シーンビューアの使い方
- 背景画像・セリフ下のNEXT・選択肢をクリックでセリフ送り
- 過去のセリフの選択肢・BACKをクリックでログジャンプ
Transcription
- 主人公:
- デルタとの戦争が終わり、数日後。
- 主人公:
- リストカットが目を覚ました。
- 主人公:
- デルタとの戦争で最大の功労者の一人と言える彼女は三姉妹に救助された後、
何日も死んだように眠っていた。 - 主人公:
- 目を覚ました彼女はすぐに俺に面談を求めてきた。
- テイラー・リストカット:
こんにちは。実際に会うのは初めてね、最後の人間様?
- 主人公:
- リストカットは歪んだ笑顔で言った。
- 主人公:
- 俺はオルカにいるテイラー・クロスカットと比べずにはいられなかった。
- 主人公:
- 明るく笑っていつも元気なクロスカット。
- 主人公:
- 暗く湿った笑みを浮かべるリストカット。
- 主人公:
- 生きてきた環境が違うとはいっても、ここまで大きな違いが出てくるとは。
- 主人公:
- いや、クロスカットとリストカットの違いを生んだのは環境ではなくデルタか。
- 体調の方は大丈夫かな?
- テイラー・リストカット:
体調が良かったら襲うの?あ、悪かったら…かしら?
- ……
- 主人公:
- リストカットも確かにテイラーであることは間違いないようだ……
こんな形でそれを実感するとは。 - テイラー・リストカット:
返事がないわね。沈黙は肯定ってよく言うし……
- 主人公:
- そう言うとリストカットは服を脱ぎはじめた。
- 待て待て待て待て!
- 主人公:
- ボタンをいくつか外したあたりで彼女は止まった……
- テイラー・リストカット:
はは、私みたいな年代物より出来立ての新しい子の方がいいわよね?
- 違う。そういうことじゃない。
- 主人公:
- 俺はしばらくなんと言うべきか悩んだ。
そして…… - はぁ……整理券があるから…割り込みはダメ。
- テイラー・リストカット:
……
- テイラー・リストカット:
あっ!あははははは!はははははははは……!
- 主人公:
- 俺の言葉を聞いたリストカットは床にしゃがみ込んで笑い出した。
- 主人公:
- さっきまで見せていた歪んだ笑い方ではなく、
心の底から面白くて笑っているようだった - 主人公:
- しばらくヒーヒー言いながら笑っていたリストカットは
フラつきながら立ち上がった。 - テイラー・リストカット:
はぁ、はぁ…はぁ……あー、お腹痛い……
- 主人公:
- リストカットは涙を拭いながら言った。
- テイラー・リストカット:
ごめんなさい。
- 何が?
- テイラー・リストカット:
私も今何をどうすればいいのか分からなくてね……
- テイラー・リストカット:
ほぼ一世紀……
- テイラー・リストカット:
姉妹を殺しながら生きてきて…やっと復讐が終わったばかりだから……
- テイラー・リストカット:
何だか……空っぽになっちゃって……
- これからどうする気なんだ?
- テイラー・リストカット:
さあ、どうしようかしらね。
- 主人公:
- リストカットはそう言うと、自分の首に手を当てた。
- 主人公:
- 俺がその仕草を見ていることに気が付くと、
リストカットは気まずそうに手を下げた。 - テイラー・リストカット:
心配しないで。死ぬつもりはないから。
- テイラー・リストカット:
幻なのか本当に幽霊がいるのか分からないけど……
死んだ姉妹達に「死ぬな」って言われたのよ。 - そうなんだろうね。
- テイラー・リストカット:
……こんな話、信じるの?
- 救うためにしてきたことなんだろ?
- テイラー・リストカット:
……
- 苦痛から解放するために。
- 主人公:
- だから彼女はマリオネットにされたオードリーを自らの手で殺していた。
- 一人でも多くを生かすために。
- 主人公:
- そして、リストカットを知らないテイラー・クロスカットもそう言っていた。
- それを解ってくれる姉妹なんだろ?
- テイラー・リストカット:
……
- テイラー・リストカット:
うん。
- 主人公:
- リストカットは静かにそう言って涙を拭った。