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Transcription
- エルブン・フォレストメーカー:
それじゃあ出発~!ほらほら、司令官も。
- 主人公:
- ブラックワームがいなくなった途端、エルブンはニコニコしながら
俺に腕を絡めてきた。 - どこに行くつもりだ?
- エルブン・フォレストメーカー:
とりあえず村を一周してみよ。
多分、奥に行けば行くほど複雑になってくると思うけど、 私とダークエルブンがいれば大丈夫だから。 - エルブン・フォレストメーカー:
ほら、何してるの。
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
……
- 主人公:
- エルブンが催促するとダークエルブンも恥ずかしそうに
空いている方の腕に自分の腕を絡めてきた。 - P-22ハルピュイア:
ところで、意外と住民が多いのね?
- 主人公:
- ハルピュイアの言う通り、俺たちを好奇の目で見つめる住民たちはかなりの数だった。
- エルブン・フォレストメーカー:
それに出身の会社も色々みたいだね。
- エルブン・フォレストメーカー:
バイオロイド救済団体っていうのは本当みたい。
- エルブン・フォレストメーカー:
ダークエルブン。もっとピッタリ密着して私たちの司令官への熱~い愛を
みんなに見せつけてやるのよ~! - ダークエルブンフォレストレンジャー:
うぅ…
- おい、ちょっと歩き辛いんだが…。
- どんとこい
- P-22ハルピュイア:
あはは、何それ。
- 主人公:
- 両腕にエルブンとダークエルブンをぶら下げたような滑稽な格好で村を見て回る。
- 主人公:
- その妖精の村という呼び名はただの通称に過ぎないのだろうが、
村自体は本当に妖精が住んでいると言われても納得してしまうような雰囲気だった。 - エルブン・フォレストメーカー:
確かにあの方はちょっと好みが独特だったみたいで…
私たちが仕事で派遣された先のキャンプもこんな風にしていたらしいわ。 - ダークエルブンフォレストレンジャー:
でも、ここはただ単純に建物が木に覆われて今の姿になったみたいだけど?
- 主人公:
- ダークエルブンの言う通り、大きな木の幹の間からは人工的な建物の壁が見えた。
- P-22ハルピュイア:
う~ん…
- どうした?
- P-22ハルピュイア:
あ、いや、別に大したことじゃないんだけどね…?
ここの住民たち…みんな同じイヤリングをしているなぁって… - ダークエルブンフォレストレンジャー:
確かに…メンバーたちを識別するための目印みたいなものかな?
- エルブン・フォレストメーカー:
えぇ?嘘でしょ?あんなダサいデザインが?
- エルブン・フォレストメーカー:
いっそのことケモミミのカチューシャでもした方がずっといいわよ。
- P-22ハルピュイア:
確かにデザインは変わっているかもね…。
- エルブン・フォレストメーカー:
う~ん…でもあの方ならあり得るかも…本当に変わった趣味だから…
あっ、あそこ。 - 主人公:
- エルブンが指差す先を見ると、バイオロイドたちが木々の向こうからこちらに
歩いてくるところだった。 - エルブン・フォレストメーカー:
さっき爆発音がした時に走っていった子たちだわ。
- ということは、あの奥に…
- 主人公:
- よく見えないが…木々の間に道があった。
わからないように巧妙に隠されている… - 主人公:
- 奥の方は木が生い茂っているのか真っ暗だ。
- 監獄みたいなものか…?
- P-22ハルピュイア:
じゃあ、あそこにさっきの攻撃をしたっていうバイオロイドが
捕まっているのかもしれないわね。 - う~ん…
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
気になるの?
- 少し?
- エルブン・フォレストメーカー:
司令官が気になるんだったら仕方ない!
- 主人公:
- こちらに興味がありそうな住民たちが近づく素振りを見せるや否や、
軽く腕を絡めていただけだったエルブンが全身を密着させてきた。 - エルブン・フォレストメーカー:
うふふ♡しれいかぁ~ん…あっちの方が静かな感じだし、あっち行こ~?
