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Transcription
- 主人公: - アルファたちに少しでいいから休んでくれとお願いされ、 簡単に休息と食事をとってから尋問室に向かった。 
- 主人公: - 尋問室の中にはすでにシラユリとリアン、エンジェルが待機していた。 
- 主人公: - そして…… 
- ワーグ: …… 
- 主人公: - ワーグがいた。 
- 主人公: - ワーグは尋問装置の中で拘束されていた。 - ワーグ。
 
- ワーグ: なんだ…… 
- 主人公: - さっきまで叫んでいたせいか、ワーグはかすれた声で答えた。 - デルタの居場所を教えてくれ。
 
- ワーグ: …… 
- 主人公: - ワーグは答えなかった。 
- シラユリ: 素直に答えた方が身のためですよ。でないと情報を絞り出す方法が こんなにもあるのかと身を以て知ることになります。 
- シラユリ: 私は別にどの方法から試しても構いませんが……いいんです? 心も体も無事では済みませんよ? 
- ワーグ: …… 
- 慈悲深きリアン: スヴァールバル諸島に向かっていたデルタの艦隊は全滅したよ。 
- 慈悲深きリアン: 君が送った偽の情報のせいだよ。デルタがそのことを知れば…… ただじゃおかないだろうね。 
- 慈悲深きリアン: でも、デルタを倒すのに協力してくれたら、それなりの待遇を約束するよ。 
- 慈悲深きリアン: そうだよね、ワト―司令官? - ああ、俺が保証する。
 
- ワーグ: …… 
- シラユリ: ……いくら普段のオルカが緩いからって、手荒な方法を使わないなんて思わない方が いいですよ。 
- シラユリ: 私はあのふわふわした空気を守るためなら、何の躊躇もなく手を汚せますので。 
- シラユリ: 本当は脳から無理矢理情報を引き抜いてもいいんですよ? 
- 主人公: - そう言うとシラユリは俺の方を見た。 
- 主人公: - ダメだった場合、本当に実行すると言っているのだろう。 
- 主人公: - 今は迷っている暇などなく、俺はすぐに頷いてエンジェルを見た。 
- 主人公: - 「ワーグの感情は脅迫と懐柔、どっちに強く反応した?」という考えに集中する。 こうすれば言葉を発さずとも、エンジェルには伝わる。 
- エンジェル: …… 
- 主人公: - 俺の感情を読み取ったエンジェルは、首を横に振った。 
- 主人公: - 脅迫も懐柔も通用しないという意味だ。 
- 主人公: - 脅迫も懐柔も通用しないのなら、残るは交渉だ。 
- 主人公: - 交渉するのなら、まずはお互いが望んでいることを 把握しなければならない。 
- 主人公: - 俺たちが欲しいのはデルタに関する情報だ。 
- 主人公: - そして、ワーグの望みは……女帝の復活。 
- 主人公: - 可能か不可能かで言えば可能なんだろう……デルタの言葉をワーグが 何の根拠もなく信じるはずがない。 またその可能性があるからこそ、PECSも会長を復活させようとしているはずだ。 
- 主人公: - 遺伝子工学やバイオテクノロジーに関しては、確実にPECSの方が進んでいる。 
- 主人公: - そして、軍事力もだ。今はデルタだけを相手にしているが、 これに他のレモネード達が加わってきたら、俺たちは確実に負ける。 
- 主人公: - 状況的にワーグが俺達に協力しなければならない理由はないように見える。 
- 主人公: - ……だが、一つだけ見落としがある。 
- 主人公: - 今、PECSが狙っているものは“俺”という存在だ。 
- レモネードガンマ: (は?龍にしか興味ないが?) 
- 主人公: - ……ガンマは違うか。 
- 主人公: - 少し前、デルタがスパイを送ったということにある疑問が浮かび、 シラユリに質問したことがある…… 
- 主人公: - なぜ暗殺者ではなく、スパイだと判断したのかと。 
- シラユリ: 簡単に言えば、私達にとって死んだ人間はあまり価値がないのです。 同じ重さのツナ缶の方がよっぼど価値があるでしょう。 
- シラユリ: ですが、生きている人間はこの世の何よりも価値があります。 
- シラユリ: 私達を縛り付けているのも人間ですが、解放してくれるのも人間ですので。 
- シラユリ: そして、レモネード達には司令官…つまり生きている人間が必要な理由があります。 それは…… 
- 主人公: - 交渉のカードはすでに俺の手の中にある。 
- 主人公: - 俺はワーグの正面に立った。 - ワーグ、交渉しよう。
 
