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Transcription
- 主人公:
- 備蓄物資を増やし、一時的ではあるが街とその周辺の地域を
掌握するなど、俺たちは着々と戦力を増強している。 - 主人公:
- その中でも最も重要なのが、孤立しているバイオロイドを救出したり、
遺伝子の種の復元といった人員の補充だ。 - 主人公:
- そして、俺は今、以前確保した遺伝子の種から
復元したとあるバイオロイドを待っていた。 - ???:
は、入ってもよろしいでしょうか…?
- どうぞ、入って
- アウローラ:
はじめ…まして…。
- 楽にしてくれ。
- アウローラ:
う、うん…
- 主人公:
- アウローラは俺の向かいにあるソファーに恐る恐る座った。
- アウローラ:
あ、これ…技能のチェックを兼ねて作ってみたんですけど、食べてみる…?
あっ…食べてみますか…? - ああ、ありがとう。楽な喋り方でいいよ。特に異常はなかったか?
- 主人公:
- スコーンが乗った皿を受け取ると、アウローラは改めて自分の体を
まじまじと見て困ったように笑う。 - アウローラ:
…問題はないけど実感が湧かないわ。
世界はもう滅亡しちゃってて、私は一度死んだけどまた復元されたなんて… 正確には「この私」が死んだわけじゃないんだけど… - アウローラ:
あ、気にしないで。
私たちは「昔の私」とかそういう自己についての問題は 発生したりしないから。 - うん、わかってるよ。それに…
- 主人公:
- アウローラがくれたスコーンをひとつ頬張った。
これは…かなり美味しい…。ひょっとしたらソワンが作るよりも… - まだ滅亡したわけじゃない。俺たちがいる
- アウローラ:
俺…たち…?
- 主人公:
- アウローラは怪訝な顔で俺を見つめた。
- アウローラ:
さっき、生き残った人間様は司令官だけだって聞いたけど…?
- そうだな。少なくとも俺たちが知っている限りはそうだ。
- アウローラ:
……
- 主人公:
- アウローラが黙ってしまったせいで気まずい空気が漂う。
俺なんかおかしなこと言ったかな? - 主人公:
- まだ緊張しているようなので俺の方から話を振ることにした。
- そういえばさっき言ってた会社について聞かせてくれる?
- 主人公:
- 技能チェックを受けに行く前に聞いた会社の話を持ち出すと、
アウローラの表情が少し和らいだ。 たしか…「Sweets & Dreams」と言ってたっけ? - アウローラ:
あ、うん。
正確には「昔のアウローラ」だけど、 私が働いていた会社ってとこまで話したわよね? - うん。それで「チョコ女王」について話が聞きたい。
- アウローラ:
チョコ女王っていうのは私が働いていたSweets & Dreamsの会長の
ニックネームなの。会社が出すデザートやスイーツは全部会長が作っていたんだけど、 その中でもチョコレートは最高の味だったわ。 - 変わったニックネームだな…
- アウローラ:
そうでしょ?ちょっと自己主張が強い方だったの。
- ソワン:
ご主人様、お食事の準備ができましたわ。
- ソワン:
本日は初めてお会いする方もいらっしゃるのでいつにも増して豪華な…
- 主人公:
- 艦長室に入ってくるなりソワンは俺たちを見ると急に目が大きくなった。
- ソワン:
ご主人様…これは一体どういうことなのか、お伺いしてもよろしいでしょうか?
- ソワンは初めてだったな?アウローラ、ちょっといいか?
- 主人公:
- アウローラは相当な人見知りなのか俺とソワンの様子を
うかがってぐずぐずしている。俺は手を握って立ち上がらせた。 - この子がアウローラだ。今後キッチンで一緒に働くことになると思う…
- ソワン:
その方が誰なのかを伺っているのではありませんわ。
- ソワン:
私はどうして…
私が認めてもいない方の料理を口にされているのかを伺っているのですわ…? - アウローラ:
ご、ごめんなさい。あなたがここの料理長なのね?
- アウローラ:
記録で見たわ。とても優秀な料理人だって…
- 主人公:
- ソワンは話しているアウローラには目もくれず話を続けてきた。
- ソワン:
ご主人様のお食事はすべて私の管轄ですわ。
- ソワン:
私がこの手で調理したもの、もしくは私が許可した方の料理でない限り
口にされては困りますわ。 - うん…。
- 主人公:
- ソワンの話も一理ある。
俺の立場が立場なだけに食べ物をむやみに口にしてはいけないのは確かだ… お茶に何かが混ぜられたりしたら大変だからな…。 - ソワン:
ご理解いただき大変恐縮でございますわ。
では私と一緒に参りましょう。 - ああ、すまない。先に行ってくれるか?まだ話があるんだ。
- 主人公:
- 俺の言葉を聞きソワンは明るく笑った。
- 主人公:
- …それはもう一瞬で部屋の気温が下がった気がするほど
身の毛もよだつような明るい笑顔で。 - ソワン:
…少々予定が変更になりましたわ。
ご主人様には晩餐をお楽しみいただく前に行っていただかねばならない 場所がございますわ。 - へ、へーそうなんだ。どこ?
