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Transcription
- 主人公:
- どうにかしてここから脱出しようともがいてみるが、
まったく動けないほど固く縛られていた。 - -:
(コツ、コツ)
- 主人公:
- 目を開けられないほどの強烈な光に照らされながら、
マキナが一歩ずつ近づいてくる。 ファントムとレイスはエスプレッソを片手にその様子を見守っている。 - ファントム、レイス!
- ALファントム:
うまい…。レイスももう一杯どうだ?
- ALレイス:
……はい。先輩、私も今なら先輩のような気品を醸し出せる気がする。
- マキナ:
お疲れ様でした。ファントムさん、レイスさん。
- マキナ:
いえ、ALキュートのお二人。
- ALレイス:
大したことではない。我々は正義を求める者のもとへ、いつでもどこでも参上する。
- ALファントム:
こいつは凶悪指名手配犯。マキナ市長も気を付けてください。
- マキナ:
確かに、そうですね。気をつけませんと…。ご心配ありがとうございます。
- 主人公:
- ファントムとレイスは俺の想像以上にこの世界に染まっているみたいだ…。
- マキナ:
鉄虫とヒュプノス病のせいで、もう人間様にはお会いできないと
思っていましたから…お会いできて本当に光栄です。 - マキナ…!
- マキナ:
本当によかった。外の世界にはまだ人類が生き残っていたのですね。
- いや、残っている人間は俺一人しかいないよ。
- マキナ:
ああ…そうですか。
- マキナ:
ですが、それはそれでよかったのかもしれませんね。
- 何が……
- マキナ:
ここからの景色はいかがですか?
- 結構いい眺めだよ。スカートだったら中も見えてたな…
- 外で見た時と同じだ。
- マキナ:
……っ……ん…
- 主人公:
- マキナは慌てて一歩後ろに下がると、服の乱れを確認した。
- マキナ:
と…とにかく…
- マキナ:
ここは外の世界でご覧になったあの黄金色の建物をそのまま真似て作った空間です。
- 偵察で見た時は確かに廃墟だった…どうなってるんだ?
- マキナ:
あれはビスマルクのドローンが見せていたホログラムです。
- マキナ:
遠くからは廃墟にしか見えませんが、近くに来るとホログラムが作動し、
都市の姿が見えるようになります。 - マキナ:
そして、近づいてきた方たちがこの建物に目を奪われている間に意識を誘導し、
楽園へとご招待させていただきました。 - つまり巨大な罠に引っかかったってことか。
- マキナ:
はい…。そう思っていただいても構いません。
- マキナ:
ですが、そのおかげであなたをこの世界にお連れすることができました。
残念ながら何人か招待できませんでしたが… - ロクとタイラントはどうやって連れてきた?
- マキナ:
ふふ。人間様さえいればAGSは逆らえませんから。
- 俺は今どこにいるんだ?
- マキナ:
もちろん、楽園です。
- マキナ:
あぁ、外の世界でのことをおっしゃっているのでしたら、人間様の体は今、
ビスマルクが誇るパラダイスドリームカプセルの中で ゆっくりとお休み中ですのでご心配なく。 - マキナ:
人間様は私がこの楽園を作った理由をご存じですか?
- マキナ:
この楽園を作ったそもそもの理由は、人間様たちが滅亡し、
悲しい選択をするバイオロイドたちを救うためでした。 - マキナ:
メリーから話は聞いていると思いますが…
- マキナ:
楽園で無限に欲望を叶え続けると、今度は欲望が自身の心を蝕み始めます。
- お前もそのことを知っていたのか…
- マキナ:
はい、もちろんです。
- じゃあなぜそれでもここに連れてくる?
- マキナ:
これが最善の方法だからです。幸せの総量についてはご存じでしょうか?
- マキナ:
人生で一人の人間が感じることのできる幸せの総量には限りがあります。
でも皆、他の事に追われ、その幸せの総量の半分も感じることなく 死んでいくのです。 - マキナ:
ですが、ここにいれば残りの人生全て、幸せを感じながら生きることができます。
場合によっては幸せの総量以上の幸せを感じることもできるはずです。 とにかく、誰もがその総量に近づくことができます。 - その最後が自滅だとしてもか?
