団を捲った。
- 炉端のポルティーヤ:
ああ…ごしゅ、ご主人様…
- よ、ポルティーヤ。
- 炉端のポルティーヤ:
あ、あの…あ、ああ…
- 炉端のポルティーヤ:
ベッドを…暖めておきました…へへ…
- 主人公:
- ポルティーヤの言葉通りに布団からはむんむんと熱気が伝わってくる。
- 主人公:
- いつもなら慌てていただろうけど、レオナとオードリーから事前に
聞かされていたから、予想出来ていたので何の迷いもなくベッドに入った。 - 暖かそうだね。入るよ。
- 炉端のポルティーヤ:
っ!え!は、はいぃ…
- うわぁ…
- 主人公:
- 温泉に浸かっていたときとはまるで違う感じで暖かい…。それに…
- 炉端のポルティーヤ:
あっ…あの…ご、ご主人様…
- 主人公:
- あぁ…柔らかい感触が俺の体を包んでくる。
- 炉端のポルティーヤ:
ごす、ご主人様…いかがですか…?
- うん…気が休まるよ…。
- 炉端のポルティーヤ:
えへへ…
- 主人公:
- 俺が厚い布団の中で安らぎを満喫していると、
ポルティーヤがモジモジしながら話しかけてきた。 - 炉端のポルティーヤ:
あ、あの…アレクサンドラ様から教わった通りに…こ、心地よいよよよ…夜伽を…
- 主人公:
- 身を起こすポルティーヤの体が不安そうに動く。
- 待って。
- 主人公:
- ポルティーヤを止めて少しの間、その顔を覗き込んだ。
- 主人公:
- ポルティーヤの瞼が微妙に痙攣している。
ぼんやりとした瞳が俺を見ているが、ゆっくり目を閉じようとしている。 - だいぶ疲れてるな。
- 炉端のポルティーヤ:
少しだけです…訓練を、受けていたので…
- 炉端のポルティーヤ:
で、でも私は大丈夫ですから…
- 主人公:
- こんなに疲れていても俺を慰めようとするポルティーヤ…。
…俺のためにこんなに無理して…と思った瞬間、 俺を心配してくれていたみんなの顔が浮かんだ。 - 寝よう。
- 炉端のポルティーヤ:
はい…?だめ、なのに…
- 訓練の成果は後にしよう。今は寝よう。
- 主人公:
- 動けないようにポルティーヤを強く抱きしめた。
- 炉端のポルティーヤ:
アッ…
- 主人公:
- 一瞬体が強張ったポルティーヤだったが、すぐにそれも解れはじめる。
そして、程なくすると寝息が聞こえだした。 - 炉端のポルティーヤ:
ご主人様…ご主人、しゃま…
- 主人公:
- ポルティーヤが寝言を言いながら俺の腕の中に潜り込む。
- 主人公:
- そんなポルティーヤの柔らかくも暖かい体に包まれてると、
俺も程なくしてゆっくり眠りについた。