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Transcription
- ロイヤル・アーセナル:
そう緊張するな、ブラッディパンサー。
- A-1ブラッディパンサー:
あ……緊張しているように見えますか？
- ロイヤル・アーセナル:
違ったか？指揮官級会議に参加するのは今回が初めてだろう？
- ロイヤル・アーセナル:
緊張しているのではないかと思ったが……？
- A-1ブラッディパンサー:
幸いと言っていいのか分かりませんが……
- A-1ブラッディパンサー:
指揮官級会議には昔から代行で何度も参加していましたので。
- ロイヤル・アーセナル:
不幸中の幸いといった感じだな。
- ロイヤル・アーセナル:
ところでアーマードメイデンの隊長は……
- A-1ブラッディパンサー:
ナースホルン隊長です。
- ロイヤル・アーセナル:
そうだった。ナースホルン隊長。
- ロイヤル・アーセナル:
まだ行方が分からないのか？
- A-1ブラッディパンサー:
はい。
- ロイヤル・アーセナル:
隊長の代行というのは相当なプレッシャーだろう。
- A-1ブラッディパンサー:
……
- ロイヤル・アーセナル:
ん？それほどでもなかったか？
- A-1ブラッディパンサー:
むしろ相当なプレッシャーを感じてみたいですよ。
- A-1ブラッディパンサー:
昔から自分の仕事は全て私に投げっぱなしで、さらにそれを指揮官になるための
教育だと言い訳するわ… - A-1ブラッディパンサー:
緊急事態や責任が伴う事態が発生すると、いつの間にか姿を消すわで……
- A-1ブラッディパンサー:
しかも言い訳する時だけは口が達者で、逃げ足も早くて……
まだ黙って突っ立ってくれてた方がマシでした。 - A-1ブラッディパンサー:
そういうわけでプレッシャーはほとんど感じません。
- A-1ブラッディパンサー:
今はむしろ隊長がいないおかげで、私が公的に代行を務めることができ、
よかったというのが正直なところです。 - ロイヤル・アーセナル:
はははっ！ナースホルン隊長から相当信頼されていたようだな！
- A-1ブラッディパンサー:
そんな信頼、迷惑なだけですよ…
- A-1ブラッディパンサー:
……あ、失礼しました。いくら不満だとはいえ、上官に対しての態度では
ありませんでしたね。 - ロイヤル・アーセナル:
気にするな。皆そうやって少しずつ親しくなっていくのだ。
- ロイヤル・アーセナル:
今後も指揮官級会議で頻繁に会うことになる、距離を縮めるいいきっかけとなった。
- ロイヤル・アーセナル:
そうだろう？ブラッディパンサー“准将”？
- A-1ブラッディパンサー:
まだ進級予定に過ぎません…
- ロイヤル・アーセナル:
特に何もない限り進級は確実だろう。
- ロイヤル・アーセナル:
私が少将になったようにな。
- 滅亡のメイ:
……
- 輪廻のウロボロス:
……
- 滅亡のメイ:
何？その顔は。
- 輪廻のウロボロス:
可哀そうに……こんなに痩せて。
- 輪廻のウロボロス:
ちゃんとご飯は食べておるか？
- 滅亡のメイ:
そういう話はうちの副官にして。
- 輪廻のウロボロス:
もうこの前した。
- 輪廻のウロボロス:
虚ろな目で「元々そうだ」と言っておった。
- 輪廻のウロボロス:
儂が食べ物を持ってくる間にいなくなってしまってのう……
- 滅亡のメイ:
ああ……だからこの前、副官同士で飲んでくるって当日に休暇申請してきたのね。
……納得したわ。 - 輪廻のウロボロス:
まさか軽ければ軽いほど飛行能力が向上するとでも思っておるのか？
- 輪廻のウロボロス:
それは間違いじゃからな？
- 輪廻のウロボロス:
儂らの飛行ユニットの出力は相当なものじゃ、それに比べたら
体重の増減など微々たるもの。 - 輪廻のウロボロス:
しっかりと食べて体力をつけた方が有利じゃ。
- 輪廻のウロボロス:
ほら！手を出しなさい。
- 輪廻のウロボロス:
