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LRL
「余は奥深い深淵、闇の中で生まれた者…太古の闇の中で黒い孤独と戦いながら、そなたたちを待っている。」

Transcription

  1. LRL:

    「余は奥深い深淵、闇の中で生まれた者…太古の闇の中で黒い孤独と戦いながら、そなたたちを待っている。」

  2. コンスタンツァS2:

    久しぶりね、LRL。元気だった?ここで会えてよかったわ。

  3. LRL:

    LRL?くっ!余の世俗での名前を軽々しく言うとは…余の真の名はサイクロプスプリンセス…黄金に光る眼を持った…

  4. P/A-00グリフォン:

    何言ってるの?あんたはただの灯台配属のバイオロイドでしょ?それはそうと本部からよく逃げてこられたわね。

  5. LRL:

    うっ、お前は余の前世、余が真の名に目覚める前、余を苦しめていた悪党ではないか。逃げるなどの表現は余には不釣り合いだ。この高貴な余は……

  6. P/A-00グリフォン:

    …余計なことばっかり言ってると怒るわよ。いつここに来たのかって聞いてるんだけど?

  7. LRL:

    くぅ…

  8. P/A-00グリフォン:

    早く!

  9. LRL:

    ひん…ラビアタが余は歩くのが遅いから先に行って隠れてろって。少し待ってればコンスタンツァたちが助けてくれるからって…

  10. コンスタンツァS2:

    それで昔いた灯台に隠れていたのね。無事で何よりだわ。モールス信号を送ったのは賢明な判断よ。内容はちょっと…あれだったけど…

  11. LRL:

    ふっふっふっ。数千年を生きた余の知性をお前たち愚民が理解できるだろうか。それはそうと余のアカシック信号を解釈するとはなかなかやるな。

  12. P/A-00グリフォン:

    はぁ?アカシック?ただのモールス信号だったんだけど?あんた今もあの変な昔の本とか漫画とか読んでるの?

  13. LRL:

    今なんて言った!?変な本じゃないんだけど?昔はベストセラーだったんだから!あんたは単細胞で本なんて読まないから分からないかもね?

  14. P/A-00グリフォン:

    何だってぇ!?このぉ~~!

  15. コンスタンツァS2:

    ちょっと二人とも、それくらいにしましょう。ご主人様の前で恥ずかしくないの?挨拶もしないで。ご主人様、この子は灯台勤務用バイオロイドのLRLです。

  16. LRL:

    その名前で呼ぶのやめてくれない?サイクロプスプリンセスと呼んでちょうだい。

  17. LRL:

    ところでそのご主人様?だけど、えっ、よく見たら…余たちとちょっと何か違うような?え?まさか…うそ、これがあの「人間」なの?

    1. 人間だ!会えて嬉しいぞ!
    2. ククク…お前が私の真の姿を見破れるだろうか?
  18. LRL:

    うわぁ!初めて見る!

  19. LRL:

    …くっくっくっ…ついに人間の眷属まで手に入れるとは。

  20. コンスタンツァS2:

    きちんと挨拶しなさい。

  21. LRL:

    …はじめまして。余の名はサイクロプスプリンセスである。くっくっくっ…。…これでいい?

  22. P/A-00グリフォン:

    くっくっくっ…は余計よ。それにあんたの名前はLRLでしょ。偽名使おうとしないでくれる?

  23. LRL:

    偽名じゃないんだけど?真の名なんだけど?

  24. LRL:

    ふっふっふっ…よくよく考えてみれば…下等なお前に真の名を教えたところで意味のない事だ。

  25. P/A-00グリフォン:

    好き勝手言ってくれて…ったく…まぁこの子とも合流したことだし、この先の暗い道は心配ないわ。この辺の監視員だったんだから地形にも詳しいだろうし。

  26. P/A-00グリフォン:

    ねぇ、今でも地下に行くための鍵はあんたが管理してるの?地下に「あれ」まだあるよね?

  27. LRL:

    「あれ」と言うとレビアタンのこと?