- マキナ:
はい…その終わりが自らを蝕むとしても。
- マキナ:
ですが今は違います。なぜなら人間様がいらっしゃいますから。
- マキナ:
人間様がここにいらっしゃってからずっと、あなたを見ていました。
- マキナ:
人間様の欲望が何なのかを知るために設定も作らせていただきました。
ふふっ。お気に召しましたか? - 主人公:
- マキナはバニラ、タイラント、ロクと暮らし、
幼馴染みのメイとナイトエンジェルがいたあの日常のことを言っているようだ。 - 楽しかったよ。
- あんなものは偽物だ。いいわけないだろ。
- マキナ:
本当ですか?よかった…
- マキナ:
実は昔、お客様に使った情報を基に作ってみた設定なんです。
お気に召したようでしたら何よりです。ふふふっ。 - 主人公:
- マキナはそれは嬉しそうに穏やかな笑みを浮かべる。
- マキナ:
誰かを幸せにすることは本当にやり甲斐があります。
- マキナ:
ああ…そうでしたか…。それは本当に申し訳ございません…。人間様。
- マキナ:
失望させてしまいましたね…。
- 主人公:
- そう言いながら、マキナは顔を傾けて涙を拭き取った。
- マキナ:
ですが、それはそこまで重要なことではありません。
- マキナ:
……あなたに関係する方たちを見ていて、私は驚きを禁じ得ませんでした。
- マキナ:
あなたのメイド、あなたの隊員、そして牢屋に閉じ込めていたあの庭師も…、
今まで楽園で目が覚めた人は何人かいましたが、 - マキナ:
このように同時期に複数の方が目を覚ましたのは初めてでした。
その理由が何だかわかりますか? - 魔法のキスか?
- 彼女たちの意志の強さだ。
- 俺のおかげ…か?
- マキナ:
いいえ、全ての方が目覚めた理由に共通するもの…それは…
- マキナ:
人間様の存在でした。
- マキナ:
そう。全て貴方のおかげです。
- マキナ:
欲望から目覚めるために何が必要なのかおわかりですか?
- マキナ:
強い精神力、そして欲望を打ち破るほどの大きな衝撃が必要です。
- マキナ:
彼女たちは人間様のために、あるいは他の理由であったにしろ人間様が起因して
欲望から目覚めました。 - マキナ:
今までこんなことはありませんでした。彼女たちにとってあなたは
心の中にある欲望を、打ち破るほどの大きな存在なのでしょうか? - マキナ:
私なりに考えてみました。そして…悟ったのです。
あなたという存在がこの楽園をさらに完璧なものにしてくれると。 - 完璧…?
- マキナ:
お話しした通り、今まで楽園に来た方たちは皆、自らの欲望の奴隷となりました…
- マキナ:
しかし、あなたという存在があれば、彼女たちは欲望に蝕まれることなく、
より安全に、より長い間、幸せな人生を送ることができます。 - マキナ:
あなたは素晴らしい存在なのです。
- マキナ:
あなたも心の底では思っているんじゃないですか?
本当はここにいることこそが幸せなのだと。 - マキナ:
外の世界は滅亡しました。鉄虫との戦いは永遠に続く…。
そして物資はますます減っていき、前に進める希望はない。 - マキナ:
ですが、ここにいれば私の能力で鉄虫の目を欺き、
楽園で幸せに暮らすことができます。永遠に。 - マキナ:
住む場所にも食べる物にもコンプレックスにも…悩み、苦しむことはないのです。
この楽園なら! - マキナ:
唯一の懸念材料だった欲望による弊害も人間様がいらっしゃれば、
彼女たちは自らの欲望に溺れることなく、 欲望をコントロールしながら生きていけるのです! - マキナ:
この楽園の救世主になってくださいませんか?
- 救世主…?
- マキナ:
はい、この世界を救う皆の救世主に…
- そういうことなら、やってみてもいいかもしれない…。
- 俺は救世主なんかじゃない…。
- マキナ:
本当ですか?あぁ、よかった…。本当によかった…。
- マキナ:
やっと…これでやっと私の役目が終わります。
- 役目が終わったらお前はどうなるんだ?
- マキナ:
この楽園に救世主が現れた以上、私はもう必要ありません。
- マキナ:
私の夢は、人間様がこの楽園を受け継ぐことでしたから…
もう私がすることはありません。 - …死ぬつもりなのか?