こんなこともあろうかと弁当を用意してきた。
- 滅亡のメイ:
指揮官級会議に何持ってきてんのよ！
- 滅亡のメイ:
ニオイで充満するでしょ！
- 輪廻のウロボロス:
だまらっしゃい！会議中にお腹が空く方が問題じゃ！！
- 輪廻のウロボロス:
空腹ではいい考えが浮かばんだろう！
- 輪廻のウロボロス:
それに部下達を養うべき立場の指揮官が腹を空かせてはいかん！
- 輪廻のウロボロス:
若者はちゃんと食べなさい！
- 滅亡のメイ:
あんた復元されたばっかでしょうが！だったらあんたも若―
- 滅亡のメイ:
ちょっ！待って！多い多い！そんなに食べられないから！多すぎるってば！
- 不屈のマリー:
重要なのは技術だ。
- 無敵の龍:
技術の重要性については同意するが、それよりもやはり豆の方が大切だ。
- 不屈のマリー:
豆の味を引き出すのは、やはり腕ではないのか？
- 無敵の龍:
一定水準以上になれば、その違いは微妙な差でしかない。
むしろその差を広げてくれるのが豆だ。 - 不屈のマリー:
その微妙な差が良し悪しを決定するのではないか？
それに豆は多種多様にある。使い方も限定されていない。 結局は適切に豆の味を引き立てる腕の方が重要だという結論に至る。 - 無敵の龍:
ふむ、平行線だな。
- 不屈のマリー:
これは双方の意見を実際に証明した方が話が早いな。
- 無敵の龍:
ちょうどホライゾンがカフェをオープンした。そこで証明し合うとしよう。
- 不屈のマリー:
そうだな。
- 無敵の龍:
カフェに上等なコーヒー豆も入荷されたらしい、それを使おう。
- 不屈のマリー:
ほう、それは楽しみだ。
- 不屈のマリー:
ふふ、滅亡前はこうして無敵の龍とコーヒーについて論じることになろうとは
想像もしていなかった。 - 無敵の龍:
そうだな、常に緊張していては疲れる。
- 無敵の龍:
たまにはこういう事もなければな。
- 迅速のカーン:
すまなかった。
- 鉄血のレオナ:
いい。気にするな。
- 迅速のカーン:
隊員達にはシスターズオブヴァルハラの陣地には入らないように
厳しく言っておいた。 - 鉄血のレオナ:
過ちを犯した馬鹿はホードの隊員ではあるが、警備に失敗したのは我々だ。
- 迅速のカーン:
だが、あれは仕方がないと思う。
- 迅速のカーン:
未発見の古い坑道からヴァルハラの陣地に侵入し、サーバーに悪戯をするだなんて
流石に防げるわけがない。 - 鉄血のレオナ:
グレムリンがサーバーの異常にいち早く気付いてよかった。
- 鉄血のレオナ:
あの馬鹿たちは一体何をしようとしていたんだ？
古い坑道を使うという危険を冒してまでする価値があることだったのか？ - 迅速のカーン:
……馬鹿は…馬鹿な事をするから…馬鹿なんだ…
- 鉄血のレオナ:
…あのカーンにそう言わしめるとは……
- 鉄血のレオナ:
そういうことならこれ以上は聞かないことにする。
- 鉄血のレオナ:
正式に抗議もしないことにする……記録に残るからな。
- 鉄血のレオナ:
なかったことにしよう。
- 鉄血のレオナ:
だが、我々に借りを作ったということだけは忘れるな？
- レモネードアルファ:
まだ……こういう場所には慣れませんよね？
- ランバージェーン:
これからもそうありたいわ……
- ランバージェーン:
お偉いさんばっかの場所にただ木こりがいるのよ？普通じゃないでしょ？
- レモネードアルファ:
厳密にいえば工兵隊長ですけどね？
- ランバージェーン:
……代わりがいないから少しだけって言われたのに……
あの時断ってれば…… - レモネードアルファ:
それだけ能力と人望があるということですよ。
- レモネードアルファ:
自信を持ってください。
- 主人公:
- 会議室にはすでに指揮官クラスの隊員達が集まっていた。
- ごめん、ちょっと用があって遅くなった。
- 主人公:
- 俺が中に入ると隊員達は雑談をやめて俺に目を向けた。
- 滅亡のメイ:
ふん、私たちを待たせるなんて、いい度胸してるじゃない。
- 滅亡のメイ:
