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Transcription
- イングリッシュ・
シェパード:
すべてはベネズエラ…カラカスのスラム街で一人の男が生まれたことから始まる。
- イングリッシュ・
シェパード:
その男の名前はシモン・ブランコ。ユミもよく知ってる名前だと思う。
- ユミ:
…PECSの七つの会社の一つ、カラカス産業の会長ですね。
- イングリッシュ・
シェパード:
シモン・ブランコは有能な人間だった。
義務教育すらまともに受けられないスラム出身だったにもかかわらず、 カラカス警察の特別攻撃隊の隊長になったんだから。 - ユミ:
昔の偉人伝に出てきそうな経歴ですね。
- イングリッシュ・
シェパード:
そうだね。そのあまりの凄さにテレビ番組のゲストに呼ばれるほどだった。
- イングリッシュ・
シェパード:
…でも、彼の人生はまさにそこから堕ちていった……
- ジェイミー:
こんにちは、視聴者の皆さん!
“モーニングカラカス”のメイン司会を務めますジェイミー・ホセです。 - ジェイミー:
今日は特別なゲストをお呼びしました。
カラカス市民から絶大な人気を集めるあの人です! これだけでもう皆さんお分かりですね? - ジェイミー:
この方が特別攻撃隊隊長に就任されてから、カラカスの犯罪発生率が大幅に減少!
犯罪によって命を落とす人の数も去年に比べて27%近く減りました。 - ジェイミー:
すでにもうメネンデス大統領よりも人気があるんじゃないですか?
- ジェイミー:
では皆さん、大きな拍手を!
ドバイ戦争の英雄!犯罪者たちの悪夢!スラム街の希望! - ジェイミー:
カラカス警察特別攻撃隊隊長!シモン・ブランコさんです!
- シモン・ブランコ:
ははは、紹介の段階でほとんど私のことを喋られてしまったので、
私が喋ることがあまりなさそうですね。褒め過ぎですよ。 - ジェイミー:
いやいや、ご謙遜を。実際に素晴らしい実績じゃないですか。
- ジェイミー:
ですが…
- ジェイミー:
“あまり”喋ることがないということは、何か抜けていた情報がありましたか?
- シモン・ブランコ:
“家族を愛する一人の父親”を付け加えてください。
- ジェイミー:
あ~!それは申し訳ない!幸せな家庭を持つお父さんでいらっしゃいました。
重要なことを言い忘れてましたね。 - ジェイミー:
…あぁ、家庭といえば娘さんが先日フェンシング大会で優勝されたそうですね?
本当におめでとうございます。 - シモン・ブランコ:
……
- ジェイミー:
シモンさん?
- シモン・ブランコ:
ああ、すみません。ちょっと別のことを考えてました。
はい、うちのホセフィーナが今回全国大会で金メダルを獲りました。 本当に自慢の娘です。 - シモン・ブランコ:
母親もいないのに立派に育ってくれました。
仕事ばかりしてるせいで、娘が大会に出ることも直前まで知らなかったんですよ。 - ジェイミー:
素晴らしい娘さんです。これならいつかオリンピックでのメダルも
期待できるんじゃないですか? - シモン・ブランコ:
そうなればとても誇らしいですが、一人の父としては心配です。
ご存知のように最近の試合は過激になる一方ですから…… - ジェイミー:
確かに、身体強化を施された人間が競技に参加できるようになってから、
ほとんどのスポーツが過激になりましたからね。 - ジェイミー:
世間では強化人間が参加することは公平性に欠けるということで
反対の声も上がっていますが、シモンさんはこの点についてはどう思いますか? - シモン・ブランコ:
公平性の問題はもちろんあるでしょう。
普通の人間がいくら努力しても強化人間には追いつけないのが現実ですから。 - シモン・ブランコ:
せめて普通の人間と強化人間は別の部門にして分けて競技すべきです。
しかし……公平性の欠如とは、どこにでもある問題です。 - シモン・ブランコ:
公平性と公正さはカラカスで最も見つからないものの一つです。
もう一つは…さっきあなたがおっしゃった幸せな家庭。 - ジェイミー:
な、なるほど……ええと……
- ジェイミー:
…そうですね!それではせっかく家庭の話が出たので、
シモンさんのご家族のことをお聞きしましょう! - ジェイミー:
シモンさんが最も尊敬している方はお母様だと伺っております…
- シモン・ブランコ:
はい。そうですね。
- シモン・ブランコ:
私の母は…スラムでも一番賢い女性でした。近所で中学校を卒業した人は
母しかおらず、何より唯一文字を読むことができる人でした。 - シモン・ブランコ:
母は一冊しか本を持っていませんでした。
中学を卒業した記念にもらったシモン・ボリバルの伝記です。 母はその本を使って私に文字を教えてくれました。 - シモン・ブランコ:
毎晩、母は「シモン、お前の名前はこの偉大な解放者シモン・ボリバルから
とったのよ。お前はいつかこの人のような偉大な人間になる日がきっと来る」と よく言っていました。 - ジェイミー:
おお!つまりその言葉は本当のことになったんですね!