  28. P/A-00グリフォン:

    レビアタン?またいつもの理解不能な設定ね…そうそう、それそれ。

  29. LRL:

    設定じゃなくて本当の名前なんだけど?鍵は余が持ってるけど…本当に「そこ」に行くつもり?本格的に稼働するの?

  30. P/A-00グリフォン:

    そうよ。これからは「そこ」で過ごす予定よ。

  31. LRL:

    そうなの?…だったらついて来て。地下のエレベーターのドアを開けてあげる。一人で行くのが怖くてちょうどよかっ…じゃなくて、みんなで行った方が楽しいかと思って待ってたの。

    1. (エレベーターで下がっていく。)
  32. LRL:

    さすが…真祖の香りが感じられる。普通の者には分からないだろうが……2億年を生きてきたプリンセスの余には分かる……

  33. P/A-00グリフォン:

    そんなに遡っちゃうの?2億年前は恐竜もまだ出てきてないけど?嘘つくならちゃんと調べてからにしなさいよ…ちょっと人間、あんたまでどうしたの?あの子の変な病気でもうつった?

  34. P/A-00グリフォン:

    さっさと挨拶しなさいよ。一回相手してやったら最後まで付き合わされるわよ?

    1. 人間だ!会えて嬉しいぞ!
  35. P/A-00グリフォン:

    ど~だ人間!?へへへっ!すごいでしょ?最高でしょ?これぞまさしく居住型潜水艦オルカ1号よ。

    1. この潜水艦が「あれ」なのか?
  36. P/A-00グリフォン:

    そうよ。これから私たちが住む場所よ。元々はラビアタがバイオロイド基地として作ったんだけどね。人間よかったじゃない!こんな大きな船をもらえて!

  37. コンスタンツァS2:

    試験航海はまだですが、シミュレーションは終わってるし特に問題はないと思います。よかったですね。この潜水艦に乗っていれば鉄虫ももう追ってこないでしょう。

    1. どうしてだ?どうして鉄虫が追いかけて来れないんだ?
    2. 軍用潜水艦みたいだな?
  38. P/A-00グリフォン:

    そんなことも知らないの?鉄虫は海が嫌いなのよ。あいつらの体は全身金属だから海水を忌み嫌ってるの。

  39. P/A-00グリフォン:

    金属は塩水に弱いって言うじゃない?

    1. 金属?錆びそうには見えなかったけど?
  40. P/A-00グリフォン:

    もしくはただ単に海が嫌いなのかも…もう、私もよく知らないってば。とりあえず安心して休める場所が見つかったことが重要でしょ?もうヘトヘト…

  41. コンスタンツァS2:

    はい。ご主人様。ひとまずは中へお入りください。グリフォンの言う通り、今私たちには休息が必要です。一休みいたしましょう。

  42. P/A-00グリフォン:

    人間、意外と見る目があるのね。その通りよ。これは軍用に使っていたオルクス級の原子力潜水艦なの。それに住居施設を増設して改造したってわけ。

  43. P/A-00グリフォン:

    深海潜航能力に優れているうえ、基本的には核融合方式だから海水を自動的に分解して動くのよ。

  44. P/A-00グリフォン:

    深海にいれば空気の補充も電力の補充も数年間は不要になる。どんなにすごい鉄虫にだって見つからないはず。見つかったとしてもどうせ海の中には来れないだろうし。ツイてるわ。

  45. LRL:

    深い海…深淵…その恐怖を知らないが故の愚かな発言であるな。くっくっくっ…凡人があのコズミックでホラーブルな感覚を理解できるわけない。

  46. P/A-00グリフォン:

    な、何?コ…コズミックホラーブルだか何だか知らないけど、そんなのどうでもいいわ。魚とか海底を見たりするのは楽しそうだけど。

  47. コンスタンツァS2:

    グリフォン、何か楽しそうね?

  48. P/A-00グリフォン:

    どこが楽しそうなのよ?そのただ…新しい経験だから一度くらい体験してもいいんじゃないかなって…ただそれだけよ。

  49. P/A-00グリフォン:

    それに…鉄虫が私たちを追いかけてこれないってだけでも色々メリットがあるし…

    1. どうしてだ?どうして鉄虫が追いかけて来れないんだ?