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Transcription
- ⁇:
……。
- ……。
- ⁇:
………。
- ………。
- ⁇:
…こ、こんにちは!これはこれは偶然ですね!
- ⁇:
おやおや!水泳大会の真っ最中でしたか!私も見物させてもらっても
よろしいですか? - 主人公:
- なんだか頭がクラクラしそうだったので、後ろを振り返った。
- 主人公:
- 後ろに待機していたバニラが俺の様子を見ると、俺と交代するように前に出た。
それを見ると不審な機械、いやアルフレッドは四本の手をぶんぶん振りながら 取り乱した。 - Mr.アルフレッド:
ちょっ!ちょっとお待ちいただけますか!悪気はありませんでした!
- Mr.アルフレッド:
私がこの胴体を使ってみたところ、停止していたAGSたちがいきなり
動き出したんです! - Mr.アルフレッド:
そして、最後に入力された命令を遂行するため、こちらに向かっているのを見て!
- Mr.アルフレッド:
英雄の如く!私が現れ!退治しようとしていたところなんです!
- 結局あのAGSたちはお前の仕業だったのか…。
- Mr.アルフレッド:
そ、それは…。
- バニラA1:
ではさっきのおかしな言動は何だったのですか?
- Mr.アルフレッド:
そ、それは…。
- Mr.アルフレッド:
急いで後を追いかけてきましたが…
AGSたちはもう皆さんが全て処理なさったんだろうなぁ…と思い、 ちょっとイタズラ心が―ふぎゃああああああああ!? - バニラA1:
……。
- Mr.アルフレッド:
お、おほおぉ…。
- Mr.アルフレッド:
す、素晴らしい…!傷ひとつつかないなんて!
- Mr.アルフレッド:
くふふ…これはこれは…、バニラさん?あなたはもう私の天敵ではありませんね!!
- バニラA1:
…ご主人様。
- バニラ、任せた。
- はぁ…俺はちょっと休んでくる…。
- Mr.アルフレッド:
お、おお…!?
- Mr.アルフレッド:
ちょ、ちょっと…!
- 主人公:
- すぐにアルフレッドは、驚くほど協力的になってやってきた。
- 主人公:
- 意気消沈した様子で肩を落とすアルフレッドが何やらもぞもぞと話し始めた。
- Mr.アルフレッド:
ただ…私も連れて行って欲しいと…言いたかっただけです。
- 何?一緒に行きたいのか?
- Mr.アルフレッド:
はい…だってですね…
- Mr.アルフレッド:
人間様はもうすぐこの島を離れるでしょうし、村の方たちも同じく島を
離れるのでしょう? - そうだな。
- 主人公:
- ここに戦力を分散させる必要はない、だから島に残る少数の人員を除いては
全員一緒に移動する予定だ。 - Mr.アルフレッド:
私も連れて行ってもらうためには、それなりに何か役に立たなければと思いまして。
- Mr.アルフレッド:
もちろん、私は以前も美しく優秀なA.I.でしたが、
私の完成品であるロバートには敵いません。 - Mr.アルフレッド:
だから…。
- だからロバートを利用したのか?
- Mr.アルフレッド:
そうです!情報と演算能力、データまで…そのほとんどを復旧させることに
成功しました! - Mr.アルフレッド:
人間様、いや!司令官殿が存分に活用できるようにです!
- それはありがたいが…生身の肉は嫌いじゃなかったのか?
- Mr.アルフレッド:
くふふ、この体を使おうと思ったのは、まさにその理由もありました!
- Mr.アルフレッド:
では…一度試してみますか?司令官殿、ちょっと手を貸していただけますか?
- 主人公:
- 四つの腕の一つが俺の手を恐る恐る掴んだ。
- Mr.アルフレッド:
ふぎゃあああああ!
- …………。
- 主人公:
- いや、掴もうとしただけで本当に掴んではないし…。
- 主人公:
- 指先に冷たい金属が少し触れた瞬間、アルフレッドは飛び上がって悲鳴を上げた。
- ちょっと傷つくな…。
- Mr.アルフレッド:
くぅ…も、申し訳ございません。
ですが回路のひとつひとつに鳥肌が立つような感じなのです!わかりますか!? - Mr.アルフレッド:
司令官殿にこの感覚は死んでもわからないことでしょうね!
- 主人公:
- アルフレッドは四つの腕で全身を搔きむしった。
- Mr.アルフレッド:
ふむふむ…でもこれだけは確かとなりました!
私のこの症状は体ではなく精神にあるということです! - Mr.アルフレッド:
長い時間をかけて研究していくしかありません!いつかは克服できるでしょう!
- スノーフェザーとサニーのために…か?
- Mr.アルフレッド:
おお…。
- やっぱりそうか。
- 主人公:
- アルフレッドがスノーフェザーとサニーを特別に扱っている感じはしていたが、
本当に大切に想っているんだな。 - Mr.アルフレッド:
まぁ…そ、そういうことです。
- Mr.アルフレッド:
正確に申し上げれば…失意の底に沈み、自分のせいだと自分を責め続ける子たちを
見て…私は…頭を撫でてあげることもできなかったのです…。 ですから… - Mr.アルフレッド:
でも…今は司令官殿がいらっしゃるじゃないですか?
- Mr.アルフレッド:
スノーフェザーさんもサニーさんも司令官殿に心を開いたようですし、
よろしくお願いしますね。 - それなら心配するな。
- Mr.アルフレッド:
では私は安心して!新しい方々の遺伝子収集に集中することができますね!
- Mr.アルフレッド:
くふふ…どんな美しいものが私を待っているのか…今から楽しみです…!
- 待った。もう一つだけ聞きたいことがある。
- Mr.アルフレッド:
あぁ、だ、ダメですよ…!これだけは絶対に諦めきれませんので…!
- いや、そうじゃなくて…。
- 主人公:
- あまりにも人間的なロボットにずっと前から気になっていた質問をした。
- どうしてスノーフェザーとサニーを助けたんだ?
- Mr.アルフレッド:
……。
- Mr.アルフレッド:
おっと、あれを見てください。水泳大会を再開しようとされていますね。
- 主人公:
- 無言で待っていると、しばらく誤魔化すように喋っていたアルフレッドが
俺を見た。 - Mr.アルフレッド:
惻隠之心って言うじゃないですか。
- そんなことも…わかるのか…?
- Mr.アルフレッド:
単なる知識としては知っています。データとして入力されればいいことですから。
- 主人公:
- アルフレッドの視線が、セレスティアの横で笑顔で話す
スノーフェザーとサニーに向けられた。 - 主人公:
- 単なるデータの組み合わせに過ぎないはずのパネルに映った表情からは
「満たされている」という気持ちが溢れ出していた。 - スノーフェザー:
ご主人様!おじさん!
- Mr.アルフレッド:
おやおや、フェザーさんが呼んでいます!早く行きましょう!
- 主人公:
- そう言って歩き出したアルフレッドが、ふと歩みを止めた。
- 主人公:
- すると大きな図体に似合わない小さなコアが少しこちらを振り返り、
さっきの質問に答えてくれた。 - Mr.アルフレッド:
大切な人を救うために、必死になる子たちを助けたいと思うのは…
当然のことでしょう? - Mr.アルフレッド:
人間であろうと、バイオロイドであろうと…。
- Mr.アルフレッド:
ロボットであろうと…です。
<妖精の村のアリア>END。