あなたは今やこの国で最も人気のある人物ですから! - シモン・ブランコ:
本当にそう思ってますか?
- ジェイミー:
え?
- シモン・ブランコ:
この国で一番好かれているのは私じゃないんですよ。
- シモン・ブランコ:
先ほど大統領よりも人気があるとあなたはおっしゃった。
まぁ、確かにそうかもしれません。 - シモン・ブランコ:
ですが、この国で一番好かれているのは大統領でも、歌手でも、スポーツ選手
でもない。 - ジェイミー:
…そ、そうなんですね。では、誰が一番なんですか?
- シモン・ブランコ:
それはもちろん……
- シモン・ブランコ:
“サンタ・マルタ・カルテル”とそいつらが売ってるクソったれな麻薬だ。
- ジェイミー:
…え?…いや、ちょっとシモンさん……
- シモン・ブランコ:
何をとぼけてるジェイミー。コカの葉はベネズエラで石油の次に輸出されている。
路上で暮らす子供たちも知っている事実だ。 - シモン・ブランコ:
そして、ジェイミー……お前のお友達はコカの木を栽培してるそうじゃないか。
- ジェイミー:
…クソッ!ふざけ―
- エルネスト:
頭をスイカみたいにされたくなかったら銃を下ろせ。
- シモン・ブランコ:
少し遅いぞ、エルネスト。
- エルネスト:
すみません、隊長。警備の武装がやたらと凄くて……AGSまでいたんですよ。
- エルネスト:
全て処理してきたので大目に見てください。
- ジェイミー:
あんた…後悔するぞ……生放送中にこんなことして……
- シモン・ブランコ:
安心しろ、生放送なんて最初からされていない。
俺たちが回線を遮断したからな。 - ジェイミー:
クソッタレ……
- シモン・ブランコ:
知ってるか?ジェイミー。最近ベネズエラで作られるクスリの品質が良すぎて、
メキシコのカルテルが商売にならないそうだ。 - シモン・ブランコ:
サンタ・マルタ・カルテルに大きく貢献してる偉大な人間じゃないか。
おめでとう。 - ジェイミー:
お、俺はただの仲介だ!
- シモン・ブランコ:
いいや、お前はただの仲介のレベルを超えた。
未成年にもクスリを売っただろ?ジェイミー…… - シモン・ブランコ:
子供は国の未来って言葉がある。つまりお前は国の未来を殺してるわけだ。
国家反逆罪でその場で射殺しても問題ないだろうな。 - ジェイミー:
俺は……俺はただ命令されて……
- ジェイミー:
命令を聞かなかったら、あんたもどうなるかよく知ってるだろ!?
- シモン・ブランコ:
じゃあお前と繋がりのある他の仲介と買い手、サンタ・マルタ・カルテルの幹部の
名前を吐け。そしたら生かしてやる。海外に逃亡したいなら手助けもしてやろう。 - ジェイミー:
……
- ジェイミー:
くたばれ、クソッタレが……
- シモン・ブランコ:
そうか、お前もバカな道を選ぶわけだ。
- シモン・ブランコ:
エルネスト、扉を閉めてスタジオを封鎖しろ、あとシガーカッターを持ってこい。
- シモン・ブランコ:
まずは小指からだ。
- シモン・ブランコ:
…それが、このリストです。
- 警察署長:
…私は読まんぞ。
- シモン・ブランコ:
読まないと逮捕できないんですが。
- 警察署長:
読んでも逮捕できんだろ、馬鹿もんが!
- 警察署長:
もうこの辺で止めておけ、シモン。
- 警察署長:
いいか?適当に幹部を捕まえてこの事件は終わりにしろ。
それで勲章を貰って、このまま麻薬と戦った英雄として退職まで静かにしとけ。 - 警察署長:
その人気を使って議員になってもいいし、適当に裏金を貰いながら
ちょっと贅沢な生活をすればいい。現実を見て少しは妥協しろ。 - シモン・ブランコ:
署長はそうやって生きてきたんですか?
- 警察署長:
そうじゃないから私はこの歳でまだ署長なんだよ。
- シモン・ブランコ:
…じゃあどうして俺には妥協しろとおっしゃるので?
- 警察署長:
お前と私は違う!私には家族がいない!
