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P/A-00グリフォン
う…あの姿はいつ見ても気持ちが悪い。こんなことならここに来る必要なんてなかったのに…

Transcription

  1. P/A-00グリフォン:

    う…あの姿はいつ見ても気持ちが悪い。こんなことならここに来る必要なんてなかったのに…

    1. あれが感染というものなのか?
  2. コンスタンツァS2:

    そうです。機械…正確には電子回路AIに鉄虫の幼虫が寄生します。寄生と同時にAIは自らに対する統制権を失い鉄虫となります。

  3. コンスタンツァS2:

    この幼虫は見つけるのがとても大変で一番の脅威なんです。特にロボットにおいては…

  4. コンスタンツァS2:

    グリフォン、念のために周辺の偵察をお願いするわ。まだ幼虫たちが隠れているかもしれないわ。

  5. P/A-00グリフォン:

    分かったわ…

  6. コンスタンツァS2:

    それからご主人様。ポップヘッドから報告があるそうです。少々お時間よろしいでしょうか。

    1. どうした?
  7. SD3Mポップヘッド:

    やっとボクの番か。報告の順番を待っていた。

  8. SD3Mポップヘッド:

    幸いにもボクの部隊は全滅を免れた。生存者が残っていたようだ。どういうことか説明するよ。フォールン、こっちに来てくれ。

  9. SD3Mポップヘッド:

    この個体はCT 2199Wフォールン普段はコードネームのフォールンと呼ばれる個体だ。

  10. CT2199Wフォールン:

    よくわからない機械音が鳴る。

  11. コンスタンツァS2:

    あら?フォールンの様子が…もしかして故障ですか?

  12. SD3Mポップヘッド:

    歓迎すると言っている。残念なことにこの個体は言語モジュールが故障している。

  13. SD3Mポップヘッド:

    でも心配は要らない。通信ポートは正常だからボクを経由して過去の出来事が再生できる。

  14. CT2199Wフォールン:

    よくわからない機械音が鳴る。

  15. SD3Mポップヘッド:

    そんなことないよ、フォールン。オメガ産業に比べればBR重工業の技術力は二流だ。BR重工業の技術がもっと優れていたならば君の言語モジュールも故障しなかったはず。

  16. CT2199Wフォールン:

    騒々しい機械音。

  17. SD3Mポップヘッド:

    無駄な信号は通訳する意味がなさそうだ。必要と思われる内容だけ通訳するよ。技術力はオメガ産業の水準だしね。

  18. CT2199Wフォールン:

    長い機械音。

  19. SD3Mポップヘッド:

    前半部分は省略するとして…フォールンが伝えたい情報はこういうことだね。部隊が襲撃された後、最初はそれなりに対抗できていた。

  20. SD3Mポップヘッド:

    ところがボクたちはそれが奴らの罠であることに気づかなかった。

  21. SD3Mポップヘッド:

    反撃が可能な状況になり、指揮官ロボットが出てきて攻撃命令を下した時に問題が発生した。

  22. SD3Mポップヘッド:

    その瞬間、突然鉄虫側にものすごく巨大な奴が現れて、指揮官ロボットを何だっけ?えーと、そ…狙撃したらしい。

  23. SD3Mポップヘッド:

    一撃で破壊されるなんて思ってもみなかったよ…結局は指揮官ロボットが破壊され混乱に陥り、その隙に鉄虫の幼虫たちが現れてロボットたちを感染させたんだ。

  24. CT2199Wフォールン:

    機械音。

  25. SD3Mポップヘッド:

    情報はこれですべてだと言ってる…あの巨大な鉄虫の個体が気になるな。コンスタンツァ、何か思い当たる節はない?

  26. コンスタンツァS2:

    それはつまり連結体のことですか?

    1. 連結体?
  27. コンスタンツァS2:

    はい…他の言い方で言うならば指揮官ですかね?大将の役割をする鉄虫とでも言いましょうか。大抵一つの部隊につき一個体程度いますね。

  28. コンスタンツァS2:

    やはり…これに関してはいくつかご報告した方がよさそうです。直接お会いしてお話した方がよさそうですね。ご主人様、帰還を命令してください。