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Transcription
- 主人公:
- エンプレシスハウンドとロクが戦闘を始めたとの報告が入り、
急いで現場に向かった。 - 主人公:
- そして、俺が現場に到着した時にはすでに戦闘は終了し、
ワーグがロクに剣を向けている所だった。 - ワーグ:
最後に言い残すことは?
- RF87ロク:
……
- RF87ロク:
悔恨は晴れましたか?
- ワーグ:
は?
- RF87ロク:
あなたがアンヘル公を探し続けていたなら、必然的に私という存在に
出会ったはずです。 - RF87ロク:
そして、アンヘル公の守護者たる私は、この命を懸けてあなたと戦うでしょう。
今のように。 - RF87ロク:
あなたはアンヘル公の守護者たる私を打ち倒しました。
アンヘル公がご存命の頃であれば、アンヘル公は命を落としたことでしょう。 - RF87ロク:
だからこそ、もう一度聞きます。
- RF87ロク:
あなたの悔恨は晴れましたか?
- ワーグ:
……
- RF87ロク:
切に願います。すべての悔恨と無念が晴れますことを。
- RF87ロク:
あなたに対する侮辱、あなたの主人に対する侮辱を謝罪します。
- RF87ロク:
本心ではありませんでした。
- ワーグ:
命乞いにしてはあまりにもお粗末だな。
- RF87ロク:
命が惜しくてこのようなことを言っているわけではありません。
- RF87ロク:
私はマリア・リオボロスという存在が、アンヘル公にとって
何の価値もないと言いました。 - RF87ロク:
これは侮辱ではなく、偽りでもありません。
- RF87ロク:
アンヘル公に価値のある人間などおりませんでしたから。
- RF87ロク:
自分に利益をもたらす瞬間にしか、価値を見出しませんでした。
それは人間、バイオロイド、AGSに対しても変わりません。 - RF87ロク:
あの御方は人間というものに興味がなかったのです。
- RF87ロク:
まさに徹底的で公平な成果主義のおかげでアンヘル公は莫大な富を手にしましたが、
そのおかげで誰のことも信じられませんでした。 - RF87ロク:
マリア・リオボロスのように自分の全てを捧げ、復讐するほどに
愛した相手もいませんでした。 - RF87ロク:
我が主人は超然とした唯一無二の存在。
- RF87ロク:
それは同時に孤独という意味合いを持つことがあります。
- RF87ロク:
しかし、あの御方は孤独というものが分かりませんでした。
- RF87ロク:
そして……誰かと共にするという幸せを知りませんでした。
- RF87ロク:
人類文明が終焉を迎えようとしていた時、あの御方は広大な金庫で
独り豪勢な食事をし、芸術作品に囲まれながら過ごしました。 ですが、あの御方の死を悼む者は誰一人としていませんでした。 - RF87ロク:
私もその当時、悲しみというものを知らなかったため、
当時のアンヘル公の死はアンヘル・リオボロスの死ではなく、 ただの生物の死としか認識できませんでした。 - RF87ロク:
人間にとって、これほど不幸な死があるでしょうか?
- RF87ロク:
AGSがあの御方を評価するなど、畏れ多いことですが……。あえて口にしましょう。
- RF87ロク:
彼は非常に可哀そうな人間でした。
- RF87ロク:
ですから、そんな彼にあまり執着しないでください。
- RF87ロク:
私たちは人間の遺産ですが、それと同時にそれぞれ人生を持った一つの存在です。
- RF87ロク:
昔の主人を全部忘れろと言うつもりはありません。
ですが、それに執着し過ぎていては、あなたが今の人生を生きることができません。 - RF87ロク:
どうかあなたが、あなたの人生を生きられますよう願います。
- ワーグ:
お前は……何故ここまでする?