…ね? - 主人公:
- びっくりしてエルブンの顔を見ると合わせろということらしい。
- 俺ももう待てない…ここじゃダメか?
- 港に戻ってからだぞ。な?
- 主人公:
- 俺はそう言いながらエルブンの腰に腕を回した。
- エルブン・フォレストメーカー:
ふふっ、さすが司令官。積極的なんだから~
- P-22ハルピュイア:
えへへ~!し・れ・い・か・ん♡私も~!
- 主人公:
- 演技だということを察したハルピュイアも俺にギュッと抱き着いた。
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
よ、4人…4人はダメよ…
- 主人公:
- どれくらい二人に抱き着かれていただろうか…、村の住民が俺たちから
遠ざかっていくのを確認すると、エルブンとハルピュイアは残念そうに体を離した。 - エルブン・フォレストメーカー:
そこまで待てない~
- 主人公:
- そう言いながら駄々をこねていたエルブンは村の住民が居なくなったのを
確認すると、残念そうに体を離した。 - エルブン・フォレストメーカー:
もう大丈夫かな?
- 逆に注意を引いたんじゃないのか?
- P-22ハルピュイア:
…ここの住民は司令官のことを知らないから大丈夫よ。
- P-22ハルピュイア:
むしろ今ので近くに行こうとは思わなくなったかもしれないし…
- エルブン・フォレストメーカー:
ふ~ん…だったら本当にやっちゃう?
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
ちょっと!
- 主人公:
- そっと後ろを振り返ってみると、俺たちのことに興味がありそうな住民は
いなくなっていた。 - ありがとう。
- エルブン・フォレストメーカー:
どういたしまして。
- 主人公:
- 長く伸びた枝を払い除けるエルブンに続いて薄暗い森の奥へと足を踏み入れる。
- エルブン・フォレストメーカー:
あっ!
- どうした?
- エルブン・フォレストメーカー:
あれを見て。
- 主人公:
- 俺たちは、いつの間にか村…いや、もうここまで来れば森だろうか?
その奥深い所まで来ていた。 - 主人公:
- 木漏れ日が差し込む深い森の中に、ひと際巨大な木の幹にぶら下がっている
檻があった。そして、その中には真っ白な少女が座っていた。 - エルブン・フォレストメーカー:
さっきの子よ。
- 主人公:
- 少女は膝を抱えて座ったまま、そこからでは木に隠れて見えないであろう
空を見上げていた。 - 主人公:
- するとこちらに気が付いたのか、空虚な二つの瞳が俺を見つめた。
- 主人公:
- 目が合って数秒が経った後、少女の目は驚きで大きくなった。
- P-22ハルピュイア:
あんな所に閉じ込められて…かわいそう…
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
でもどうして…
- 主人公:
- 周囲を見渡したダークエルブンが首を傾げた。
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
誰も監視していないみたいだね…?
- エルブン・フォレストメーカー:
バイオロイドを閉じ込めておくんだから、見た目よりもずっと頑丈だとか?
- P-22ハルピュイア:
…そうだわ。あれはブラックリバーの研究所で使用されていた監禁用ケージよ。
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
そんなものがどうしてここに…
- 主人公:
- 隊員たちが話をしている間も、少女は黙って俺を見つめていた。
- ちょっと話をしてみよう。
- 主人公:
- 少女が閉じ込められている檻は、木のかなり高い位置にぶら下がっている。
- 主人公:
- 登るのは問題ないが、時間がかかりそうだ。
- エルブン、俺をあそこまで運んでくれるか?
- ダークエルブン、あそこまで連れて行ってくれるか?
- ハルピュイア、頼む。
- エルブン・フォレストメーカー:
あはは、オッケー!任せて。
- 主人公:
- エルブンは俺の腰に腕を回した。そしてなぜかそのままじっとしている…
- …何をしてるんだ?