- 警察署長:
私が上手くいかなくても失うのは私の命一つだ。
だが、お前には家族がいるだろう! - 警察署長:
この事件は上層部…いや、それよりもっと大きな組織が絡んでいる。
どこかの巨大企業まで関わっているという話もあるんだ。 私もこれ以上いくとお前を庇ってやれん。 - シモン・ブランコ:
…署長、俺の女房が最後に遺した言葉が何だったか知ってますか?
- 警察署長:
おい、ここで奥さんの話をするのか?勘弁してくれ……
- 警察署長:
……
- 警察署長:
……何て言ったんだ。
- シモン・ブランコ:
「ホセフィーナが誇りに思えるような、立派な父親でいてね」
- シモン・ブランコ:
女房はそう言って息を引き取りました。麻薬でキマったクズな強盗に刺されて。
- 警察署長:
……
- シモン・ブランコ:
こんなことが今この瞬間にも外で起こっています。毎年数千人が死んでいる。
- シモン・ブランコ:
それなのに政府は犯罪発生率が減ったってニュースを流すだけで、
何も対策を打たない。 - シモン・ブランコ:
だったらなぜ犯罪発生率が減ったのか?
それはただスラム街で起こった犯罪を統計から除外したからだ! - シモン・ブランコ:
政府がカルテルに立ち向かわないのなら、誰かがやらなきゃいけない!
この国が巨大なコカの木農場になるのを誰かが防がなきゃならんのです! - シモン・ブランコ:
そして今、俺たちの目の前にそれが出来るチャンスが来ている。
- シモン・ブランコ:
このリストはサンタ・マルタ・カルテルのボスにたどり着ける切り札です。
国をゆっくりと殺している奴らを根絶できる! - シモン・ブランコ:
このチャンスを逃せば奴らはまた闇の中に隠れてしまう。
そんなんじゃ…俺は娘に誇ってもらえるような父親ではいられなくなる… - シモン・ブランコ:
俺を助けてください。
- 警察署長:
…はぁ。
- 警察署長:
お前、本当に大変なことになるぞ?いくらお前とエルネストがオリジンダストの
強化施術を受けたと言っても、寝ている時に襲われたら意味ないだろ? - シモン・ブランコ:
…確かにその通りです。二人ではいつか限界が来て殺されるでしょう。
- シモン・ブランコ:
だから、そのためにこの特殊捜査チームの創設を許可してください。
- 警察署長:
……まさかこのために今まで裏で準備してきたのか?
いやらしいというか何と言うか… - 警察署長:
…うん、いいよ。もうお前の勝ちだ。特殊捜査チームの創設を許可する。
- 警察署長:
だが、覚えておけ…シモン。
- 警察署長:
行動には必ず結果が伴う。
- イングリッシュ・
シェパード:
おっ、ダウンロードが終わるな。
- ユミ:
…話はどうしましょうか?
- イングリッシュ・
シェパード:
あー…そうだな。とりあえずキリもいいし、第一部は終わりってことで。
- イングリッシュ・
シェパード:
さっさとここを出よう。まだまだ先は長い。
- ユミ:
次はどこに行くんですか?
- イングリッシュ・
シェパード:
ピッツバーグ。アメリカ最高の野球チーム“ピッツバーグ・アイアンメイデン”
がいたところさ。 - ユミ:
……………うーん……
- イングリッシュ・
シェパード:
どうした?何か問題でもあったか?
- ユミ:
いえ、そうじゃなくて……一つ間違いがあったので。
- イングリッシュ・
シェパード:
……
- イングリッシュ・
シェパード:
間違い?今の会話で間違う要素ある?
- ユミ:
はい。というか全部間違ってますね。
- イングリッシュ・
シェパード:
…………あー……そうか。
次に吐く言葉は慎重に選んだ方がいいとだけは言っておく。 - ユミ:
…そんな風に脅しても言うべきことは言わなければなりません。
- ユミ:
アメリカ最高の野球チームはフィラデルフィア・エルブンズです。
- イングリッシュ・
シェパード:
はァ!?本気か?リーグ最高の外野手ブラッディパンサーがいるチームを
差し置いてエルブンズ~?? - ユミ:
ダークエルブンのまるで鷲の急降下のように鋭く差し込まれるスライダーや
バッターを完璧に欺く芸術的なチェンジアップを見たことがないんですか? - ユミ:
アメリカ最高はエルブンズです。
- イングリッシュ・
シェパード:
……あーもう、エルブンズファンだって知ってたらバンクーバーで
鉄虫たちのド真ん中に置いてきたのに…… - イングリッシュ・
シェパード:
はあ……今さら後悔してもしょうがないか。
- イングリッシュ・
シェパード:
行こう。とりあえずエルブン野郎を鉄虫のド真ん中に捨てるにゃあ
ここを出ないといけないからな。