- RF87ロク:
主人の行いが誰かを不幸にしたのなら、その報いを代わりに受けることが
彼の遺産であり、執事である私にできるせめてもの行いです。 - RF87ロク:
そして…
- RF87ロク:
私は、ある方の善行により悔恨と無念を振り切ることが出来ました。
- RF87ロク:
誰かの善行によって救われたのなら、私も出来る限りの善をすべきだと学びました。
- RF87ロク:
そしてまた、その善によって別の誰かに善が行われることを信じています。
- RF87ロク:
心に従って行動したまでです。
- ワーグ:
……
- 主人公:
- ワーグが剣を納めた。
- 主人公:
- そして、ロクをしばらく見つめた後、ワーグは墓に向かって歩いていった。
- 主人公:
- 俺はロクのもとへ。
- RF87ロク:
遅ればせながらご報告いたします。
- RF87ロク:
RF87ロク。長期任務を終え、ただ今帰還いたしました。
- 主人公:
- ワーグがオルカにやって来てから、俺はロクに長距離偵察任務を任せていた。
- 主人公:
- 薔花とチョナが合流した頃から、なるべく接触しないよう偵察に
出てもらっていたのだが、ワーグが来てからはより慎重を期すため、 ロクにはエンプレシスハウンドと距離を置かせていた。 - 主人公:
- ロクは事情を理解し、しばらくオルカを離れてくれていたのだが……
- 主人公:
- まさか、彼自身がこの問題に終止符を打つとは思わなかった。
- 主人公:
- 俺が解決しようとしたとしても、彼女たちの積年の恩讐を解決することは
出来なかったはずだ。 - RF87ロク:
申し訳ございません、司令官閣下。
このような醜態でお目にかかることをお許しください。 - そんなことないよ。すごくカッコよかった。ありがとう。
- 主人公:
- 嘘じゃない。
- 主人公:
- その姿だけではなく、心、言葉、ロクのすべてが誇らしかった。
- RF87ロク:
身に余るお言葉……
- 主人公:
- 俺はロクを運ぶために救護班を手配した。
- 主人公:
- するとロクはおもむろに話し始めた。
- RF87ロク:
誤解なさらぬよう、念のために申し上げますが……
- RF87ロク:
先程の戦闘で、私は“あえて”全力を出しませんでした。
- RF87ロク:
今回の結果だけをご覧になって、天空の支配者たるこの私が
女帝の猟犬たちに比べて弱いなどと……誤解なさらぬように。 - RF87ロク:
しかも私単独で複数を相手に戦わなければなりませんでしたし、
本来ならば私の兄弟もいたはずです。 そして何より、私は致命傷を与えぬよう細心の注意を払う必要がありました。 - RF87ロク:
つまり、まともな条件であったなら、敗北などあり得ませんでした。
- 主人公:
- ロクがあまりにも必死に言うものだから、腹を抱えて笑ってしまった。
- ワーグ:
……
- ワーグ:
夫差は復讐を忘れぬよう毎日薪の上で眠り、勾践は毎日熊の胆を舐めました。
- ワーグ:
マリア様……あなたもアンヘルへの憎しみを一刻も忘れず、
私もあなたの願いを一瞬たりとも忘れませんでした。 - ワーグ:
アンヘルへの復讐のためだけに生き、最後までアンヘルを殺せと
私たちに命ぜられました。 - ワーグ:
その命に従い、人類が滅亡した後も私達は世界を放浪しました。
- ワーグ:
今さらながら…恥を忍んで任務の失敗を報告いたします。
アンヘルは……孤独に死んだそうです…… - ワーグ:
申し訳ございません、マリア様……
- ワーグ:
私達が作られた目的は……
- ワーグ:
私達の存在意義は……
- ワーグ:
アンヘルの死……
- ワーグ:
……
- ワーグ:
……マリア様……
- ワーグ:
申し訳ございません。申し訳……ございません。
- ワーグ:
私の力が足らず……
- ワーグ:
私がもっと強ければ……私がもっと利口だったなら……もっと有能であったなら……
マリア様の願いを叶えて差し上げられたのに…… - ワーグ:
………………いや……。私に勇気があったなら……
- ワーグ:
あなたに……復讐を忘れ……生きてほしいと言えたのに……
- ワーグ:
あなたなら……もっと素晴らしい人生を送ることができたはず……
あなたはそうあるべき御方でした…… - ワーグ:
復讐は……猛毒です。その毒が日々あなたの体を蝕んでいた……
- ワーグ:
分かっていたのに……分かっていたのなら……私は伝えなければならなかった……
- ワーグ:
ですが、そんなことをしてしまえば……あなたに捨てられると思ってしまった……
- ワーグ:
それでも、あなたのことを想うのならば…言うべきでした……。
私は愚かで、臆病で…自分のことしか考えられなかったから……言えませんでした。 - ワーグ:
マリア様……
- ワーグ:
どうして最後までアンヘルに執着されたのですか……
- ワーグ:
どうして最後に……アンヘルを殺せと命じたのですか……
- ワーグ:
あの…あの命令さえなければ……
- ワーグ:
あなたのそばで……あなたの最期を看取ることができたのに……
- ワーグ:
私は……あなたをお守りできれば……それで……
- ワーグ:
……ぅぅ。うあ……あぁぁぁ………!!
