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メリー
お願いします、お兄様。

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  1. メリー:

    お願いします、お兄様。

  2. 主人公:

    - メリーはビスマルクだとか、マキナを助けろだとか色々まくしたてていたが…、正直俺には何のことだかさっぱりわからなかった。

    1. 何を言っているのかわからない、もう帰るよ。
  3. メリー:

    え?

  4. メリー:

    ちょっ、ちょっと待って!お兄様!行かないでください!

  5. メリー:

    お兄様は滅びたこの世界で最後に残った本当の人間様なんです!外の世界では「オルカ」という潜水艦で、たくさんのバイオロイドがお兄様のことを待っているんです!

  6. メリー:

    そう、司令官です…!お兄様は人類最後の司令官として、外界から侵略してきた「鉄虫」と戦う最後の人間様なんですよ!

    1. …そんな作り話みたいな話を俺に信じろってのか?
  7. メリー:

    でも!これが現実なんです!本当なんです!

  8. メリー:

    どうしよう…どうしたら…

  9. メリー:

    ああ!そう!

  10. メリー:

    眠れる森の美女を目覚めさせる方法は…これしかないって言ってた!

  11. メリー:

    すみません…お兄様!

  12. 主人公:

    - メリーはそう言って俺に駆け寄ると、突然キスをした。

    1. 何してんだ!
    2. (舌を入れる)
  13. メリー:

    これで…

  14. メリー:

    目が…覚めましたか…?

  15. 主人公:

    - いくら開放的な社会になったとはいえ、こんな事…周りの目が…

  16. メリー:

    んむっ!?!?きゃぁ!!何するんですかぁ!?

  17. メリー:

    この変態!サイテー!ケダモノ!!!

  18. 主人公:

    - なんでだろ?俺にもわからないのだが自然と舌を入れてしまった…。

  19. 主人公:

  20. 主人公:

  21. 主人公:

    - ……でも今の光景はどこかで…

    1. カエン…ゼロ…フレースヴェルグ?
  22. 主人公:

    - いや、俺の知らない女性たちと知らない場所…でも、俺は確かに彼女たちを知っている…?

  23. メリー:

    お兄様。お兄様は先週何をしていたのか覚えていますか?

    1. 先週…?
  24. 主人公:

    - そりゃ当然覚えてる…

  25. 主人公:

    - そう。俺はオルカ号をしばらく停泊させ、隊員たちと年末の準備を………オルカ号?

  26. メリー:

    今年の春になる前はどこで何をしていたか覚えていますか?

  27. 主人公:

    - 春になる前…アウローラやキャノニアの隊員たちとチョコ女王の城に行った。

  28. メリー:

    では、春になってからは、何をしていましたか?

  29. 主人公:

    - 春…俺たちは龍を目覚めさせ、星の落とし子と遭遇し、それと同時に現れたネストと戦った。

  30. メリー:

    夏は何をしていましたか?

  31. 主人公:

    - 夏…俺は妖精の村でロバートに追いかけまわされていた。そして、アルフレッドとフェザー、それからセレスティア達を助けた。

  32. メリー:

    そうです!ではそのあと、秋は何がありましたか?

  33. 主人公:

    - 秋、俺はリアンを探すために、シャーロックとトモと一緒に事件の真相を追っていた。

  34. メリー:

    じゃあ…先月は何をしていたか覚えていますか?

  35. 主人公:

    - …先月…俺はレモネードオメガと戦っていた…。そして…その後…

    1. 覚えてる。
  36. メリー:

    多分、お兄様の記憶の中にこの世界は出てこなかったはずです。

  37. メリー:

    では…お兄様、自分が誰なのか思い出せますか?

  38. 主人公:

    - 俺は…

    1. 俺はオルカの司令官だ。
  39. メリー:

    ふふっ。やっと思い出してくれましたね。

    1. …どういうことだ?
  40. メリー:

    3日前、お兄様たちが突然この世界にやってきました。おそらく、マキナの仕業だと思います。

  41. 主人公:

    - マキナ…。その名前を改めて聞いて少しずつ思い出してきた…

  42. 主人公:

    - ビスマルクコーポレーションを調査しにやって来た俺たちを、マキナは自らが作った仮想世界へと引き込んだ。しかし、それがもう3日も前のことだなんて…。

  43. 主人公:

    - さっきメリーはここは「人々の欲望を満たす楽園」だと言った。

    1. メリー?聞きたいことがある。
  44. メリー:

    はい、お兄様。

    1. 何でキスしたんだ?
    2. マキナは何でこんなことをしたんだ?
  45. メリー:

    そ、それは!今度話してあげます!

