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Transcription
- 主人公: - アクアランドの完工まで約1カ月となったある日、 突然スヴァールバル諸島にやって来たワーグ。 
- 主人公: - 拠点の目と鼻の先にPECSの勢力圏があるこの状況で、 部外者を何の警戒もせずに迎えられるわけもなく、 俺たちは面談と称した尋問を行った。 
- 主人公: - ワーグの尋問が終わった後、リアンとアイアス、エンジェルが 報告してくれた情報をもとにアルファとアルマン、シラユリが分析を行った。 
- 主人公: - そして、その結果…… 
- シラユリ: デルタのスパイである可能性が高いでしょう。 - でも、エンジェルによれば、デルタへの憎悪は本物らしいけど?
 
- シラユリ: 憎悪というものは、手を組まない絶対的な理由にはなりません。 重要なのは、協力が自分に利益があるかどうか。もしくは…… 
- シラユリ: 協力しなければ、自分に不利益があるかどうか……そういうものです。 - 他のレモネードのスパイである可能性は?
 
- レモネードアルファ: オメガとガンマが私たちの居場所を把握したのなら、スパイではなく 軍隊を送っているはずです。 
- レモネードアルファ: ゼータは中立派ですが、オメガとは協力関係にあるのでオメガに情報を 共有しているでしょう。 
- レモネードアルファ: ベータが送った可能性もありますが、彼女ならスパイではなく メッセンジャーを送ったはずです。 
- レモネードアルファ: それからイプシロンは…… 
- レモネードアルファ: 可能性がないわけではありませんが、彼女はそこまで積極的に 何かをしようとするタイプではありません。 
- レモネードアルファ: つまり、消去法でデルタになるわけです。 
- アルマン枢機卿: スパイを送ったということは、こちらの位置を把握しているということ だと思いますが……何故スパイだけを送ったのでしょうか? 
- シラユリ: 最近のデルタの動きを見る限り、スヴァールバル諸島にオルカの拠点があるという ことは把握できていないと思われます。 
- シラユリ: つまり、ワーグはデルタから「スヴァールバル諸島へ行け」ではなく、 「最後の人間を探せ」という命令を受けた可能性が高くなります。 
- シラユリ: 実際にワーグも「エンプレシスハウンドの信号を頼りにここまで来た」と 言っていましたし。 
- シラユリ: いずれにしても、デルタの動きを注視する必要があります。 
- レモネードアルファ: デルタの軍事力はオメガとガンマに比べればかなり低いです。 さらに、その軍事力もバイオロイドの比率が高いものとなっています。 
- レモネードアルファ: なので人間である旦那様がいらっしゃる以上、オルカを攻撃するのは なるべく避けたいはずです。 - だとしたらスパイも同じようにリスクがあるだろ?
 
- レモネードアルファ: 命令のことですか? - うん。俺が自白を命令したら終わりだろ?
 
- アルマン枢機卿: ご存知の通り、一部のバイオロイドには人間の命令が通用しなかったり、 拒否権を持っている者もいます。 
- アルマン枢機卿: ラビアタ副司令、龍隊長にメイ隊長、アルファさんをはじめとするレモネード達。 そして……エンプレシスハウンドの薔花さんやチョナさんはマリア・リオボロスの 命令しか通用しません。 
- アルマン枢機卿: つまり、エンプレシスハウンドを名乗るワーグもその可能性が高いということです。 - それを確認する方法は?
 
- シラユリ: 実際に命令を出して、その命令を実行するかどうか確認するしかありませんね。 
- シラユリ: ですがその場合、こちらが疑っているということに勘付かれてしまいます。 
- シラユリ: もし私がスパイだったら、わざと命令を実行して疑いを晴らそうとします。 
- シラユリ: ですので、会話を通して調べる方法を試しましょう。 ただし、これは少し練習が必要です。 
- レモネードアルファ: ワーグへの処分はどうされますか? 
- アルマン枢機卿: 私からはまだ情報が十分でないため予測が出来ず、何とも申し上げられません。 
- シラユリ: ヨーロッパにスパイを送ることができない以上、ワーグを通して 出来るだけデルタの情報を入手するべきかと。 
- レモネードアルファ: ですがスパイを拠点に置く以上、こちらの情報がデルタに漏れるのでは? 
- シラユリ: そうですが、逆に偽の情報を流してデルタの行動をある程度 操作することができます。 
- アルマン枢機卿: しかし、ここには陛下がいらっしゃいます。 
- アルマン枢機卿: スパイを泳がせたせいで、陛下に万が一のことが起こる可能性もありますよ? 
- シラユリ: …… 
- 主人公: - それを言われるとシラユリも反論できずにいた。 
- 主人公: - 会議が長くなりそうだったので、一旦切り上げるためにこう言った。 - ワーグの合流に伴う危険性と利点を整理して報告書にしておいて。
 
