Transcription

1. ダフネ:

   あ、あの…フェンリルさん？ちょっと待ってください…どうして…お肉の倉庫に行かれるんですか？

2. フェンリル:

   え…？何言ってるの？

3. ダフネ:

   リリスさんとリーゼお姉さまに…頼まれたのはその…お肉ではなくて…お砂糖ではありませんでした？

4. フェンリル:

   あはははっ！ダフネはバッカだねぇ～！

5. ダフネ:

   はい！？ば、ばか！？

6. フェンリル:

   リリス姉さんはご主人様に食べさせるチョコレートを作るって言ってたでしょ？

7. ダフネ:

   だから…お砂糖が必要なのでは…

8. フェンリル:

   そういう一次元的な思考ではダメよ。

9. ダフネ:

   え！？いっ一次元的な思考！？

10. フェンリル:

    考えてみなよ？お肉と砂糖…どっちが美味しい？

11. ダフネ:

    それは…状況次第で変わってくると思いますが…？

12. フェンリル:

    ああ、駄目ね、全然駄目。どうしてそんなに想像力が足りないの？

13. フェンリル:

    ダフネは今、無人島に一人…しかも一食分の食糧しか残ってない…。想像してみて？

14. ダフネ:

    はい…。何故急に無人島の話なんでしょうか…？

15. フェンリル:

    その最後の一食が…砂糖が詰まった袋と最高級味付き牛カルビ20キロ…どっちがいい？

16. ダフネ:

    例えがあまりにも極端すぎません…？それに…どうして一食分が20キロなんでしょうか…何食分もありません？

17. フェンリル:

    だって…お肉は多ければ多いほどいいじゃない！20キロならだいたい一食分でしょ？

18. ダフネ:

    おかしいです。いくら丈夫なバイオロイドでもそんなにたくさん食べられません！

19. フェンリル:

    そう？まぁ、あとで見せてあげるよ。とにかくどっちがいい？

20. ダフネ:

    …そんな状況なら…それはもう…味付き牛カルビだと思います…。食事に砂糖だけ食べるのは嫌ですから…

21. フェンリル:

    ふふっ。やっとわかったわね？

22. ダフネ:

    ……え？何がわかったんですか…

23. フェンリル:

    ダフネもお肉を選んだじゃない？

24. ダフネ:

    そんな風に比較したら誰だってお肉を選びますよ…？

25. フェンリル:

    ふふっ。今がまさにその状況なのよ！ほら、早く行こう！時間がかかったけど、わかってくれてよかったわ！

26. ダフネ:

    全然わかってませんよ！？それにお肉の倉庫の方には鉄虫がいるんですよ？

27. フェンリル:

    はぁもう一度説明が必要？だから想像してみて？ダフネは今…倉庫の中にいて外は鉄虫に囲まれてる…しかも最後の…

28. ダフネ:

    もういいです…わかりました。お肉の倉庫の方に向かいましょう。

29. フェンリル:

    オゥイエェ！！や～っとわかってくれたね！？

30. ダフネ:

    ハイ。ワカッタミタイデス。

31. フェンリル:

    ベリーグッド！

32. フェンリル:

    ほら！じゃあ早速出発するよ！

33. ダフネ:

    …リリスさんにあとで言いつけますからね。もう…

34. ダフネ:

    それはそうと砂糖はどうしよう…？ご主人様に…お願いした方がいいのかな…？