  46. 主人公:

    - 顔を真っ赤にするメリー。他の質問にしよう。

  47. メリー:

    マキナは心から人々の幸せを願っています…彼女も最初からこんなことをするような人ではありませんでした。

  48. メリー:

    マキナは、現実と見分けがつかないほど精巧なホログラムを作り出す能力を持っています。その能力で人間様たちの欲望を満たしてきました。

  49. メリー:

    しかし、世界が鉄虫によって滅亡した後は、私たちバイオロイドには何の希望も残されていませんでした…。

  50. メリー:

    そして、こうした救いのない現実に耐え切ることが出来ず、悲しい選択をするバイオロイドたちもいました…

    1. ……
  51. メリー:

    マキナはそうした状況を見て見ぬ振りが出来ず、私たちを救うためここに「楽園」を作ったんです。

  52. メリー:

    絶望のどん底に突き落とされた方たちの願いが、例え仮想の世界でもいいから叶えられるように…と。

    1. 絶望のどん底に突き落とされた者たちのための…「楽園」
  53. 主人公:

    - 希望や目標を失い、作られた仮想の都市を彷徨うバイオロイドたちの姿が頭に浮かび、何とも言えない複雑な気分になった。

  54. 主人公:

    - 俺は頭を整理するため近くにあった切り株に腰かけた。

  55. メリー:

    あの…、お兄様?大丈夫ですか?

  56. 主人公:

    - 重く、苦い気分はなくならず、ただ頷くしかできなかった。

  57. 主人公:

    - そして、重要な疑問が生まれる。外の現実の世界は鉄虫によって滅亡し、常に戦闘を余儀なくされるような状況だ。

  58. 主人公:

    - そんな世界でここは俺たちの意思がどうであれ、皆の幸せのために作られた楽園だ。

    1. だとしたら、皆…ここにいる方が幸せじゃないのか?
  59. メリー:

    幸せ…

  60. メリー:

    はい、初めはみんな心の奥に秘めていた欲望を一つ二つと叶えていき、幸せを実感するでしょう…。

  61. メリー:

    最初は私もお兄様と同じように考えていました…でもそれは私の勘違いでした…。お兄様?ちょっと私について来てくれますか?

  62. 主人公:

    - メリーは俺の手を掴み、引っ張った。

  63. 主人公:

    - 俺はメリーに手を引かれるがまま、誰もいない建物の屋上にやってきた。

  64. メリー:

    あそこ、私が指差す場所がわかりますか?

  65. 主人公:

    - 俺は初めて都市の全体を確認した。

  66. 主人公:

    - 明るく光り輝く都市。その中央には森があった。

  67. メリー:

    ここは皆の欲望が入り乱れた結果、空間が少しずつ歪んでいます。あの道のところを見てください。

  68. 主人公:

    - そう言いながらメリーは指差した。

  69. 主人公:

    - その方向に視線を移すと、そこには自らの首輪を掴んで引っ張っているケルベロスの姿が…

  70. ケルベロス:

    ヘッヘッヘッヘッヘッ…!

  71. ケルベロス:

    まだ500周しか走ってないよ!散歩はこれからが本番だよっ!

  72. メリー:

    あの方は、朝から今まで自分で首輪を引っ張って散歩をしています。

  73. メリー:

    それから、あっ…あっちも見てくれますか?

  74. 城壁のハチコ:

    いらっしゃいませ~。ハチコのミートパイ屋さんです!

  75. 城壁のハチコ:

    今日はイチゴミートパイとブルーベリーミートパイを作りました~!それからこれは高麗人参ミートパイ、ミントミートパイ、ミルクミートパイ…

  76. 城壁のハチコ:

    はい!全種類一つずつ包みますね!

  77. 城壁のハチコ:

    お客様がすごくすごく多くて、ハチコは本当に幸せです!

  78. 主人公:

    - メリーは都市のあちこちにいる隊員たちの姿を見せてくれた。ロバに乗ったネオディム、一日中寝てばかりのイフリート、それから……タロンフェザーなタロンフェザー…

  79. メリー:

    自分の欲望に夢中になってしまった人たちは、その瞬間の快楽を繰り返すようになります。そして…その快楽にどんどんハマり…次第に自分自身の心も体も蝕んでいきます。

    1. そしてどうなるんだ?
  80. メリー:

    快楽は、快楽と呼べるものではなくなり、苦痛だけが残るようになります。でも、もう自分では止めることができなくなります…

  81. メリー:

    まるで自分自身を食べ尽くしたエリュシクトーンのようにです。

    1. それは…惨いな…。
  82. メリー:

    ですからお兄様!?マキナを…!

  83. (ウィィィン!!)

  84. 主人公:

    - 想像以上の惨い状況に、少し呆然としていたら、どこからともなくドローンが飛んできた。

  85. ドローン08:

    手配犯メリー発見。処理します。

    1. え!?手配犯!?
  86. メリー:

    …お兄様…まだ記憶が…、逃げましょう!