- 主人公:
- 嫌な予感がして逃げ出したい気持ちを抑えながらその場所を問う。
するとソワンの笑みが一層明るくなった。 気温はまた一気に下がった気がした。 - ソワン:
ご主人様の胃の中に入った汚物を消毒しなければいけませんわ。
- ソワン:
ご安心くださいですわ?
胃を洗浄している間、私がご主人様のお傍におりますわ…。 - アウローラ:
汚物だなんて…ひどす……うぅ…
- 主人公:
- ソワンは笑顔から一転、冷酷にアウローラを睨み付けると
アウローラは何も言えずにそのまま小さくなってしまった。 - ソワン:
急ぎましょう。消化してしまう前に洗浄しなければいけませんわ。
- …ソワン。
- ソワン:
……
- 先に行ってろ。すぐに行く。
- ソワン:
……分かりましたわ。
- 主人公:
- ソワンは渋々頭を下げて部屋を出て行った。
- アウローラ:
ありがとう…あの方がソワン様…でしょ?記録で見たよりずっと怖かった…
- あれでもかなり丸くなったほうだよ。
- 主人公:
- 以前だったら見た瞬間に包丁が飛んできていただろう…
- アウローラ:
ほ、本当に?あれで……?
はぁ… - 主人公:
- 俺の言葉に「これから大丈夫なのかな…」という風に
意気消沈しているアウローラに手を差し伸べる。 - 心配するな。俺が上手く言っておくから。…大丈夫か?
- 主人公:
- キュッと目を閉じて、これでもかと体を縮こまらせていたアウローラに声をかけると
恐る恐る目を開けた。ソワンがそんなに怖かったんだろうか…? - アウローラ:
あ……な、何でもないわ…。気にしないで…?
ふぅ… - ……
- 主人公:
- …初対面であんな風に睨まれれば無理もないだろう。
慰めの言葉を探していると指揮パネルに通知が入る。 - 偵察隊が鉄虫と遭遇したようだな。
- アウローラ:
鉄虫……。
あれ…?あのお城は… - 主人公:
- パネルには偵察隊から送られるリアルタイムの映像が映し出され、
画面の奥にそびえる城の尖塔を目にすると、アウローラは目を丸くした。 - 実はもう移動中だったんだ。その会社が記録に残っててね。
- 主人公:
- 相当有名な会社だったのか、Sweets & Dreamsに関する記録は簡単に
入手できた。 - 主人公:
- そして「チョコ女王」が過ごしていたSweets & Dreamsの本社とも言える場所が
現在地からそう遠くなかったことから、すぐに移動することにしたのだ。 - アウローラ:
でも…どうして?鉄虫がたくさんいるとか…?
- ああ、それがな。隊員たちがチョコレートを準備しようとしていて…
- 主人公:
- 隊員全員が思い思いのチョコレートを作るにはオルカの設備だけでは
当然埒が明かない。 - 主人公:
- そのために設備の整った広い場所を探していたのだが、
アウローラの話を聞いたおかげでちょうどいい場所を見つけられた。 - 主人公:
- なぜか事情を知ったアウローラは何とも言えない微妙な表情をしている。
- アウローラ:
えっと…隊員さんたちがチョコレートをあげる相手は……?
司令官…なの? - うん。
- アウローラ:
あはは…そ、そうなんだ…あはは…そっか…自分に…
- どうした?何か変な………あ。
- 主人公:
- 今になって自分が言ったことが、よく考えるとおかしいことに気づき、
恥ずかしくて黙ってしまった。 - 主人公:
- いつも俺に何の疑いもなく愛情を向けてくれる隊員との生活が長いせいか、
自分の口から無意識にこんな図々しい言葉が出てくるなんて… - ……ちょっと待っててくれ。指揮しなきゃいけないから…
- アウローラ:
うん。
- アウローラ:
……変な人間様。
- ……
- 主人公:
- 小さく呟いたアウローラの独り言がしっかりと聞こえ、
胸にグサリと突き刺さった。 - 主人公:
- ……は…恥ずかしすぎる…。
今日寝る時一人でベッドにいたら思い出して布団の中で叫んでしまいそう…。