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Transcription
- 主人公:
- 何とか大統領府を脱出した俺たちは、スラム街の崩れた建物に身を隠した。
- シエテ:
…これからどうしましょう?
- レモネードアルファ:
…通信を試してみましたが、やはり通信妨害の影響で外部への通信は
すべて繋がりません。 - レモネードアルファ:
内部の通信は可能なことから、妨害装置は都市の外郭に設置されていると
予測されます。 - レモネードアルファ:
…つまり、カラカスを脱出しない限り外部との連絡は不可能ということです。
- ブラックリリス:
ちょっと見てきましたが、この都市を脱出するのも簡単ではなさそうです。
出入口がある壁には大口径の自動砲塔が2つも設置されていました。 - ブラックリリス:
私が万全の状態であれば問題なく突破できるのですが…
- ブラックリリス:
ウノとか言いましたっけ?あの女、なかなか油断ならないですね。
- 主人公:
- リリスはそう言って、バリア発生機能が停止した“ロサ・アスール”を
コンコンと叩いた。 - ブラックリリス:
髪の毛に一瞬触れただけなのに、ロサ・アスールの制御権を奪われました。
決して侮ってはいなかったのですが…… - レモネードオメガ:
…皆さん、絶望的な話ばかりをしているところを見るに、
白旗を振って降参でもするんです? - ブラックリリス:
ご主人様が判断を下すために正確な情報を提供しているだけです。
あなたと同じレベルで考えないでもらえます? - ブラックリリス:
もちろん、ご主人様は私たちの情報なんかなくても、常に完璧な判断をされますが。
- レモネードオメガ:
……
- レモネードオメガ:
忠誠心と言うか、妄信と言うか…
- アルファ、シエテをスキャンしてもらってもいい?
- シエテ:
…えェ!?
- シエテ:
ス、スキャンはやめてください!私が全部喋りますから!
し、身長は175㎝、体重は…… - 体重は……?
- シエテ:
…なな……ああ!!
- シエテ:
60!60㎏です!
- 俺は演算能力について知りたかっただけなんだけど…
- シエテ:
……
- シエテ:
ご主人様……いじわるです……
- えっと……元気出して?
- シエテ:
元気出ません……
- 主人公:
- シエテはベソをかきながらアルファにスキャンをしてもらいに行った。
- ブラックリリス:
…今のはちょっとかわいそうでしたね……
- レモネードオメガ:
…はぁ、コントはこの辺でいいでしょう。
- レモネードオメガ:
それで、どういうつもりなんです?
- 何が?
- レモネードオメガ:
今のスキャンのこと、私を助けたこと……
- レモネードオメガ:
理解できない行動ばかりですから。
- 主人公:
- オメガを助けたのは…まぁ、色々と計算したうえでの行動だ。
- 主人公:
- あのベータクローンたちはもう一線を越えた状態だった。
あのまま放置しておけば日頃ベータを苦しめていたオメガを 殺してもおかしくなかった。 - 主人公:
- もちろん、オメガが退場するのは俺たちにとってはありがたい。
だが、少なくともこのタイミングだと困るのだ。 - 主人公:
- 情報の出方次第では、オルカが休戦協定を結ぶフリをしてオメガを暗殺した…
と見られかねない。 - 主人公:
- それにオメガみたいな奴だとしても……あのまま放っておいて死なせるのは
少し違うと思った。 - レモネードオメガ:
…そんな理由で私を助けたんですか?
- そんな理由で助けました。
- レモネードオメガ:
…理解できない……私が死ねば、何もかもが楽に進むのに……
- 結局はこっちの方が正解なんだよ。
- 主人公:
- きっと、オメガの言う"楽に進む方"だけを選んできたとしたら、
ベータは俺のことを信じてはくれなかっただろう。 - 主人公:
- そうなったら、オメガとの戦いも長く険しいものになっていたかもしれない。
たらればの話だけど……俺はそう思っている。 - まぁ、道徳的な話はここまでにして…
- レモネードオメガ:
…これからのことについて話すべきです。
- レモネードオメガ:
それで?どうするんです?もしかして…彼女たちと戦うつもりです?
- そうだね。
- レモネードオメガ:
…狂ってる……こんな不利な状況で戦いを挑むなんて。
- いや、俺は正常だよ。
- 主人公:
- ベータはカラカスを監獄…"巨大なパノプティコン"だと言っていた。
- 主人公:
- 実際、この都市を囲んでいる高い壁は外からの攻撃を防ぐためではなく、
中からの逃亡を防ぐための構造だ。では、どうするのか…… - 俺たちでこの都市を掌握する。
- 主人公:
- 絶対に脱出できない監獄なのであれば、俺たちが監獄の王になればいい。
- レモネードオメガ:
……
- レモネードオメガ:
確かにそうですね。この構造と状況なら、それが最適解かもしれません。
- レモネードオメガ:
…はぁ……
- ……どうした?
- レモネードオメガ:
認めたくないけど…認めるしかないわね……
- 認める?