- エルブン・フォレストメーカー:
う~ん…ちょっと充電~?
- …どれくらいで終わりそう?
- エルブン・フォレストメーカー:
もうちょっとだけ~
- エルブン・フォレストメーカー:
…充電完了~!司令官、行くよん?
- 主人公:
- エルブンが俺を抱えて地面を勢いよく蹴り、飛び上がる。
木の幹や枝を軽々と足場にして、あっという間に檻のある場所に到着した。 - ダークエルブンフォレストレンジャー:
えっ!?
- 嫌か?
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
あっ…、ううん。わかった。
- 主人公:
- ダークエルブンは恐る恐る俺の腰に腕を回した。
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
あ、あんたも。
- うん?
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
あんたも私に掴まって。落ちたら危ないから。
- 主人公:
- 微笑ましかったが、顔に出すと怒られそうなので、笑みを堪えながら
俺もダークエルブンの腰に腕を回した。 - ダークエルブンフォレストレンジャー:
じゃ、じゃあ行くよ…。しっかり掴まって。
- 主人公:
- ダークエルブンは近くの木の幹に飛んで、空いている片方の手で幹を押し返し、
その反動を利用して他の幹へと飛ぶ。それをリズムよく繰り返して 檻がある所まで上がっていった。 - P-22ハルピュイア:
うん。わかったわ。
- 主人公:
- 嬉しそうに俺に近づくと、ハルピュイアは向かい合った状態で
俺の背中に腕を回した。 - P-22ハルピュイア:
……えへへ。抱きしめちゃうよ?
- 主人公:
- 恥ずかしそうに顔を赤くしてペロッと舌を出し、照れ笑いをするハルピュイア。
照れている顔を隠すように俺はギュッと抱きしめられて、ぽそりと耳元で囁かれる。 - P-22ハルピュイア:
今日はこんなことになっちゃって二人っきりになれなかったけど…
次は絶対に二人っきりでいようね? - 主人公:
- その言葉に答える前に体がふわりと浮かんだ。
そして、気が付くともう足元には太い木の枝があった。 - 主人公:
- 少女は俺が檻まで近寄る様子をじっと見つめていた。
- エルブン・フォレストメーカー:
司令官、私たちは邪魔が入らないか辺りを警戒してくるわ。
- P-22ハルピュイア:
もし何かあったらすぐに呼んでね。そう遠くには行かないから。
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
…気を付けて。
- 主人公:
- 隊員たちに手を振り、少女の前にある一番太い木の枝に座った。
- 主人公:
- 少女はまだ複雑な表情で黙って俺を見つめている。
- こんにちは。
- スノーフェザー:
……
- スノーフェザー:
人間様…ですよね?
- そうだよ。
- スノーフェザー:
あぁ…
- 主人公:
- 俺の答えを聞くと、少女の口から嘆声ともとれる小さな声が漏れた。
- 主人公:
- その声に自分でも驚いたのか、唇を噛みしめると少女は
無感情な表情を作って俺を見据えた。 - スノーフェザー:
…私に何か命令されることがあるのでしょうか…?
- スノーフェザー:
ご覧の通り私は、ここに閉じ込められていて人間様のために
何もすることができません…。 - さっきの村の爆発、君がやったのか?
- スノーフェザー:
……
- スノーフェザー:
…はい。
- どういうことなのか話してくれないか?
- 主人公:
- そう言うと、少女は俺から目を逸らした。
- スノーフェザー:
それは…命令、なのでしょうか。
- そうだ。
- いや、お願いかな。
- 主人公:
- 少女には申し訳ないが、重要な事なだけに強制的にでも話を聞くことにした。
- スノーフェザー:
……
- 主人公:
- 表情を少し曇らせた少女は、決心をしたのかゆっくりと口を開いた。
- スノーフェザー:
……
- 主人公:
- 俺の言葉を聞いてしばらく戸惑っていた少女は、決心したのか口を開いた。
- スノーフェザー:
私はスノーフェザーと申します。
- スノーフェザー:
昔、ここのリーダーに救われて…一緒に過ごすことになりました。
- 救われた?