- マキナ:
そうです。灰は灰に、塵は塵に…
- 主人公:
- 俺にこの楽園を押し付けて、自分は役目を終えたから死を選ぶ…。
その時、俺の頭の中に黄色いワンピース姿の少女が浮かんだ。 - メリー…。メリーはどうなるんだ?
- マキナ:
ああ、あの子ですか。
- マキナ:
私を助けると言っていたあの子…お望みならあの子の記憶を抹消しましょうか。
- え?
- マキナ:
それか、私そっくりのダミーを作って、あの子に会わせるのも良いでしょうね。
それならあの子もさらに幸せになれるはずです。 - マキナ:
今まで私を助けるために、この世界を走り回る姿が幸せそうだったので
放っておきましたが、今となってはこの世界の救世主はあなたですので。 どうぞお好きなようになさってください。 - 主人公:
- マキナを助けると言っていたメリー。
長い年月をかけて、マキナのためにこの世界を必死に駆けずり回っていたメリー。 あの子が幸せそうだった…?そんなわけ……ないだろ…! - 俺は救世主なんかにはならない…。
- マキナ:
え…、なぜですか…?どうして…?
- 楽園は、誰も救えない。
- マキナ:
何を言っているんですか?外の世界が今どんな状況なのかご存じですよね?
- マキナ:
ここにいることこそが救いなのです!幸せになれるたった一つの方法なんです!!
- マキナ:
……
- 俺はオルカの司令官だ。
- マキナ:
オルカ?ああ…外の世界にあるあのお船のことでしょうか?
- 主人公:
- アーセナルは言った。実体もない夢を見せられるだけならお断りだと。
俺も実体のないこの世界を救うだけならお断りだ。 そんなの誰も、何も救われていない…! - マキナ:
あんな船の司令官でいることが、この世界の救世主になることよりも重要だと
仰るのですか? - そうだ。
- 主人公:
- オルカには俺のすべてがある。俺を待っている隊員たちがいる。
それに、もっとたくさんの人を救わなければならない…! - マキナ:
どうしてですか?何故…?
- マキナ:
私の話を聞いてなかったんですか?
惨たらしい外の世界よりも、この世界の方がずっとずっと! 幸せになれるんですよ…! - マキナ:
………はぁ…そうですか。
- マキナ:
あなたの意志がそうだとしても、私は理解できません。
- マキナ:
歴史的に、聖人とされる存在は嫉妬と羨望の対象となり、
救った者たちからも最終的にはその教えも無視されてきました… - マキナ:
救援者という存在は常に人々から疑われ、理解されず、迫害を受けながら
生きるしかないのでしょう…。 - 主人公:
- この方法はなるべく使いたくなかったが、他に方法がない。
- マキナ、命令する。俺を解放しろ。
- マキナ:
そう…ですか。
- マキナ:
でしたら…まだ船にいらっしゃる方たちも全員連れてきてあげましょう…
少々手荒い方法にはなりますが、心配しないでください。 - マキナ:
ですから…人間様は安心して、この楽園をお楽しみください…
- マキナ:
さぁ、あなたの欲望は何ですか?
- 主人公:
- マキナは細い指で俺の顎に触れ、俺の目を覗き込んだ。
- お…俺は…
(パーンッ!)
- 主人公:
- 突然、部屋に煙が充満した。
- マキナ:
ゲホッ、ケホ…!何ですか!?
- クノイチ・ゼロ:
マキナ将軍。御屋形様は拙者たちが連れていく!
- クノイチ・カエン:
遅刻した、殿。助けに来た。心配、ない。
- ゼロ、カエン!
- マキナ:
クノイチ姉妹!ゼロさん、カエンさん、どうか落ち着いて、彼を放してください!
- クノイチ・ゼロ:
ふん、拙者たちに御屋形様を拉致させた悪人の言うことなど聞かぬ!
- クノイチ・カエン:
マキナ将軍、悪党。カエン、殿、救う。
- マキナ:
私には、いえ!私たちには彼が必要なんです…
- 主人公:
- マキナが胸元から小さなタブレットを取り出し操作する。
すると、どこからともなくAGSが飛び出してきた。 - それは…マスターキーか!?
- マキナ:
そうです。これがあなたたちがずっと探し求めていたマスターキーです。
- マキナ:
まさかマスターキーが脱出の機能しかないだなんて思ってませんよね?
- くそっ!逃げるぞ、カエン、ゼロ!
- マキナ:
本当は私もこんなことしたくありませんが…力ずくで対応するしかありません…。