- ワーグ:
生きていらっしゃる時に……あなたに恩返しがしたかった……
- ワーグ:
もう一度だけあなたに……会いたい……です……ぁぁぁぁ……
- ワーグ:
……この言葉を伝えたかった……
- ワーグ:
私を……私を……!この世に生んでくれて……ありがとうございました……
- ワーグ:
…………お母さん……
- 主人公:
- 今回のデルタとの戦闘報告書を読んでいると、ワーグが俺の部屋にやってきた。
- ワーグ:
少し、いいだろうか?
- もちろん。
- ワーグ:
感謝する。
- ワーグ:
……図々しいかもしれないが……
- ワーグ:
オルカに合流させてほしい。
- ワーグ:
私を受け入れてくれるだろうか……?
- そもそも俺が提案したんだし、喜んで。
- ワーグ:
- ワーグは黙って俺を見つめた後、口を開いた。
- ワーグ:
お前は……
- ん?
- ワーグ:
おかしい。
- 突然の誹謗中傷!?また!?
- ワーグ:
すまない。また言葉が足りなかったな。
- ワーグ:
人として、自分を騙した者を許さないのは当然だ。
また、崇められれば驕り、高慢になるのも人だ。 - ワーグ:
そして、誰かに同情したとしても自分にとって利益が無ければ、
見て見ぬフリをし、物事を自分のいい様に解釈するのも当然のこと。 - そんなもんか?
- ワーグ:
人間ならば……いや、生き物なら当然だ。
- ワーグ:
……だから、お前はおかしい。
- でも、今は俺が唯一の人間だから、俺の行動は普通なんじゃない?
- ワーグ:
詭弁ではあるが……そういう考え方もあるのかもしれない。
- それに、俺がそうなったのはオルカのみんなのおかげだよ。
- ワーグ:
……
- みんながしてくれるのと同じように俺もみんなに何かをしてあげたい。
- ワーグ:
黄金律みたいなものだな。
- 最初に出会ったのがオルカのみんなじゃなかったら、違ってたかもな。
- ワーグ:
最初に私と出会っていたらどうなっていただろうな?
- 厳しくて真面目で…ワーグそっくりになってたかな?
- ワーグ:
それは一度見てみたかった。
- ワーグ:
……
- 主人公:
- するとワーグは俺の前まで来て、跪いた。
- ワーグ?
- ワーグ:
エンプレシスハウンドのワーグ。主様に忠誠を誓い、改めてお目にかかります。
- ワーグ:
そして、私に関するすべての情報をお話しいたします。
- ……
- ワーグ:
エンプレシスハウンドには様々なスペシャリストがいますが、それぞれの個性が
強すぎるあまり、彼女たちの協調性というものは壊滅的だったそうです。 - ワーグ:
それどころか仲間同士での殺し合いまで頻発し、この状況を何とかするために
強力なカリスマと武力を持った指導者の必要性が出てきたわけです。 - ワーグ:
そんな時、無敵の龍の設計図の一部を手に入れた女帝は、
それをもとに新たなバイオロイドの制作を命じました。 - ワーグ:
それがまさにこの私です。
- 主人公:
- 俺は龍とワーグが初めて顔を合わせた時の会話を思い出した。
- 主人公:
- 龍はワーグに親近感を覚えると言っていた。
- 主人公:
- でも……
- 指導者?親衛隊であり処刑人じゃなくて?
