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Transcription
- 主人公:
- 結局パーティー会場でドクターは見つからなかった。
- 主人公:
- 流石に心配になってきて通信で呼び出そうとしたら、
レオナがパーティーのフィナーレの準備ができたと俺に報告に来た。 - フィナーレ?
- 鉄血のレオナ:
そう。司令官が探してきたプレゼントを隊員たちに配るイベントだそうだ。
- 迅速のカーン:
周辺の鉄虫は片付けておいた。街の外に出よう。
- 主人公:
- 俺が移動を開始すると、隊員たちが俺を中心にして丸く囲む。
- 主人公:
- 部隊ごとに一糸乱れず動く彼女たちを見ると妙な気分になってきた。
- 主人公:
- そんな俺に気がついたのか、隣を歩いていたレオナが口を開く。
- 鉄血のレオナ:
こんな風に全員から同時に護衛されるのはどんな気分だ?
- なんか…むず痒いな…。
- 主人公:
- 一見するとみんな楽しく談笑しているように見えるが、どこかいつも以上に
緊張しているように思えた。 - 主人公:
- 時々目が合うと心配しないでくれという感じで、
やたらと頼もしい笑みを向けてくる…。 - 迅速のカーン:
到着した。
- …ここか?
- 主人公:
- 先行していたカーンが到着だと言った場所は、何もない雪原だった。
- 主人公:
- 不思議に思い隊員たちを見渡す。
みんなも止まって何かを待っているみたいだ。 - あっ、プレゼント。プレゼントはどこだ?俺が直接渡…
- 主人公:
- そんな俺の言葉は遮られる。
突然低いエンジン音が鳴り響き、それとともにゆっくりと巨大な飛行物体が 姿を現したからだ。 - 主人公:
- 何だ…!?あれは……!!
- 主人公:
- 隊員たちは目を見開いてそれをただ見上げている。
オルカの戦力にあんな飛行物体はない! - 全員、戦闘準備!
- 主人公:
- 俺の緊急命令にも、隊員たちは近くの隊員とこそこそと話をするだけで
動こうとしない。俺の命令を必死に聞き流そうとしている姿勢すら感じる…。 なんだ? - 迅速のカーン:
こんな短時間で本当に完成させるとは…正直驚いた…。
- 鉄血のレオナ:
ただの子供ではなかったということか。
- カーン?レオナ?子供?
- 主人公:
- 他の指揮官はもちろん、カーンやレオナもただこの飛行物体を見て
感心しているだけだった。 - ……
- 主人公:
- それを見て少し緊張は解けたが、それでも疑問符は消えない。
- 鉄血のレオナ:
まぁ大人しく見ていろ。
- 鉄血のレオナ:
私たちから…頑張った司令官への、ご褒美だからな。
- 主人公:
- それはどういう意味だと聞く前に、ドクターがこちらに走ってきた。
- ドクター:
はぁ…間に合った…
- ドクター:
お兄ちゃん!
- 主人公:
- 悪戯っぽい笑顔を見せるドクターを見て、この状況の真相が
だいたい理解できた。 - …サプライズパーティーの…?
- ドクター:
いひひ、そうだよ!お兄ちゃんへのサプライズだよ!
- くっ…
- 主人公:
- サプライズ返しかぁ…
- 主人公:
- 今振り返ってみると、最初にドクターに助けてほしいとお願いしたときから
何か様子がおかしかった。 - 主人公:
- 夜空に浮かんでいる飛行船を見て驚いたり、喜んだりしている隊員たちに
目を向ける。 - 主人公:
- ほぼ全員が集まってるみたいだけど、いないのは…
- 警戒に当たってる隊員たちは…
- 鉄血のレオナ:
それを気にするだろうと思っていたぞ。警戒人員は全員志願者だから、
後で褒章を持たせるつもりだ。 - 鉄血のレオナ:
そのくらいのことは私たちに任せてくれないか?
- 迅速のカーン:
レオナの言う通りだ。
- 迅速のカーン:
司令官が全部ひとりで背負う必要なんてないんだ。
- ドクター:
そうだよ~、お兄ちゃん。
働いてくれてるお姉ちゃんたちのプレゼントはちゃんと用意してるから心配しないで。 - ドクター:
さてさて~!
- ドクター:
ここからが本番だよ~!私たちからのサプライ~ズ!!!
- 主人公:
- ドクターのその言葉と同時に飛行船の下の部分が開き、
何かを持っている無数のドローンが飛び出してきた。 - 主人公:
- あれは…プレゼントボックス…?