- ワーグ: …… 
- 主人公: - ワーグは無言だったが、俺と目を合わせている。 俺を完全に無視しているわけではなさそうだ。 - 俺達が欲しいのはデルタの情報。君の望みは女帝の復活。
 
- 主人公: - まずお互いが望んでいることをハッキリとさせる。 - 俺達はデルタの情報がなければ、次の作戦を実行に移せない…
 
- 主人公: - 俺達の状況が切迫していることをワーグに認識させた。 
- 主人公: - 交渉で相手より優位に立とうとするのはお互いが譲歩でき、合意点を探す時に やることだ。 
- 主人公: - 今のようにお互いの望みが明確な時は、真剣な態度を見せた方がいい。 - そして、女帝の復活には俺の存在が必要不可欠だ。
 
- ワーグ: ……なぜだ? - 俺が生きている人間だから。
 
- 主人公: - シラユリが言っていた言葉。 - 人間を復活させるには、生きている人間の命令がなければならない。
 
- 主人公: - 人間の命令権。 
- 主人公: - バイオロイドの絶対的な制約。 
- 主人公: - バイオロイドは新しいバイオロイドを開発することができない。 
- 主人公: - その制約のおかげで、デルタでさえ新しいバイオロイドを作ることができず、 マリオネットという人間でもバイオロイドでもない存在を作り出すしかなかった。 
- 主人公: - これと同じくバイオロイドは、人間の命令がなければ 人間を復活させることはできない。 
- 主人公: - PECSはその制約を迂回する方法を見つけているかもしれないが…… 暗殺者ではなくスパイを送ったところを見るに、少なくともデルタは その方法を知らない可能性がある。 
- 主人公: - 俺であれば、より安全で確実に人間を復活させられるかもしれない。 さらにヒュプノス病への対処法も知っている。 - 君がこのままデルタに協力しても、俺がいなければ女帝の復活はできない。
 
- ワーグ: …… - 女帝の復活に協力する。だから俺たちを助けてほしい。頼む。
 
- 主人公: - これでダメならシラユリが言っていたように脳から無理矢理情報を 引き抜くしかない。 
- 主人公: - 時間もかかるし、そんな方法は使いたくない。 
- ワーグ: …… 
- 主人公: - ワーグはまた沈黙した。 
- 主人公: - しかし、さっきまでとは違って葛藤による沈黙のように感じた。 
- 主人公: - だから俺は待った。 
- ワーグ: 直接対面したことがないから、デルタの所在は分からない。 
- ワーグ: だが、所在を知っていそうな人物なら知っている。 
- シラユリ: 誰ですか? 
- ワーグ: デルタの副官。 
- ワーグ: テイラー…リストカット。 
- 慈悲深きリアン: リストカット?ムーンリバーインダストリーのテイラー・クロスカットじゃなくて? 
- ワーグ: テイラー・リストカットだ。 
- ワーグ: ……普通のテイラー・クロスカットとは違う。 
- シラユリ: ……ですが、デルタはオードリーたち姉妹を憎んでいませんでしたか? 
- ワーグ: それについてはよく分からない。 
- ワーグ: 私が知っているのはテイラー・リストカットがデルタの副官であり、 デルタの生体研究所を管理しているということだけだ。 
- シラユリ: その生体研究所の場所は? 
- ワーグ: ヨーロッパ全域に点在しているが……テイラーが主にいるのは フランスのリールにある研究所だ。 
- ワーグ: 私が知っている研究所の座標はすべて教える。 
- ワーグ: だが……リールの研究所には何があっても必ず向かってほしい。 
- シラユリ: それは、テイラー・リストカットがいる可能性が一番高いから? 
- ワーグ: そこに…… 
- ワーグ: 女帝の遺体がある。 
- 慈悲深きリアン: …… 
- ワーグ: 私が傷つけられるのはどれだけでも耐えられる。 
- ワーグ: だが……デルタが私への報復で、女帝の遺体に手をかけるかもしれない…… 
- ワーグ: ……そんなことをされたら……私は……私は…… 
- ワーグ: 厚かましいかもしれないが……頼む。女帝の遺体を回収してほしい……