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主人公
- 他の任務に出撃する隊員たちと一緒にハルピュイアと約束したビーチの近くまで来た。

Transcription

  1. 主人公:

    - 他の任務に出撃する隊員たちと一緒にハルピュイアと約束したビーチの近くまで来た。

  2. 主人公:

    - 出迎えてくれたハルピュイアは意外な人物と一緒だった。

  3. P-22ハルピュイア:

    司令官、こっちこっち!

  4. 主人公:

    - 足元がフラつくランバージェーンから酒の匂いがプンプンと漂ってくる。

    1. 酒を飲んだのか?
  5. P-22ハルピュイア:

    うん。ちょっとだけね?

  6. ランバージェーン:

    な、なんで…ビールを6缶も空けといて平気なの…?

  7. P-22ハルピュイア:

    へへっ、初めて飲んでみたけど思ったより美味しくって!

  8. P-22ハルピュイア:

    ランバージェーンは1缶の半分飲んだだけで、ぐでんぐでんになっちゃったけど…

  9. ランバージェーン:

    調子のいい日は1缶くらい何てことないのに…今日は…

  10. ランバージェーン:

    うぅ~、頭が痛い…。

  11. P-22ハルピュイア:

    ちょっと待ってて~。飲みすぎに効くのは何だったっけ…

  12. P-22ハルピュイア:

    そうそう!トマトジュースがよかった気がするけど?それから…

  13. ランバージェーン:

    え?トマトが何…?もう大丈夫だから…。

  14. ランバージェーン:

    司令官、この子と散歩することになってるんだって?私も一緒に行くわ。

  15. 主人公:

    - 唇に人差し指を当てて、飲みすぎ…飲みすぎ…とぶつぶつ言っているハルピュイアと目が合った。

  16. 主人公:

    - ハルピュイアが目で合図して、声を出さずに「大丈夫」と言っているのが口の動きで分かったので、頷いた。

  17. 主人公:

    - どこに行こうかしばらく話し合って、海岸沿いの森の中に入った。ランバージェーンの提案だ。

  18. ランバージェーン:

    確かにこっちに行ったと思ったんだけど…。

    1. 捕まえてお仕置きでもする気か?
  19. 主人公:

    - 先ほど、エルブンに一発してやられたと聞いた後だったので、聞いてみたがランバージェーンは首を横に振った。

  20. ランバージェーン:

    違うわよ?あんなことくらいで根に持ったりしないから。

  21. ランバージェーン:

    お酒もたっぷりあることだし、みんな一緒に楽しみたいじゃない?

  22. P-22ハルピュイア:

    だったら私が探してみ―

  23. P-22ハルピュイア:

    あっ、ランバージェーン、肩!

  24. ランバージェーン:

    肩がどうかした?

  25. ランバージェーン:

    あ…。

  26. 主人公:

    - 自分の肩を見たランバージェーンが凍りついた。

  27. ランバージェーン:

    む、虫……?

  28. ランバージェーン:

    きゃああああああああ!

  29. 主人公:

    - 血相を変えて悲鳴を上げるランバージェーンの肩の上には、それはそれは大きなカブトムシが鎮座していた。

  30. 主人公:

    - ランバージェーンはそれを払うこともできずに頭を抱えて座り込んでしまった。

    1. こんなに大きいんだな…。取ってやるからじっとして。
    2. うあああああああ!
  31. ランバージェーン:

    は、早く…うぅ…

  32. 主人公:

    - ぶるぶる震えるランバージェーンの肩からカブトムシを取ってあげた。

  33. 主人公:

    - 角の長さはランバージェーンの腕の半分ほどの長さで、甲殻はテカテカと輝いている。

  34. ランバージェーン:

    も、もういない?

  35. 主人公:

    - 肩の上から重量感がなくなったのが分かったのか、ランバージェーンはそっと目を開けた。

    1. うん。これ、何て言う名前なのかな?
  36. P-22ハルピュイア:

    わぁ、これはヘラクレスオオカブトだね。

  37. P-22ハルピュイア:

    本物を見るのは初めてだわ。すご~い…。大きい~

  38. P-22ハルピュイア:

    でも、この辺に生息する種だったっけ…?