- ドクター:
私たちにプレゼントしようとしてくれる心優しいお兄ちゃんのために
用意したオルカだけのサンタクロース!「セントオルカ」だよ~! - ほあ…
- 主人公:
- 感動したのは事実だが、スケールの大きさに圧倒されてしまった。
確かにサンタにしてくれとは言ったけど… 流石ドクター…俺の想像を遥かに超えてる…。 - あ、もしかしてこれ…この前墜落した…?
- ドクター:
うん!あれだよ!そのまま使えたらもっと豪華に出来たと思うんだけど…残念。
- あれカーンが発見したって言ってたよな?
- 迅速のカーン:
報告漏れの件で責任を問われるのなら、罰は甘んじて受け入れよう。
- ドクター:
お兄ちゃんが集めてきたプレゼントを一つずつ包装して~…
…って、お兄ちゃん!見て!お姉ちゃんたちすごく喜んでるよ! - ドクター:
…苦労した甲斐があったね、お兄ちゃん?
- …………ああ。
- 主人公:
- 隊員たち各々プレゼントを受け取って開けている。
そして、遠くから見ても分かる満面の笑顔。本当によかった…。 - ドクター:
ではでは次は~…
- まだ何かあるのか?
- ドクター:
ううん、大したことじゃないんだけど…えへへ、ちょっと恥ずかしいな…
- 主人公:
- ドクターがゆっくりと隊員たちのほうへ向かう。
- 主人公:
- プレゼントに夢中だった隊員たちがそれを合図に俺の方を向き、
姿勢を正していく。 - 主人公:
- 小さく深呼吸したドクターが口を開く。
- ドクター:
お兄ちゃん、ありがとう!
- ドクター:
お兄ちゃんのおかげで私たちはこんな風に…幸せに今年を終えることが
できました。 本当に…ありがとうございます! - 主人公:
- ドクターが恥ずかしさを誤魔化すようにイシシと笑い、ペコリと頭を下げた。
- 主人公:
- それに続いて、隊員たちも次々と真剣に…。あるいは照れ隠ししながら…。
ツンデレで…。満面の笑みで…。今にも泣いてしまいそうな顔で… それぞれ感謝を言葉にしてくれる…。 - はは…あはは…
- 主人公:
- ドクターに後で言ったら怒るかもしれないけど、あの飛行船よりも、
たくさんのプレゼントボックスよりも… - 主人公:
- みんなの感謝の言葉たちが何よりも嬉しいプレゼントだ…。
- …ありがとう、みんな。
- 主人公:
- なんだろう…胸の奥深くがなんだかむずむずした…
初めて感じた上手く言葉にできない感情を、ぎこちない笑いで隠した。 - ドクター:
いひひひ!わーい、大成功!
- ドクター:
ほら見て!お姉ちゃんたち!お兄ちゃんならぜ~ったい喜んでくれるって
言ったでしょ~!? - 鉄血のレオナ:
司令官、目が赤くなってるな?
- ……
- レオナが俺に近づく。
- 鉄血のレオナ:
本当にお疲れ様。司令官、来年も…よろしく頼むぞ。
- 迅速のカーン:
これからも我々をしっかりと導いてくれ。ただし、無理はしないでくれ。
- こんなとき俺は何と言えばいいのだろうか。
- そっと俺の前髪を撫でるレオナ。その優しい手の感触を感じると少し安心した。
- ドクター:
お兄ちゃん、来て来て!
- 主人公:
- しばらく隊員たちとサプライズ成功を喜びあっていたドクターが
俺を見つめていた。 - 主人公:
- 他の隊員たちもみんな俺にこっちへ来いと呼んでいる。
- 主人公:
- 俺が「わかったよ」と返事をしてみんなのもとへ向かうと、カーンとレオナも
少し遅れて後ろから俺についてくる。 - ドクター:
お兄ちゃん、みんなで乾杯しよ!
- 主人公:
- いつの間にか用意されていたグラスにはすでにワインが注がれていた。
- 主人公:
- グラスを掲げると、隊員たちもみんなグラスを掲げた。
- ドクター:
お兄ちゃん、早く早く!みんなお兄ちゃんの言葉!待ってるよ!
- …ああ。
- 主人公:
- ……俺にはこんなに可愛くて立派な妹がいる。
- 主人公:
- そして…
- 迅速のカーン:
なかなか良いワインだな。手に入れるのも苦労したんじゃないか?
- 鉄血のレオナ:
ふん、私の司令官のためだ。当たり前だろう?
- 主人公:
- いつも俺の味方になってくれる家族も…
セントオルカの秘密作戦 END.