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Transcription
- 主人公:
- シラユリからシティーガードの建物に隠されていたサーバールームを発見した
との報告を受けた。 - スカディー:
司令官、ドクターと一緒にサーバールームをハッキングして、
どのような内容なのか確認しました。 - スカディー:
しかし、一般的な方法では詳しい内容の確認は出来ないようになっていました…。
- 普通じゃないのか?
- スカディー:
はい。以前、アミーナの遺産について調べた時のような仮想現実の記録物として
保存されているようです。 - スカディー:
ただちょっと変わっているのが…
あのサーバールーム全体がひとつの仮想現実のために存在しているということです。 一般的な仮想現実の記録物としてはその容量は相当なものになっています。 - ドクター:
それでスカディーお姉ちゃんと私でさらに細かく調査してみたんだけど…
- ドクター:
その結果、これはもともとは仮想現実として作られたものじゃないっていう結論に
至ったの。 - ドクター:
多分、こんな複雑で大きなものにしたのは何か他の目的があったに違いないよ。
- ドクター:
それと、他のデータは全部暗号化されてて外部からは確認できないんだけど…
一つだけ確認できる方法があって…。この中で行われるゲームをクリアすると 内部データを出力するっていうコードが確認できたの。一種のクリア報酬ってやつだね。 - それはリアンに関する内容なのか?
- ドクター:
どうだろう…リアンモデルの消息が途絶えたことと関係があるかもしれないけど…
それも調べるにはプレイしないと始まらないって感じだね。 - 主人公:
- ドクターはそう言うと、いつの間にか準備されていた椅子を指差した。
- …やっぱり俺がやるのか?
- ドクター:
残念だけど、人間の脳波じゃないと仮想現実に接続できないらしくてさ~
- ドクター:
オルカに設備を移動したり、サーバーを接続してみたりしたんだけど…
無理だったよ… - ドクター:
あ~あ!お兄ちゃんは前にやったことあるでしょ?
だから、どうせなら私がプレイしてみたかったんだけどな…! - スカディー:
この前のようにダミーを利用して私たちがプレイできないかと思ったのですが、
想像以上にセキュリティが厳重でして… - スカディー:
間接的に司令官をサポートすることはできますが…
やはりゲームのプレイ自体は司令官が… - 大丈夫だ。準備してくれ。
- ゲームだろ?もちろん俺がやらないとな。
- ドクター:
ごめんね、お兄ちゃん。でも怪しいところはないってことは何回も確認したから。
- ドクター:
じゃあここに座って―あ、そうだった!
- 主人公:
- 仮想現実にはあまりいい思い出がないが…、ゲームなら話は別だ。
- ふぅ…ついに俺の実力を見せる時が来たか…
- ドクター:
あっ、そうだ!
- ドクター:
お兄ちゃん、ちょっと待って。
- ドクター:
じゃあ準備はいい?お兄ちゃん!
- あ、はい…
- 主人公:
- サーバールーム周辺の防衛陣形構築の会議をしていた…。
いざゲームを開始しようとした瞬間に呼び出されたので、 寸止めされたような感じで少し気合が抜けてしまった…。 - 準備出来てる。始めよか…。
- ドクター:
オッケー!あ、それからお兄ちゃんわかってるよね?いくら仮想現実って言っても
中で死んだら実際の体にもダメージが来るから気をつけてね? - ドクター:
でも、モニタリングは続けてるから安心してね。あと設備の準備が整ったら、
楽なベッドに移動しといてあげるからね。目が覚めた時にベッドにいても驚かないでね~ - ありがとう。
- ドクター:
いひひっ。じゃあ始めるね~。
- 主人公:
- ドクターのその言葉と同時に頭が一瞬クラッとして目の前が真っ暗になった。
- 主人公:
- 襲ってくるめまいに耐えながら周囲の状況を必死に把握しようとしていると、
前方から太い声が聞こえた。 - 主人公:
ワトソン!おい、ワトソン!聞こえるか?
- 主人公:
ワトソン!
- 主人公:
- 急にめまいが収まっていき、目の前は明るくなる。
そして、俺の前には一組の男女がいて、俺を見ていた。 - 主人公:
- ……男?
- ??:
ワトソン、大丈夫か?
- ワトソン…?
- 主人公:
- 俺を呼んでいるのか?その名前を呟きながら目の前の男を見た。
- ……
- 主人公:
- 俺以外で生きている人間の男を見るのは初めてだ…。
いや、生きているわけじゃないか…? - 主人公:
- どうやら革製のソファーに座っていたようだ。姿勢を正し、状況を把握する。
机の上をはじめ、床にまで散らばった書類で足の踏み場がなかった。 - トモ?:
きゃははっ!ワトソン、急に間抜けな顔しちゃってどうしたの?