    1. 元々はどこに生息するんだ?
  39. ランバージェーン:

    は、早くそれどっかにやってよ!

    1. ちょっと待って、もう少し見たい。これは結構珍しいはず…。
  40. P-22ハルピュイア:

    そうだよ。すっごく珍しい!

  41. ランバージェーン:

    はぁ…。

  42. ランバージェーン:

    わ、私はあっちに行ってるわ…

  43. P-22ハルピュイア:

    あっ、気を付けて!

  44. ランバージェーン:

    今度は何!?

  45. P-22ハルピュイア:

    幼虫を踏むところだったよ。

  46. ランバージェーン:

    ひっ……!?

  47. ランバージェーン:

    あぁ…

  48. ランバージェーン:

    きゃああああああ!

  49. P-22ハルピュイア:

    きゃぁ―

  50. P-22ハルピュイア:

    え?

  51. P-22ハルピュイア:

    わぁ~、これはヘラクレスオオカブトね。

  52. P-22ハルピュイア:

    元々大きな種だけど、ここまでは大きくならないと思うんだけど…

  53. P-22ハルピュイア:

    本物を見るのは初めて…すごい…。

  54. ランバージェーン:

    は、早くどっかにやって!

    1. そ、そうだ!早く逃がしてやれ!
  55. 主人公:

    - ハルピュイアはランバージェーンの肩からカブトを取ってあげると、ぶるぶる震える俺たちにはお構いなしに、観察しはじめた。好奇心たっぷりのキラキラした目で…

  56. P-22ハルピュイア:

    もうちょっと待って。滅多に見られない虫なの。だから、もう少しだけ観察させて。

  57. ランバージェーン:

    はぁ…

  58. ランバージェーン:

    わ、私はあっちに行ってるわ…

    1. お、俺も一緒に行こう。
  59. P-22ハルピュイア:

    あっ、気を付けて!

  60. ランバージェーン:

    今度は何!?

  61. P-22ハルピュイア:

    幼虫を踏むところだったよ。

  62. ランバージェーン:

    ひっ……?!

    1. うああああああ!
  63. ランバージェーン:

    あぁ…

  64. P-22ハルピュイア:

    う~ん…ほんとにすごい…おもしろいわ…

  65. P-22ハルピュイア:

    また今度調べることにしよ!ありがとねカブトムシさん。…あれ…?

  66. P-22ハルピュイア:

    ランバージェーン?

  67. ダフネ:

    虫に噛まれたのですか?バイオロイドにも通用するほどの毒性を持つ昆虫なんて聞いたことがありませんが…

  68. ダフネ:

    も、もしかして何かの実験の結果生まれた生体兵器か何かでは…!?

    1. …いや、その…虫は虫で間違いないんだが…
  69. ダフネ:

    はい?

    1. 噛まれたんじゃなくて…虫を見て気絶したんだ。
  70. ダフネ:

    ……

  71. ダフネ:

    …べ、ベッドの上でしばらく休んでいただきましょう…。

  72. 主人公:

    - ダフネは何とも複雑な表情でランバージェーンを連れて姿を消した。

  73. P-22ハルピュイア:

    あはは…意外だったわ。虫とか全然怖くなさそうなのに、まさか気絶するなんて…。

    1. まったくだ。昔、森で働いていたなんて信じられない…。
  74. 主人公:

    - ランバージェーンの看病でしゃがんでいたハルピュイアは無言で俺を見上げた。

  75. P-22ハルピュイア:

    ね。さっきの一緒に散歩するって約束はまだ有効?

    1. うん。まだ有効。
  76. P-22ハルピュイア:

    えへへっ、じゃあ行こ。

  77. 主人公:

    - ハルピュイアは嬉しそうに微笑むとそっと俺の手を握った。