- メイは口元に笑顔を残しつつ言った。
発言の内容はツンツンしてるが挨拶のようなものだ。 - これくらい度胸がないと総司令官は務まらないだろ？
- 主人公:
- だから俺もメイと同じような顔で返事をした。
- 主人公:
- メイは満足そうに「フン」と一つ笑って、目で会議を始めるように促してきた。
- ヨーロッパ上陸作戦開始まで48時間だ。
- 主人公:
- まずは改めて全部隊の情報を共有することにする。
- 各部隊、準備状況の報告を。
- 無敵の龍:
海軍は準備完了。
- 無敵の龍:
揚陸艦だけでなく上陸支援、護衛艦…今すぐにでも動ける状態だ。
- 滅亡のメイ:
ドゥームブリンガーも準備は万端よ。
- 滅亡のメイ:
上陸時の脅威になる機雷、戦艦、対空兵器、ミサイル基地、自走砲や砲兵隊…
とにかく全て把握してるわ。作戦開始と同時に海軍と連携して一掃する予定よ。 - 滅亡のメイ:
上陸後は戦略A.I.センター、燃料保管庫、兵器庫、マリオネットやAGSの生産工場
みたいな主要目標を打撃するわ。 - 輪廻のウロボロス:
スカイナイツも準備できておる。
- 輪廻のウロボロス:
儂がいない間もヒヨコ達は任務を立派に果たしてきたのじゃろう？
何の心配もいらん。 - 輪廻のウロボロス:
スカイナイツがいる限り、空を敵の好きにはさせん。
安心して空を見上げるがよい。 - 迅速のカーン:
先鋒はアンガーオブホードに任せろ。
- 迅速のカーン:
地理は今までの補給基地攻撃任務で体に染みついている。
- 迅速のカーン:
味方を最短で導こう。
- 迅速のカーン:
うちの馬鹿どもなら心配いらない。ひとたび私と戦場に出れば群狼へと戻る。
- 鉄血のレオナ:
市街戦と戦線の掌握はシスターズオブヴァルハラに任せろ。
- 鉄血のレオナ:
勝利は保証できないが…
- 鉄血のレオナ:
ヴァルハラの戦線は絶対に負けることはない。
- 不屈のマリー:
AGSをはじめとする陸軍も上陸準備が完了しています。
- 不屈のマリー:
今日まで何度も行ってきた上陸訓練が遂に結実するわけです。
- A-1ブラッディパンサー:
デルタの主要基地及び機甲部隊との戦闘はアーマードメイデンが担当します。
- A-1ブラッディパンサー:
遭遇する敵全てを必ずや撃退します。
- ロイヤル・アーセナル:
キャノニアもいつでも出撃可能だ。
- ロイヤル・アーセナル:
戦場の女神の名に恥じん戦いと戦果を見せてやろう。
今のうちに褒美を考えておけ、司令官。 - レモネードアルファ:
宣伝戦の準備も完了しています。
- レモネードアルファ:
作戦の開始と同時にバイオロイド居住地域、バイオロイド部隊の周辺に
あらかじめ設置しておいた宣伝戦装備を作動させます。 - レモネードアルファ:
これによりバイオロイドで構成された敵部隊を無力化、
さらにデルタの支配地域にいるバイオロイドたちを オルカに転向させることができるでしょう。 - ランバージェーン:
……
- ランバージェーン:
上陸予定地への橋頭堡はすでに設置してるわ。
- ランバージェーン:
上陸部隊の数より予定地の方が多いから、敵の動きに合わせて
柔軟に上陸できるはずよ。 - 主人公:
- 報告する指揮官たちはどれも覚悟を決めた顔をしている。
- “アレ”の準備状況は？
- 無敵の龍:
アルバトロス中将が最終準備をしているところだ。
- 技術部からはもう完璧だって聞いてたけど？
- 無敵の龍:
査閲と演説の最中らしい。
- そ、そうか…大切だもんな、それも。
- 主人公:
- そして、上陸作戦も重要だが、その後にも重要な作戦が控えている。
- レモネードアルファ:
最重要課題はデルタの拘束です。
- レモネードアルファ:
デルタさえ拘束すればこの戦いは終わります。
ですが、そう簡単には姿を現さないでしょう。 - レモネードアルファ:
情報部隊はリストカットの情報から導き出した空白エリアに
デルタの弱点があるという結論に至りました。 - レモネードアルファ:
そこに攻撃を加えればデルタが姿を現す可能性が高いと思われます。