- ワーグ:
それも私の役目でしたが、本来の役目はエンプレシスハウンドのリーダーでした。
- ワーグ:
しかし、手に入れた無敵の龍の設計図が完全ではなかった為、それを三安の設計図で
補った結果、女帝に対する忠誠心が過度に強くなるという問題が生じました。 - ワーグ:
そのせいで単に女帝の敵だけでなく、女帝に対する侮辱も受け入れることが出来ず、
侮辱した者を斬り殺しました。 - ワーグ:
女帝はこれを問題視するどころか、ご満悦の様子でしたが……
- あ…誰かが俺の悪口を言ってたら、それは我慢してね…。
- 主人公:
- あれは俺のことを思っての発言のはず……
- 主人公:
- ……特にバニラとか、バニラとか……あとは……バニラとか。
- ワーグ:
私はエンプレシスハウンドとして、女帝の命令を忠実に実行しながら、
アンヘル勢力への大々的な攻勢の時を待っていましたが…… - ワーグ:
滅亡戦争が始まり……女帝は永遠の眠りにつかれました。
- ワーグ:
その後のことは主様もよくご存じだと思います。
- ワーグ:
今まで主様を欺いていた私をお許しくださり、さらにはマリア・リオボロス様の
遺体まで取り戻してくださった事へのご恩、一生かけてもお返しできないでしょう。 - ワーグ:
どうかご命令を……。今後、この命を懸けて主様のご命令に従います。
- 主人公:
- 俺は以前も言ったように、オルカで楽しく過ごしてくれたらそれで良かった。
だが……一つだけ気になっていたことを思い出した。 - じゃあ…いつも録音機で聞いていた内容を聞かせてほしい。
- ワーグ:
……もちろんです。
- 主人公:
- ワーグは録音機を耳から取り外してロックを解除すると、俺に差し出した。
- 主人公:
- 俺はそれを受け取り、再生ボタンを押した。
- ボイスレコーダー:
……
- ボイスレコーダー:
ふふ。ワーグ。
- ボイスレコーダー:
他は駄目だけど、あなただけはちゃんと出来るのね。
- ボイスレコーダー:
私の宝物。私のお気に入り。
- ボイスレコーダー:
私のワンちゃん。
- ボイスレコーダー:
すごいじゃない、ワーグ。
- ボイスレコーダー:
みんな、あなたを見習ってほしいわ。
- ボイスレコーダー:
あなたならアンヘルも殺せるわ。頑張ってね…可愛いワーグ。
- 主人公:
- 女性の声だった……
- この声は……
- ワーグ:
生前のマリア様の声です。
- 主人公:
- 俺はワーグと初めて話した時のことを思い出した。
- ワーグ:
録音機だ。
- ワーグ:
思い出というものは意外と早く風化されるものだ。
昔のことを思い出すときに愛用している。 - 主人公:
- 女帝が死んでから、今に至るまで。その長い年月を……
- 主人公:
- この音声だけを心の糧にして、生きてきたのか……
- 主人公:
- ワーグは女帝のことを親だと言うほどに敬愛していた。
その忠誠が今、俺に向けられている。 - 主人公:
- これに応えるのは、なかなか大変だな……
- お前を歓迎するよ、ワーグ。
- 主人公:
- ワーグは差し出した俺の手をじっと見つめ……
- ワーグ:
……
- 主人公:
- そして、握った。
- ワーグ:
私をお迎えいただき、感謝申し上げます。主様。
これから一生をかけて、奉仕させていただきます。 - 主人公:
- この想いに応えるためにも、絶対にレモネードデルタを倒さねばならない。