- ??:
お前はちょっと黙ってろ。
- ??:
話してる最中にいきなりどうした?幽霊でも見たのか?
- トモ?:
わ~んシャーロックが怒った~
- シャーロック…?それから君は…
- 主人公:
- 雰囲気が少し違うからすぐにはわからなかったが、明るく笑うその女の子は
間違いなくトモだった。 - 主人公:
- それに加え…「シャーロック」とくれば…
- シャーロック・キムラ?
- シャーロック・キムラ:
…頭が痛い。君までトモみたいになってきたな?
- シャーロック・キムラ:
急に記憶喪失にでもなったのか?そうじゃないなら5秒以内に意見を聞かせてくれ。
- シャーロック・キムラ:
被害者が「カサハネ組」のメンバーであるという仮説、君はどう思う?
- う~ん…
- シャーロック・キムラ:
どうした?まさか今の話、全く理解できていないのか?
- 申し訳ない、何の話をしていたんだっけ?
- 完全に理解している。
- 奇跡のトモ:
あはははは!もしかしてワトソンってトモよりもおバカさんなんじゃない?
- シャーロック・キムラ:
思った通りだ…。また別の事を考えていたんだろ。
- シャーロック・キムラ:
もう一度説明するから、今度はちゃんと聞くように。
- シャーロック・キムラ:
本当か?だったら、私が何の話をしていたのか説明してみろ。
- ………
- シャーロック・キムラ:
理解どころか何も覚えていないじゃないか!
- 奇跡のトモ:
あはははは、シャーロックがまた怒ってる~
- シャーロック・キムラ:
お願いだ…1分でいいから…、静かにしてくれ、トモ…
- 奇跡のトモ:
ねぇねぇ。シャーロックって怒ると顔に皺ができて、
すっご~く変な顔になるって知ってた? - シャーロック・キムラ:
……
- シャーロック・キムラ:
はあ…気を取り直して、もう一度説明するからちゃんと聞いてくれよ?
- 奇跡のトモ:
せっかくだからトモもちゃんと聞くね~!
- シャーロック・キムラ:
…ちょうどよかった…。どうせトモには最低3回は説明しないといけないと
思っていたからな。 - シャーロック・キムラ:
いいだろう。もう一度最初から話す。
- シャーロック・キムラ:
今回私たちが調査しているのは「赤いアリーナ不法賭博殺人事件」だ。
- 赤いアリーナ?
- シャーロック・キムラ:
…あのなぁ…、リアクションまで最初に戻る必要はないだろ?
- シャーロック・キムラ:
はぁ…まあいい。伝説が作ったバイオロイド同士を戦わせる闘技場のことだ。
もう一度見せてやる。 - 主人公:
- シャーロックはノートパソコンの向きを変えて、俺に画面を見せた。
- 主人公:
- 見慣れた顔もあれば、初めて見る顔もある。シャーロックがキーを押すたびに
闘技場で血まみれになって戦う写真が映し出されていった。 - シャーロック・キムラ:
人気がある分、当然ながら裏の世界では不法賭博が横行している。
被害者の「ヤマザキトオル」も不法賭博サイトを運営していた。 - シャーロック・キムラ:
だが先週、こいつは赤いアリーナの通路で死亡した状態で発見された。
- シャーロック・キムラ:
胸の両側に残された二つの刺し傷があったため、何者かに殺害されたのは
確実視されていたが、死亡推定時刻の前後2時間、 そこに「人間」が出入りした形跡はなかったそうだ。 - 主人公:
- シャーロックは黙って俺を見た。
気になることがあれば質問しろということか? - 発見当時の詳しい状況は?
- 現場に監視カメラはなかったのか?
- もしくは…
- シャーロック・キムラ:
被害者は壁にもたれかかって座っていた。
死因はさっきも言ったように凶器による刺傷。 - シャーロック・キムラ:
両側の肺を刺されたため肺と胸腔内に血液が溜まって、声も出せずに死んだ…。
つまり窒息死とも考えることができる。 - シャーロック・キムラ:
とにかくそのせいで大量の血を吐き出したんだが、犯人が被害者の口を手で
塞いだ痕跡が残っている。 - シャーロック・キムラ:
しかもたった2回刺しただけで被害者を死に至らせたことから考えて、
犯人は刃物の扱いに相当慣れていることが予想される。 - シャーロック・キムラ:
そして被害者から見て右側に最初の傷ができ、反対側の傷が右側に傾いていること
から犯人は左利き、もしくは少なくとも左手で刃物を巧みに扱うことができる者 という所まで特定できる。 - シャーロック・キムラ:
人の往来が激しいため必要ないと思ったのか、残念ながらその通路には
監視カメラがなかった。 - シャーロック・キムラ:
そして、その通路がまさに闘技場で唯一監視カメラがない場所でもある。
- シャーロック・キムラ:
犯人は唯一監視カメラがない場所で、常に人で賑わう中、一瞬だけ人がいなくなる
試合中を狙って被害者を殺害した。 - シャーロック・キムラ:
つまり、闘技場についてよく知る者、または事前に下準備を徹底的にしたものと
考えられる。 - 主人公:
- うーん…
- バイオロイドによる殺人なのか?