- レモネードアルファ:
幸いなことにデルタの性格上、余程のことがない限り
他のレモネードに助けを求めたりはしないはずです。 - レモネードアルファ:
ですが、長期戦になればなるほど、他のレモネードに気付かれる可能性が
高くなります。 - レモネードアルファ:
エイダーと協力してPECSの衛星をハッキングし、ヨーロッパの状況を
隠していますが、これにも限界があります。 - それまでにリストカットと接触できればいいんだけどな…
- 主人公:
- リストカットとはリールの研究所で会って以来、接触できていない。
- 主人公:
- ヨーロッパの状況が厳しく、今日まで彼女と接触できなかったのが
悔やまれるが… - 主人公:
- 接触するために無理をするわけにもいかなかったし、仕方ない。
- 主人公:
- 今持っている手札で何とかするしかない。
- 主人公:
- それに、俺たちなら目的を十分に達成できる。
- 主人公:
- 会議室に集まった面々を見ながら俺は頷いた。
- 主人公:
- デルタとの戦争が目前に迫っている……
- 主人公:
- さぁ、この悪縁を断ち切ろう。
- レモネードデルタ:
報告して。
- テイラー・リストカット:
戦略A.I.の分析によれば、人間の軍隊が30日以内に
大規模軍事行動を起こす確率は99.47%です。 - テイラー・リストカット:
10日以内に動く確率は91.86%。5日以内では82.37%、3日以内では77.02%、
24時間以内は46.05%となっており… - テイラー・リストカット:
その際、とってくるであろう作戦は大規模超水平線上陸作戦で、
作戦の阻止は不可能とのことです。 - レモネードデルタ:
上陸が予想される場所は？
- テイラー・リストカット:
大規模軍事運用が可能な海岸全てとしか言えません。人間の軍隊が事前に橋頭堡を
作ったようですので、そこに上陸する可能性が高いですが、橋頭堡が作られている 場所に限定しても全ての場所をカバーする余力はありません。 - レモネードデルタ:
それで？今人間軍はどこにいるの？
- テイラー・リストカット:
現在衛星がハッキングされ、正確な情報の入手が困難です。
偵察ドローンにも限界があり、確実な状況把握も不可能となっています。 - レモネードデルタ:
イプシロン…あの役立たず……！
- テイラー・リストカット:
戦略A.I.は我が軍が優勢に動くためには、人間の軍隊の位置を特定することが
大前提だと言っています。 - テイラー・リストカット:
そのためにもまずは上陸させて、情報収集が可能な戦場で消耗戦を展開するのが
最も勝率が高いとのことです。 - レモネードデルタ:
蟲の寄せ集めのくせに……手を焼かせるわね……
- レモネードデルタ:
あの装置の開発はどのくらい進んだの？
- テイラー・リストカット:
開発は完了しています。現在実戦配置中です。
- レモネードデルタ:
オメガには感謝しなくちゃね。あんな便利なものを作ってくれてたんだから。
- レモネードデルタ:
まぁ、作ったくせにまともに使えてないってところがオメガらしいけどね。
- レモネードデルタ:
この戦いで人間を生け捕りにするのよ。
- レモネードデルタ:
会長の復活させるためにも……絶対に！！
- テイラー・リストカット:
わかりました。
- レモネードデルタ:
わかったならさっさと行きなさい。
- レモネードデルタ:
……
- レモネードデルタ:
会長…
- レモネードデルタ:
このような寒くて狭い場所でお待たせして、申し訳ございません……
- レモネードデルタ:
もう少しだけお待ちください。
- レモネードデルタ:
もう少しで出して差し上げますから……
- レモネードデルタ:
それが出来るのはこの私だけ……
- レモネードデルタ:
私だけが会長を救うために生きてきました。
- レモネードデルタ:
私は何も望みません。
- レモネードデルタ:
会長にまたお会いできるのなら……他のものは何もいりません。
- レモネードデルタ:
会長…