- スノーフェザー:
……はい。
- 主人公:
- スノーフェザーは絞り出すように答えた。
- スノーフェザー:
そして…
- ちょっと待った。
- 主人公:
- 反対側の木の枝の上で周辺を監視していたダークエルブンが信号を送ってきた。
- さて、どうするか…
- 主人公:
- どうやら住民たちが戻ってきたようだ。住民の立場からしてみれば村の犯罪者と
こっそり話をしている姿は怪しまれてもおかしくない。 - また後で話そう。
- 主人公:
- 俺の言葉を聞いたスノーフェザーは無言で頷いた。
- う~ん…
- 主人公:
- 檻の扉に手をかけたのは特に意味はない行動だった。本当に偶々だ。
そして、扉を軽く引っ張ると、なんと扉は呆気なく簡単に開いたのだ。 - え…?
- スノーフェザー:
あっ…
- 主人公:
- しばらくスノーフェザーとポカンと見つめ合っていたが、
住民たちの声がすぐそこまで聞こえてきて、やっと我に返った。 - …どうする?
- スノーフェザー:
……
- スノーフェザー:
ここから逃げます。私には…
- スノーフェザー:
私には絶対に諦められないことがあります。
- 主人公:
- そう言い残してスノーフェザーは木を飛び降りた。
そして、瞬く間に白い姿は木々の中に消えていった。 - ダークエルブンフォレストレンジャー:
あんたも!早くこっちに!
- 主人公:
- 焦った様子で手招きするダークエルブンが小声で叫んだ。
- わかった。
- 主人公:
- ひとつひとつ木の枝を伝って、3人が隠れている木に合流した。
- エルブン・フォレストメーカー:
あれ見て。かなり動揺してるみたいだけど?
- 主人公:
- エルブンの言う通り、住民たちは空になった檻を見て何か話をしている
と思ったら、慌てて村の方へと戻っていった。 - P-22ハルピュイア:
司令官、これからどうするつもり?
- 主人公:
- ハルピュイアにそう聞かれて、スノーフェザーが姿を消した方向に目をやる。
- …追いかけよう。話をもう少し聞いてみたい。
- P-22ハルピュイア:
わかったわ。じゃあそういうことで決定ね~
- P-22ハルピュイア:
って言いたいんだけど…ここじゃ木が多すぎてちゃんと飛べないかもしれない…
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
大丈夫。私たちが上手く道案内してあげるから。
- エルブン・フォレストメーカー:
えっと…
- エルブン・フォレストメーカー:
痕跡は残ってるかな~?
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
鉄虫が出てくるかもしれないから気を付けなさいよ!
(その頃、妖精の村)
- ブラックワームS9:
私にできる事はこの程度に過ぎません…。
どうか… - ブラックワームS9:
……
- ブラックワームS9:
リーダー、失礼いたします。
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わぁ、来た来た~
さぁ、中に入って~! - ブラックワームS9:
人間様はお会いするまで、もう少し時間がかかるようです。
- <??>:
まぁ、人間様…?
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人間…人間…?
- <??>:
う~ん…あっ、そんなことより、お茶を淹れたの。
一杯いかがです~? - <??>:
お茶っぱはどこに置きましたっけ~…あらぁ?
- ブラックワームS9:
……リーダー…
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お茶っぱ…お茶っぱ…。
- <??>:
…あっ!そんなことよりも、お茶でも一杯いかがです~?
- <??>:
お茶っぱ、どこに置きましたっけ~…あららぁ?
- ブラックワームS9:
私が探してきます。リーダー…