- 大体わかった。
- さっき考えたことを聞いてみるか。
- シャーロック・キムラ:
生憎、被害者の死亡推定時刻は伝説社で在庫調査が行われていた。
- シャーロック・キムラ:
そのおかげで所属バイオロイドの出入時間は正確に記録されている。
- シャーロック・キムラ:
また警察でも当時闘技場にいたバイオロイドを全て調査したそうだが、
特に何もなかった。 - シャーロック・キムラ:
ふむ、そうか。
- シャーロック・キムラ:
まとめると、目撃者も決定的な証拠もない。
しかしただの殺人でないことは明らかだ。 - シャーロック・キムラ:
他に質問はないか?
- この情報はどうやって?
- シャーロック・キムラ:
当然、警察からの横流しだ。
- 奇跡のトモ:
あはは!シャーロック、刑務所行かなきゃいけないんじゃない?
- シャーロック・キムラ:
市民の知る権利のためだ!
- シャーロック・キムラ:
そして、私の中のジャーナリズム魂がこの事件の真相を暴けと叫んでいる!
- 主人公:
- 何の証拠もない殺人事件。そしてシャーロック・キムラと奇跡のトモ…
このゲームのクリア条件は彼らを助けて事件を解決することなのか? - 主人公:
- うん…きっとそうだ…俺の中のゲーマー魂がそうだと叫んでいる。
- 主人公:
- しかし、その前に…一つ確認したいことがある。
- キムラは赤いアリーナについてどう思ってる?
- シャーロック・キムラ:
何?胸くそ悪いに決まってるだろ。
- シャーロック・キムラ:
あんなことを楽しむのは頭の悪い低俗な野郎どもだけだ。
- 奇跡のトモ:
トモも嫌いだな…
- シャーロック・キムラ:
言っておくが、個人的には被害者に同情なんかしない。
ただ事件自体が怪しいから調査せずにはいられない。それだけだ。 - その答えを聞きたかった、キムラ。
- ところで、被害者はなぜ?
- シャーロック・キムラ:
…君、今日はいつも以上におかしいな。疲れてるなら少し休んでもいいんだぞ。
- シャーロック・キムラ:
まぁ、本題に戻るが、重要だと思われるのはこれだ。
- シャーロック・キムラ:
被害者の胸ポケットから青い聖書が発見された。
そして、腕にはカササギの刺青が入っていた。 - 主人公:
- 何か聞いたほうがいいだろうか?
- 青い聖書?どこか変なのか?
- カササギの刺青?
- 続けてくれ。
- シャーロック・キムラ:
そうだ。普通の聖書には見えない。
- シャーロック・キムラ:
優先順位は高くないが、調査をしないわけにはいかないと思う。
- シャーロック・キムラ:
カササギはここら一帯を縄張りとしている「カサハネ組」という
ヤクザのシンボルだ。 - シャーロック・キムラ:
そして、この組は過去に野球賭博に関係したとして取り調べを受けたことがある。
- シャーロック・キムラ:
これがさっき話した被害者が「カサハネ組」のメンバーであると
判断した根拠が刺青だ。 - シャーロック・キムラ:
もちろん、ここまでの話は全て私の推理に過ぎない。
あとはやはり直接自分の足で調査して確認するしかない。 - 奇跡のトモ:
へへっ、いつも通りだね~?
- シャーロック・キムラ:
そうだ。いつも通りだ。
- シャーロック・キムラ:
すぐに準備して出発しよう。
- M-5イフリート:
ふぁぁ…ここは鉄虫もいないし快適…
- M-5イフリート:
誰か来たら教えて~…
- T-3レプリコン:
へ、兵長…いくらなんでも司令官閣下の護衛任務中に…
- M-5イフリート:
っるさいな~…寝ないよ、横になってるだけじゃない…
- T-2ブラウニー:
兵長!大変っす!
- M-5イフリート:
何~?この前みたいにしょうもないことだったらただじゃおかないからね…。
軍歌歌いながら泳がせ― - T-2ブラウニー:
鉄虫がこちらに向かってきているっす!
- M-5イフリート:
……
- T-3レプリコン:
へ、兵長…?
- M-5イフリート:
何してんの。グズグズしてないで状況を報告して配置を決めるよ。