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Transcription
- 主人公:
- 辛うじて包囲を突破し、とにかく咆哮が聞こえてくる方向とは逆に走った。
- 主人公:
- しかし、森の奥深くに入っても、脅威を体の芯にまで感じさせる駆動音と地響き、
時折轟く殺意の咆哮が俺たちを追いかけ続けていた。 - バニラA1:
はぁ、はぁ…。
- バニラA1:
ご主人様、だいじょ―きゃっ!?
- 気を付けろ。
- 主人公:
- 木の根に足が引っ掛かり、転びそうになったバニラを助けて走り続ける。
- 主人公:
- いくら走っても森はどんどん深まっていくばかり。
- エルブン・フォレストメーカー:
これ…悪い予感がするわ。
- エルブン・フォレストメーカー:
司令官。道に迷ったみたい。
- 何だって?
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
そうみたい。あの木、さっきも見た。
- 主人公:
- ダークエルブンが特徴的な木を指差した。確かに…見覚えがある木だ。
- …上手く誘導されてるな…。
- P-22ハルピュイア:
今までの敵の動きからしてそうみたいね。
- P-22ハルピュイア:
先に戦闘はしかけてくるけど、交戦が本格化すると大きな被害を受ける前に
後退するでしょ? - ダークエルブンフォレストレンジャー:
それに西…、港がある方向に向かおうとすると強く抵抗して方向を
変えさせようとしてるのもあからさま…。 - エルブン・フォレストメーカー:
戦う時は大したことないけど、こういう動きは完璧なコントロールがされてるわね。
- じゃあ今はどの辺なんだ?
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
おそらく村と…あのレジスタンスの子たちの隠れ家との中間あたりじゃないかな。
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
そんな感じがするだけで確かではないけど…。
- ずっと森の中で移動していたダークエルブンの予想だ。合ってるだろう。
- 主人公:
- この状況から脱出する方法は大きく分けて二種類。
- 主人公:
- 火力を集中させ一方向を突破するか、何とか持ち堪えて支援を待つかだ。
- 主人公:
- だが今の状況で突破するのはこちらの火力が足りない。
- 主人公:
- だからといって踏ん張ったところで支援部隊がここに来てくれるとは限らない。
- しかもタイラントまでいる…。
- 主人公:
- 今このAGSたちを突破する火力さえないのにタイラントと戦うなんて
到底不可能だ。 - 主人公:
- だとしたら…
- …仕方ない。全員ここで一旦停止。
- エルブン・フォレストメーカー:
え?そんなことしたらあの怪獣に捕まっちゃう!
- P-22ハルピュイア:
司令官、まさか…
- 港の方向にこの包囲を突破する。
- 主人公:
- 俺の言うことを真っ先に理解した様子のハルピュイアに頷き、話を続けた。
- 今はこれが一番成功率が高い。残弾数の状況を報告してくれ。
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
18発残ってるわ。
- ダークエルブンフォレストレンジャー:
…あんたを守るのには問題ないわ。
- エルブン・フォレストメーカー:
水圧が弱まって水は使えなさそうだわ。私はギアで戦う。
- P-22ハルピュイア:
ビームマシンガンの出力はまだ半分以上残ってるし、
ミサイルはまだ一発も使ってないわ。 - よし。それは不幸中の幸いだな。
- P-22ハルピュイア:
うん。司令官の言う通り使わないようにしておいたけど、よかった…のかな…。
- 金蘭S7:
拙はいつでも主様のためにこの命を捧げる準備はできております。
- バニラA1:
弾倉が2個半残っています。
- バニラA1:
……ご主人様。
- バニラA1:
私たちがここに残ればご主人様が脱出する時間を稼ぐことができます。
- バニラA1:
さらに戦闘をすることで、敵がご主人様の痕跡を見失い、
追撃を振り払える可能性も… - …それも考えてはみた。
- 聞かなかったことにする。
- バニラA1:
……。
- だが、それよりもこっちの方が生存確率が高いと判断した。
- バニラA1:
……わかりました。
- そろそろ準備しろ。タイラント追いつかれる前に突破―おぁっ!?
- 主人公:
- 指示を出そうとした瞬間、白い翼が俺に覆いかぶさった。
- スノーフェザー:
しーっ。
- 主人公:
- スノーフェザーが俺を抱きかかえ、ひと際立派に育っている木に飛び上がる。
そして、その幹の間に体を隠すと同時に、目の前の空間が少し歪んだ。 これは隠れ家にあったホログラムか? - アクロバティック・サニー:
あなたたちはこっちに来て!
- 主人公:
- 残りの隊員たちもサニーの言う通り体を隠した。その後すぐに俺たちの姿を
投影したホログラムが生成され、俺たちのホログラムは港に向かって行った。 - 主人公:
- 遠くで聞こえていた地響きがいつの間にか近くなっていた。
そう思った瞬間、木がなぎ倒され、暴君が姿を現した。 - タイラント:
……。
- 主人公:
- 俺を抱きしめるスノーフェザーの腕に力が入った。
- 主人公:
- 永遠にも感じる数秒間の後、幸いにもタイラントは俺たちが隠れている場所に
気が付くことなく通り過ぎていった。 - スノーフェザー:
はぁ…
- ありがとう。おかげで助かった。
- スノーフェザー:
とんでもございません。人間様のために奉仕するのは私たちの義務ですから。
- そうか。
- そういう事務的なのはあまり好きじゃない。
- スノーフェザー:
あ…で、では…
- スノーフェザー:
この前助けていただいたことへのお礼、と申し上げれば…?
- それがいいな。
- スノーフェザー:
……。
- 主人公:
- 小さな声でしばらく話をしたあと、スノーフェザーが周囲を見渡した。
- スノーフェザー:
もう下に降りても大丈夫そうです。
- スノーフェザー:
あっ、私が下ろしてあげますので…。
- 頼む。
- 大丈夫。
- 主人公:
- スノーフェザーの助けを借りて木から降りた。
- こんな場所でも上手く飛べるんだな。
- スノーフェザー:
はい。私にはシロフクロウの遺伝子が混ざっていますので。
- スノーフェザー:
それにこの森は慣れていますから。
- 主人公:
- スノーフェザーに助けてもらうことなく、木の枝を足場にして下まで降りた。
- スノーフェザー:
に、人間様…?そんな軽々と…。
- このくらい何てことない、この辺だったかな?
- 主人公:
- 隊員たちとサニーが姿を消した場所に手を伸ばすと、
隠れ家に入った時と同じような感覚と共に腕が消えた。 - 主人公:
- ホログラムの中に入ると大人しく座っている隊員たちとサニーが出迎えてくれた。