- 主人公: - 俺がネックになっているのなら、俺が決断を下すべきだ。 
- 主人公: - そして、提出された報告書を読んだ俺はアルファに言い渡した。 - エンプレシスハウンドの宿所にワーグの寝室を準備してくれ。
 
- 主人公: - 報告書には更なる観察が必要だと書かれていた。 
- 主人公: - そして、俺が危険な目に遭う可能性も当然書かれていたが、 危険じゃない戦争なんかあるわけがない。 
- 主人公: - 俺達は戦争中だ。 
- 主人公: - 進んで危険に飛び込んだりはしないが、危険だからと言って全てを避けていては 戦争で勝利することはできない。 
- 主人公: - 後日、俺は薔花とチョナから得た新たな情報を思い出しつつ、 ベンチにひとり座っているワーグに近づいた。 
- 主人公: - 命令権が通用するかどうかの確認をするために。 - 耳のそれは?
 
- ワーグ: 録音機だ。 - 録音機?
 
- ワーグ: 思い出というものは意外と早く風化されるものだ。 昔のことを思い出すときに愛用している。 
- ワーグ: さらには約束を守らなかったり、嘘を吐く奴らにも便利だ。 - 録音機で何を聞くんだ?
 
- ワーグ: …… 
- 主人公: - ワーグは俺の質問に答えなかった。 
- 主人公: - 俺は改めて聞きなおした。 - 録音機で何を聞くのか教えてくれないか?
 
- ワーグ: …… 
- 主人公: - またしても沈黙。 - 言いたくないのか?
 
- ワーグ: ……そうだ。 
- 主人公: - ようやく答えてくれた。 
- 主人公: - これにより俺の命令はワーグに通用しないということが確認できた。 
- 主人公: - アラスカに行っていた別動隊がオルカに帰って来た日。 
- ラビアタプロトタイプ: 私たちがいない間、特に変わったことはありませんでしたか?ご主人様? - お前たちが心配だったこと以外は何もなかったよ。
 
- ラビアタプロトタイプ: ふふ……ありがとうございます。 今回の件に関して優先的に報告することがあります。 - それはみんなが休んでから後で聞こう。大変だったろ?
 
- ラビアタプロトタイプ: ですが…… - まずは休んで。ラビアタが休まないとみんなも休めないだろう?
 
- ラビアタプロトタイプ: ……そうですね。私の配慮が足りませんでした。 かしこまりました、ご主人様。 
- 主人公: - ラビアタが報告をしようとした時、俺はそれを後回しにした。 ワーグが近くにいたからだ。 
- 主人公: - それからはスパイを目の前にしても平常心を保てる隊員にのみ、 スパイの存在を知らせた。 
- 主人公: - ワーグが隣にいるときは隠語を使わせた。 
- 滅亡のメイ: 花火の準備は順調よ。やり過ぎなくらいにド派手に打ち上げてあげるわ。 
- 滅亡のメイ: なんなら今すぐにでも打ち上げるけど? 
- 主人公: - さらに、偽の情報を流した。 
- コネクターユミ: 通信電波妨害装置と…検出装置の設置……ほとんど終わりました。 
- コネクターユミ: あとは南の方に設置すれば終わりですぅ…… 
- コネクターユミ: ……私はいつ休めるんですかぁ~? 
- 主人公: - 通信網の穴と…… 
- 無敵の龍: レモネードデルタの艦隊に対する欺瞞戦術は問題なく進行中。 
- 無敵の龍: そして、ノルウェー海を経由した侵攻に対しての防備は整った。 
- 無敵の龍: デルタの艦隊がノルウェー海に入った瞬間、無敵の龍の艦隊がなぜ不敗なのか 思い知ることになるだろう。 
- 主人公: - 艦隊に関する情報をワーグがいる所で話した。 
- 主人公: - それと同時にワーグに対する懐柔も図った。 
- 主人公: - 拠点でワーグを見つけたら なるべく話しかけたり、 一緒にアクアランドに行ったりした…… 
- 主人公: - 楽しそうにしている隊員たちを見てワーグが感化されることを期待しつつ、 油断を誘った。 
- 主人公: - その結果かどうかはわからないが、ワーグは微かに笑顔を見せてくれた。 だが、それ以上の反応を見せることはなかった。 
- 主人公: - その一方で…… 
- C-11スカラビア: この前のフリュームライドの事故だけど。 
- C-11スカラビア: あれ、誰かが制御システムを操作して起こった事件だね。 
- C-11スカラビア: んで、それってスヴァールバルの外からは出来ないんよね。 
- C-11スカラビア: オルカに……スパイがいるかも。 
- 主人公: - スパイ活動は進行していた…… 
- 主人公: - スカラビアの情報をもとにネットワークを点検し、監視カメラを確認した。 
- 主人公: - その映像のどこにも怪しい人物の姿は見当たらなかったが、すでにスパイの正体は 把握していたため、拠点中の監視カメラを確認し、その姿を探した。 
- 主人公: - しかし、システムがハッキングされたであろう時間帯に ワーグの姿は全く映っていなかった。 
- 主人公: - ネットワークの履歴を消したことが、逆にハッキングの発覚に繋がったように…… 
- 主人公: - 監視カメラにその姿が映らなかったことが、ワーグが犯人であるということを 物語っていた。 
- 主人公: - その後、スカラビア、スカディー、アルファはワーグが行った工作を 無害なものに修正していった。 
- 主人公: - そして、ワーグは…… 
- 主人公: - 赤い花を咲かせた。 
- 主人公: - ユミがわざと喋った通信網の穴となっている場所で、 ワーグはオルカの情報を外部に送信したのだ。 
- ALファントム: こちらファントム。ワーグによる情報送信を確認しました。 
- ALファントム: 新たに命令があるまで、引き続き潜伏を続けます。 
- 主人公: - あらかじめそこに潜伏させておいたファントムがその暗号文を収集した。 
- 主人公: - もちろん、デルタが俺達の餌に食いつくように…… 
- 主人公: - 流した偽の情報通りに行動したりもした。 
- 無敵の龍: 欺瞞作戦中の第32艦隊が全滅した。 - 被害は?
 