- レモネードオメガ:
…前にベータと話したことを思い出しただけです。
今話すことでもないわ。 - レモネードアルファ:
旦那様、シエテのスキャンが終わりました。
- レモネードアルファ:
シエテのスペックをもとに判断するに…ベータクローンの能力は
ベータと大差ありません。 - レモネードアルファ:
ですが、例の複製防止コードと迂回コードが継続的に衝突を起こすせいで
演算能力が落ち、本来の能力の50%も発揮できなくなります。 - レモネードアルファ:
そのせいで大幅にダウングレードされたように感じるわけです。
- 何人同時に相手できる?
- レモネードアルファ:
5人くらいは問題なく相手にすることができます。
7人全員だとしても少し無理すれば勝てるでしょう。 - レモネードオメガ:
ですが、変数がありますよね?
- レモネードオメガ:
ベータのケストスヒマスを持っているクローンがいます。
- レモネードアルファ:
…オメガの言う通り、ベータのケストスヒマスを持っているクローン…
ウノがどう作用してくるかわかりません。 - レモネードアルファ:
ケストスヒマスの補助を受ければ、オリジナルのベータとほぼ同じ能力だと
思っていいでしょう。 - レモネードアルファ:
演算能力は私より少し低い程度と予想されますので……
- レモネードアルファ:
一対一なら確実に私が勝ちますが、クローンに介入されたら
断言できなくなります。 - レモネードオメガ:
それに…。ハッキングをしている時のことも考えなければなりませんね。
- レモネードオメガ:
ウノたちのセキュリティをハッキングしている間に、他のベータクローンに
デスストーカーを動かされたら、それどころではなくなります。 - レモネードアルファ:
…はい、最低でもレモネードレベルのバイオロイドが2機いないと
安心してハッキングすることができません…… - じゃあ問題ないな。
- レモネードアルファ:
え?
- ここにいるだろ?他にレモネードが。
- 主人公:
- しかも2人。
- 主人公:
- 俺の言葉を聞いたオメガとシエテは目をパチクリとさせた。
- レモネードオメガ:
…本気なの……?
- どうせ休戦協定を結ぼうとしてたんだし、いいじゃん?
- 主人公:
- もちろん、他の方法があったら俺もこんな選択はしないけど……
今はこの方法しかないんだから、仕方ない。 - 今だけは協力しよう。どうかな?
- 主人公:
- こうなったら、オメガでもなんでもガンガン利用するべきだ。
- レモネードオメガ:
……
- レモネードオメガ:
あなた、変だって言われない?
- よく言われる。
- レモネードオメガ:
…はぁ……
- レモネードオメガ:
わかりました。とりあえずここを脱出しないといけないので……
あなたに協力するとしましょう。 - レモネードオメガ:
ですが、勘違いしないでください。あなたを主人として認めたわけではないので。
- それでいいよ。シエテ、お前は?
- シエテ:
あ、あの…私は……
- シエテ:
えっと私はレモネードじゃないですよ?さっきアルファさんがおっしゃったように
私の能力は本来の50%も発揮できません。 - 心配しないで、無理をさせる気はないから。
- 主人公:
- シエテはまだ迂回コードの問題が解決していない。
ここで無理に能力を使わせても、シエテの寿命が縮むだけだ。 - シエテには違うことを頼みたいんだ。
- シエテ:
…そう……なんですか……?
- オリジナルのベータになってほしい。
- 主人公:
- わざと明るく話してはいたが、現在の俺たちの状況は最悪に近い。
- 主人公:
- それでも、サディアスから無事だという連絡があり、
さらにはシティーガードの一部の指揮権を確保したらしいから 完全な最悪ではないが…… - 主人公:
- …サディアスを潜入させておいて本当に良かった。
- 主人公:
- とにかく、兵力はある程度確保できたが…そこまで多くはない。
だから、サディアスの配下にいるシティーガードの士気を高め、 カラカスの住民に協力を仰ぐ人物が必要だ。 - シエテにはその役割をしてほしい。
- 主人公:
- シエテは俺の提案に、ごくりと唾を飲んだ。
- シエテ:
……
- もちろん強要はしない。
- シエテ:
正直に言うと……
- シエテ:
自信がありません。私は書類仕事が苦手で、料理も家事も下手で、
担当エリアの管理もできなくて、毎日ドスとトレスに怒られてたんです。 - シエテ:
でも……
- シエテ:
でも、やってみます。
- シエテ:
ベータが…そして何より……ご主人様が信じてくれたから。
- シエテ:
だから、ご主人様のために……
- シエテ:
レモネードベータになります……!
- ありがとう。
- 主人公:
- レモネード3人、ブラックリリス1人……そしてシティーガード。
- 主人公:
- 都市を占領するにはあまりにも十分だ。
- 主人公:
- 俺は懐からパネルを取り出し、サディアスが送ってくれた周辺地域の
構造データをダウンロードした。 - 主人公:
- さぁ、反撃の時間だ。
- - :
<涙の都市> 第3部に続く。