- 無敵の龍: 戦艦1隻。駆逐艦8隻。潜水艦1隻が沈没した。 - 念のため聞くが、死傷者は?
 
- 無敵の龍: もちろんゼロだ。まともな武装もない無人艦だからな。 
- 無敵の龍: それに水深が深いビスケー湾で沈没したから、外観だけのデコイだということにも 気付かれないだろう。 
- 無敵の龍: しかし、デルタの方もたまに攻撃してこない時がある…… スパイから情報を得ているという事実を隠そうとしているようだな。 - 一番重要な餌に食い付いてくれなかったら困るな。
 
- 無敵の龍: 心配するな。 
- 無敵の龍: “我が艦隊が疲弊し、弱体化している”という偽の情報通り、無人艦隊をデルタ艦隊に ぶつけている。向こうも偽の情報とは思っていないはずだ。 
- 無敵の龍: そして、こちらはこの期間を利用して、兵力の損失を気にしているフリをしながら 隊員達に休息を取らせている。 
- 無敵の龍: デルタとワーグは必ず餌に食い付くはずだ。 
- 主人公: - そして、「オルカの戦闘部隊が訓練のためにセヴェルヌィ島へ出発した」 との情報を受けて、デルタは主力部隊を出動させたはずだ。 
- 主人公: - デルタ艦隊の動きはすでに予想できている。 
- 主人公: - デルタからすれば、ノルウェー海は無敵の龍の艦隊が 待ち構えているため迂回するしかない。 しかし、南に大きく迂回して北極海を通るのは時間がかかりすぎる…… 
- 主人公: - 残った選択肢はグリーンランドのバフィン湾、ネアズ海峡を通るルートしかない。 
- 主人公: - ノルウェー海を正面突破するという選択肢も一応あるが、ガンマでもない限り そんなルートは選べない。つまり、デルタにとって最善のルートというわけだ。 
- 主人公: - そう、俺たちはワーグを使ってこのルートを選択するしかない状況にしたのだ。 
- 主人公: - そして、ネアズ海峡にはセヴェルヌィ島に出発したはずのオルカの主力部隊が 待ち構えている。 
- 主人公: - この戦いが俺達の分水嶺となる。 
- 主人公: - ここでデルタの主力部隊を絶対に潰す……! 
- 主人公: - 時と場所、状況まですべて俺達がセッティングした。 
- 主人公: - 負ける気など全くしなかった。 
- 主人公: - 俺はオルカを信じている。 
- ワーグ: 貴様の手のひらの上で転がされていたようだな。 - 正確には俺たちの手のひらの上かな。
 
- 主人公: - オルカのみんなの力がなければ、絶対に成功しなかったはずだ。 - 俺は君がオルカの様子を見て、本当の意味で仲間になってほしかった。
 
- ワーグ: 私はここの様子を見て、お前が最後の人間だという絶対的な権力に酔いしれ、 享楽に溺れた愚者だと判断した。仲間になるなどあり得ん。 
- 主人公: - ……まさかの返答……。真面目な姿を見せるべきだったか…… 
- 主人公: - いや、それは結果論か……。真面目な姿を見せていたら この作戦は失敗したかもしれない。油断させることには成功したということだ…… - 今からでも遅くない。投降しろ。
 
- ワーグ: 断る。 - どうして?
 
- ワーグ: …… 
- ワーグ: 貴様には私の願いを叶えることができないからだ。 - 願い……?
 
- ワーグ: …… 
- ワーグ: 喋りすぎたな。 
- 主人公: - ワーグの目は次第に殺気に染まっていき、俺を睨みつけていた。 
- ワーグ: 自分の願いは自分の力で叶える。 
- 主人公: - その言葉と同時にワーグは巨大な剣を抜いた。